101. ミラーズ(2008)
《ネタバレ》 アレクサンドル・アジャが監督というだけでけっこう期待値が高かったんですが、正直ドキドキ感もあまりなく怖くなかったかな。序盤はけっこう退屈でしたし。ラストのオチは「ああ、やっぱり」と予想してた通り。店先のウインドウについた指紋と物語冒頭で見つけた鏡の指紋、結局のところ、ベン以外にも鏡の世界にとらわれ、魂のみとなったものが多数いるっていう解釈でいいのかな?アンナの言葉からもちょっと分かりにくかったけど。 [DVD(字幕)] 5点(2009-08-08 11:40:07) |
102. ブラッディ・バレンタイン 3D
《ネタバレ》 随分昔に、オリジナル版「血のバレンタイン」を観てはいたけど、やはり現代リメイク版となると切り株描写や脅かし方などの過激な演出面に力が入りすぎていて、真犯人のドンデン返しにしてもストーリーに何の工夫もなくオリジナリティーに欠ける。しかながら、3D映画ということで、それを意識した撮影手法は確かにホラーというジャンルには向いている気もしました。そういう試みと今後に期待! [DVD(字幕)] 4点(2009-08-07 09:00:47) |
103. 88ミニッツ
《ネタバレ》 久し振りにアル・パチーノを観ました。もうけっこうな歳ですが、彼の存在感はさすがだなぁと感じます。演技のひとつひとつ見入っちゃいますし、渋い。物語そっちのけでそれだけでも満足しちゃうんですが、肝心の本編は、物語の進行具合に観てる側の整理が追いつきません。疑わしい人物が次々と登場してくるわりに、犯人の目的や理由の大半が後付けてきな演出で片付けられてしまってるため、犯人を推測する楽しみが半ば強引的に押し付けられている気もした。地味な作品であることは否めませんが、丁度よい尺ですし、それなりに楽しめました。 [DVD(字幕)] 5点(2009-07-21 10:46:56) |
104. アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン
《ネタバレ》 まずこのキャスティング自体“明らかにファンの多い日本向け、もしくはアジア向け”。それで集客を稼ごうという魂胆が見え見えで嫌気を感じたんだけども、いかんせん監督がトラン・アン・ユンではないか。あの「青いパパイヤの香り」は素晴らしかった。きっとこの監督ならと信じいたけど、どうも“らしさ”がなく新しい試みをして失敗しちゃった感じ。三者三様の痛みを描き、キリストの受難を現代的に描いているが、痛みを直す能力も結局解明されておらず、あたかも神の力である。いくつかのエピソードを絡ませて終結を迎えるが、どうもしっくりこなかったのは個々のエピソードの焦点がぼやけているからだと認識した。それに、信仰心のない人がみても意味不明だし、そもそも宗教色が散漫な日本人が観ても理解し難いだけである。ただこの監督はやはり人物や自然の撮り方が巧い。「ノルウェイの森」に期待! [映画館(字幕)] 4点(2009-07-10 12:17:01) |
105. カメレオン
シリアス路線で撮っているんだろうが、全てが茶番にしか見えない。出演者のせいもあると思うが、見せ方が一番の問題だろう。とりわけアクションシーンがグダグダだ。唯一の見せ場は、街中走っていたらいつのまにか廃墟という西部警察もどきのカーチェイスだろうか。そんでもって最後のあの変顔は何!? [DVD(字幕)] 2点(2009-07-10 11:55:46) |
106. K-20 怪人二十面相・伝
《ネタバレ》 エンタテインメントとして非常にしっかりとした作品で素直に面白かったです。架空都市「帝都」のノスタルジック溢れる世界観も見事に表現できていて素晴らしいと思う。ただ、怪人二十面相の正体が予想どおり的中し、意外性もなかったのが残念。もう少し観ている人を騙すような登場人物の個性付け、伏線があれば驚きも違ったかなぁと。あとやっぱり金城武のセリフは「リターナー」で懲りました。。 [DVD(邦画)] 6点(2009-07-02 19:58:29) |
107. 007/慰めの報酬
《ネタバレ》 前作ですっかりダニエル・クレイグの虜になってしまい、もちろん今作もDVD購入。アクションてんこ盛りと聞いていただけに本編尺がやたら短いのでえらくスリムにまとめたのかなぁという思いを胸に鑑賞。冒頭はいきなりのカーチェイス、このアクションシーンをみて不安がよぎった。カット割が早い上に細かすぎで位置関係もさることながら何が起こっているのか分かりにくい。流行の手法だけど、やはりアクションは極力1カットでみせるべきである。力量が伴っていれば話は別だが、この監督のアクションはあくまで雰囲気重視のようである。で肝心の物語、イタリアでの尋問シーンでいきなりきた。もう忘れてる。すぐさま前作「カジノロワイヤル」のDVDを取り出し、終盤をチェック。あ、思い出した。割と序盤からばんばん固有名詞がでてくるため前作を復習していないとすんなり入ってこないです。また、今回のボンドの任務は復讐であり、ボンドガールの目的も復讐、目的の部分で共鳴とでもいいたいのだろうが、おかと違いである。またオルガ・キュリレンコには期待したが影が薄かった。そんでもって、ヴァスパーの黒幕を追うにつれ、やたら色んな怪しい人物がでてくるは、国の利権やら何やら焦点がしぼりづらく散漫とした印象を受ける。結局、終わってみてもボンドが復讐を成し遂げたわけでもなく、これから巨大な陰謀に立ち向かうエピローグでしかない。本作は消化不良なのだが、今後の007シリーズは非常に楽しみである。 [DVD(字幕)] 5点(2009-06-28 12:19:53) |
108. 1408号室
確かに物語りはしっかりしてるんですが、いかんせん相性が全く合わず受け付けなかったです。それでも最後まで鑑賞しないとなぁと思ったんですが、とても一気に観れる心境になれなかったんで3日かかりました。。ドルフィンホテルに宿泊し始まる下りは非常にハラハラドキドキしてこれからどんな展開を見せてくれるのか楽しみにしてたんですが、ハリウッドの王道で意外性に乏しかったと思う。キングにとって普遍的なテーマのひとつである「家族」。しかしながら、どうも主人公に感情移入できないんですよね。モチベーションもあるんですが、作家という性であるためか、そのあるふれた光景がリアルに伝わってこないのが心底観客を怖がらせようとする部分で欠けているようにも感じました。 [DVD(字幕)] 3点(2009-06-26 18:27:28) |
109. イーオン・フラックス(2005)
シャーリーズ・セロンのコスチュームプレイが存分に楽しめます。「モンスター」とは対極的な美しさ。まぁ彼女のファンなら堪らないでしょう。この作品の最大の魅力は、美術、衣装、造形にあるといっても過言ではありません。緻密かつ繊細な色、パリコレなんかに出てきそうな大胆なデザインの衣装の数々。和洋折衷もどきの住居と既存の建造物をうまく利用した世界観は、ベーシックでありながらも実に洗練されている。と他にも色々ありますが、物語よりこういった部分に特化した鑑賞の方がより楽しめました。 自分にとっては間違いなくツボな作品。 [DVD(字幕)] 6点(2009-06-22 09:16:16)(良:1票) |
110. ターミネーター4
《ネタバレ》 期待しすぎていた分、満足度は高くなかったけど次第点。シリーズ通してみた物語の矛盾やジョン・コナーの人物像、マーカスという新しい登場人物についてなど既に他のレビュアーの方々が挙げているので控えます。 ただ、パート1、2を鑑賞した時に想像した未来戦争の画とさほどかけ離れておらずその世界観は見事だったと思う。ザラついた質感の画は荒廃した未来世界を表現するにいい技術だと思ったし雰囲気がよくでていた。モトミネーターやターミネーターのプロトタイプがでてきたりと機械好きには堪らない。 &シュワが登場した瞬間は鳥肌もん。マッチョな若い肉体での登場と拳で殴られた時のあの画はたまりませんでしたね [映画館(字幕)] 7点(2009-06-18 11:23:27)(良:1票) |
111. DEMONLOVER デーモンラヴァー
作品との相性が相当悪かったのか、集中力が散漫になってしまい、この監督は何がしたかったのかよく分かりませんでした。R-18ということでとてもエロティックなサスペンスでしたが、題材としている企業スパイの話をもっと掘り下げて見せて欲しかったかも。人間関係も複雑なのだが、整理しきれていないためかなり消化不良。パッケージに色っぽさにほれて観たものの残念。 [DVD(字幕)] 3点(2009-06-11 11:49:05) |
112. ラスト・ブラッド
《ネタバレ》 「セーラー服に刀」という映画館での宣伝チラシをパッとみた時から、またまた“戦う女性は美しい”的な魅せ作品かなぁと思っていました。まぁその通りなんですが、とある有名なアニメの実写化というのはつい最近知った分けで、テレビでもGLAYの音楽と共に小雪とのバトルシーンも流れていたの観て、で…つき動かされたわけです。元々こういうSFアクションは設定やキャラが荒唐無稽なほど意外に面白くはまったりするのが自分なんですが、思ったよりシンプル。でも原作を知らないと冒頭のナレーションだけでは把握できません。主人公は明らかに人間でないのは分かるんですけど、ハーフだって正体知ったのも物語中盤以降でしたし、数百歳という年齢の重みや、オニゲンを追うに至る過程を掴めぬまま物語は道沿いにしかも強引に進んでいく。で、見所のアクションシーンはというと、ストップモーションや早送りを駆使し、又できるだけ1カットで撮ろうという意識も伺え、けっこう頑張ってます。製作陣がグリーンディスティニーなどに関わっていたようでそれ風ではありますが。そして何より、倉田保昭さんの雄姿が見れたのも最高。小雪は、民宿の主人を殺すシーンが一番印象に残りましたが、後は意外に出番も少なくちょっとがっかり。せっかくなので今度オリジナルを見てみようと思います。 [映画館(字幕)] 3点(2009-06-01 16:54:46) |
113. バタフライ・エフェクト2
《ネタバレ》 1作目とはかけ離れた趣のないオープングにまずがっかり。冒頭から、登場人物を早々に殺して過去へ戻るぞって、力みすぎ且つ短絡、安直なもっていきかたに怒りさえ覚えましたよ、ホント。そもそも脚本が駄目過ぎでしょう。これでOKだした製作側は出直した方がいいでない?観客を舐めすぎておりますよ。人間関係の描き方も陳腐なんで、ラストシーン観ても、切なさどころか逆に失笑ですよ。観て損はなかったけど得るものもなかった、残念でならない。 [DVD(字幕)] 1点(2009-05-30 17:25:07) |
114. ブロークン(2008)
《ネタバレ》 前作「フローズン・タイム」で注目されたショーン・エリス監督の第2作目ということでかなり期待していました。世界的に有名なフォトグラファーなだけあって、フレーム内におさまった映像は美しい。音楽は、全編通しては少なめですが、緩急の付け方が巧く、サスペンス作品としてのツボをおさえている。撮影ではかなりゆっくりとしたパーンが音楽とよく合っており、観る側の興味をそそる。と技術面では申し分ない出来栄えに満足です。で肝心の物語はというと全てのシーンを解釈するには一度の鑑賞では無理でした。結果的には観る側に解釈を委ねているのだけど、伏線ととれる表現がいくつかでているにも関わらず投げっぱなしなんですよね。そういう意味では、イマジネーション豊富な演出家なんだと認識。万人受けするタイプではないと思うけれど、作品なりのクセがあって好きな人は好きになれる。 [DVD(字幕)] 6点(2009-05-28 19:47:38) |
115. ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー
《ネタバレ》 CGに頼らないクリーチャーの造形や巨大なセットなど美術面は流石といった感じで一見の価値あり。特に“死の天使”はメッチャかっこいい。「パンズ・ラビリンス」が気に入った方は、ギレルモ監督の凝りぶりに目を見張ると同時にため息がでるでしょう。物語の部分でいうと、ヘルボーイと彼女のやりとりがよりクローズアップされて妙に人間らしさを感じる、派手なアクションよりもそっちがメインで、むしろこれといった盛り上がり場面が無いのが難。ヌアダ王子とやらも少々肩透かしだった。根幹のゴールデン・アーミーも恐れられた割には、井の中の蛙で終わってしまい消化不良。なので単純に映像は楽しめるのだが、脚本的には今一歩といった印象でした。 [DVD(字幕)] 5点(2009-05-21 20:52:21)(良:1票) |
116. インクレディブル・ハルク(2008)
《ネタバレ》 初めて変身した時、恋人を含め多くの人を傷つけてしまった事、変身する事への抵抗感、主人公の苦悩ぶりが伝わってきますが、終盤の自らは変身して戦うあたりや、さもハルクと同化しましたよ的な臭いを漂わすラストカットはこれまでの過程を全て台無しにしている。それと、将軍の娘とどの程度親密だったかも特に描かれていないのに逃避行する2人には感情移入すらできない。なにより、いくら軍に開発を任されたからといって、自ら被験者になるほどなんだからある程度推測できたと思う、まして科学者だろうに…。元々アメコミなのでそういった点にリアリティを求めてはいけないのだが、であれば尚更、中和剤云々の過程は入らないと思う。そのせいで物語序盤から中盤にかけて盛り上がりもなく少々ダルさを感じました。アン・リー版は観ていないのでちょっと比べてみたくなりました。 [DVD(字幕)] 3点(2009-05-18 19:53:21) |
117. ミスト
《ネタバレ》 “驚愕のラスト15分”などパッケージの謳い文句、そして“どうやら怪物がでる”らしいという情報だけで、過去、スティーブン・キングの原作映画「ドリーム・キャッチャー」で騙され以来、ひょんなトラウマになっていました。ひょっとしたらシャマラン監督オチ?など不安要素いっぱいだったため敬遠していたのだが、そこは繊細な演出に定評のあるフランク・ダラボン監督を信じて鑑賞。観終わって、ゴメンナサイ!面白かった!異界の怪物との戦いは、梅図かずおの「漂流教室」を思い出しましたね。正直、ここまで奇想天外な話とは思わなかったけれど、やられました。ラストのシーンはほんと切なく哀しいですね。ちょっぴり欝な気分になりますが、定期的に再鑑賞したくなる作品になりました。 [DVD(字幕)] 8点(2009-05-16 19:44:22) |
118. 自虐の詩
どうしようもない男にここまで尽くせるほどの愛。徐々に明かされていく過去のエピソードと交互に物語りは進んでいき、いつのまにか感動的なドラマになっていた。中谷美紀と阿部寛はお似合い。他もいいキャスティングですんなりこのギャグ漫画のような世界につかれた。面白かったです。 [DVD(邦画)] 5点(2009-05-14 11:24:44) |
119. 今日も僕は殺される
《ネタバレ》 “自分が殺されるたびに、自分の人生が変わる”。「マトリックス」や「バタフライ・エフェクト」などどこかで観たような設定で斬新さはありませが、以前の人生の記憶(前世のようなもの)が残っていたり、人生の繰り返しが何者かの手によって行なわれ、それをいったい誰が、何のために?と疑心暗鬼になって見れる。物語冒頭から中盤あたりまでは非常にサスペンス色が強くて面白い。しかし、結局は死神の人間狩りによって魂を食われていたことや、主人公が仲間だったから記憶が残っていたというネタバレにはがっかり。 [DVD(字幕)] 4点(2009-05-12 09:01:27) |
120. GOEMON
《ネタバレ》 世界に誇示できる新世代の日本映画誕生とだけ言わせてもらいます。前作「CASSHERN」は結果こそよくなかったですが、作品に込められたメッセージに泣き、また、監督のチャレンジ精神溢れるものづくりの姿勢に感銘を受けました。そして今回の「GOEMON」はその前作以上の熱意を感じました。紀里谷監督の映像センスは流石ですね、なかなかここまで想像を具現化できる監督もいないですよ。ハリウッドみたいに莫大な予算があるわけでもないので、すべてロケセットでできるわけもない。そこをCGをふんだんに用いイマジネーション溢れる世界観を構築したのは見事です。多少、自分の世界に陶酔しちゃってるかなぁと思う節もありますけどね(笑)。馴染みのある登場人物は多数でるけど物語は全くの別物と割り切ってみればエンタテイメントとして思う存分楽しめます。クライマックスかなぁと思った才蔵の釜茹で後の展開が少々長く感じちゃったのと、茶々役の広末涼子の良さがあまり引き出せていなかった点でマイナスかなって所。 この作品のメイキングはDVDでじっくり拝見してみたい。 [映画館(邦画)] 8点(2009-05-01 20:14:53) |