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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1244
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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941.  旅立ちの島唄 ~十五の春~ 《ネタバレ》 
冒頭の空撮を見ると同心円状の樹林帯が目につくが、これは島の地形に対応してこのように形成されたものだろう。人の居住の歴史は浅い島のようで(「島4800万年/人100年」)、八丈島からの移住が最初というのは初めて知った。撮影は4月とのことだが、劇中では夏休み(那覇での公演)、豊年祭(9/22~23)、正月行事、サトウキビの収穫(と黒糖の初物?)といったポイントを押さえて季節の変化を表現していたようである。 登場人物には現地協力者も多いらしく、東京から役者が押しかけて来たような浮ついた感じはないが、主人公だけはひときわ美形で長身のためものすごく見栄えがする。劇中では卒業コンサートの場面のほかに、父親が主人公の昔の写真?と現在の凛々しい姿を見比べて、感無量のままで去っていく姿が印象的だった。  ところで進学を機に若年者が転出していくのは地方共通の問題だが、高校を持たない離島にとってはさらに切実なことだろう。主人公が最後までよりよい道を探りながらも結局実を結ばず、一人残される父親を思う気持ちは切ないものがある(高校の面接官が無神経で苦笑する…受験生を泣かすな!)。 しかし父親にしてみれば、いかに寂しげに見られようとも娘にはまず自分のことを考えろと言うはずだ。距離が遠くなるほど気持ちも離れ、いずれは主人公も島外に居場所を定める日が来るのかも知れないが、それでも父親としては子どもらの心が帰属する場所を維持しておく責任がある。それが去りゆく世代の最後の務めであって、自分はそれでいいのだと考えているに違いない。 ただ兄や姉は別としても、主人公に関してだけは、いつまでも心の一端を島につなぎ止めておこうとする誠実さを持ち続けるのではとも思う。文通だけで終わった(終わりにした)彼氏は忘れてしまってそれまでだが、親子の関係だけは一生切れないのだろう。  なお余談だが、民謡グループの次のリーダーは泣き虫らしいので笑ってしまう。船が島を離れる場面では、みなが笑って手を振っているのにこの人だけは始終涙を拭いていた。来年は自分なのだから頑張れよという話だろうが、逆にいえば主人公はまだしも最初からしっかりしていたということである。たった15歳で生地を離れるのは過酷なようでもあるが、しかし巣立ちの時期としてそれが正しくないともいえず、本島・本土の方が甘やかされているだけなのかも知れない。
[DVD(邦画)] 8点(2015-07-20 12:30:11)(良:1票)
942.  アイランドタイムズ<OV> 《ネタバレ》 
いまや一児の母となった仲里依紗嬢が、可憐で愛らしい少女役をやっている。この少女が最初は内気に見せておきながら、ブチ切れてからは本領発揮してバカ少年を圧倒していくのは小気味いい。台詞の中では「もっと言っちゃえば」という強引なつなぎ方がすごくよかったが、それでもバカ少年が煮え切らないのをちゃんと待っていてくれたのがまた嬉しい。あまり好意的にして母親の代替にされるのはまずいだろうが、そこは賢く立ち回るものと思われる。 一方の少年は、誠実なことは間違いないようだがバカなのも間違いなく、賢ぶって受け売りの台詞を言ったところが鼻で笑われたなどというのは非常に恥ずかしい。「愛とは与え合うもの」という言葉を聞いたことがあるか不明だが、現に自分が相手に与えていることに気づいてないようなのは自分の外に意識が広がってない証拠である。あまりにバカなため最後は完全に少女にリードされてしまっていたが、それだけに男子にとっては著しく都合のいいラブストーリーになっており、そういったところを期待して見ることが望まれる。  ところで、かつて少年の父は島を出て行ったきり帰って来なかったとの話だが、そもそも少ない島内人口の結構な割合が一時的に住んでいるだけの人らしく(教員など)、人はいずれ去るものという諦観のようなものを彼も感じていたらしい。その自分も島を離れる選択肢しかないと思っていたが、思わぬ事件で一時攪乱された後に、改めて当面の正しい道を選択し直したようである(半強制だが)。 出ていくだけでは人が減る一方になるが、出る者に必ず帰れと言える保障があるわけでもなく、その後どうなるかは人によるというしかない。自分の根っこを島に残しながらもとにかく広い世界に出てみようというのは、現に島に住む大人の多くもかつて辿った道かと思われるが(例えば役場職員、あるいは親友も)、記者志望の少年に関しては、これからずっと島から皆が(母親を含め)声援を送り続けるのだろうと想像する。  なお余談だが、自分としてはずっと前から青ヶ島村が日本最小の村だということを知っていて、行きたいが行けない憧れの地のように思っていたため、この映画で島の各地の景観や各種施設・設備が映り、時刻も天気もいろいろな島の姿が見られるのは非常に嬉しい。現地を知っていればありえないと思う場所設定もなくはないかも知れないが、そこはあまり突っ込まない。
[DVD(邦画)] 8点(2015-07-20 12:29:45)
943.  遠い日のゆくえ<TVM> 《ネタバレ》 
2011年3月13日にWOWOWで放送したとのことだが、よくそんな時期に普通にドラマの放送ができたものだと思う(翌日から東電管内で計画停電が始まる)。 特殊清掃の現場が出るのは、ホラー映画では最近ときどき見る(笑)ので個人的感覚としては珍しくないが、「おくりびと」(2008)と同様に、人間の死に近づくことで逆に生を意識するためには好都合な設定である。全ての人間に人生がある(あった)ことの重みを知るのは若年者にとって大事なことだろうし、また単に一人の人生を生きるだけでなく、生命を次代につなぐ話になっていたのは喜ばしいことで、終盤で三世代が出会って交歓する場面は泣けるものがある。そのほか、金沢にいた気のいい女子大生はどういう位置づけかわからなかったが、主人公にとっては頼れる姉ちゃんのような存在だったらしく、この金沢パートも非常に心和むものがあった。  ただし、その生命を次代につなぐ部分が非常に都合のいい話になっていたのは必ずしも納得できない。低年齢での出産は基本的に各種リスクが高いものと思うが、このドラマでは生まれた娘がその後に何の支障もなく幸せな結婚をし、かつ所得面でも非常に恵まれた状況にあるように見える(はっきり言って裕福)。その上で、第二の低年齢出産を認めざるを得ない筋立てを作ってしまい、あらかじめ異論を封じているようなのは卑怯ともいえる。これは特定宗派のPRドラマだろうか。 また、途中で出た悪人顔の依頼者の言葉は間違いなく真実の一面を衝いており、これに続いて社長がこの仕事の意味を語った言葉も的確である(ぼかしたところを含めて)。これを聞くと決して綺麗事だけの話ではないように見えたのだが、しかし終盤でこの社長までがドラマの方針に合わせたように変節するのがまた困ってしまう。何だか主人公の成長話にするため無理にひん曲げてしまった印象があったが、若年者向けのお話とすればまあこれでいいのかも知れない。それにしても母親を死なせてしまった心の傷をどう解消したのかは不明だが。  なおラストでは主人公が説明台詞で長々と独白していたが、ここは視聴者に対する丁寧な説明の意味だけでなく、実はこの主人公も日記をつけ始めたのだと解したい。
[DVD(邦画)] 6点(2015-07-20 12:21:52)
944.  くじけないで 《ネタバレ》 
失礼ながら詩集は読んでいない。映画の趣旨としては、個別の詩を登場人物のエピソードと関連付けながら紹介するとともに、詩の背景にあった詩人の生涯を知ってもらうことだろうと思うが、これがうまくいっているかは何ともいえない。 まず医師と不登校児の父親のエピソードは、そこで紹介される詩の内容と微妙にずれている気がする。また詩人の子息に相当する人物があまりにも出来の悪い息子で今後の更生が期待できるとも思われず、そのため標題の言葉も本当に「できない子への慰め」にしかなっていない気がするが、制作側の意図もその通りということでいいのだろうか。 一方で詩人の生涯に関しては、知らない者としては何も言いようがないわけだが、個人的にはこの映画で「おしん」は見なくていい(正規版を見たため)。奉公前夜の母子の会話などは言わずもがなのことであり、台詞も臭くて聞いていられない。 そのほか全体としても2時間がとにかく長く感じられ、申し訳ないが非常に退屈な映画だった。この監督は製作上の要請に的確に応える賢明な人物というイメージがあり、恐らくこの映画もそのような意味でよくできているのだろうと想像はするが、残念ながら今回も自分は観客としての想定外だったようである。 ただし主演女優は美形で気品がある上に、演じている年齢の幅が広いので素人目にもさすがと見える。この女優に敬意を表して、まことに些少ながら1点を加算しておく。
[DVD(邦画)] 4点(2015-07-18 12:34:42)
945.  GIRL ガール(2012) 《ネタバレ》 
映画の趣旨としては、要は女性としての特性を維持したまま堂々と生きていけばいい、ということかと思われる。 その具体的な中身が何かということについては、まず序盤で母から娘に受け継がれた認識自体を否定するつもりはなく、それが人生を活性化するのであれば自分の裁量の範囲でいくらでもやればいいだろうと思う。ただその際は、自己表現と同時に外部からの視点で自己検証しようとする気持ちだけは持ってもらいたいと切に願うばかりである。 また感性を売りにするのはわかるとしても、感性的に相手を取り込もうとする態度までが常に通用するとは限らない。広告代理店社員とデパート社員のエピソードでは、最後のトラブルの際に理性的な説得を試みたのがかろうじて成功し、その結果として感性面でも共感できた、というのが原作由来のオチだろうが、それがわかるようにできていたかどうか。 そもそもこの映画では女性向けに閉じられた世界を作っているようなので部外者が突っ込むのも野暮だろうが、実際のところ働く女性を現実的に励ますというよりも、観客をいい気分にさせる方が優先のように見えており、特に劇中の男連中がみなストーリーにとって都合のいい人ばかりなのはかなりファンタジックに感じられる。素直にいい話と思うのは一児の母くらいのもので、新任課長についても言いたいことは少し(かなり)ある。また原作との違いを並べ立てるのも野暮だろうが、新人社員の指導係に関してだけは、いい人そうに見えた山本さんがその後どうなったのか聞きたいところである。原作短編集ではこの話が一番笑って泣けるのだが。  そういうことで自分としては全面的に肯定するような内容では全くないが、しかし見た後の印象はそれほど悪くない。娯楽映画として単純に可笑しい場面も結構あり、また主要人物の4人以外にもいろんな女優が登場して映像的にも華やかさがある。さらにラストのナレーションで「おとぎ話は嘘じゃなくて心のギフト」とまで念を押されてしまうと、まああえて騙されるのも仕方ないかと苦笑する気分になるので、これはこれでうまく作ってあるのかも知れない。
[DVD(邦画)] 4点(2015-07-18 12:34:36)
946.  ギャルバサラ -戦国時代は圏外です- 《ネタバレ》 
一応説明しておくと、名古屋テレビの開局50周年記念映画とのことでSKE48のメンバーが合計14人も出演しており、またAKB48関係者も2人が出ている。監督は「マジすか学園」の人だそうだが、当然ながら自分はそういう番組を見たことはない。  内容に関しては、要は女子高生が携帯持って戦国時代へ行く話で(男子もいる)、圏外といいながらも結構多用している。歴史上の著名人と女子高生とのやり取りは少し笑えるが、このままもう少し見ていたいと思っているところで着信音が流れを中断するのはケータイ時代のリアリティということか。ほか「三方ヶ原」という地名に対するバカ男子の反応には失笑した。 また一応まともな映画らしくドラマ性も重視されているが、しかし重要な台詞が変に小難しいのは困ったことである。例えば「未来」というのはもともと現在を基準として未だ到来しない時点の集合だろうが、その基準点をずらして相対的な概念として捉えるまではいいとして、個人が実現すべき将来像という意味も持たせてわざとわかりにくくしているようなのが面倒くさい。また「天下を取る」の意味が「日本一」というならまだ自然としても、これが拡張可能なのは「立身出世」という程度までが限界で、それ以上に一般化しようとしても意味不明でしかなく、これで最後に関係者が納得していたことの方が変である。さらに終盤では説明台詞が続く上、全く別のこと(生命の連続性?)を語る人物も混じっていたりするので、もっとすっきりさせてくれと言いたくなる。 そのため、そういう面倒くさいことはいちいち考えずに、とりあえず劇中の誰々は可愛い、とか言っておしまいにするのが正しい鑑賞方法だろうという気がして来る。個人的感覚としては主人公も可愛いとは思ったが、普通に正統派美少女のため見たあと顔を忘れてしまった。かえって態度の悪い親友の方は、ふてくされた顔のようでもにっこり笑うとかわいいのが印象に残った。そのほかSKE48の主要人物2人(木崎・小木曽)はさすがに個性的で存在感があった。  ところで劇中の女性教員は「日本史の教師」とのことだったが、この年でまだ独身だったようで、それがかつての歴女の末路だとすれば寂しいものがある。もっと歴女が愛される世の中になった方がいいと思うが、とりあえず劇中の歴女は可愛いので、自分がもっと若かったら嫁さんにしたい。話も合うと思う。
[DVD(邦画)] 4点(2015-07-18 12:34:32)
947.  死亡時刻<OV> 《ネタバレ》 
題名は「死亡時刻」だが、DVDの中身は「死角関係」との2本立てになっている。監督の公式サイトでは「密室シリーズ」と称しており、前者は2006年、後者は2005年の制作で、外部情報によると前者は2009年に渋谷・ユーロスペースのミディアムショートフィルムフェスティバル「真夏の夜の万華鏡」で公開されたとのことである。  それでまず「死亡時刻」に関しては、主演の粟田麗さんがとにかく可愛らしい。彼女のファンが全国にどの程度いるかわからないが、見て損はないと一応お知らせしておきたい(こんな所に書いても誰にも届かないだろうが)。内容の方は殺人をテーマにしたサスペンスのように想像するが、実際見てみるとそれだけでもない。短時間に各種要素を詰め込んで退屈せず、ラストもきれいに収拾されて一応しんみりさせる構成になっている。 また「死角関係」は女3人男1人の四角関係で、これもサスペンスフルな展開で先が読めないが、最後はちゃんと丸く収まりラストは爽快である。小粒でキュートだが心の広い主人公を主演女優(つぐみ)が好演していた。 両方とも小気味よさを優先した短編で深みはないが後味は悪くなく、また女優が好印象だったので少しいい点にしておく。  なおこの監督はもともと脚本家として関わった映画が多かったようで、監督としての代表作は上記2009年時点で「ホッタラケの島 遥と魔法の鏡」(2009)だと紹介されていたのは笑ってしまったが、それはそれで自分としても嫌いでないので結構である。
[DVD(邦画)] 6点(2015-07-18 12:32:03)
948.  真木栗ノ穴 《ネタバレ》 
この映画では、まずはヒロインが清楚で色っぽくて可愛らしくて怖くて悲しく複雑で不思議な雰囲気を出しているのが非常にいい。メイクは最小限にして素材のよさを最大限生かしているのも好印象で、この点では誠に期待通りの映画である。 それだけを期待していたにもかかわらず意外にもといっては何だが、見ると窃盗の共犯の女にも妙に惹かれるところがあり、中盤の再会場面などはもう泣けてしょうがない。ヒロインと並ぶ存在感があり、この二人だけで両横綱という印象だった。 しかしさらによく見ると、もう一人の女性である雑誌編集者も決して無視できない存在である。若くて生気があり、基本的に明るい世界の住人で、見ていて眩しいようにも感じられた。最後、この人の声は主人公に届いたのかどうかが心残りである。  ところで、劇中では生きている人とそうでない人が混在していたようだが、そのほか空想が現実に介入しているようにも見えており、何が空想で何が現実だったのか整理がつけにくいため、観客としては画面に出たものをまともに受け取っていいのかどうかわからなくなる。また、さらにこの映画では、見ているわれわれを含めて空想と現実の区別が相対化(階層化)されているらしく、それを意識してしまうと、どうせ全てが空想なのだから観客が本気になって(前記のように)感情移入するのは愚かなこと、と嘲られているような気もして来る。 あるいは、そのようにして鑑賞者の心理を翻弄するのが作家(とか映画を含めた創作者)の力であり、それは劇中の編集長が言っていたように「頭ん中を覗くことなんかできない」ほどの深みを持った穴だというのが、この映画の隠れた主題なのかも知れない。しかし題名の意味はその通りとしても、それが映画制作者自身のことまで含めた主張だとすると自画自賛のメタ作品のように思われて、自分のように特に映画ファンでもない一般の鑑賞者などは疎外感を覚えてしまう。  まあ別に一般人に喧嘩を売っているわけではないのだろうから、ここはひとまず創作者に騙されておくことにして、愛すべき登場人物のいる懐かしい(怖い)空想の世界に浸り、愚かな主人公の哀れなラブストーリーに共感を寄せているのが正解なのだろう。 そういうことで、多少面倒くさいところはあるものの、全体としては非常に印象深い映画だった。
[DVD(邦画)] 8点(2015-07-18 12:31:57)(良:1票)
949.  クローズド・ノート 《ネタバレ》 
日頃から芸能ネタに関心がないので、これが例の問題を起こした映画と気づかないまま、先入観を持たずに見た。 内容としては映像がノスタルジックで美しく、登場人物は暖かくて微笑ましい。伊吹先生のクラスでは問題も起きるが、不登校児は素直ないい子でお母さんも優しい人のようだし、何よりクラスの全員が「太陽の子」で心優しく友だち思いである。…というようなことは現実問題として絶対ありえないと思うわけで、全体の雰囲気からしてまあいいかと思わされそうにはなるものの、さすがに紙飛行機の不自然さは耐えがたい。 また主人公が劇中で成長したところを見せようとするあまり、以前の方のレベルを落として楽器の練習に身が入らないことにしたのは、登場人物の人格に関わることなので見過ごしにできない。そのほか全体のストーリー構成も原作の方がすっきりして素直に受け取れる(泣ける)し、学校がらみの不自然さも感じられず、やはり他の原作付き邦画と同様に、原作さえ読んでいれば映画は見なくても事足りると思わなくもない。  一方キャストについては、伊吹先生の方は申し訳ないが好きになれず(顔が好みでない)、あまりに不自然な役柄と相まってそれほど共感できなかったが、バイト先の童顔の先輩についてはさすがにいい感じを出していた。 また主人公に関しては、これはもう非の打ちどころなく魅力的であり、外見はもちろん人物像にも強く惹かれてしまう。一般的なイメージからこれほどかけ離れた人物になり切れるというのは、やはり演技の力と思うしかないだろう。ただ終盤で負け惜しみを言ったように聞こえるところなどは主演女優の色が出ているようで、原作の方がより素直に愛すべき人物になっていると思わなくもないが、しかしこれほど可愛い沢尻エリカが見られるという点だけは、間違いなくこの映画固有の価値だと思われる。 そういうわけで、評点のうち5点は沢尻エリカに献上する。個人的感覚ではこれが沢尻エリカ映画の最高峰である。
[DVD(邦画)] 6点(2015-07-18 12:31:52)
950.  夕凪の街 桜の国 《ネタバレ》 
一見いい映画のように感じられるが、原作に乗っかって作られているわけなので、純粋に映画として評価するのは難しい。 まず映画では、観客に見えるように泣く人物が多すぎる。病人を屋外へ連れ出した上に長々としゃべらせる場面もあったが、そうまでしないと映画というのは成り立たないのかと思う。 またこのストーリーには「…死ねばいいと思われた」とか「…ちゃんと思うてくれとる?」というような、皆実の心情を伝える悲痛な言葉があるのだが、映画ではさらに「…落とされたんよ」という告発型の(碑文の問題を連想させる)台詞が加えられていたので驚いた。原作がかろうじて踏みとどまっていた一線を無造作に踏み越えている気がする。  もう一つ、桜の国編について。映画のラストは七波が泣く場面だったが、その前段に出ていた七波の心の変化が桜の国編の核心だったわけで、それが観客に充分印象づけられていたかどうか。これがあるから「夕凪の街 桜の国」の2部構成が生きるので、もしこの映画を見て後半が不可解とか不要と感じる人が多いようなら、原作の映画化としては明らかに失敗ということになる。 ただ、時代的に「夕凪の街」に属する場面が終盤にまた出て来ることからしても、映画は初めから夕凪優位の構成にして観客を泣かし、それで点を稼ぐ目論見だったとも思える。映画の七波は“現代の若者の視点で皆実の悲劇を見つめる人”という位置づけになり下がっている気がするが、それでも一応は全てのストーリーを追う形にして、原作ファンを丸め込もうとしているかに見えた。  自分としては、原作はほとんど全面的に支持するが、この映画を同じように評価することは全くできない。ただ、それほど低い点にもできないので困るのだが、それは原作をいわば人質に取られたような格好になっていることと、映画の持つ広い意味での娯楽性によるものと思われる。 なお映画の登場人物の中で、特に京花は少女から大人への変化がわりとスムーズで、どちらも可愛らしく優しい感じなのは納得した。七波と東子も、これはこれで好感が持てる。男連中も好人物でよかった。 [2013-1-20変更]変更前は6点だが、評価方法を見直し、原作を10点、映画化による改変部分を-8点とする。残2点のほとんどは劇中の京花へ。 [2013-11-18変更]評価方法を見直し、原作と上記プラス要因の評価はそのままとして全体を0点とする。
[DVD(邦画)] 0点(2015-07-18 12:31:47)(良:1票)
951.  MAIL 《ネタバレ》 
7年前に投稿が3件あっただけで、あとは忘れられたらしい。当時の上映版とは異なり、DVD2巻の「完全版」(少し長い)を見たのだが、大体同じということで書かせていただく。どうせ誰も読まないだろうが。 それでまず、構成としては全9回のTVシリーズを並べたようなもので、途中で連続2回も貞子が出るのはどうかと思ったが、ちょっとほろりと来る回などもあってそれほど退屈ではない。第4話の女優が台本を何回読んでも泣いちゃうと言っていたのは同感である。 また9話全体を通じたストーリーも一応あり、第2話からレギュラーで出るヒロインは顔が好みでないのだが、毎度見ていると愛着がわくのはシリーズ物ならではと思う。終盤で出る少女の子役も愛らしいので、少し切ないラストはいい感じに思えた。 これが映画としてどうなのかは問題もあるだろうが、見た時間を損したとまでは思わなかったし、また個人的には最後の言葉が底なしに悲しいので、少しいい点を付けておく。このサイトでは破格の点数になってしまうが、どうせ誰も読まないからいいだろう。
[DVD(吹替)] 6点(2015-07-18 12:27:38)
952.  DEAD END RUN 《ネタバレ》 
3話オムニバスのうち第1話の女優が目的で見たので、歌って踊れるヒロインの魅力を十分に(失笑しながら)満喫させてもらった。ミュージカルの舞台に突然引っ張り出されて戸惑う男の表情もキュートかもしれないが、死んだヒロインもまた魅力的である。終わってみれば超コンパクトなラブストーリーになっており、これは何度でも見たくなる。 そのほか第2話は少々地味だが、第3話は映像全体が明るくなり、またこの回だけは行き止まりを突き抜けられるのでいわば解脱感がある。出発点が同じで何回か繰り返すとやがて先へ進める時が来るのはゲーム感覚かと思ったが、登場人物は異なっているのでプレイはそれぞれ1回きりらしい。第3話の登場人物だけがたまたま幸運をつかんだということだろうが、個人的には第1話の結末でも十分受け入れられる。 なお第1と第3の男が、サスペンス調で生死を賭けた逃避行をしていながら硬派な印象がなく、女優とのからみの中でその辺の兄ちゃんのような素顔が丸出しになるのは現代のリアリティかと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2015-07-18 12:27:34)
953.  ロックンロールミシン 《ネタバレ》 
自分にはまるきり縁のない世界なので興味深い。仲間同士の妙な寛容さも心地いい。  劇中の勤め人は、自ら好んで現場に入り浸っていながら最初は何の役に立とうとしているのかわからず、前半は見ていて非常に不安定な印象だった。そのため本人としても自分のできることから貢献しようと思い立ったのだろうが、それがかえってサークル解体のきっかけを作ってしまったらしいのは皮肉である。しかし同時に真のクリエーターに道を開くことにもつながったわけで、いわば創造的な破壊だったということだろう。 その後の勤め人は、また同じ職場に戻ってほとんど変わったようにも見えず、実はここにもちゃんと居場所がありました、というような結末になっていたのは情けない。しかし現実問題として簡単にゼロからやり直せばいいと言えるご時世ではなくなっており、完全リセットというより都合のよいリフレッシュ程度に終わったのはかえってよかったとも思われる。結局はひと夏の思い出のようなものにしかならなかったわけだが、ただしラストでTシャツを着た外国人がなぜかみな笑顔だったのは少し感動的だった。全てが夢だったわけではなかったらしい。 そのようなことで、全体としては一時の夢のはかなさが前面に出た映画になっており、原作とは違っているが、これはこれでいいのではと思われた。登場人物としては眼鏡っ子の椿さんが魅力的だったが、主人公の彼女はどういう役割だったのか最後までよくわからなかった。 なおどうでもいいことだが劇中劇はくだらない。「生きていた信長」のように完全版でも作れば、このサイトでも1項目起きていたかも知れない。
[DVD(邦画)] 6点(2015-07-18 12:27:29)
954.  パコダテ人 《ネタバレ》 
主演女優のおかげもあって部分的には見るべき場面もある。一つだけ書くと、人間が涙する代わりに雨が窓ガラスを伝って落ちたのは非常に印象的だった(偶然ではないと思われる)。 しかし残念ながら映画全体をほめる気には全くならない。他人と違う⇒それは個性⇒すばらしい、とかいう短絡的な発想がそもそも気になるが、それでも「ハッピーが生えてきた」というのがキャッチコピーであれば、あくまで主人公の姉のノリのまま全編を通せばいいだろう。にもかかわらず、後半の波乱要素の中にはかなり不快で笑えないものが含まれており、ご当地映画にそんなものを持ち込んで一体何を表現したいのかと思う。どこか別の場所でやれと言いたい。 一方ストーリー的には2つのカップルの関係が並行的に進むわけだが、うち社会人カップルの方は終盤まで本筋と関係がなく、存在意義が不明なのは残念である。TV中継の前のプロポーズで初めて両者がつながるわけだが、その直後に製薬会社の重役連が真相を明らかにしなければ、この男は単なるバカに終わっていたところである。ついでに連行場面で「調査団長」がわざわざ悲痛な顔をして見せるのは苛立たしい。顔など出さなくていい。 そういうわけで、見ていて次第に腹が立って来る映画である。ただし高校生の2人はあくまで純粋で可愛らしく、またシングルファザーと女性保育士の関係も微笑ましいのは結構なことで、その点まで否定するつもりはない。
[DVD(邦画)] 3点(2015-07-18 12:27:24)
955.  月の砂漠 《ネタバレ》 
自分としては最初の方に出た「中村さん」役の女優を見るために映画を見たのだが、そこ以外には出ないのだった。顔はあまり見えないがスレンダーな姿が印象に残る。 映画の内容については見てもよくわからない。家族がテーマだとすれば示唆するところは多いようだが、少し考えても通俗的な解釈しか出て来ず、特に感動するわけでもない。奥が深いのかも知れないが、あまり付き合ってもいられない気がする。 そういうことで、真価のわかる人にぜひ見ていただきたい。見る人が見れば価値のある映画なのだろうと想像している。
[DVD(邦画)] 2点(2015-07-18 12:24:12)
956.  純愛譜 《ネタバレ》 
当初の予定としては、一応見てからせせら笑って2点とか1点とか付けてやるつもりだったが、実際見るとそれほどでもない。主役は当初さえない顔に見えたがなかなか味のある俳優だし、またストーリーはよくわからないながらも何かじっとりした説得力があると感じられる。それが俳優の演技なのか監督の力なのか国柄のせいなのか、映画通でない自分には分析的に説明できないのが残念である。 ただし、やはりどうしても困ったことだと思うのは、男の方がこれほど徹底的に気色悪い・汚らしい・変態なところを見せつけなければ映画にならないのか、ということである。少なくともわが国では、女子トイレで(それも職場の)常習的に覗きをするような男が恋愛モノの主人公になる資格はないわけだが、向こうは下世話で露悪的なのをリアルとみなす国民性なのかも知れず、まあこれが異文化というものだと思うしかないだろう。  ところで劇中では、“痛い”とか修学旅行の写真とかで何やら運命的なものが演出されてはいたようだが、それでも最後にアラスカで2人が出会うというのはかなり強引な展開に思われる。あえて引き合わせずにネット上の恋で終わらせることもできたはずだと思うが、そこはやはり物理的にモノにしなければ気が済まないということか。そもそも主人公も最初からそういうことしか頭になく、それで毎日悶々としていた感じに見える(心情はわかるが肯定はしない)。 またヒロインに関しても、友人が出産の決意をしたことなどで気分が生殖の方へ向いて来たらしい描写が見られ、一方ではその友人の彼氏がイラン人だかイラク人だったことで、外国人との心の壁が低くなったようにも思われる。もしかするとこの映画は、日本人(女性)の恋愛市場をアジア(の男)に開放せよという、今日の目で見れば非常に先駆的なメッセージを含んでいるのかも知れない。 しかし本当にそういう目的の映画だったとすると、この内容では明らかに失敗であり、また個人的には「地球防衛軍」(1957)という映画を思い出す(ほとんど誰も知らないだろうが)。主人公とヒロインの国を逆にした場合に、このような合作映画は成立するだろうか。
[DVD(邦画)] 3点(2015-07-18 12:24:07)
957.  sWinGmaN 《ネタバレ》 
見た後に何の感慨もなかった。怖くもなく悲痛でもなく切なくもない。全体的によくわからない話なのだが疑問を解消したいという気にもならない。 まずは主人公が今回初めて変になったというより元から変だったようにしか思えないため、普通に恋人や友人がいるのが自然に感じられず、こんな男に少女が同情を寄せるのも気が知れない。またこの主人公のために、少女や恋人という癒しの要素があらかじめ用意されていること自体が安易で甘ったれた感じがする。自分としては北村一輝が画面に出ると閉塞感が破られて救いのように感じられたのだが、そんなことも主人公には気に入らなかったらしく、あくまで観客側の感情移入を拒む映画になっていた。 外部情報によれば主演俳優のために作られた映画とのことだが、個人的にはこの俳優に注目する理由はなく、また世間的な価値としては宮崎あおいの映画キャリアの初期段階が見られることだろうが、その面でも自分としては特に関心がない。ほか主人公の恋人役に関しては、キャラクターとしての魅力が感じられないので特に面白くはなかったが、「だから煙草だってやめてたじゃん!」という台詞にはどきりとした。
[DVD(邦画)] 1点(2015-07-18 12:24:03)
958.  五条霊戦記//GOJOE 《ネタバレ》 
宇宙空間から見た過去の地球の映像というのは、自分の記憶ではNHK大河ドラマ「北条時宗」OPの例があるが、年代的にはこの映画が先かと思われるので、当時としては斬新な発想だったろうと想像する。子午線に沿ったグリッドパターンの都市設計が惑星表面に浮かび上がるのは、理性と意志をもった文明の存在を如実に示しているように思われる。 ただし、地面に降りて見ればあまりに草ぼうぼうで文明の実態が伴っていない。まあ大昔の京都などこんなものかも知れないと自ら納得するにしても、さすがに五条橋がこれほど辺鄙に見える場所かどうかは疑問である。またロケ地がどこかを知ったとたん、そこら中全部が岩手県にしか思えなくなるのはご愛嬌である。  内容としては義経と弁慶の話を大胆に組み替えた娯楽映画になっており、過度に期待せず気楽に見ていればそれなりに面白い。また事件後は普通に知られた歴史の流れになったのだろうから後腐れのないフィクションともいえる。しかし逆にこの事件があってもなくても平家の没落自体は変わらなかっただろうから架空の歴史モノとしては半端な気もするが、そこはまああえて突っ込むほどのことでもない。 また登場人物の背景は別にわからなくても見られるが、DVDのキャラクター解説では「平家の高官に手込めにされ…」といったことを監督本人が書いており、考証的にはどうかわからないが「白河飛礫(つぶて)」という設定は面白い。刀鍛冶の男は歴史上の有名人とは思われないが、最後は失明していた(鬼を見ると目がつぶれる、と自分で言っていた)のを見ると、その後は琵琶法師にでもなったのだろうと想像される。  なお個人的に不快な人物としては巫女(すぐ出なくなった)、水辺で自害しようとしていた男(すぐ死んだ)であり、また遮那王側の僧も途中で斬られるかと思ったのに最後まで生きていたのが残念だが、これは実在の人物だったらしいので仕方ない。ほか京劇風の剣術はどうも好ましいとは思えない。現代風の映像表現や背景音楽は別に構わないが、日本の伝統には敬意を払っていただきたい。
[DVD(邦画)] 5点(2015-07-18 12:23:57)
959.  危険な斜面<TVM>(2000) 《ネタバレ》 
ストーリーは原作をほぼ踏襲しているが、犯人探しの情報提供者がたまたま人事課所属かつ鉄道愛好者という点は少々都合良すぎという感じである。 またこのドラマでは殺した男・殺された女とも、打算で動くだけでなくそれぞれの思いを抱えているという点で、無彩色の印象だった原作よりも少し色付けされているように見える。しかしそれが必ずしもストーリーに生かされているとは思われず、理屈はわかるが心を揺さぶられるまでに至らない。特に殺した男を変に情けなく安っぽい男にしたことで、“タフでしたたかな壮年の男 対 純粋で一途な若者”という対立軸が成り立たなくなり、結果として若い男は単に話を進めるための駒のようでしかなくなっている。この若い男が殺した男を前にして憤ってみせているのも白々しい。  一方で、殺された女が本来の夢だった文房具屋ではなくブティックにしたというのは、業界の実情に照らして新規の開業は無理と会長が判断したということだろうか。最初の方でグループ企業の独立採算の話が出ていたが、愛人に対しても経済的な自立性を付与することで一方的な扶養ではない関係を作ろうとしていたかに見える会長は、ここに出ていた男の中で最もオトナだったということかも知れない。 なおこの女に関しては、とにかく女優が適役でたまらなく魅力的な人物になっており、それで見ている側も少し肩入れしてしまうところがある。ドラマ版で加えられた設定(三角定規の件など)を見ていると、個人的にはこの人のために泣いてやりたくなったのだが、残念ながら最終的にはそうもならなかった。TVドラマならもっとベタに泣かせてもらいたい。
[DVD(邦画)] 5点(2015-07-18 12:20:10)
960.  ひまわり(2000) 《ネタバレ》 
個人的好みの問題でヒロインの大人状態には全く魅力を感じないが、しかし小学校の記憶に出る少女はなるほど初恋の相手っぽい。現実には1980年代初めに伊豆半島で見えた金環食は存在しないようだし、また主人公はどうも妄想癖があるようなので全てが幻だったのではと疑われなくもないが、そうだとしてもファンタジーとしては割と素直に受け取れる。また終盤で同窓会のような雰囲気になってから、現実への回帰に至る過程も好意的に見ることができたので、これだけなら激賞するほどではないが佳作だとは思える。  ただしここのレビューにあるように、実は登場人物のほとんどが冒頭時点で死亡していたことになっていたというのは全く感心できない。そもそも虚実が不分明な展開の上にそういうことをやってしまっては、何を軸にして見ればいいのかわからなくなるだろう。あるいは何度も見返して、全体の意味を転換させる裏ストーリーをじっくり考えろとでもいうことかも知れないが、そんな子どもじみたことにつき合っているヒマはさすがにない。それとも誰も気づかない前提で悪ふざけをしただけ(都市伝説にあるTVの死亡予告のような)というなら、それこそ小学生並みで大人のやることではない。何にせよこれでは真面目に見ること自体が馬鹿らしくなるのであり、そのため好意的に見ているうちは抑えていた苦情までが表面化して、遺族まで巻き込むコメディが不快だとか、靴はともかく傘を持ってないのは自分のせいだろうとか、深夜の草地を照らす光源はどこに設置されていたのかなどといったことを改めて指摘したくなる。  そのようなことで、結果としては独りよがりで付き合ってられない映画、というのが確定評価となった。評点は主に湊弓子役の女優(個人的好み)と、ヒロインの少女役の子に献上しておく。 なお大したことではないが、転覆した船と砂から掘り出した船は船尾の形状が異なっており、別の船と思われる。
[DVD(邦画)] 4点(2015-07-18 12:20:04)
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