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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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1041.  喜劇 にっぽんのお婆あちゃん 《ネタバレ》 
渡辺宙明の軽快なテーマ曲にのってミヤコ蝶々と北林谷栄が街を歩く。この二人の老け役女優が良く、ほかにも最年長の東山千栄子をはじめとする老人役のほか、日本を代表するような名優たちが出演していて、それだけでも見る価値のある映画なのだが、内容は「喜劇」というには重い老人問題を扱っていてあまり笑えない社会派映画となっている。今でこそ少子高齢化社会であるが、この映画の製作当時はまだそんなことは言われていなかっただろう時代にこのテーマの映画というのは社会派・今井正監督の先見の明を感じずにはいられないし、ラスト近く、帰宅したミヤコ蝶々に対する家族の冷たい態度は現代から見ればものすごくリアルに感じられる。ただ、ラストはミヤコ蝶々演じる主人公が北林谷栄のいる老人ホームに行くところで終わったほうが少しは希望があったのでは。あのまま主人公が息子夫婦と暮らしていくよりはいいと思うのだ。とはいえ、北林谷栄はある疑いをかけられ、その老人ホームを抜け出したことからも考えられるが、老人ホームが本当に老人にとって安住の地なのかと言われれば微妙なところで、結局どちらがいいとも言えないのが実情だろう。この問題は今現代においても全く変わっておらず、むしろ今のほうが深刻になっているのだ。非常に考えさせられるいい映画だったと思う。老人ホームの職員役で小沢昭一が出ている。去年暮れに亡くなってしまったのは本当に残念だった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-01-13 16:51:19)
1042.  忍たま乱太郎(2011) 《ネタバレ》 
NHKの長寿アニメ「忍たま乱太郎」の実写映画化作品。アニメと同じ脚本家(浦沢義雄)が脚本を担当し、同じ主題歌を使っているが、アニメのオリジナルキャラクターであるヘムヘムとシゲが登場しないこともあってか、アニメよりも原作の漫画をベースにして作られているのかもしれない。とにかく登場する大人の出演者たちが加藤清史郎ら子役たちよりも明らかにノリノリで演じていて楽しそうなのが印象に残る映画で、大御所俳優たちがひたすらバカみたいなことをやっているが、それが見ていて楽しく、子供向けだろうなという見る前の予想を覆して、退屈することなく楽しめた。先週見たばかりの「十三人の刺客」と同じ三池崇史監督だが、「十三人の刺客」にも出演していて渋い演技を見せていた平幹二朗や松方弘樹が特殊メイクを施した姿でコミカルに役を演じているのはギャップを感じる。でもそのギャップも笑えるのだ。もうこれだけで単なる子供向け映画ではない。ラストの鐘を鳴らすシーンも、そう来たかという感じで、たぶんアニメだとやらない展開だと思うが、自分的にはぜんぜんOK。取り立てて深い内容があるわけではないが、子供よりも大人のほうが見ていて楽しめるのではないかと思った。(でも合わない人も多そう。)個人的にはある意味ではアニメよりも面白かったけど、そんなに高い評価をする映画でもないので、まあアニメの劇場版と同じ6点が妥当かな。
[DVD(邦画)] 6点(2013-01-08 16:59:48)(良:1票)
1043.  十三人の刺客(2010) 《ネタバレ》 
東映集団抗争時代劇のハシリとなった工藤栄一監督の「十三人の刺客」の三池崇史監督によるリメイク版。先週再見したオリジナルと比べると格段に娯楽性が増していて、グロい描写も加わっているが、うまく現代風にアレンジされていて面白く、成功作と呼べるものになっている。オリジナルであまり存在意義のなかった十三人目の刺客の設定を山男に変え、山で道に迷った島田(役所広司)たちを案内するかたちで登場させ、その後に仲間に加わるという展開にしたことで存在意義を持たせたり、暗殺の標的にされる松平(稲垣吾郎)の残虐性を強調する演出(生首を蹴り上げるなど。)を施すなど、オリジナルと違う部分も効果をあげている。ただ、オリジナルにはあった重厚さがなく、とくにクライマックスの乱闘シーンが派手になった分だけやたら軽々しく見えたのは残念だった。(オリジナルが30分に対して50分というのもいくらなんでも長すぎる。)オリジナルでは島田は半兵衛にわざと斬られることで己と半兵衛の武士道を通しているが、本作では普通に決闘をして倒しているのも少し違和感を感じた。その後の松平との対決で稲垣の見せ場を作りたかったのかもしれないが、ここはオリジナルのほうが良かった。オリジナルで工藤監督の演出意図を理解しながらも戸惑った平山九十郎が無様な死に様を見せるシーンはなかったが、そのかわりに本作では首を刺された山男が最後に何事もなかったかのように登場するというシーンがあり、ここは三池監督の演出意図がよく理解できず、幽霊とか深読みはしてみたものの、はっきり言ってこのシーンはいらないとしか思えない。出演者としてはやはり松平役の稲垣。菅貫太郎がハマリ役だったので心配だったが、なかなか印象に残る演技を見せていて、とても良かった。(稲垣は「踊る大捜査線」でも犯人役を演じているが、ジャニーズ事務所の看板タレントがこういった非道な悪役を演じるのは珍しいのではないかと思う。)オリジナルに出演していそうで出演していなかった松方弘樹の殺陣もよく、流石は近衛十四郎の息子である。オリジナルで気になった部分が直された一方で、新たに気になる部分や不満な部分も出てきたリメイクで、いろいろと書いたが、純粋な娯楽時代劇としてはじゅうぶんに楽しめたので少し甘めかもしれないが7点。でもどちらかといえばやっぱりオリジナルのほうが好きだな。こっちの方が見ていて爽快だけど。
[DVD(邦画)] 7点(2013-01-05 23:26:15)(良:2票)
1044.  十三人の刺客(1963) 《ネタバレ》 
以前見た時は後半は面白かったものの、前半がかなり退屈に感じたことを覚えているが、今回久しぶりに見ると前半も面白く、全く退屈することなく楽しめた。ストーリーは忠臣蔵に「七人の侍」の要素を加えたようなものであるが、残念ながら13人分の個性というのは描き切れておらず、最後に仲間になる山城新伍なぞは居てもいなくてもいい感じさえする。しかし「七人の侍」では描かれなかった敵側の人物のキャラクターが立っていて、とくに内田良平演じる鬼頭半兵衛の存在感。千恵蔵とのかけひきは緊迫感があっていいし、ラストの二人の一騎打ちの対決も見ごたえがあるものになっている。この間、外では大乱闘が行われており、それとは対照的に描かれているので、この対決はけっこう印象に残るものとなっている。将軍の弟である殿様を演じる菅貫太郎の暴君ぶりもやはりハマリ役で、こういう悪役がいるからこそ、娯楽映画としての魅力も増すのではないか。それだけにやはりさきほども書いたように13人の個性をきちっと描けていれば、もっといい映画になったのではと悔やまれる。が、一人一人をきちっと描くには7人くらいが限界という気もする。クライマックス30分におよぶ乱闘シーンがやはりすごい迫力で、白黒映画だが、このシーンではそれも効果をあげている。ただ、以前見た時もそうなのだが、「七人の侍」の久蔵を思わせる剣豪役を演じている西村晃のあっけない無様な死にぶりはどんな強い剣豪でも刀がなければただの人というような意図があるのだろうけど、やはり少し戸惑った。まあこのシーンはリアルといえばリアルなんだけど。三池崇史監督によるリメイク版は未見なのだが、この部分をどうしているのかすごく気になる。芥川隆行の力の入ったナレーションが印象的。(2012年12月25日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2012-12-28 23:57:12)
1045.  歌麿をめぐる五人の女(1946)
溝口健二監督が終戦の翌年に手がけた時代劇。タイトルから浮世絵師・喜多川歌麿の女性遍歴を描いた映画かと思っていたが、どうも違う。出てくる女たちは田中絹代以外はほとんど印象に残らず、はっきり言って誰が誰なのかもよく分からない。歌麿の浮世絵師としての生きざまを描いたものとしても物足りなさが残る。それに物語にも入り込みにくかった。溝口監督らしさは田中絹代演じるおきたの描き方や、溝口映画では定番の長回しなどに見られるが、全体として深みのない映画で、凡作の域を出ていない。この時代の溝口監督は低迷していたようだが、この映画もその一つではないだろうか。ただ、田中絹代は好演していて、晩年の溝口作品の顔としてのその後の活躍を予感させる演技を既に見せており、これから溝口監督と田中絹代は数々の名作を生み出していくことになるのだなあと感じることができる。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-12-28 23:53:52)
1046.  わたし出すわ 《ネタバレ》 
今日は森田芳光監督の一周忌の命日。偲ぶ目的で本作を見た。小雪は友達に惜しげもなく大金を差し出す主人公の女をミステリアスに演じていて、三丁目の夕日シリーズのヒロミ役よりこっちのほうが合ってる感じなのだが、金の出所が判明してからはそのミステリアスな雰囲気が一気に感じられなくなり、ただの強運の持ち主というふうにしか見えなくなった。どうせなら最後に主人公が株で大損するとかすればよかったのだが、それをしないで、人命は金では買えないというあたりまえのことを描いて終わられても困る。主人公に金をもらった人々のエピソードに関しては路面電車運転士の夫が主人公にもらった金を勝手に使い込んで借金まみれになった妻が挙句の果てに主人公を殺そうとするのは完全に勝手に逆恨みしてるだけだし、簡単に騙されて殺された女も自業自得としか言いようがなく、底が浅い。一方で故障したマラソンランナーが主人公の出した金のおかげで手術を受けることができ、またカンバックできたエピソードや、冒頭で主人公に10万円渡された引っ越し業者の男のその後をラスト付近でその男が主人公に語るかたちできちんと描いていて、そこは良かった。ただ、この両者を対として描きたかったのであれば、バランスがあまり良くないような気がするし、仲村トオルの存在も意味不明だ。森田監督の本作の次の映画は再びお金をテーマにした「武士の家計簿」だが、そっちのほうがまだ面白かったと思う。
[DVD(邦画)] 4点(2012-12-24 00:41:48)(良:1票)
1047.  北の国から 2002遺言 前編・後編<TVM> 《ネタバレ》 
「北の国から」の長い歴史を締めくくる完結編。放送当時見逃していて10年経った今頃になってようやく鑑賞。最後ということを意識してか、涼子先生(原田美枝子)の久々の再登場などどこか同窓会的雰囲気も漂わせる作品になっていて懐かしい気持ちにさせられるが、ドラマは結(内田有紀)の義父を演じる唐十郎がほとんど持って行ってしまった感じで、悪くはないが、あまり完結編という感じのしないものになってしまった印象。前半の雪子(竹下景子)の息子の携帯メールのエピソードはいらなかった気がするし、脚本がどこか散漫に感じる。そんな中、やはり、奥さんのガンのことを中畑(地井武男)が五郎(田中邦衛)に話すシーン、撮影当時本当に奥さんをガンで亡くしたばかりだったという地井武男の演技はリアルすぎて見ていてつらく、演技ではないことは想像に難くないし、思わず心中を察する。本放送前は五郎が死ぬのではと思わせるような宣伝だったように記憶しているが、そうはならなかったのが救いで、中畑の奥さん死んでて、同じ話で五郎まで死んだのでは作品が陰湿すぎるものになってしまうため、これで良かったと思う。これでこのシリーズはすべて見終わったことになるが、だからこそエンドロールで今までかかわったキャストやスタッフの名前がどっと出てくるのは感慨深いものがある。最後にこのシリーズを脇で支え、今年亡くなった地井武男と大滝秀治のご冥福を祈りながら、このレビューをしめたいと思う。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-12-16 19:16:15)
1048.  老人Z 《ネタバレ》 
老人介護問題をテーマにしたSFアニメということで見る前はその二つが自分の中でうまくつながらなかったが、実際に見てみると現代にもじゅうぶん通じるような内容でけっこう面白かった。こういう話はあり得ないようではあるが、昨今の科学の進歩を見ると全自動介護ベッドというのは実現の可能性がなくはなく、シュミレーションとしてはかなりのリアリティーが感じられる。Z001の発表会のシーンで超小型の原子炉を内蔵しているが、万が一放射能が少しでも漏れ出しても大丈夫なように設計してある云々と説明され、取材していた記者たちもそれで納得してしまうが、さすがに震災とそれに伴う原発事故のあったあとである今になって見るとドキッとしてしまう。Z001の暴走の原因が、被験者の老人の想いから再現された亡妻の人格で、その結果、Z001が二人の思い出の地である鎌倉を目指すという展開はやや湿っぽく感じるものの、不覚にも少しウルッとさせられた。でもラストシーンの大仏はよけいだった気がする。老人問題という深刻なテーマを扱いながらも、笑えるシーンも多く、重くならずに気軽に見ていられるのは良かった。しかし、それでいて、20年以上前の作品ながら現代を予見したかのような先見の明のあるものになっていて、少子高齢化社会でもある今だからこそ見る価値のある作品だと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2012-12-15 00:45:58)
1049.  しとやかな獣
悪いやつばかりが登場すると見る前に聞いていたので、どんな風な映画なのかと思っていたが、人間のいやな部分をブラック・ユーモアたっぷりに描いていてとても面白かった。この映画のように舞台を一箇所に限定している映画だと、単調に感じられる場合があるが、凝ったカメラワークと登場人物たちの会話のおかげでむしろスピーディーに感じられ、途中で全くだれることがなかったのも川島雄三監督の演出力の高さを感じられる。ほかにも川島監督ならではと思えるシュールな演出もあり、ヒッチコックの「ロープ」のような舞台的な作品でありながら、ちゃんと映画としてのつぼを押さえているのには感心させられる。そしてなんといってもこの映画の魅力は前田家を中心にした登場人物たちに尽きるだろう。若尾文子の悪女役はあまり見たことなかったんだけど、したたかに演じきっていてさすがと思わせる。前田家の面々にはちょっと唖然とする。それから忘れてはいけないのが小沢昭一。とても怪しげな独特のキャラクターで強烈に印象に残る。出番が少ないのははっきり言って勿体無いなあ。 2012年12月10日追記:小沢昭一という俳優を知ったのはたぶん映画ではなくラジオのパーソナリティーとしてだったと思うけど、いまでは川島監督の映画で欠かせない俳優の一人というふうに自分の中ではなっている。「幕末太陽伝」の金ちゃんはもちろんのこと、そのほか、「洲崎パラダイス 赤信号」のだまされ屋の店員役もまさにこの人ならではで、比較的シリアスな物語にあって小沢昭一演じるこの店員がコメディーリリーフとしての役割をはたしており、これも忘れられない。でも、やはり、この映画に登場するあやしい存在感を放つ歌手・ピノサクは小沢昭一だからこそ、小沢昭一にしかできないと思えるほどのハマリ役で、今まで見た小沢昭一の演じた役柄ではいちばん印象に残っているし、いちばん好きな役柄だ。そんな小沢昭一の訃報はとても悲しいし、非常に残念に思う。心よりご冥福をお祈りします。「このアパート、エレベーターないの!?」
[DVD(邦画)] 8点(2012-12-10 23:03:28)(良:1票)
1050.  三等重役
社長シリーズの原点的作品で、シリーズにおいて先代社長の写真として登場する河村黎吉が社長を演じ、のちにシリーズの顔となる森繁久彌は人事課長を演じている。社長シリーズはそれほど見たというわけではないのだが、のちに量産されることになるシリーズに比べると、河村黎吉演じる社長が戦後の公職追放で社長の座を追われた前社長(小川虎之助)が追放解除になるまでの間、暫定的に社長になった身(これを「三等重役」という。)であるという設定が社会派的であり、これがいちばん社長シリーズとは違うところ。このあたりは今の目線で見るとやや時代を感じてしまったり、そもそも公職追放が何であるかを理解していないと話にややついていきづらい可能性もあるが、河村黎吉はそんな社長を実にうまく演じており、人生の悲哀すら感じさせていてハマリ役で、この映画が公開された年に亡くなったのが惜しいし、実際この映画を見てもとても同じ年に死んだ人とは思えない。森繁久彌も社長シリーズと比べればとぼけたところがなく、実直な部下という印象であるが、主役である河村黎吉を食うほどの存在感があり、この役で森繁久彌という俳優がブレイクしたというのも頷ける話だ。ところで河村黎吉が食べているそばを森繁久彌がハサミで切っているのを「社長三代記」の先代社長の思い出フィルムを見るシーンで見たおぼえがあるのだが、これは続編でのシーンなのかな。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-12-08 17:59:20)
1051.  日本侠客伝 《ネタバレ》 
マキノ雅弘監督、高倉健主演による任侠映画シリーズ第一作。東映が時代劇から任侠映画に移行しはじめた時期の作品ではあるが、かなり豪華なキャストで、力の入った映画になっている。東映の任侠映画は何本か見ているが、この初期作にしてパターンが既に出来上がっていて、初期作ということをあまり意識せずとも楽しめた。津川雅彦と長門裕之の共演もマキノ監督の映画では初めて見るような気がする。長門裕之の片思いの相手が南田洋子であるのは思わず突っ込みたくなるが、これもマキノ監督ならではのことだろう。健さんは開始20分ほどしてからの登場だが、登場までがけっこうじれったかったが、登場してからはなんだか安心。でも、特別出演とある錦之助の扱いがなんだかなあという感じで、単身殴り込みの前の妻(三田佳子)とのシーンは良かったものの、その後、拳銃片手に殴り込みをするのは違和感バリバリで、せめてドスを片手に殴りこんでほしかったし、死に方もあっけない。本人もこれは不本意だったのではないかと思う。それに錦之助といえば時代劇俳優という印象がどうしても強く、こういう任侠映画ではちょっと浮いて見え、その意味でももったいない気がする。錦之助が宮本武蔵を演じた同時期の「宮本武蔵」シリーズ(内田吐夢監督)ではライバルの佐々木小次郎を演じる健さんに違和感があったが、この映画では逆のことが起きてしまっている。錦之助は時代劇にこだわりがあると聞いたことがあるが、この映画を見てあらためて錦之助は時代劇でこそ映える役者なのだと思った。
[DVD(邦画)] 6点(2012-12-08 13:02:27)
1052.  友情(1975) 《ネタバレ》 
渥美清と中村勘九郎(現:中村勘三郎)主演による松竹80周年記念映画で、監督は山田洋次監督の初期の喜劇や「男はつらいよ」シリーズでも初期の何本かで共同脚本を手がけた宮崎晃。渥美清演じる源さんのキャラクターがどことなく寅さんを思わせていたり、作風も山田監督の映画のような雰囲気。主演が渥美清ということもあり、どうも「男はつらいよ 番外編」でも見ているような気持ちになるが、ラストが山田監督ならば絶対にやらないような結末なのがちょっと違うところか。渥美清という俳優を見る時にいつも意識してしまうのが寅さんで本作も途中まではさっき書いたように寅さんを意識して見ていたが、自分の家族の現在の姿を見た直後のシーンや、帰りの船の中で大泣きするシーンで寅さんとは何か違うものを感じ、「男はつらいよ」シリーズを見ていて寅さんに感情移入するのとはまた違う感覚で感情移入することができ、映画自体がとても感動できる名作だが、とくにこのクライマックスからラストシーン近くにかけての渥美清の演技には思わず泣かされた。まだ「男はつらいよ」シリーズ以外での渥美清の主演作を先週見た「白昼堂々」と本作の2本しか見ていないのだが、本作は間違いなく「男はつらいよ」シリーズ、寅さん以外での渥美清の代表作になるのではないかと思う。勘九郎と同棲している恋人を演じる松坂慶子もひたすら美しく、主役二人が彼女に看病されるシーンでは思わず羨ましくなってしまったが、それよりも渥美清の寅さんだけではない俳優としての凄さをこの映画のクライマックスの演技で改めて思い知らされ、やっぱり名優だと思った。(このクライマックスの演技で初めて寅さんを意識せずに渥美清を見られた気がする。)あまり機会がないのが残念だが、「男はつらいよ」以外の渥美清の主演作をもっと見てみたいなあ。
[DVD(邦画)] 8点(2012-12-05 18:49:51)(良:1票)
1053.  座頭市兇状旅 《ネタバレ》 
シリーズ第4作。どうやら本作からシリーズとしての基本が固まったようで市の殺陣もこの間見た初期作2本と比べて大幅に増えていて、冒頭の市が相撲大会に飛び入り参加するシーンなど娯楽的要素も強まっていて安心して見ていられる。ただ、娯楽要素が強くなった分、ドラマ部分がなにか物足りない。1作目と2作目に登場したヒロイン・おたね(万里昌代)が再び登場しているが、もうちょっと市とおたねの関係にスポットを当てたほうがドラマとしても深みが出ただろうし、予告編で使用していたおたねがのぶ(高田美和)に「あなたは私が持っていたものをみんな持っている。」と話すシーンが時間の都合上か本編ではカットされてしまっているのも残念だし、殺されるシーンもあっさりとしていて、せめてそのあと、市との何らかのやりとりがほしかったところだが、おたねを殺されて怒りに燃え、悪人たちを斬りまくる市にはとても感情移入できたし、自分をだまそうと持ちかけたのはおたねだと言われても信じようとはしない市におたねに対する思いというものが伝わってくる。それだけにおたねの心理描写が不足しているのが残念。こういう結末を用意するならやっぱり予告編にあったおたねとのぶのシーンはカットしないでほしかった。それがちょっと惜しいけど、個人的にはやっぱりおたねは市を裏切っていないと信じたいなあ。すべてが終わり、市が旅立つエピローグ・シーンは今見るとまるで「水戸黄門」のエンディングのようだが、これもシリーズとして軌道に乗ったということの証明かもしれない。
[DVD(邦画)] 7点(2012-12-04 12:30:46)
1054.  ルパン三世 東方見聞録 ~アナザーページ~<TVM> 《ネタバレ》 
レギュラー声優の一部交代から2作目となるテレビスペシャル。合間にハードなつくりだったらしい新作のテレビシリーズをはさんでいるが、僕の住んでいる地域では未放送だったらしく、未見。いつものようにとくに期待して見たわけではないし、実際いつもどおりのテレビスペシャルという感じ。しかし、今回は「名探偵コナン」のスタッフで固められており、そのせいか作画にかなりの違和感があったし、ストーリー展開も最初に殺人事件が起き、ルパンが犯人と疑われたりする。なにより冒頭で描かれるその殺人事件の犯人が黒く塗りつぶされていたり、その直後、ルパンがコナンのような特殊なメガネを使うシーンがあったりとコナン的な描写が多々あり、作画はまあしょうがないかと思うものの、いくらアニメの製作会社とスタッフが同じでもこれはちょっとやりすぎ感がすごい。「ルパン三世」(とくにテレビスペシャル)はあまり思い入れのないシリーズではあるが、さすがになんとかしてほしかった。
[地上波(邦画)] 5点(2012-11-29 11:28:27)
1055.  踊る大捜査線 秋の犯罪撲滅スペシャル<TVM> 《ネタバレ》 
劇場版第一作公開直前に放送されたスペシャル版。「踊る大捜査線」で初めて見た話が実はこれで、その時はけっこう面白かったのだが、今見るとけっこう粗が目立ち、「歳末特別警戒スペシャル」のほうが出来は上に思える。しかし、やはり最近のシリーズと比べれば面白いし、すみれ(深津絵里)というキャラクターをよく分かった脚本になっている。この回は劇場版と同時進行で撮影されたのか演出が本広克行監督ではなく、連ドラでサブディレクターをつとめていた澤田謙作監督が演出を手掛けているが、演出にあまり違いは感じなかった。初めて見た当時は相良純子役の大塚寧々に「サイコメトラーEIJI」でのドジな女刑事・志摩亮子役の印象が強かったため、被疑者として登場して少し違和感を感じたのを思い出した。今見るとその他の出演者に大倉孝二が出てたり、放火の実行犯がクドカンだったりと「歳末特別警戒スペシャル」のときと同じく、無名時代の俳優が何人か出ている。犯人の部屋から押収した大量のビデオテープを調べるシーンで途中から早送りをやめてビデオを真剣に見始めるところははじめて見た時も笑ったが、今回もつい笑ってしまった。駅員役の高木ブーと和久(いかりや長介)のやりとりも短いながらやはりドリフで長年一緒にやっていただけあってコンビネーションがよく、笑わせてくれる。「歳末特別警戒スペシャル」と合わせての総評になるが、この頃はまだ勢いが感じられる。やはり「踊る大捜査線」はこのあとの劇場版一作目までが面白さでいえばピークだったのではないか。
[地上波(邦画)] 6点(2012-11-22 16:02:24)
1056.  ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル 《ネタバレ》 
シリーズ第4作。1作目のレビューでもっと仲間たちの個々の活躍を見たかったと書いたが、15年後に製作された本作ではそれがきちんと描かれており、また2作目や3作目のようにアクションが派手な印象はなく、どちらかと言えば地味なつくりだが、いちばんの見せ場である高層ビルをよじ登るシーンは緊張感があり、作風としては1作目にいちばん近い感じがする。ただ今までのシリーズになかったギャグシーンが少々緊張感を剥いでいる感がなくはない(くどい感じは受けないが。)し、冒頭から存在感を放っていた敵方の女暗殺者を中盤であっさり死なせてしまうのはもったいない気がする。今までのシリーズはそれぞれ独立したストーリーであったが今回は前作の監督がプロデューサーをつとめていることもあってか、前作とも少し関連性を持たせているところがミソかもしれない。今回はタイトルが「M:I:Ⅳ」ではなく、サブタイトルのついたものになっているが、これは今後もこのシリーズを続けるというトム・クルーズの意思の表れだろう。ひょっとしたらこのシリーズは「007」のように長く続いていくかもしれない。
[DVD(字幕)] 6点(2012-11-20 18:00:46)(良:1票)
1057.  ひばりの森の石松 《ネタバレ》 
沢島忠監督の作品はあまり見ているわけではないが、「股旅三人やくざ」、とくに錦之助が主演した第三話の喜劇的面白さが印象に残っている監督で、この映画も実に明るい作風で、これぞ明朗時代劇という感じ。森繁久弥の印象が強く、見る前は少し不安だった石松役の主演の美空ひばりも本当にハマリ役で、何本か男役で出演した映画があるみたいだが、違和感が最初から最後まで全くなく、見事に演じきっている。唐突に夢の中で始まる竜宮城レビューのシーンも美空ひばりが東映の監督の中でも特に信頼していたという沢島監督の演出がうまいのか、彼女にあまり興味のない自分でも楽しく見ることができた。終盤のボウリングのシーンも通常の時代劇では絶対にあり得ないようなシーンだが、純粋に見ていて楽しい。(ああだこうだ考えながら見る映画ではない。)後半の盲目の姫(片岡千恵蔵の娘が演じてる。)とのやりとりには思わずほろりとさせられる。最近見た東映の映画と言えば去年ぐらいからヤクザ映画が中心だった気がして、それ以前の東映時代劇を見るのがかなり久しぶりな気がするが、見終わって本当に心の底から楽しかったと思える映画だった。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2012-11-17 15:42:02)
1058.  ALWAYS 続・三丁目の夕日 《ネタバレ》 
シリーズ第2作。先に3作目を見てしまったので、2作目も取りあえずという感じで見たのだが、なんというか1作目の後始末という感じで流れは1作目とそんなに変わらないように思い、先に見た3作目のほうが面白かったと思う。そもそもが大ヒット作の2作目なのでどうやっても1作目の後日談的内容になってしまうのは致し方ないところか。今回は社長が戦友と再会するエピソードや、社長の奥さんが昔の恋人とバッタリ再会するシーンとか原作で読んだことがあるエピソードがいくつか盛り込まれているのに気づけたのが嬉しかったが、やはり原作のほうが良かったかな。主題歌はけっこう好きだったりするけど。それにしても冒頭のゴジラが三丁目を襲うシーンはかなりよく出来ていて、既に何人かの方が書かれているとおり、このクオリティーで新作のゴジラ映画が見てみたい。はっきり言って本作はこのシーンさえ見ればあとの本編はおまけみたいなもの。またいつかゴジラ映画が復活する際には東宝は是非に山崎貴監督に依頼するべきだろう。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-11-15 21:07:40)
1059.  ロボコップ(1987) 《ネタバレ》 
このシリーズは2作目と3作目は昔見ているが、この1作目はテレビで断片的にしか見たことがなく今回DVDで初めて全編見た。2作目と3作目は面白くなかったおぼえがあるが、1作目である本作はマーフィがロボコップになる過程や、マーフィの記憶が戻ってからのロボコップの哀しみが丁寧に描かれ、ただのヒーローSFアクションではなく、純粋に人間ドラマとして深みがあり、見ごたえのある映画になっていて面白かった。中でも記憶が戻ってからの「生きていた」頃の記憶に苦しめられるロボコップ・マーフィの姿は見ているこちらに彼の哀しみが伝わってきて、売り家になった自宅を訪れるシーンや、マーフィの家族が既に新しい地へ転居していることをルイスから聞かされるシーンはあまりにも残酷で、思わず感情移入せずにはいられない。最後のマーフィのセリフは主人公の苦悩がじゅうぶん描けているからこそカタルシスも大きいものとなるのだ。激しいバイオレンスの応酬もこういったキャラクターヒーローSFアクション映画では異色な気もするが、それもポール・バーホーベン監督らしく、ドラマ部分もそうだが、この暴力表現の激しさも続編とは一線を画している。繰り返しになるかもしれないが、やはりこういった娯楽を前面に出したような映画でも人間がしっかり描けていれば傑作になるということを証明しているような映画だと思う。マーフィがクラレンス一味に撃たれて病院へ運ばれたあとのシーンで、死んでいるはずのマーフィの視点から彼の目の前の人物たちの会話が描かれているのが、実際はまだ死んでいないのではというのを観客に思わせるような演出で印象的だったが、知り合いに一人交通事故で入院した時に全く同じような体験をしたという人がいるので、このシーンはよけい印象に残る。その知り合いはこの映画には特別の思い入れがあるようだったが、実際にこの映画を見てみると、それも分かるような気がする。
[DVD(字幕)] 8点(2012-11-07 20:41:53)(良:3票)
1060.  M:I-2
シリーズ第2作。1作目を見てから一週間としないうちの再見だったが、続けて見るとやはり監督が違えば同じシリーズでもこうも違うのかという感想になってしまう。ブライアン・デ・パルマ監督だった前作はサスペンスメインの構成だったのだが、ジョン・ウー監督の今回は(特に後半が)アクションメインの構成で、鳩を使った演出や二丁拳銃などウー監督らしいアクションシーンが満載で、それはそれで楽しいのだが、前作に比べると007に近い作風になり、本格的なスパイ映画というよりは普通にトム・クルーズ扮するイーサン・ハントが大活躍するアクション・スペクタクル映画という感じで、前作のようなスパイ映画としてのハラハラドキドキ感がなくなってしまっているように思う。前作はそうでもなかったが、今回はほぼ100%彼のための映画という感じで、前作のほうが話は面白かった。でも、アクションに関してはウー監督らしさはじゅうぶんに堪能できる映画となっている。(2012年11月4日更新)
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-11-04 01:58:33)(良:1票)
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