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 > かたゆき さんの口コミ一覧。51ページ目
かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1891
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1001.  ペーパーボーイ 真夏の引力 《ネタバレ》 
60年代アメリカ、うだるような暑さが続くマイアミの片田舎で保安官が鉈で殺されるという残虐な事件が起こる。ほどなく、沼地に住みワニの皮を剥いで生活していたヒラリーという粗暴な男が逮捕され、裁判の結果電気イスへと送られることに。そんな無事に解決したはずの事件に疑問を抱いた敏腕新聞記者ウォードは現地へと向かい、真実を求めて取材を開始するのだった――。正義感の強いウォードの相棒ヤードリー、彼の弟でいかにも童貞の青臭い青年ジャック、獄中のヒラリーと手紙を遣り取りし彼と獄中結婚したがっているアバズレの40女シャーロット、そして全てを客観的に見守る黒人メイドのアニタ…、それぞれの視点から事件の真相が炙り出されてゆくなか、彼ら各々の隠された思惑から事態は意外な方向へと向かい始めるのだった。かつて、劣悪な貧困家庭に生きる少女の哀切なドラマをエネルギッシュに描いた「プレシャス」という作品で鮮烈なデビューを飾ったリー・ダニエルズ監督の二作目となる今作、豪華な俳優陣も出演してることだしとけっこう期待して鑑賞してみました。相変わらず猥雑で残酷な現実社会をゴージャスで極彩色な映像で描き出すその手腕は今回も健在でしたね(いま冬だけど、ちょっぴり汗ばんじゃいそうなほど暑苦しかったっす笑)。社会の底辺で、貧困や矛盾から無尽蔵に生まれくる暴力という荒波に押し流されそうになりながらも、必死に踏み止まって生きてゆく人間たちの群像をあくまで黒人的感性でソウルフルに描いた作品としてなかなか見応えありました。ただ、後半テーマがいまいち搾りきれておらず、なんだか散漫な展開となってしまったところがちょっぴり残念でしたけど。それでも、刑務所の面会室でのニコール・キッドマン&ジョン・キューザックのいかにもイヤらし~い遣り取りとか普通に面白かったっす。あと、ずっとニコール・キッドマンのケツばっか目で追いかけてた童貞野郎ジャックの熱い想いには、股間が痛くなるくらい共感できました(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2014-02-21 13:00:33)
1002.  サイレントヒル:リベレーション3D 《ネタバレ》 
人智の及ばぬ地平に存在する、闇に閉ざされた街サイレントヒルへと迷い込んだ親子が、いろいろ頑張ったけれど結局は元の世界へと戻ってくることが出来ませんでした。な、ラストを迎えてしまった前作。その続編である今作は何故か冒頭から、「ところがお母さんがあの後いろいろ頑張って娘のヘザーだけは元の世界へと帰ることが出来てたんだ」という、とっっってもご都合主義的展開で始まり、嫌な予感がしたのですが、残念ながら僕のそんな懸念は見事に当たっちゃいました。超有名なゲーム(僕はあまり知りませんけど)を映画化した一作目は、ストーリーこそお馬鹿で薄っぺらいものでしたが、その過剰なまでのグロ描写と独自の圧倒的な世界観を有するホラーワールド、そんななかに仄見える廃墟と化した街サイレントヒルの精細で美しい雰囲気など、かなりのセンスを感じさせる映像美がなかなか見応えあったのだけど、こちらはちょっとね~。もう、前作にさらに輪をかけたような中身のない薄っぺら~いストーリー展開(特に主人公2人、いつの間に相思相愛なっとんねん!)はまぁ目をつぶるとしても、前作に比べていかんせん映像が凡庸過ぎです!取り敢えず、元ネタのゲームに出てきたであろうアイテムをただはべらせて3Dにしときゃ観客は満足なんだろ!というスタッフたちのやっつけ感が画面に滲み出ていて不快感さえ湧いてきそうでした。クライマックスでメリーゴーランドが炎に包まれたとき、この映画自体も燃えちまえばえーねん!と思わず突っ込んじゃったし(笑)。
[DVD(字幕)] 3点(2014-02-20 23:53:09)(良:1票)
1003.  ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~ 《ネタバレ》 
地球温暖化の影響で今にも海の藻屑と消えようとしている、大量のガラクタや腐りかけの生ゴミ、濁った泥水に埋め尽くされたゴミ溜めのような島、バスタブ。そこで酒浸りの駄目な父親とともに暮らす、常にモジャモジャの髪の毛に薄汚れたTシャツと長靴姿の少女ハッシュパピーは勝気で夢見がちな6歳の女の子。ある日、来るべきときがやってきたかのように大嵐が襲来、バスタブ島はとうとう沈没の危機を迎えてしまう。「俺たちは絶対に奴隷になんかならねえ!死ぬまでここで生き延びてやるんだ!」と豪語する父親や個性的な島民らと共に、そんな沈みかけの島で必死に生き延びようとするハッシュパピーだったが、政府の冷徹な魔の手が彼女たちへと襲い掛かってくるのだった。この独特で摩訶不思議な世界観に支配された作品を観ていて、まず真っ先に思い浮かぶのは南米のノーベル賞作家ガルシア・マルケスの創出したマジック・リアリズムと言われる小説群だろう。リアルとアミニズムとファンタジーが絶妙なバランスで配合された唯一無二な世界で描き出されるのは、下品で猥雑で最高に下世話なのだけど、それでも圧倒的な生きるエネルギーに満ち溢れた人間と動物たちの真実の姿。確かに、そんな世界をハッシュパピーという無垢な少女の目線で描き出したところは新鮮で秀逸だと思うのだけど、僕は昔からマルケス風マジック・リアリズムが個人的に苦手なもので、そこまで心惹かれませんでした。うーん、面白いとは思うんですけど、これはもう完全に好みの問題ですね、6点。
[DVD(字幕)] 6点(2014-02-19 23:51:48)
1004.  マン・オブ・スティール 《ネタバレ》 
スーパーマン――。ポマードで塗り固められた髪型、世界最高峰クラスなまでにソリッドに割れたアゴケツ、戦いの邪魔としか思えない赤いマント、何よりアイアムスーパーマン!と恥ずかしげもなく徹底的に自己主張するかのごときあの胸の赤い〝S〟マーク…。僕のなかでは、アメリカ的マッチョイズムのダサさの象徴のようなキャラクターなのですが、あのクリストファー・ノーランが製作を務め、そしてギレルモ・デル・トロと並び現代ハリウッドを代表するオタク監督であるザック・スナイダーがメガホンを取り満を持して再映画化ということでかなり期待に胸を高鳴らせながら、同時期に公開されたデルトロの「パシフィック・リム」がアメリカの一般的観客などはなから度外視、ひたすらハードなロボットSFオタクと潔いまでに日本市場を狙ったその作風とは真逆をいく、アメコミヒーローの原点なのだけど日本ではいまいち人気の乏しいキャラクターのいかにもアメリカ人好みなスーパーヒーローモノという対照的な内容に、ちょっぴり比較しつつ鑑賞してみました。いやー、スーパーマンってこんな話やったっけ?と思わせる、前々作「ウォッチメン」の小難しい哲学的要素を良い意味で薄めた感じのスナイダーらしい怒涛のエンタメ作品でありました。確かに「パシフィック・リム」と比べても負けず劣らず圧倒的に拘り抜いたその映像美は出色の出来です。その時間軸を行ったり来たりするまだるっこしいストーリー展開に、正直中盤までは「う~ん、これはどうなんだろう?」と疑問を感じながら観ていたのだけど、後半30分の「これ、もう地球を守ってるというより壊してるよね(笑)」ってくらいの怒涛のアクションシーンは圧巻!はは、スナイダーに見事にやられちゃったよ~、これ。全体的な完成度&お馬鹿なユーモアさえ漂う唯一無二の世界観は「パシフィック・リム」、完成度より後半の沸点を越えちゃった感のある振り切れた展開&911のメタファーなのかとも思える深い内容は「マン・オブ・スティール」といった感じで甲乙付け難しでした!両者のひたすら我が道を行く孤高のオタク的スタンスに、今から2人の次回作が楽しみっす!!
[DVD(字幕)] 7点(2014-02-19 00:11:10)
1005.  ハード・ラッシュ 《ネタバレ》 
裏社会の運び屋として世界的に活躍していたクリスも、いまや引退して警備商品を扱う会社の経営者となり、家族とともに平凡な生活を送っていた。ところがある日、そんな彼の幸福な生活をぶち壊しにするかのように、ヘロインの密輸に失敗し凶悪なヤクの売人に脅された義理の弟が、彼の元へ助けを求めてやってくる。二度と犯罪には手を出さないと誓ったクリスだったが、家族との生活を守るため仕方なく偽札の密輸へと手を染めることに。かつての仲間を集め、綿密な計画を打ち立てたクリスは意を決してパナマへと乗り込んでゆくのだが、様々な男たちの思惑から、完璧だったはずの彼の計画はどんどんと破綻の兆しを見せ始めるのだった。リアリティを重視したみたいだけど、なんだかストーリーのテンポが悪く登場人物たち誰もがいったい何がしたいのかいまいちよく分からないせいで、残念ながら僕はそんなに乗り切れませんでした。リアルに拘ったわりには、密輸に頑張っていたクリスが途中から何故かギャングたちの強盗作戦に加わりいつの間にか警察と銃撃戦しちゃってるし(笑)。なんでやねーん!それに、アル中男の陰湿な暴力描写があるかと思えば、最後は主人公とその仲間たち誰もがみんな最高に幸せになるという薄っぺらいラストを迎えちゃったし(気付いたら、主人公たちが百億円の価値のある絵を手に入れちゃってましたって、おい!笑)。うーん、何をメインに描きたかったのかいまいちよく分からない作品でありました。相変わらずお美しいケイト・ベッキンセールが、ぼっこぼこにされちゃうシーンにはびっくりしましたけど。あ、あとあのアル中男、ケイトが死んだと思い込んでコンクリ詰めしようとする前に、脈ぐらい確認しろっつーの!
[DVD(字幕)] 4点(2014-02-18 12:07:41)
1006.  スモーク(2012) 《ネタバレ》 
いつものようにバスに乗って帰宅の途についていた看護師アナは、乗り合わせた冴えない漫画オタクの青年フレディに声を掛けられる。しつこく話しかけてくる彼に「もしかして…、ナンパ?」と、うざったく思いながらも適当に聞き流していたら、突如、そのバスが原因不明の交通事故を起こしてしまう。ところが一転して、お互いの自宅のベッドで目覚めた2人、何故か世界から一切の人々が消え去り、そして漆黒の煙に取り囲まれていた。次第に迫りくる暗い煙、そこに紛れて襲いくる恐ろしい怪物、徐々に明らかとなる彼らの隠された過去の出来事…、いったいここは何処なのか、2人は無事に元の世界へと帰ることが出来るのか。いかにも低予算で製作された、アイデア一発勝負のB級ホラー。確かに頑張っているのは分かるのだけど、いかんせん全体的に地味で凡庸な印象が拭えない作品でした。映像的にも既存の映画(特にミスト)の影響をモロに受けてて、新しい部分をほとんど感じなかったです。発想は良かっただけに、惜しい!でも、主人公たちをどんどんと追い詰めてゆく、もやもやとした濃厚煙描写はそこそこ良かったかなー。いやあ、息苦しかったっす。観終わったあと、大自然の清涼な空気のなかで思いっ切り深呼吸したくなっちゃいました(笑)。と、いう訳で、今からサイクリングへと出掛けてきまーす。
[DVD(字幕)] 5点(2014-02-18 07:52:39)
1007.  インポッシブル 《ネタバレ》 
2004年12月、スマトラ島沖を震源とする大地震が発生、ほどなく猛烈な勢いの津波が東南アジア各国を襲い、約20万もの命が失われた――。クリスマスのバカンスとしてタイのリゾート地を訪れていたベネット家族も、そんな自然の猛威へと容赦なく翻弄されることに。巨大な津波に巻き込まれ胸と脚に深い傷を負いながらも、命からがら長男のルーカスと共に生き延びた母マリアは、決死の思いで引き離された夫と子供たちの行方を追い始める。そんな母親を心底気遣う息子ルーカスと共に、二人は地獄のような光景へと変貌を遂げた被災地を無力感に打ちひしがれながらそれでも希望を捨てず彷徨い続けるのだった。ギレルモ・デル・トロが製作を務めたダークファンタジーの傑作「永遠のこどもたち」でデビューを果たしたJ・A・バヨナ監督の第二作目にしてハリウッドデビュー作となる今作、その前作があまりにもデルトロ・テイストの作風だったために、あれはもしかしたら彼がほとんど監督した作品だったんじゃないかとの疑念を確認する意味も込め、この度鑑賞してみました。ところがところが、今作も理不尽で残酷な現実という試練に試される親と子の絆という「永遠のこどもたち」に通じる重厚なテーマを真正面から取り上げたヒューマンドラマの佳品へと仕上がっており、そんな僕の疑念は杞憂に過ぎなかったと改めて再確認することが出来ました。ナオミ・ワッツのボロボロになりながらも常に子供たちのことを気遣う真に迫った熱演、胸を打たずにはいられないユアン・マクレガーの携帯電話を巡るエピソード、何より圧倒的な力で押し寄せてくる無慈悲で残酷な津波描写も(311を経験した我々日本人には直視しがたい部分もあるとはいえ)素直に圧倒されました。ただ、真実を基にしたと言いながら、主人公家族をちょっぴり美化しすぎているっぽいところがなきにしもあらずだけど、デルトロ風のアクの強さも抜け、ストレートな人間ドラマとしてなかなかの秀作だと僕は思いました。J・A・バヨナ監督の次回作も期待して待ちたいと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2014-02-17 00:14:37)
1008.  パシフィック・リム 《ネタバレ》 
そう遠くない近未来、太平洋の海底に突如として現れた巨大な裂目から、次々とやって来る冷酷無比な〝カイジュウ〟たちの容赦ない攻撃によって、人類の運命は風前の灯火と化していた。それまで些細なことでいがみ合っていた人類はそんな存亡の危機に一致団結、その叡智を結集して最終兵器を造り出す。それは、超小型核ミサイルでもDNA解析に基づいた生物化学兵器でも最新鋭の戦闘機でも巨大空母でも宇宙兵器でもなく、何故か〝イェーガー〟という名のパイロットのメンタル面がやたらと重視される超面倒臭い操縦法(トラウマを抱えた女性が乗り込もうものなら、簡単に暴走しちゃう笑)で駆動する人型巨大ロボットだった!「スターシップ・トゥルーパーズ」が公開されてからはや十数年、ヴァーホーベンが馬鹿馬鹿しくも圧倒的な情熱でもって切り拓いた中2病映画界という新たな地平に、今度はギレルモ・デル・トロがまたまた新しい伝説を打ち立てちゃいましたね~。まあ、馬鹿馬鹿しいっちゃあ馬鹿馬鹿しいですけどここまでやたらとお金を掛けて真面目に真剣に真摯に取り組まれたら、やっぱ凄いっすわ!個人的に、昔からロボットものって一切興味なくて「ガンダム」も「エヴァ」もほとんど観て来なかったのだけど、これには完全にやられちゃいました。夜の海から悠然と現れるカイジュウと洗練されたメタリックな美しさをまとったイェーガーとの迫真のバトルには素直にハラハラドキドキ。それに、倒されたカイジュウの死体を違法に採取する非合法集団の胡散臭~い描写も何気にツボでした。いやー、ギレルモ・デル・トロって、ほんと心に無垢な魂を宿した映画作家なんだろうね。昔からの彼のファンとしては、「ヘルボーイ」とか「パンズ・ラビリンス」のエッセンスを随所に感じる拘り抜いた映像美とねちっこいストーリー展開に感慨もひとしおっす!何より「ミミック」という、地下世界を蠢き回る気持ち悪~い巨大ゴキブリと人類の戦いを描いたB級ホラーでデビューした彼が、ここまでビックバジェットの映画をあのころの信念を失わずに撮ったという事実に感動すら覚えてしまいました。でも、次はもっと「パンズ・ラビリンス」のように真面目な映画も撮ってね、デル・トロくん(笑)。
[DVD(字幕)] 8点(2014-02-16 00:03:57)
1009.  レア・エクスポーツ ~囚われのサンタクロース~ 《ネタバレ》 
サンタクロースの正体は、実は冷酷無比なモンスターだった!雪深いフィンランドの片田舎の地中から発見された、そんなサンタクロースたちが村を襲い、子供たちを次々とさらっていってしまう。そんななか、何故か唯一サンタの毒牙にかからなかった肉屋の息子ピエタリは、生き残った大人たちと共に村を取り囲むサンタの脅威へと奮然と立ち向かっていくのだった。というヘンテコな設定のお馬鹿映画。はっきり言って、主人公たちへと襲い掛かる化け物がサンタという設定を取り除けば、後には低予算で作られたZ級レベルの観るに耐えないクソつまらないゾンビ映画しか残りません。つながりの悪いストーリー展開、極度なまでに魅力に乏しい登場人物たち、中途半端でうざったい親子の葛藤描写、挙句の果てはよぼよぼのジジイどもが全裸で襲ってくるだけというちっとも怖くないモンスター(サンタ)たち…。そんな中で唯一新しいと言える、サンタクロースがモンスターだったという設定も、味の素2、3粒を超まずい炒飯に振り掛けた程度のスパイスしか効いていない安易でお粗末な代物でありました。いやー、久々にこんなつまらん映画を観てしまったよー、こんにゃろー。
[DVD(字幕)] 2点(2014-02-14 22:37:12)
1010.  テイク・ディス・ワルツ 《ネタバレ》 
本当は小説家になりたかった、今はライターとして生活しているマーゴは、結婚して5年になる夫と共にアメリカの片田舎で平凡な日々を過ごしている。料理研究家の夫は物静かでとっても優しいのだけれど、彼女はそんな毎日に何か物足りなさを感じているのも事実だった。そんなおり、マーゴは近所に住む貧しいながらも画家志望の青年ダニエルと運命的な出会いを果たす。「駄目、夫のことを裏切ったりなんか出来るわけないわ…」と必死に感情を押さえ込むマーゴだったが、情熱的な青年ダニエルによって彼女の心のドアは徐々に開かれてゆくのだった。という前半のあまりにもな、一昔まえのレディースコミックのようなベタな展開に、「どうせ、この人妻が速攻でこのダンディな男と一線を越えて快楽に溺れてすぐに夫にもそれがバレてこの後ドロドロな展開が続くんだろー、あーあ、失敗したぁ」と辟易しながら観てたのだけど、意外にも主人公マーゴが全然そんな一線を越えないばかりかかなり切実に悩んでいくという展開(それに女たらしのジゴロ風だったダニエルもけっこう真面目な奴だったし)にだんだんと惹き込まれていきました。決して綺麗なわけじゃないしスタイルだってなかなかのぽっちゃり具合(かなりリアルなタイプの笑)なのに、中盤辺りからいつの間にか彼女のことを好きになっていく自分が居ました。確かに、あの何も悪いことしてないかなり善い人な〝夫〟側の視点で見れば、むちゃくちゃやり切れないストーリーではありましたけれど、まさにワルツを踊るようなセンス溢れる綺麗な映像で描き出された登場人物各々の繊細な心理描写とかなかなか良かったですね。特に、マーゴが苦悶の末に発した「デートの約束をしましょう。ただし、今から30年後の2040年8月5日午後2時に。場所はあなたと初めて出逢った場所。きっと来てね、ダニエル。35年も夫に尽くしたら、きっとあなたとのキスくらい許される…」という言葉にはラストシーンの余韻とともにかなりジーンときちゃいました。うーん、切ない!ただ、決して夫婦で観てはいけません。気まずくなります(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2014-02-08 23:12:19)
1011.  ヒプノティスト-催眠- 《ネタバレ》 
雪深い北欧の大都市、ストックホルム。とある家族が何者かによって惨殺された。父親も母親も果ては幼い女の子までもが、凶悪なナイフによって血の海へと沈められた。しかし、神のご加護か長男の少年だけがわずかに息のある状態で発見される。被害者にして、唯一の目撃者でもある彼だったが、意識不明の昏睡状態でとてもじゃないが事情を聴くことなど適わなかった。業を煮やした刑事ヨーナは、天才的な催眠技術を持つ精神科医エリックに少年の無意識下の記憶を探って欲しいと依頼する。だが、犯人と思しき謎の人物が今度はエリックの家族へとその非情な刃を向け始めるのだった。これまで豊かな自然描写を背景に、理不尽な現実へと翻弄される市井の人々の機微を瑞々しく描き出してきたハルストレム監督が、いままでとは全く正反対な作風へと新たに挑んだサスペンス・スリラー。冒頭の「ハルストレム、あんた、こんなに血糊なんて使ったの生まれて初めてちゃうの?」ってくらい凄惨な殺人現場の描写からちょっと無理してるっぽい感じがして不安に駆られながら観てたのだけど、すぐにいつものように淡々とした人間ドラマが展開されていきました(笑)。やっぱり彼のセンスはこういうジャンルには合ってないって!催眠術を駆使した背筋が凍るような恐怖を描いたサスペンスなのか、人生の岐路に差し掛かった家族の葛藤を描いた人間ドラマなのか、うーん、なんとも中途半端っす。ハルストレムって昔から好きな監督なんだけど、今作は残念ながらぎりぎり及第点かなーと言わざるをえないレベルの作品でありました。相変わらず、映像は綺麗でしたけどね。
[DVD(字幕)] 6点(2014-02-06 23:01:58)
1012.  プレミアム・ラッシュ 《ネタバレ》 
ブレーキのない自転車、それがおれの人生――。時代の先端をゆく、毎日たくさんの人々と車が忙しなく行き交うマンハッタンの喧騒の中を、信号無視や速度超過なんて当たり前、ひたすらカスタマイズされた競技用の自転車を乗りこなしメッセンジャーとして疾走してゆく通称コヨーテことワイリー。ある日、恋人の同居人から依頼された封筒を届けようといつものように交通警察官に追いかけられながら街を突っ走っていたら、突然現れたギャンブル狂いの悪徳刑事に容赦なく付き纏われる羽目に。いったいこの封筒はなんなのか、そしてワイリーは無事に荷物を送り届けることが出来るのか?こういう登場人物誰もがみんな体力勝負でひたすら走っているだけのワンアイデアの映画って、最後まで圧倒的なスピードで観客をぐいぐい引っ張る疾走感を途切れさせないことが胆となるものだけど、今作は時間軸を行ったり来たりするストーリー展開とGPS画像や主人公の軌跡を追う矢印などを随所に差し挟むというセンス溢れる映像、そしてノリの良い軽快な音楽とで見事にそんな疾走感を演出させてましたね~。なかなか気分爽快な映画でございました。後半、ワイリーがタクシーに激突し路上へと放り出されるという冒頭部分へとループしたトコあたりから、ちょっぴり減速しちゃった感がなきにしもあらずだけど、普通に面白かったっす。ただ、普段から自転車通勤している僕としては明日からの自分の運転に悪影響があるんじゃないかとちょっぴり心配!ママチャリですけど(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2014-02-05 08:20:54)
1013.  モネ・ゲーム 《ネタバレ》 
メディア王にして大富豪のシャバンダー(露出癖ありのゴーマン野郎)。彼の下で働く冴えない美術鑑定士ハリー(いつも貧乏くじばかり引く悪運の持ち主)は、そんないけ好かない上司に一泡吹かせてやろうと、テキサスの片田舎から見付けてきたカウガールのプズナウスキー(年増の癖にかなりのお転婆)と共にモネの名画をめぐる詐欺を計画するも、あまりにも穴だらけの作戦はどんどんとおかしな方向へ。ホテルの廊下をパンツいっちょで歩き回る羽目に陥ったり、貴婦人のおならを聞かされたり、果たしてハリーの計画はいったいどうなってしまうのか?!いかにもコーエン兄弟が書きそうな軽~いタッチのロマンティック・コメディ。個人的にあんまり好きとは言えないジャンルの映画だったのだけど、そこそこ豪華な俳優陣に惹かれて(それにコーエン兄弟脚本だし)鑑賞してみました。いやー、この「まあ、なんてお下品なんでしょ!」と眉を顰めているそこの紳士淑女の皆様、とか言いながらこういうのけっこう好きなんでしょ、こっそり笑っちゃってください、と言わんばかりのこの手の笑いはやっぱり苦手っす。ただ、それを抜きにしても中盤から登場する日本人集団の悪意ありありの馬鹿にしたような描き方には、いくらそれが狙いだとはいえ、僕のなかに眠る民族主義的大和魂にメラメラと火が点きそうになっちゃいました。あー、腹立つ!!最後にフォローがあったから良かったものの、あれがなければ今すぐアメリカにテロしに行くとこだったよ、もう!
[DVD(字幕)] 3点(2014-02-02 13:49:16)
1014.  愛、アムール 《ネタバレ》 
子供たちも独立し長年仲睦まじく暮らしてきた老夫婦ジョルジュとアンヌ。ところがある日、妻アンヌに不穏な病の兆しが現れる。診断の結果は軽い脳梗塞。だが、簡単に成功するはずだった手術は失敗し、アンヌには半身不随の後遺症が残ることに。失意のうちに妻を自宅へと引き取り献身的に在宅看護する夫ジョルジュだったが、アンヌの病はどんどんと悪化の一途を辿ってゆくのだった――。都会の片隅で次第に追い詰められていく老夫婦の姿を淡々と描いた哀切な人間ドラマ。かつて「ファニー・ゲーム」という、観終わった後に強烈な不快感だけが残り、しかも観客に強烈な不快感を残してやるというこの監督の意図にまんまとハメられたと思うと二重の意味で腹が立つ最低最悪な映画を撮ったミヒャエル・ハネケ監督。もうこいつの映画は二度と観まいと心に誓ったのだけど、一作だけでそう判断するのはフェアではないと思い、カンヌでグランプリを取ったという今作をあらためて鑑賞してみました。舞台は何処にでもあるようなアパートの一室のみ、登場人物もほとんど老夫婦二人のみという挑戦的な演出、そして内容の方も老々介護というとてもじゃないが胸踊るような楽しいテーマとは言いがたい作品なのに、最後まで観客の興味を持続させ2時間強という長い上映時間を淡々と見せ切るところは、悔しいけど彼の才覚を認めざるをえませんね。特に主演俳優2人の真に迫った熱演には素直に圧倒されました。とは言え「ファニー・ゲーム」同様、今回も見れば見るほど気が滅入るような理不尽な現実をひたすら観客の前に提示するという、この監督の(ラース・フォン・トリアーとはまた違ったタイプの)圧倒的な負のエネルギーは確かに凄いとは思うし、その芸術的価値も充分に認めるけれど、やっぱり積極的に次を観たいとは思えません。どうぞご自由にやっててくださいといった感じです(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2014-02-02 10:26:18)
1015.  パラノーマン ブライス・ホローの謎 《ネタバレ》 
死んだ人の霊が見えるという特殊な力のせいで、近所の人たちや学校のクラスの中で浮いた存在である少年ノーマン(ゾンビ映画大好き)。ある日、彼の元を訪ねてきた謎の大男から恐ろしい魔女が今夜復活することを知らされ、さらにはとある本を授けられる。「今日、日が沈むまでに魔女の墓の前でこの本を読まなきゃ大変なことになっちゃうよ!」と急いで魔女の墓へと向かうノーマンだったが、追い掛けてきたいじめっ子の嫌がらせのせいでぎりぎり間に合わず、街は復活したゾンビたちで大混乱に!果たしてノーマンは魔女の呪いを解き、街の平穏を取り戻すことが出来るのか。暖かみのあるクレイ・アニメーションで描かれたコメディタッチのファンタジー・ホラー作品。予告編で強調されていた、「コララインとボタンの魔女のスタッフが贈る…云々」という宣伝文句に惹かれて、同作をこよなく愛する自分としてはけっこう期待して鑑賞してみたのだけど、完全に騙されちゃいましたね、これ。ホントにこれってコララインのスタッフが関わってるんですか?冒頭から、はっきり言って魅力に乏しい登場人物たちが織り成すあまりにもベタベタな(そして安直な)ストーリー展開に終始辟易。特に、キュートな魅力に溢れていたコララインと違い、こちらの主人公ノーマンのいじけキャラっぷりにはちょっぴりイライラさせられちゃいました。ゾンビだって7人も居るのに、どいつもこいつも同じような造形でワクワク感なんて欠片もありません。そして、後半のノーマンの仲間たちが唐突に正義感に目覚めてからの妙に説教臭い展開にも何だかなーといった感じでした。と、「コララインとボタンの魔女」を愛するがゆえにちょっぴり(?)辛口になっちゃいましたが、それでも頑張って面白い映画を創ろうというスタッフたちの想いには素直に好感が持てました。次は、もっと頑張ってね!
[DVD(字幕)] 5点(2014-01-31 20:55:54)
1016.  コズモポリス(2012) 《ネタバレ》 
ネズミが通貨の単位となった――。若くして投資家として成功し、何処に行くにも常に豪華なリムジンで移動していたエリックだったが、通貨・元の値動きを見誤り、破産寸前へと追い込まれてしまう。「俺は今から髪を切りに床屋へ向かうんだ」と、意味もなく大統領が周遊しネズミの死骸を投げつけあう暴徒たちが暴れ回る街を、セックスさせてくれない結婚したばかりの妻を追い求めながら、エリックは次々とリムジンへと乗り込んで来ては去ってゆく怪しげな人たちと共にただただ床屋を目指して彷徨い続けるのだった。オースター、マッカーシーらと共に現代アメリカ文学の旗手と目されるドン・デリーロの難解な小説を、これまたいつの頃からか難解路線を突き進むクローネンバーグが映画化ということで、途中で眠ってしまわないように苦いコーヒーをいっぱい用意して、この度鑑賞してみました。いやー、小難しいっすね(笑)。同監督の「裸のランチ」からグロ要素を排除した、やっぱり睡眠誘発剤のようなシュールな作品でありました。リーマン・ショック以降の、混迷するアメリカ社会に漂う閉塞感を徹底的に暗喩として描き出そうという狙いは分かるのだけど、いまいち成功しているとは言い難いです。やっぱクローネンバーグはグロがなきゃ!それでも全体を覆う、常に何か嫌なことが起こりそうなエッジの利いた雰囲気とかはなかなか良かったかなー。取り敢えず、コーヒー飲み過ぎてただいま胸焼け中っす(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2014-01-29 23:26:54)
1017.  トランス・ワールド 《ネタバレ》 
人里離れた森の奥深くに佇む一軒のみすぼらしい山小屋。そこに、旅行中に夫とはぐれて迷子になってしまった妊婦サマンサがやって来る。しかし、そこには森で事故を起こし同じく迷子になった青年トムという先客が居たのだった。ほどなくして、今度は色んなお店で強盗を繰り返してきた根っからの不良少女ジョディがやって来る。仕方なく力を合わせてここから脱出しようとする3人だったが、何故か何処まで歩いてもまた同じ小屋へと舞い戻ってしまうのだった。戸惑う3人に、さらに追い討ちをかけるような驚愕の事実が明らかとなってゆく。いったい此処は何処なのか?そして、彼らは無事に森を抜け出すことが出来るのか?主要登場人物はほぼこの3人(後半にもう1人出てくるけど)、舞台も何処にでもあるような森の山小屋とその周辺のみという明らかな低予算映画なのだけど、秀逸なアイデア、練られた脚本、何より面白い映画を創ろうという情熱のみを武器に、これまで誰も観たことのないような世界を創出しようという監督の熱意が画面の端々から感じられる意欲作でありました。残念ながら、それが必ずしも成功しているとは言いがたいところがちらほらあるけど、その心意気や良し!大マケして7点!
[DVD(字幕)] 7点(2014-01-29 19:54:17)
1018.  ムーンライズ・キングダム 《ネタバレ》 
小さな島にボーイスカウトとしてやって来た孤児の少年サムは、団体行動が苦手で常にトラブルを引き起こす問題児。周りの大人たちもほとほと手を焼くさなか、サムは島で出会った同じく問題児の女の子スージーと瞬く間に恋に落ちる。しかし、次々と問題を起こすサムに嫌気が差した里親がとうとう彼を手放すことに。「ぼく、このままじゃ少年収容所(孤児院)へと送り込まれちゃうよ!」と、サムは一大決心してスージーと共に駆け落ちを決行、突然居なくなった2人に、周りの生真面目な大人たちは小さな島を右往左往の大騒ぎ。果たして無垢な心を持ったサムとスージーの恋の行方は?イエローを基調とした月光のように美しい映像で描き出された、独特の幻想的な雰囲気が全編に漂うスラップスティックなコメディ作品。この徹底的に現実感を排除したセンス溢れる世界観は確かに良いと思うのだけど、うーん、微妙に僕の好みとは合わなかったかなー。この監督の前作「ファンタスティック・フォー・ミスターフォックス」でも感じたことですが、ちょっと上品に過ぎますかね。もうちょっと下世話な部分もあったほうが個人的に好みっす。それでも、ブルース・ウィリスやエドワード・ノートンのもう余裕で楽しんで演じているだろう飄々とした演技とかはなかなか良かったけどね。あと、ちょっぴりロリコンの気がある自分としては、前半のずっと下着姿でうろうろするスージーのおませな女の子っぷりも充分堪能させてもらいました(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2014-01-28 10:13:28)
1019.  ジャッキー・コーガン 《ネタバレ》 
ヤバイ奴らが運営する地下の賭場を襲うことに決めたチンピラ2人組。かなり杜撰な計画は奇跡的に成功するものの、ドラッグにだらしない相棒が酒場でつい口を滑らせたことから、常に冷静沈着な殺し屋ジャッキー・コーガンが2人の元へと忍び寄る。楽勝で大金が稼げたことに浮かれていた彼らだったが、一転して自業自得の窮地へと追い込まれてゆくのだった。一見、そんなオーソドックスな犯罪ドラマと見せかけながら、実はブッシュ政権末期で破綻した経済至上主義政策に翻弄されるアメリカ社会を暗喩的に描いたクライム・サスペンス。とにかく、一本の映画としてみればあまりにも稚拙と言わざるをえません。タランティーノの映画に出てくるエピソードの一つとして検討されながら、ぎりぎり採用されなかったようなお話をなんとか引き伸ばして90分の映画へと無理やり成立させたような退屈極まりない作品でありました。NYからやって来るアル中の殺し屋も、恐らくどうしようもない駄目男のトホホ感をタランティーノっぽく漂わしたかったのだろうけど、完全に失敗しています。そして、肝心の暗喩のほうも上手く機能しているとは到底言いがたい安易な代物。お年を召しても相変わらずカッコいいブラット・ピットや、レイ・リオッタが殺されるシーンでのスローモーションを多用した凝ったカメラワークとかはなかなか良かっただけに残念です。
[DVD(字幕)] 4点(2014-01-28 06:12:16)
1020.  360 《ネタバレ》 
芸術の都、ウィーン。大金を得るため、高級売春クラブで働くことを決めたブランカ。最初についた客に会いにホテルのバーへと向かうと、そこには妻のいる身でありながら初めて女を買おうとするエリートサラリーマンのマイケルが待っていた。一方、ロンドンで働くマイケルの妻は若い写真家との不倫に苦しんでいた。物語の語り手は、そこからその若い写真家と別れてブラジルへと帰ることを決めた恋人へとバトンタッチし、さらには飛行機で彼女と偶然隣り合わせた遠い過去に失踪した自分の娘を捜す老人、自分のなかに蠢く歪んだ欲望に苦しむ出所したばかりの元性犯罪者、同僚で人妻でもある女性への恋に苦悩する歯科医、ボスから犬のような扱いを受けているチンピラマフィア、と次々と移行していく。それにつれて舞台も、ウィーンから、ロンドン、パリ、ロシア、アメリカの各都市、ブラジルのビーチへとまるで奔流する大河のように世界を駆け巡り、最後は広大な大海原へと還元するかの如くウィーンの売春婦へと360度の円環を閉じてゆく。「シティオブゴット」で鮮烈なデビューを飾ったメイレレス監督が、豪華な俳優陣を起用しこれまでに培ってきた技巧を駆使して描き出した群像劇。と、聞くととても壮大でドラマティックな作品を思い浮かべるけど、今作は意表を突くほど地味な展開が最後まで淡々と続きます。それなのに相変わらずの見事なストーリーテリングで、最後まで観客を飽きさせないところはさすがでした。うまくいかない男と女、親と子、上司と部下、それでも人生は一度きりと幸せになるチャンスを必死に手に入れようとする人々の姿が、観終わったあとも良い余韻となって心に残ります。豪華俳優陣のわりに、あまりにも地味すぎて世間ではいまいち評判にならなかった作品みたいだけど、僕にはなかなかの良品に思えました。
[DVD(字幕)] 7点(2014-01-27 00:14:33)
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