1121. ハバナ
《ネタバレ》 バチスタ政権崩壊直前のハバナを再現した大セットに大エキストラが混迷する状況下でのメロドラマを盛り上げる。アメリカ式資本主義がもたらす自由と退廃の象徴としてのハバナ。レッドフォード演じるギャンブラーもまた自由と退廃の象徴として登場する。そんなギャンブラーが金を捨て女に走る。ちと説得力に欠ける気もするが、混乱を極める状況下がハートの火に油を注いだということでまあ納得。一方、女は結果としてレッドフォードを選ばないのですが、政治的背景が二人を引き裂くのではなく、背景を無視して純粋に男と女のドラマとして選ばない。この堂々としたメロドラマぶりには好感が持てる。ふられた男の悲しみも倍増ってなもんです。惜しむらくは極めてユーモア感覚に乏しい点。それゆえにヒロインが魅力的でない点。 [DVD(字幕)] 5点(2006-11-22 11:45:47) |
1122. ミュンヘン
イスラエルとパレスチナの泥沼の報復合戦という重々しい題材をここまで見事に娯楽映画に押し上げた手腕は絶賛に値すると思う。時代を表現する褪せた色、殺しのたびにターゲット以外の犠牲者が増えてゆく展開、美女は危険というありふれた、そして正当な刺客の登場に甘い残り香というこれまたありふれた、しかし心にくい展開を次々と見せてゆく。しかし何かひっかかるものがある。この作品はミュンヘン事件を発端とする暴力の連鎖をスリルとサスペンスを盛り上げながら見せてゆく娯楽映画なのに、この問題を真摯に描こうとする、そして政治的な物言いを感じる。だから最後にアレを見せて今に続くこの問題の大きさを表現している。でもそれだったら、そもそもこの問題はミュンヘンが発端ではないと言いたくなる。イスラエル側を悪く描いているように見せても、この問題の根源がパレスチナ側の起こしたミュンヘン人質事件のようになっている。戦車や戦闘機でパレスチナの民間人が大量に殺されるシーンはない。電話爆弾で殺される男のセリフにちょこっと出てくるだけだ。土地の問題。水の問題、宗教の問題、米英の利益目的の介入を描けと言っているのではない。ただ、この映画は中途半端にこの問題に介入しすぎていると思う。 [映画館(字幕)] 6点(2006-11-21 10:49:44)(良:1票) |
1123. ロサンゼルス
《ネタバレ》 ニューヨークからロサンゼルスに移っても家族を襲われちゃう不幸な主人公ポール・カージィーもさすがに復讐にも手馴れた感があり、プロの殺し屋のように淡々と一人一人、どこまでも執拗に追い込んでゆく。前作『狼よさらば』の70年代映画の独特の空気を継承するも、70年代の世相はこのときすでに無くなりつつあり、前作のようなアクション映画でありながらも社会派の様相を呈した作風を堪能することは出来ない。ブロンソンの感情を押し殺した復讐っぷりに「さらば、『狼よさらば』」という郷愁を感じる。その郷愁に浸れるだけまだ良いとも言える。 [ビデオ(字幕)] 5点(2006-11-20 11:29:43) |
1124. オーメン(1976)
子供の頃はテレビで放映するたびに見ていた。学校では頭にマジックで666と書いて「うわぁ~、ダミアンや~!」とはしゃいでたことを覚えている。当時は二日遅く生んでくれた母にひっそりと感謝したもんだ。要するに私の中では一世を風靡した映画である。怖いのは苦手なのだが、おそらくこの映画は面白いのだ。今風に言うとこわおもろい?いや、ちょっと違うか。 首がひっくりかえるとか、死人が蘇って襲ってくるとか、怖くて見られないようなシーンがないから全部見ちゃうのだ。映し出されるのは自殺だとか事故であってその一つ一つは悲惨な日常のひとコマでしかないもの。それらを関連付けるストーリー展開と、目のアップだとか山犬がじっとこちらを伺う姿だとかという悪を彷彿させる画のモンタージュによって、シーンの怖さではなく見終えた後に初めて「あ~怖かった」となる怖さを持っているのです。だから怖い映画なのに何度でも見ることができるのだ。あ~怖かった。 [DVD(字幕)] 7点(2006-11-17 13:54:00)(笑:1票) (良:1票) |
1125. グーニーズ
シンディ・ローパーのPVで見ただけでもいかにもお子様向け冒険活劇だったので当時は無視していたのだが、なぜだか映画をほとんど観ないヨメさんのお気に入り作品としてDVDがウチにある。正直、なんで人気があるのかわからん。遊園地のアトラクションを疑似体験してゆくだけの映画にしか見えんのだが、それゆえに童心に返れば楽しめるということなのだろうか。いちいち無理やりな展開を指摘するつもりもないし、むしろ「無理やりやなー」と笑って観ていられる空気はちゃんとあったから、全く楽しめなかったわけでもありませんが。一番の見所は物語が始まる前、脱獄からカーチェイスのシーンでしょう。ここはリチャード・ドナーしてます。 [DVD(字幕)] 5点(2006-11-16 12:42:05) |
1126. レディホーク
《ネタバレ》 愛し合う二人が人間として会えるのは昼と夜が入れ替わるときの数秒というその設定が残酷ではあるけれどなんともロマンチック。昼は女が鷹に、夜は男が狼に。あんたらいったいいつ寝るねん、てな疑問は愚問。つっこむほうがバカらしいほどにファンタジーで覆われている。すべてが収束を向かえる皆既日食のシーンはもうちょっと盛り上げてほしかった気もする。あと、音楽は聴いてて恥ずかしくなる。80年代独特の軟弱な音。あーゆう音楽が確かに溢れていた。新しい音楽として。そんな音楽がほぼ全編で流れる。この種の映画にはこの種の音楽というキマリみたいなものが崩壊した時代でもあったと思う。その中での挑戦だったのかもしれないけど、これは失敗だと思う。 [DVD(字幕)] 6点(2006-11-15 12:09:55) |
1127. 暗殺者
文句なしに面白い!と思ったらここでの評価はなんとリチャード・ドナー監督作の中での最低の平均点!!なんで??殺しの世界に見切りをつけたいベテランスナイパーとこの世界でナンバー1を目指す野心の塊のような若いスナイパーの対決。静と動。殺しの美学の対比が対決の中に常に映し出される。ターゲット以外の人間も有無も言わせず殺す非情をサイレンサー付きの銃から出る乾いた銃声が助長する。頭脳戦を内包したあくまでクールな銃撃戦の連続にしびれまくり。全く正反対の二人のようでいて、この世界で生きる男の持つ同じ臭い。同じ臭いを持つもの同士にある、ある意味においての信頼関係。アクションてんこ盛りの中にしっかりと描かれていた。熱い(暑苦しい)二人の男の中での、けして汗を掻かなさそうなジュリアン・ムーアのキャスティングも絶妙。彼女が性的な臭いを発しなかったからからこその絶妙なブレンド。ベッドシーンがなくてホントに良かった。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-11-14 10:56:31)(良:2票) |
1128. 16ブロック
恥ずかしながら中盤までブルース・ウィリスだと気づかなかった。似てるなぁとは思って見てたのですが(汗)。拳銃を取りにある家に入る。あきらかに主人公の自宅だと思わせて。トイレに入るモス・デフに便座をあげろと言うとあがってると。そこで意味深に男の写った写真に目を移す。当然私の脳裏に『ラスト・ボーイスカウト』のあの場面がよぎる。あっ、ブルース・ウィリスだ!とやっと気づく。自分を擁護するわけじゃないけど、このブルース・ウィリスの変身ぶりには恐れ入る。渋いっス。警察官と犯罪者のコンビ、白人と黒人のコンビ、警官同士の戦い、どこにでもあるありふれた駒を最大限に駆使して頭脳戦、心理戦、銃撃戦とひっきりなしに見せてくれる。その合間に挟まれるバスの人質とのやりとり、アパートの住人とのやりとりは戦いの(観ている側にとっての)小休止。個人的にはこの小休止をもっと短く端折ってくれても良かったような気もしますが、総体的には楽しめたので、ぎりぎりの7点ってことで。 [映画館(字幕)] 7点(2006-11-13 12:29:25) |
1129. ギフト(2000)
夫の死を予見しておきながら死なせてしまった過去。何故か与えられてしまった特別な力を裏切った過去。だからこそ彼女はその特別な力を発揮すべく占い師として人々に道を示す。だからこそ魔女と呼ばれようとも冷たい視線を浴びようとも、あるいは自分に敵意を向ける男が助かることになろうとも、そしてそこに自らの危険があろうとも、真実を導かずにはおれない。大いなる力を持つものには大いなる責任が伴う。後に『スパイダーマン』に継承されるテーマがはっきりと浮かび上がる。ビッグネームの脇役たちの存在感がありすぎて作品の空気に合ってない気がするが、ホラー演出に磨きがかかり、洗練された映像にサム・ライミの新境地を見る。 [DVD(字幕)] 6点(2006-11-10 13:41:38)(良:1票) |
1130. シンプル・プラン
《ネタバレ》 大金が人を狂わせるというごくありふれた、まさにシンプルなテーマを兄弟の対比によって繊細に描かれる。ダニー・ボイルの『シャロウ・グレイブ』をより身近にしたような感じ。何人かの方が触れられているコーエン兄弟の『ファーゴ』もたしかに彷彿させます。ただしコーエン兄弟の映画は登場人物たちがコーエン兄弟の手によって弄ばされているかのように転がされるが、この作品は普通であれば普通であるほどに誰もが持ち得る悪意が悪いほうへ悪いほうへと転ばせているようで、自分にもあるだろう卑しい心を見透かされているような居心地の悪さを覚える。昔住んでいた家を買い戻すために大金が欲しい兄、借金返済のために大金が欲しい兄の友人、とは異なり、明確な使途が無い弟夫婦。より良い生活をしたい、そのためにまじめに働く弟夫婦は、大金を前により良い生活をしたい、もっとよりよい生活を、もっともっと、、という際限の無い欲望に取り付かれてしまう。殺人をも肯定させてしまう心情が怖い。ラストがちとドラマチックに過ぎるような気がする。 [DVD(字幕)] 6点(2006-11-09 14:38:29)(良:1票) |
1131. XYZマーダーズ
脚本にコーエン兄弟が参加してますが、まさに『赤ちゃん泥棒』に似た流れ。悪党二人組みの馬鹿笑いが全く同じで極悪人といえどもどこか愛すべきキャラクターとなっている。ただし『赤ちゃん泥棒』のほのぼの感は当然なく、徹底的に残酷で、その残酷さを笑いへと転化させるためのおバカエッセンスが大量に降りかけられる。B級ネタにチープな画作り、そしてホラー、ロマンス、アクションとなんでもありの節操の無さがおバカを加速させる。とろい主人公がヒーローになるってことで『スパイダーマン』の原型を見ることが出来る・・なんてことはない。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-11-08 11:15:09) |
1132. スパイダーマン2
《ネタバレ》 前作とは打って変わってサム・ライミがようやく「スパイダーマン」を自分のものにしたという感じ。ハリウッドだから出来ること、高制作費だから出来ることを自らの作家性に拘らずにやったおかげでかえって彼の個性がこのハリウッド大作の中で暴れまくる。「大いなる力には大いなる責任が伴う」というたいそうなテーマをもってヒロインとの決別で終わった前作からの続編でありながらそのたいそうなテーマを主人公自らが放棄するかのようにヒロインと結ばれるは、ベールに包まれているはずのヒーローは堂々と顔をさらすは、ヒロインが襲われてキャーキャー悲鳴をあげるシーンは全くヒロインらしからぬ恐怖の顔をさらした単なるホラー映画の被害者の顔になってるは、オクトパスの暴れっぷりは恐怖と気色悪さと可笑しさが凝縮されてて大いに楽しませてくれるは、ハリウッドでやるべきことはしっかりと押さえて、あとはやりたい放題。期待薄で観たこともあって大変満足いたしました。 [DVD(字幕)] 7点(2006-11-07 09:57:35) |
1133. スパイダーマン(2002)
公開時の新聞記事にハリウッドに馴染まない監督だからこその傑作とかなんとか書いてあって期待はしてたんだけど見そびれちゃってのDVD鑑賞。うーん、、というか、サム・ライミはデビュー作のインパクトで語られちゃってますけど最近はじゅうぶんハリウッドに馴染んでますよ。それにもともと見せ方は違うけど娯楽を提供するという部分ではハリウッドと同じ目的を持ってる監督です、この人。ただなんとも薄っぺらい「娯楽」を寄せ集めてどうだ~!って堂々と見せてしまうその気概と、それでも魅せてしまうセンスにこそこの監督の個性があると思うのですが、この『スパイダーマン』は一見、ココがサム・ライミです!ってところをチラチラさせてはいるものの、どうも物足りない。それにアトラクションムービーとしての見せ場があるのにこちらも中途半端。そしてなによりも「大いなる力には大いなる責任」というたいそうなテーマ(なんかアメリカが世界の警察を誇示しているようでテーマ自体が好かん)を一度ならずも二度までも語ってしまい、ラストにつなげるあたりがどこにでもあるハリウッド映画にしてしまっている。中盤までは楽しめた。 [DVD(字幕)] 5点(2006-11-06 15:52:51) |
1134. ある子供
『イゴールの約束』のイゴールを演じたジェレミー・レニエが立派な大人になってダルデンヌ兄弟の映画に帰ってきた。と思ったらどうしようもない青年。その場しのぎの短絡思考。困ればとりあえず妻のいるアパートへ行く。行ってどうなるわけでもないし、実際妻には会えないのだが何度も行く。要するに子供。根は悪い奴ではない。それは仲間の少年の足を必死でさする姿にも見て取れる。この映画はけして「大人になれない子供」の原因を追究してはいない。しかし孫が出来たというのに喜ばない青年の親から想像させるものは、生きるだけで精一杯の社会の底辺の実情である。ダルデンヌ兄弟は常に社会の底辺を撮る。そしてドキュメンタリー映画以上の現実の露呈を試みる。それが彼らの映画である。 [DVD(字幕)] 8点(2006-11-02 14:19:53)(良:1票) |
1135. 息子のまなざし
職業訓練所に新しく入った少年は大工コースを選ぶが、主人公の教師は履歴書を見た後、生徒が多いことを理由に断る。その後なぜだかソワソワし始める。家に帰ると女の人が訪ねてくる。最初はこの女性が誰なのかわかんない。これらは後にはっきりとしてくるのですが、「説明」を一切排除しているので、分からないまま見ていた最初の数十分は退屈に感じた。分かってからはのめり込まずにはいられない特殊な設定。設定だけが特異で何が起こるわけでもないが、さりげない会話から少年の同情すべき家庭環境や睡眠薬で眠るしかない後悔と苦悩が前面に出ることなく、でもしっかりと描かれ、それゆえの教師の葛藤がガンガンと迫ってくる。そして『イゴールの約束』でも感心させられたオリヴィエ・グルメの演技を超えた演技にまたしてもやられた。大工仕事の手際の良さはもちろん、その身のこなし、何かのついでに部品を取る仕草、痛めた腰をかばう歩き方、復讐心でも愛情でもない少年に向ける眼差し。オリヴィエ・グルメ、この男を見るだけでも価値がある。そしてこの男をここまで引き上げているのはまぎれもなくダルデンヌ兄弟の力なのだ。 [DVD(字幕)] 7点(2006-11-01 11:42:41) |
1136. ロゼッタ
《ネタバレ》 いきなり怒ったロゼッタが突進してくる。止めに入る上役の手を振りほどき怒りをぶつけてくる。カメラが必死にその一部始終を捉えようとする。カメラの振れはロゼッタの怒りの象徴か、はたまたロゼッタについていけないゆえの不可抗力か。とにかくインパクト大である。怒りの原因は解雇。定職に就くということに異様な執着を見せる彼女の生活が徐々に露にされてゆく。アルコール依存症の母とトレーラーハウスで暮らす彼女が人間として生きる最後の砦が定職に就くこと。そんな人間らしく生きたいという一途な想いが人を蹴落としてまで職に就きたいという人間らしくない行動をとらせてしまう。人間らしく生きたいという目的のための手段であったはずの就職がいつのまにか目的になってしまう。カメラは淡々と冷徹な社会と弱い人間の悲鳴を捉え続ける。歯車が狂った。死に向かうが死すらもうまくいかない。衝撃のラストは「救い」だととりたい。 [DVD(字幕)] 7点(2006-10-31 10:18:22)(良:1票) |
1137. イゴールの約束
ドキュメンタリー出身のダルデンヌ兄弟の映画はどの映画もドキュメンタリー的視点で主人公と主人公の生活が生々しく描写される。この作品では不法滞在する外国人労働者に住居を斡旋しその賃料を飯の種とする親子が登場する。この親子を演じたオリヴィエ・グルメとジェレミー・レニエは些細な仕草によって目に見えない親子の絆までも画面に残し、二人は以前からずっとこの仕事をしてきたかのように自然に且つ手際よく、それこそ演技の枠を超えて役に染まっている。しかしこの映画が素晴らしいのはその完璧なまでのリアルな描写に留まらず、その上に「少年が成長(自立)する」きっかけと過程というドラマチックなものを違和感なく溶け込ませている点。「約束」という情的なものを支点として「父親に従う子供」という図式が徐々に崩れてゆく展開が実に映画的で良い。さらに「現実」に追われる親子の生活ゆえに少年が惹かれるきっかけともなった黒人家族の悪魔祓いや占いといった非現実的な儀式が親子の生活との対比として描写されるあたりもまた実に映画的である。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-10-30 15:11:17)(良:1票) |
1138. ヴィレッジ(2004)
《ネタバレ》 前作の『サイン』で宇宙人の影に隠れてしまった現実社会の描写。汚染された水、隣人の嫌がらせ、過酷な労働条件、それゆえに起こった理不尽な交通事故、食べたいものはジャンクフード、そしてテレビだけを信じる家族。そんな病んだ社会から逃れて閉じた空間で暮らす面々が『ヴィレッジ』の住人。まるで『サイン』のあの家族が外の世界を見えないように窓を覆い隠したように。盲目のヒロインが盲目ではないかのように暮らす姿は現実を見ないように見ないようにしているヴィレッジの住人たちがヒロイン以上に盲目であることを提示している。年寄りだけでなく若者たちも目先のものしか見ていない。スーツのしわを気にする男もその典型的な描写といえる。『サイン』のあの家族たちは奇跡を信じたが住人たちには何も見えない。その結果の悲劇。そして外を見ようとする二人の若い男女がいずれ奇跡を体現するのだろう。この映画はそんなわずかな光を残して静かに終わる。うまいなぁと思ったんですが、、。ビジュアル的にも森の中の赤と黄色が強烈な印象を残していてけっこう気に入ってます。 [DVD(字幕)] 7点(2006-10-27 14:05:25)(良:1票) |
1139. サイン
《ネタバレ》 まず、観ている時はかなり楽しめたということを先に言っときます。ミステリーサークルが宇宙船の降り立つ目印?いやいや、宇宙船なんか無いんじゃないだろうか。あるのはテレビの中だけじゃん。「何も手を加えていません」と協調するアナウンサー。怪しいなぁ、どっちにしてもいつもは手を加えているってこと?人間を食う?誰もそんなところ見てないじゃん。水に弱い?汚染に敏感なだけでは?これって不安が間違った情報に踊らされることを助長してパニクってるだけ?そんな風に見ていたので楽しめたわけです。でも宇宙人が登場。撃退法はずっと以前に死の間際で発した妻の言葉にあった。偶然ではなく神の起こした奇跡。シャマランの映画にいつのまにか着地。これも楽しめた。でも公開直後からの酷評の嵐に促されたかのように、私の解釈だと話が繋がらないことに気がつく。ま、いいではないか。そのとき楽しめたのならと思っていたが、今思い出しながらレビューを書いていて、いや、これってちゃんと繋がってるぞと。幽霊やヒーローがいたように「宇宙人がいた」。なぜ来たのかは知らん。そして助かった。それは様々な偶然の重なりではなく「奇跡が起きた」から。それ以外は不正確なメディアの嘘。噂。疑心暗鬼。ちょっと強引か? [映画館(字幕)] 7点(2006-10-26 13:57:31) |
1140. アンブレイカブル
映画に何を求めるか、何を楽しむかは人それぞれあるだろうが、ストーリーが面白いか面白くないかは好みはあるだろうけど面白いものは誰が見たって面白いし、面白くないものは誰が見たって面白くないものだと思ってたけど、違ったみたい。これは前作『シックス・センス』を勝るほどの面白いストーリーだと思ってたのですが世間の評価はイマイチのようですね。個人的には非常に楽しめた。ストーリーも良いが、その見せ方も秀逸。冒頭に生まれながらに骨折した赤ん坊が映され、列車に乗るブルース・ウィリスが映されるが、黒人と白人とすることで同一人物ではないことを判らせたうえで見せてます。でも両者ともがこの映画において非常に重要なキャラで、その重要さが同等であることを宣言しています。これが最後に効いてくる。何もかもが真逆な二人なんだからオチは当然のオチといえる。それでも驚いた。天から授かった力の封印が家族を崩壊へと招き、力の使用が再生を招くというシャマランの信仰とも言えるテーマが物語を美しくさせ、オチに拘らない映画へと昇華させていると思う。と同時に負の力を持つ悲しき運命に涙する。 [DVD(字幕)] 7点(2006-10-25 15:48:59) |