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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2385
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1181.  戦艦シュペー号の最後 《ネタバレ》 
同じ英独の海戦をとりあげていても『ビスマルク号を撃沈せよ!』の様な悲壮感や滅びの美学といった要素は薄いですね。海戦が始まると英国側の視点だけになってしまうところはちょっと考えものです。予算や尺の関係かもしれませんね。 でもこの映画の凄いところは、4隻の英国とニュージーランドの巡洋艦のうち2隻は実際にラプラタ沖海戦に参加している実物で、他の2隻も艦形が良く似た準同型艦を使って撮影していることでしょうね。海戦映画は数あれど、その海戦に実際に参加した艦が出てくる映画って他にないんじゃないでしょうか。対するシュペー号は、もちろん現物は海の底なのでしょうがないですけど、米海軍の重巡セ―レムが演じていますがこれが全然シュペー号に似てない。セ―レムは重巡なのにポケット戦艦であるシュペーより大きいんですから困ったものです。ポケット戦艦という艦種は、巡洋艦より強武装だけど戦艦には太刀打ちできないというベルサイユ条約の制限下で建造されたドイツ独特の艦なので、艦隊戦をするには弱すぎて海賊みたいに行動して通商破壊戦をするのが精いっぱいだったんです。 この戦が第二次世界大戦での英独の初戦になるわけですが、双方とも正々堂々と戦ったというのがよく判ると思います。それが大戦が終わるころには互いに国際法を無視した壮絶な殺し合いになっていたというのは、実に皮肉なことです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-12-22 20:46:11)
1182.  ジェイコブス・ラダー(1990) 《ネタバレ》 
この映画、オチはもろシャマラン監督のあれなんですけど、普通に観ていてこの主人公はベトナムで死んでいるんだなとかなり前半から判るように撮っています。その影響もあるんでしょうけど、ストーリーの展開がジェイコブの夢か麻薬摂取のバッドトリップなのかとも解釈できるところがこの映画の弱いところかと思います。でもその分かなり強烈なのはジェイコブの眼にする悪夢のような映像で、冒頭の亡者みたいな乗客が乗っている地下鉄が疾走するシーンはけっこうゾクっとしましたね。突然シェイクし始める亡霊なんか、後年に製作されたホラーで良く観たものですが、ルーツはこの映画だったんですね。ちょっととんでもない方向に暴走しそうだったところを上手くまとめました、と言う感じラストでしたね。たしかにエンターティメントとしてはこのラストしかあり得なかったでしょうけど、中盤のテイストでとことん突っ走っていたら映画史に残る様な傑作(というか怪作?)になっていた様で惜しい気がします。
[DVD(字幕)] 6点(2014-12-20 23:17:03)
1183.  プロメテウス 《ネタバレ》 
自らの手を離れた『エイリアン』シリーズが行き着くところまで行ってしまったので、原点と言うかマイナス点にまで戻って『エイリアン』を再構築したいわけですね、リドリー・スコットは。過去の『エイリアン』は暗い宇宙空間が主な舞台だったので、今度は地球型の惑星での探検物語にして荒々しい風景をリドリー・スコットの持ち味である映像美で見せてくれたところは良かったと思いますよ。ほんと冒頭の大滝のシーンといい、どこでロケしてきたんだろうと感嘆してしまいました。もっともいきなり宇宙人が出てくるこのシーンはけっこう謎なんですけど、この場所は宇宙人たちの母星なんじゃないでしょうか。ラストを観ればよく判りますが、スコットは続編を撮る気満々みたいですよね。とくにデヴィッドの謎めいた行動に次作への伏線を散りばめられているみたいです。リプリーに代わってノオミ・ラパスのエリザベス・ショウが強力なヒロインとなるんでしょうね。 一応あのクロワッサン型宇宙船の墜落で『エイリアン』第一作への橋渡しをしたつもりみたいですが、考えれば辻褄が合わないところも有ります。あの宇宙人ですが確かに大男と言ってよいガタイですけど、一作目で発見される死骸はどう見ても体長5メートルはあり比べるとだいぶ小さいと思うんです。そして彼は操縦席に座った姿で死んだはずなのに、プロメテウス号になぜか現れてエイリアンの餌食になるのはおかしいと思うんですがね。 本作で銀河一のブラック企業ウェイランド社の社長がついに登場しますが、彼の言動が思いのほか小物なので笑ってしまいました。はるか彼方の惑星まで出張って来たのは「不死になりたい」からだったとは、お前は始皇帝かよ!それにあんなミイラみたいに醜く老化してるのに永遠に生きたいなんて図々しいにもほどがあります(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2014-12-18 21:59:15)
1184.  スターマン/愛・宇宙はるかに 《ネタバレ》 
“愛”とか“ハート・ウォーミング”といったジャンルには縁遠いと思っていたカーペンター親父でも、その気になったら出来るんですよね。もっともこういうテイストの映画をカーペンターが撮ったのはこれだけで、おそらく今後も手がけることはないでしょう。 何と言っても素晴らしいのはジェフ・ブリッジスの演技で、地球人になり変ったスターマンをまるで知的障害者みたいな演技で表現するなんて素晴らしいアイデアです。いつものジェフらしい表情もほとんど見せないので、まるで違う俳優かと思うぐらいです。音楽もいつものようにカーペンター御大の♪ベン・ベン・ベンの重低音サウンドじゃなく、ジャック・ニッチェの美しいスコアを使っているのもグッドです。 ぶった切った様なラストはいかにもカーペンターらしさが出ていましたが、思いもよらずカーペンター映画でホロリとさせられるとこでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-12-16 23:02:16)
1185.  ミネソタ大強盗団 《ネタバレ》 
『ライトスタッフ』のフィリップ・カウフマンの初期の監督作で彼が撮った唯一の西部劇です。と言っても、この人は『インディ・ジョーンズ』の原案者でもあり、元からウェスタン的な世界には思い入れがあったみたいに感じます。 さてこの映画は有名なジェシー・ジェームズとコール兄弟のミネソタ州ノース・フィールドで起こした銀行強盗事件の顛末がメインストーリーです。ジェシーを演じるのがロバート・デュヴァルと言うのがちょっとジェシー・ジェームズに対して私が抱いているイメージとはかけ離れているんですけど、なんせ後年にはブラッド・ピットが演じているぐらいですからイケメン男というイメージなんですよね。でも老け顔だけど素っ頓狂な奇声を発したりする過激な演技で、キルゴア中佐みたいな狂気をはらんだキャラをやらせるとこの人は上手いですね。ニューシネマ全盛期ですから正統派ウェスタンからはちょっとずれた雰囲気なんですが、全体にペキンパー西部劇の影響が強いみたいです。つまり文明化されてきたフロンティアで取り残されてゆく男たちの挽歌を見せてくれるということです。蒸気トラクターが町を走り、町民たちは流行りだしたばかりのベースボールに興じていて、クリフ・ロバートソンたちはそれにただ感嘆するばかりなのです。劇中故障していた蒸気オルガンが、ラストにクリフ・ロバートソンたちが町民たちに捕まって引き回されているシーンで突然音色を奏で出すところなぞ、ひとつの時代が終わって新時代の開幕を告げるファンファーレが鳴っているみたいでした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-12-12 20:59:52)(良:1票)
1186.  いそぎんちゃく
“いそぎんちゃく”“くらげ”とくれば大映の軟体海棲生物シリーズ(なんちゅうネーミングでしょう)で一花咲かせた渥美マリです。このタイトルを見て「この映画は良い子が観ちゃいけないんだ」と子供心にも速攻で理解できる淫靡なネーミングでしたね。でもこの“いそぎんちゃく”はあくまで“礒の巾着(財布)”であって、渥美マリは肉体を駆使してひたすらカネをため込む女のお話しなんですね。まあ一種のピカレスク・ロマンみたいなもんですが、ここまで徹底してカネに執着する彼女の姿勢は、えげつなさを超越してカッコ良いと言えるところにまで昇華しています。演技力に欠ける彼女に無表情な芝居で全篇通させた演出は良い感じでした。通俗的なストーリーながらも淡々とした語り口の撮り方が好印象を与えてくれたので、プラス一点です。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-12-09 21:56:56)(良:1票)
1187.  チェンジリング(1980) 《ネタバレ》 
凄く怖い映画が観れるかと期待値大で鑑賞しましたけど、ちょっと期待外れでした。たしかに河に捨てたボールが家の中で転がっていたりする描写もあって見せかたに工夫はあるんですけど、お話しが進むにつれて私が怪談映画で重視している「訳のわからない恐怖」が薄れて行っちゃうのが残念なんです。刑事をあんな凄い技で殺せるなら、この霊なら核心人物をもっと簡単に誅することが出来るでしょうにね。あとジョージ・C・スコット、もうこの主人公が全然霊現象を怖がらないいつものスコットで、それどころか仕事をそっちのけで霊の復讐のヘルプに邁進しちゃいます。やはりこの人は悪魔と闘うエクソシスト見たいな役柄の方がお似合いですね。 どうも海外の怪談には日本と違って“ものの哀しみや哀れ”が希薄なんでどうも性に合わないんです。
[DVD(字幕)] 6点(2014-12-07 23:54:02)
1188.  デンジャラス・ビューティー2 《ネタバレ》 
ますますサンドラ・ブラックの一人舞台と化した感がある二作目、これで打ち止めになって『ビバリーヒルズ・コップ』みたいになれなかったのも納得の出来。まあこの人は自分がラブコメのヒロイン演じるにはちょっとトウが建ち過ぎているのは自覚してるみたいですけど、こういうカラダを張ったコメディに入れ込むというのはちょっと変わってますね。ストーリー展開もビッグ・バードの衣装をサンドラに着せるために無理矢理こじつけた様な強引さです。そもそも高利貸しが借金取り立てのために有名人を誘拐して大々的に身代金を要求するなんて、いくらなんでもありえなさ過ぎでしょう。犯人の兄弟もやってることがまるで意味不明でバカ過ぎです。脇役陣も前作に比べるとかなり格落ちしてるところもマイナスですが、ウィリアム・シャトナーだけは妙に可笑しかったです。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2014-12-06 22:59:14)
1189.  ブラックホーク・ダウン 《ネタバレ》 
「あーる・ぴぃー・じぃー!!」、もう映画の中盤以降は米兵のこの叫び声が続いていた印象しか残りません。このRPGはナチス・ドイツが第二次大戦末期に開発した使い捨て対戦車兵器が発達した代物ですけど、ソ連のAK47(これもドイツの突撃銃が原型)と並んで20世紀後半の局地戦争の様相を一変させた驚異の発明品ですね、恐るべしナチ・ドイツ。もっともソマリアで使われたRPGは大部分は中国が売りつけたものらしいですけど。 リドリー・スコットに戦争映画を撮らせたらとんでもない映画になったという感じですかね。市街戦が始まってからはスコットらしい映像美は皆無で、ひたすら歩兵目線の地べたを這いまわるアングルで大銃撃戦が延々と描かれます。みんな血みどろの煤だらけで誰が誰だかもう判別不能、敵と味方の区別もつかなくなる市街戦の恐ろしさが伝わってきます。それでもジェリー・ブラッカイマーらしい臭みが随所に感じられてます。たとえばラストのレンジャーたちが駆け足でスタジアムに逃げ込む“モガディシオ・マイル”で、沿道に現地民たちが集まっているシーンがあります。私はてっきり彼らの身ぶり手ぶりからアメリカに対する抗議の声をあげているのかと思ってましたら、製作者の意図は逆で声援を送っている姿を見せているつもりだったみたいですね。 米兵の戦死者が19名、負傷者も合わせると100名近い損害と言うのも、多めに見ても作戦参加者は300人はいないと思われる感じなので凄い損害ですよ。民兵側にその10倍近い死者を強いたとは言っても、これはクリントン大統領にとっては痛かったでしょうね。観終わっての感想は「人の命は鴻毛のごとく軽い」の一語に尽きますね。今のシリアやイラクの戦争の状態をみても判りますが、人命を弾代わりに消耗出来る非対称戦争は仕掛ける側が無敵なのかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-12-03 21:41:10)
1190.  モネ・ゲーム
コーエン兄弟らしいトリッキーなストーリー・テリングでそこそこ笑えるんだけど、なぜか観終わっても印象が薄いんです、なんででしょうかね? キャメロン・ディアスがアラン・リックマンと一夜をともにしたのに、コリン・ファースとは何にもしないで終わっちゃうというハリウッド映画らしからぬ展開のせいですかね。でもあのサヴォイホテルでのいかにもコーエン兄弟らしいコテコテのギャグを、ズボンを脱いで軽妙に演じっ切っているコリン・ファースはさすが名優です。やはり最後のオチがイマイチ判りにくかったのがやはり自分には受けが良くなかった原因でしょう。 それにしてもアラン・リックマン、太りましたよねえ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-11-30 19:07:43)
1191.  ポール・ヴァーホーヴェン/トリック 《ネタバレ》 
ポール・ヴァーホーヴェンと言えば、撮影中に拳銃をぶっ放したサミュエル・フラーと同じ様な無茶苦茶な映画監督というイメージがありますが、本作で観る限りは確かに感情表現は過多気味だけど喋っている内容はしごくまっとうかつ知的なので驚きました(まさか演技じゃないでしょうね)。“冒頭4分だけ脚本を書いておき、後は不特定多数の書いた脚本を繋ぎ合わせて映画を撮る”プロジェクトがしたかったなんて、思わず「お前はゴダールかよ」と突っ込みたくなりました。たしかに集合知で映画を撮るなんて斬新過ぎるアイデアではあります。 そして出来上がった映画ですけど、正直言ってこれが面白い、もう大笑いさせて頂きました。50分という中編なんですけど、エロあり、ちょっとグロあり、陰謀あり、そしてどんでん返しありと充実してました。女優たちはいずれも無名ながらちょっとエロい衆を揃えていて、ヴァーホーヴェンってこういうエロっぽい女優を見つけてくるのがほんと上手いな、とつくづく感心しました。でも具体的に脚本を繋いでゆく作業自体は映していないので判りませんけど、ほんとにこんなに上手にストーリーが繋がるもんなんですかね。そこは監督や編集の手腕の賜物なのかもしれませんが、ふとある疑念が自分の心に浮かんできました。実はこのプロジェクト自体がフェイクで、前半のパートは疑似ドキュメンタリ―(いわゆるモキュメンタリー)だという可能性です。映画の題名が“トリック”なのがどうも気になるんです、でもそうだったとしても良く出来たモキュメンタリーであることには違いありませんけど…
[DVD(字幕)] 8点(2014-11-28 22:15:17)
1192.  ビッグ・アメリカン 《ネタバレ》 
“ロバート・アルトマンがお送りする超大作!”って『ナッシュビル』みたいなおふざけの前口上が開幕早々流されます。でもポール・ニューマンが主演でバート・ランカスターも出ているなんて、カメオ出演多数の『プレタポルテ』や『ザ・プレイヤー』を除くとアルトマン映画史上もっとも格の高いスターが出演しているというのも確かです。西部劇の名作に多々出演している二人を起用しているからと言っても、そこはアルトマンの事ですから普通のウェスタンを撮るわけがありません。しかし、脂の乗り切った時期だけあってバッファロー・ビルのポール・ニューマンと言ったら、もう頭がクラクラするぐらいのカッコよさです。 アルトマンのことですから、ワイルド・ウェスト・ショーをモチーフにしてアメリカの建国神話を揶揄するという感じの映画だろうと想像して観ましたが、なんかそこら辺が中途半端で微妙な脚本ですよね。バート・ランカスターも狂言まわし的な役割かと思えばそうでもなく、この映画にはあんまし必要じゃなかったんじゃないでしょうか。けっきょくバッファロー・ビルとシッティング・ブルの対立というのがストーリーの軸となるわけですが、ブルの亡霊が現れるシークエンスでこの映画の主題を観客に訴えかけなければいけないところなのに、アルトマンはそこが全然盛り上がらないというヘマを犯してしまっているのが残念です。
[DVD(字幕)] 5点(2014-11-26 18:10:13)
1193.  戦闘機対戦車<TVM> 《ネタバレ》 
懐かしいっすね、たしか中坊ぐらいのときTV放映で観ましたね。その時は派手な戦争アクションかと思ったら子供の眼には地味な戦車と戦闘機の追っかけっこで、「なんじゃ、こりゃ」と大いに失望させられた記憶があります。40年近く経って見直してみると、アイデア一発勝負みたいなプロットながらも渋いところは渋く撮っていることを再認識いたしました。 ストーリー自体はスピルバーグの『激突!』を翻案したことは言うまでもないですが、戦闘機が飛びあがれなくなるまでのディティールが短いながらも丁寧に撮られているんですよ。戦車と追っかけっこが始まってからも、さすがにこれで30分以上も引っ張るのは映画としては無理があるのですが、元がTVムーヴィーだから上映時間自体が短いので程良い展開に収めることが出来てます。まああんなにノタノタ動き回ってる戦闘機に当てられないとは、この戦車の砲手は相当ド下手ということですが、そこはまあご愛敬ということで勘弁してあげて下さい。ラストの敵味方相まみえたところでの唐突な終わり方も、本家『激突!』へのオマージュのつもりみたいですね。 間違いなく言えることは、この映画のプロットはTVムーヴィー史上でも屈指の優れものだということでしょう。
[DVD(字幕)] 7点(2014-11-23 22:58:47)
1194.  ブラック・レイン 《ネタバレ》 
追悼、高倉健。この映画は日本人出演者の中では健さんよりも松田優作の方が今まで圧倒的に注目されてきてましたが、改めて観てみると随所にそれまでの高倉健のイメージを変える様な人物造形が見られます。上司に忠実な窓際族だったり、なんせあの健さんがヘンなサングラスをかけてレイ・チャールズのモノマネさせられるんですから、リドリー・スコットも怖いもの知らずです。対照的にマイケル・ダグラスはいつも通りで、『氷の微笑』の荒っぽい刑事と同一キャラを再登場させたのかと思いましたよ。 お話自体は前年に製作された『レッド・ブル』の設定を真逆にした様な感じがします。『レッド・ブル』と違って主人公の方が敵の母国に乗り込むわけですから、それだけ敵国たる日本の描写をどれだけ丁寧に撮れるかが映画の出来を左右するわけです。でもそこはリドリー・スコットはご覧のとおり自分のやりたい通りに大阪を撮っちゃってますが、センスが良いから様になってます。毎日自分が通勤で通っていた阪急梅田駅のコンコースが、あんな幻想的な映像になるなんて思いもよりませんでした。難波・十三・京橋・神戸とロケしていますが地元の人間が見ると確かに空間的にはおかしなところも有りますが、これはリドリー・スコット世界なんだから良いんです。でもクライマックスの田舎家の対決だけは風景からしてアメリカで撮影したことがミエミエだったのは残念でした。 ラスト、松田優作を殺さずに逮捕して府警本部に連行するところも普通のハリウッド・ポリスアクションとは一味違っていて良かったんじゃないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-11-22 20:55:12)(良:1票)
1195.  ローマで起った奇妙な出来事 《ネタバレ》 
ブロードウェイ・ミュージカルの映画化なんだそうですが、リチャード・レスターが監督だってことを差し引いてもかなり凡庸な出来でございます。愉しめるところと言えば、『プロデューサーズ』のゼロ・モステルの顔芸がたっぷり拝めるところでしょうか。こういうタイプのコメディアンは日本人には受けが悪いですが、私はなぜか好きなんですよね、この人。アカ狩りに引っかからなければもっとハリウッドで活躍できた人なんですけどね。 全篇スラプスティックなコメディの連続ですが、ほとんど泥臭いと言ってよいほどのセンスはいかにもリチャード・レスターらしいですね。ブロードウェイがネタ元とは思えないぐらいミュージカル・ナンバーもえらく少なかったですしね。でも偉大なるバスター・キートンが出ているので一点プラスです。セリフはありますが彼らしい寡黙なパフォーマンスは、終盤のドタバタ劇の中では「こんなの俺の趣味じゃないよ」と嘲っている様な気がしました。
[ビデオ(字幕)] 5点(2014-11-20 21:40:55)
1196.  ラストエンペラー 《ネタバレ》 
そう言えば『秦・始皇帝』も自分は観たので、知らないうちに“中華王朝マラソン完走!”の偉業を達成していました。でもその間の2100年間の中華皇帝の映画なんて観てないし(そんな映画自体がほとんど存在してないでしょ)、すみません全然意味がありませんでした(笑)。 ご存知、史上2作しかないオスカーのパーフェクト受賞達成(これはもう紛れもない偉業です)映画ですが、ひとことでまとめるとベルトリッチという西洋人の眼で観た現代中国史と言えるでしょう。頑迷なる東洋文明が近代西洋文明によっていかに変容させられたかということを追求する視点が貫かれています。西洋文明には共産主義も当然含まれるわけです。あとかなり溥儀の残した自己弁護に基づいて脚色され、お決まりの日本悪玉パターンが徹底しているところも要注意です。この映画は溥儀が紫禁城を出るまでの前半が映像と言いドラマチックな構成といいもうパーフェクトなんですが、満州に舞台が移ってからはとくに日本含みのパートが妙に薄っぺらで価値を落としています。坂本龍一の甘粕正彦なんて登場させている意図が判らないほどの影の薄さでした。婉容の私生児の件なんか、まるっきり日本が殺させたなんて史実と真逆の描き方なのはちょっと酷すぎの感があります。 溥儀の人生は日本が利用して狂わせたが、共産中国が刑務所で教育して真人間に生まれ変わらせたという結末なんですけど、ベルトリッチは共産主義を信じているんだなとため息が出てしまいます。 私の祖父は満州国政府の日本人官吏だったので皇帝溥儀と接触する機会もあったのですが、「溥儀は腹黒くて冷酷な人物だった」と回想していたそうです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-11-17 23:56:54)(良:1票)
1197.  ネレトバの戦い 《ネタバレ》 
ユーゴスラヴィアが、天敵ソ連の『ヨーロッパの解放』に負けじと国軍総動員で製作した戦争大作です。ソ連と違って柔軟だったお国柄で、西側資本にも出資してもらいそのおかげで米・独・伊から出稼ぎ大物俳優が出演しています。 お話は枢軸国軍の攻撃をかわしてチトー率いる共産パルチザン軍がネレトバ河を渡河して生き延びたといういわば建国神話で、史実では決してドイツ軍を敗北させたわけではないらしいです。当時のユーゴ情勢はとても複雑で、枢軸側はドイツ・イタリア・ウスタシャ(クロアチアのファシスト)・チェトニック(ユーゴ王党派)に分かれていて、ウスタシャとチェトニックも敵対関係にあり、ドイツ兵の間ではユーゴ戦線に送られることはロシア戦線に行くことよりも嫌がられていたそうです。この映画でも悪役としてこの四者が登場しますが、中盤過ぎにはドイツ軍とイタリア軍との戦いにはけりがつきますが、ラストまでパルチザン軍を苦しめるのはチェトニック軍で、ここまで来るともう近親憎悪としか言いようがありません。 この映画はハリウッド映画を凌ぐ超大作戦争映画として公開されましたが、たしかに現役兵士大動員の人海戦闘シーンは見せてくれますけど、いまの眼で観ると「エキストラたくさんいるなぁ」と感じるだけです。戦闘シーンもけっこうミニチュア特撮が多いし、俳優たちも時代がかった大げさな演技が目立ちます。ま、ひとことで言えば“冗長”の一語です。兵器類もT34戦車何とかタイガー戦車に見えるように改造してますが、これも“似てない”の一言です。 オーソン・ウェルズ、ユル・ブリンナー、フランコ・ネロといった有名どころも出演しているんですが、みんな影が薄かったという印象でした。そう言えば、出てきた若い兵士やカップルはみんな死んでしまい、おっさんばかりが生き残るという結末がなんかヘンでした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2014-11-13 20:08:15)
1198.  ザ・レイド 《ネタバレ》 
噂には聞いていましたけどこれは本当に凄い、私にとっては『燃えよドラゴン』を観たとき以来の衝撃でした。『死亡遊戯』へのオマージュなんでしょうけど、15階建てのボロマンション内に舞台を限定させているのはグッド・アイデアです。その中で、SWATとギャングたちがひたすら銃撃戦・剣闘戦と超ハイレベルな肉弾戦を繰り広げるこの単純明快さ! 格闘技の世界には疎い自分ですが、人間の脚というのは恐ろしい武器になるんだということが良く判りました。またギャングたちがそろって悪そうな面構えなんですよね、プロの俳優じゃなくて本業の人たちを使ってるんじゃないかと思うぐらいです。その中でもちょっと笑わせてくれるのが中ボス(?)“マッド・ドッグ”さんで、わざわざ銃を捨ててたり拘束を解いてやったりしてまで肉弾戦に拘るんですから、この人はもう“肉体戦依存症患者”と呼んであげたい。 カメラワークに関してももう無茶苦茶で、斧を何度も振り下ろすカットで上下する斧の動きにカメラを連動させるところなんかは、この監督何を考えてるんだ!と思わず叫びたくなりました。ラストのオチもカッコ良いし、これは10年に一作の掘り出し物だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-11-10 21:34:26)(良:1票)
1199.  ワールド・トレード・センター 《ネタバレ》 
21世紀になってからのオリヴァー・ストーンは良く言えばオーソドックス、でもまるで面白みのない映画監督になってしまった様な気がします。この映画も、9.11を撮った作品としては予想通りの展開でなんの捻りも有りません。最近は過激な言動の方が目立つ彼ですが、こういう撮り方をみるとやっぱり根っこは従軍経験のあるアメリカ人なんだなとつくづく思いました。 この作品のニコラス・ケイジは久しぶりに抑えた演技を見せてくれて評価したいです。回想シーン以外は出番のほとんどが瓦礫に埋もれしかも暗闇で顔すら判別できないというキャラですからね。 それにしてもあの瓦礫の中からたった20人しか生還出来なかったという事実には愕然とさせられました。でも“20人も救出できた”と考えることもできるわけで、難しいところです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-11-09 18:13:01)
1200.  ドライブ・アングリー3D 《ネタバレ》 
もうこれはニコラス・ケイジのために企画された様な映画で、おバカ映画になればなるほど悲しいかなニコジーも光輝いてくるんだから(頭部の事ではありません)大目に見てやってください。 冒頭の脱獄らしきシーンもあるので脱獄犯が主人公なのかと思ったらなんかヘンだよね、そうか地獄から脱け出すから「脱獄」なんですね、日本語って良く出来てます(笑)。そのニコジーを追っかけるウィリアム・フィクトナー、「看守役」ならぬ「監査役」だってところがまたお茶目で(くだらない駄洒落で済みません)、けっきょくニコジーの復讐をアシストしてあげるためにやって来た様なもんでした。私はその方面には疎いんですが、登場する車には製作者のこだわりがあるみたいに感じました。敵ボスのカルト教祖もなんかヘンなキャラでしたが、あの死にっぷりをを見るとこの人も「監査役」と同じ業界の人だったということでしょうか。 ニコジーにもう一回脱獄させて続編を撮るというのも有りかなと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-11-07 22:51:19)
030.13%
1110.46%
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42038.51%
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