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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1244
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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1201.  忠臣蔵外伝 四谷怪談 《ネタバレ》 
「東海道四谷怪談」がもともと「仮名手本忠臣蔵」のサイドストーリー的な設定だったというのは前に聞いたことがあり、江戸時代には2つの劇を同時進行の形で上演したこともあったようだが、現代の映画でそれを再現するというのは面白い趣向で、退屈せずに見られた。白塗りの面々が出るのはおバカな印象もあるが、忠臣蔵の方のストーリーが極めて真面目なので安心して見ていられる。また討入りの場面でゆうれいが吉良邸内をウロウロするのはどうかとは思うものの、ラストはちゃんと話が収斂していたのでまあ満足だった。赤穂浪士は今に伝わる名誉の死だが、脱落者もいわば恋女房との道行きなら不足はないだろう。 ところで以前、90年代頃にTVか何かでこれを見たとき、高岡早紀が着物を脱いでいる場面で唖然とした憶えがあり、今回はその感動を再びという不純な動機で見たのだが、改めて見るとその場面はもちろん、お岩さまが可愛く美しいので感心する。それから荻野目慶子の演技に圧倒されるのは多くの人も同じだろうが、個人的には渡辺えり子氏の首が飛ぶという思いがけない展開に大笑いしてしまった。そういうわけで、とにかく面白く見られる映画だったと思う。
[DVD(邦画)] 6点(2013-05-27 19:43:50)(良:1票)
1202.  コンセント 《ネタバレ》 
以前、主演女優がNHKのドラマに出ていたのを見て探したのがこれで、そういう面では何かと満足のいく映画だった。結果的にかなり得した気分である。極端に個性的な風貌だが個人的に嫌いではなく、役柄にも合っている。 その役柄について、劇中では「シャーマン」と言っており、具体的にはイタコとかユタの例が挙がっていたが、しかし実際にやっていたことからすると、むかし日本にいた市井の(神社所属でない)巫女のイメージをもとに創作したのではないかと思われる。そういった前近代的なオカルト要素を現代社会にまともに位置づけようとした感じの映画であり、劇中では主人公の専攻が心理学だったことから、その関連知識で現状を自己分析していたのが面白かった。 ところで映画の最後を見ると、主人公はこの能力を使って何か起業でもするのだろうかと思うのだが、原作を読んでみると具体的な業態まで書かれており、どうもこの部分は評判が悪いらしい。確かにこれをそのまま映画に出すのがよかったとも思えないが、しかし映画の終わり方だと主人公にとって新たな世界が開けたというだけで、それが本人の天職につながることが表現されていないため、だからどうした、という感情だけが残ってしまう。これはストーリー的には難点かと思う。 ただし全体としては主演女優のほか、特に精神科の医師役の好演と映像美(後半の特殊効果を除く)が印象的であり、自分としては低い点をつける気にならない。
[DVD(邦画)] 5点(2013-05-27 19:40:35)
1203.  ハワイの若大将 《ネタバレ》 
若大将映画はこの年になって初めて見たが、どうせ昔の娯楽映画だからと小馬鹿にしていたところ結構楽しくて可笑しく、やはり長期にわたりシリーズ化しただけのことはあると思える。主人公は自然体で飾ったところがなく素朴ともいえる好青年で、何をやっても能力的には完璧なのだろうが、人が良すぎて損したり抜けたところがあったりするのは好感が持てる。嫌味が感じられるとすれば名門私立大学の学生で、恋の相手が社会に出て働いているのに男連中は遊んで暮らしているように見えるところかも知れないが、当時の感覚はよくわからず、今となっては何とも思わない。 一方ストーリーとしては、誰がヒロインかは最初からわかっているわけだが、劇中では主人公に思いを寄せる女性が3人も出て(この辺は嫌味か)、多少の波乱もあるものの2人は別々に片がついていき、残った本命と結ばれるというのが予定調和的で心地いい。星由里子さんはレギュラーだけあってきれいで可愛らしく、劇中の男どもがヒロインの純潔?を守る戦いには手に汗握る(笑)思いだった。  以上、ほとんどシリーズ共通のことを書いているのかも知れないが、現時点ではこれしか見てないのでごめんなさいということで。 なお失礼なことだが、中丸忠雄氏といえば個人的には「電送人間」(1960)の印象が強いので、劇中のヨット部監督が爽やかで真面目な人柄だったのは意外だった。
[DVD(邦画)] 6点(2013-05-27 18:59:11)
1204.  ガス人間第一号 《ネタバレ》 
純粋なラブストーリーには思えない。男の方は、もとから強かった自尊心が変な能力を持ったことでますます肥大化し、零落した美しい家元を自分が支える、などという妄想に取りつかれただけに見える。単にジェット機パイロットの代替だろう。 また女の方も「本当に男の人から愛されている」という認識以上のものではなく、当の男のせいもあって社会的に追い込まれ、不本意ながら破滅を選択したように見える。まあ女としては精一杯の誠意だったのだろうが、結果として男がしっぺ返しをくらった格好になっていたのは皮肉に思える。 それでも、劇中の刑事と婦人記者の関係が普通に本物だったらしいのに比べれば、どう頑張っても普通にはなれない二人の疑似恋愛と破滅を描いた悲劇と捉えることはできる。映像面でも最後の大爆発は結構な迫力で、特撮映画ならではの壮絶な幕引きだったように思えた。  ところで、この映画で難点と思うのは、メインストーリーを軸にして見た場合に、何でガス人間が出て来なければならないのかわからないことである。構成上は男に特殊能力が必要なのはわかるが、男女関係がからむのであればガス化などというゲテモノっぽいのでなく、せめてもう少し格好いい能力でなければと思う。ここはどうしても違和感が残る。 また個人的な問題としては、どうも登場人物が好きになれないのが困る。まず婦人記者は人物造形としては理解できるものの、自分としては嫌悪を催すタイプなのが正直ちょっときつい。また家元は気位が高いのは仕方ないが、最初に図書館を訪れた場面では、和装なのに変に大股でスタスタ歩いていたのが家業への誠実さに欠けるように思えて、この時点で印象が悪化した(本当の演出意図はわからない)。そのため後で少々しおらしい表情など見せても愛しさが感じられなかった。  そういうことで、全体としては残念ながらあまり愛着のわかない映画になってしまっている。ただし特撮映画としてはこれほどまともなストーリーを伴うものは稀であること、また言うまでもなく八千草薫さんの美貌に目を奪われること、及び東宝特撮の(影の)ヒーローである土屋嘉男氏が素顔で熱演していることを考えれば、決して悪い点は付けられない。 なお八千草薫さんが何で特撮映画などに出るのかと以前から思っていたのだが、考えてみれば少なくとも日舞の素養のない女優では務まらないわけである。
[DVD(邦画)] 7点(2013-05-27 18:59:07)
1205.  電送人間 《ネタバレ》 
むかし怪獣図鑑で見た電送人間の顔は、小学生にとっては本気で怖かった。当時は電送機の使用によりこういう顔になったと思い込んでいたが、映画を見ると単に昔の怪我の跡だったらしい。ライフライン3部作中ではこれだけがただの人間しか出ない地味な映画になっているが、あとは人物の不気味さで勝負といったところか。特撮映像も地味ではあるが、合成処理の部分は無理に作った感じがなく、液体よりは自然に見られる。またコメンタリーで中丸氏ご本人が驚かれていたように、貨物列車の出来は見事だった。 この映画でも戦争の影は色濃いようだが、前作までと違って放射能は関係なく、“科学も使い方を誤ると…”といった教訓があるわけでもない。その一方でお色気要素は豊富な感じで、キャバレーの金粉ショーは個人的には何が面白いのかわからないが(「う!」には笑ってしまう)、ミニスカートのホステスは和風体型なのがかえって肉感的だったりする。また録音テープの最初に入っていた「ねえ…」というのは昔ながらの定番の台詞で苦笑した。  ところで、ヒロインは前作と異なり男の影もなく清純そうな女性で、普通に笑顔も見せているので安心する。主人公が二度目にアパートを訪ねた場面では、明らかに下心が見える割には二人のやり取りが気恥ずかしい感じで、こういうのを見ると観客としても素直に関係の深化を期待したくなる。しかし終幕の場面が天災オチで唐突に終わってしまったため、二人の未来を予感させるツーショットといったものさえ入れる余地がなかったのはちょっと不満が残る。 一方で電送人間もヒロインに関心を持っているのかと思ったが、芝浦海岸では気絶したヒロインを抱っこして少し歩いただけで置いて行ってしまったし、軽井沢に呼び出したのは主人公に邪魔されて、結局どうしようとしていたのかわからないままだった。ヒロインを毒牙にかけるのとアリバイ作りは両立しない気がするが、復讐の鬼なので実は女性に関心がなかったのか。 何となくストーリーとしてまとまりが悪いのは残念なことだが、それはまあ特撮映画だから仕方ない、という言い方もできる。しかし、自分がそのように納得するならともかく、世間からそのように思われるのは不本意なので、少しだけいい点をつけておくことにする。なお前作に続いて平田昭彦氏はクールな刑事役で、また土屋嘉男氏も何気に出番が多く男前だった。
[DVD(邦画)] 6点(2013-05-27 18:59:01)
1206.  美女と液体人間 《ネタバレ》 
前の方のレビュアーが(もう何年も前だが)「ウルトラQ」第19話や「怪奇大作戦」第8話に言及されているが、この映画からそういったものを思い出すのは自分も同じで、特に後者は小学生の頃に夢に出た。その元祖のような存在であることから、個人的には特別に思い入れの深い映画になっている。 発想の原点が昭和29年の「第五福竜丸事件」なのは明らかで、これは同年公開の「ゴジラ」が製作されるきっかけにもなったわけだが、この映画はまさにその直系の産物といえる。メッセージ性は特に期待できない(そもそも期待してない)が、雨に放射能(放射性物質)が含まれているというのは事件当時の不安感を再現したものだろうと思う。 また裏社会のにおいが強いのが特徴で、ヒロインも犯罪常習者の情婦という、他の特撮映画に例を見ないタイプの女性である。劇中のキャバレーは社会の表と裏の境界に位置していたらしく、その境界上にかろうじて踏みとどまっていたヒロインを、主人公が表に引き戻したというのがこの話の軸だろう。キャバレーの雰囲気はレトロで華やかだが、ここで園田あゆみさんのお姿をカラーで拝見できるのも嬉しい。  ところで、この映画で最大の見所と思うのは、女優と並んで昭和30年代の東京の風景である。最初に液体人間が出たのが兜町で、キャバレー「ホムラ」は築地とのことであり、カーチェイスの場面で見えていたのも中央区の景観なのだろう。現在は首都高速道路が通っている所が掘割(楓川)だったことは、劇中地図や恐らく映像にも現われている。 当初はもっぱら都市の裏側で事態が進行していたのが殲滅作戦の実行で一気に表面化し、住民の大々的な避難が行われた上で掘割にも火の手が上がる非日常感は、ともすれば地味になりそうなこの映画のクライマックスをきっちり盛り上げていたと思う。勇ましいマーチも耳に残る。  一方で特撮面は、当時のスタッフがいろいろ苦労されたのはわかるが、場面によって質感が一定せず、どうも液体人間のイメージが掴めないのはつらいものがある。 なお1958.6.24公開のこの映画と直接の関連があったのではないかと疑われるのは、同年9.12米公開の”The Blob”で、両者を比べればこちらがまだしも勝っていると思うのだが、ここでの現時点での平均点は向こうの方が高くなっているのが悔しい。思い切って高い点を付けておくが、それでも負けるのが悔しい。
[DVD(邦画)] 9点(2013-05-27 18:58:57)(良:1票)
1207.  ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃 《ネタバレ》 
当時わざわざ映画館に行って見たが、子ども心にやり切れない思いが残った。自分は“ゴジラのいる世界”を見に来たのであって、スクリーンにゴジラが映りさえすればいいというものではない。これでは子どもでも騙せない、というのは自分の経験で証明されている。過去映像を最大限に使う工夫なのはわかるが、そのためにシリーズ中で唯一、ゴジラが出現しないゴジラ映画になってしまっており、こんなことならガメラ映画のストレートな流用の方がまだましだろうと思える。  ただし今見てみると、荒唐無稽な怪獣場面は全て子どもの夢物語と割り切ることで、かえって普通の映画として見られるという効果もある。まず注目できるのは何と言っても昭和40年代の工業地域の景観で(川崎市か)、冒頭、やさぐれた感じの「怪獣マーチ」にも出る大気汚染は画面上でも表現されており、小学生の通学路も殺伐とした雰囲気で、廃工場の荒れた風景は初見時の記憶としても残っている。一方、劇中のTV報道に出ていた「若者の狂った行動」などは高度成長期の社会の歪みと認識されていたのだろうが、こういった時代感覚は次回作にも引き継がれているように思われる(スタッフは違うようだが)。  ところで主人公は、当時増えて来ていたと思われる「カギっ子」という設定だが、性格が「引っ込み思案」というのはカギっ子という以前に一人っ子のせいだろう。劇中のガキ大将は、いじめっ子というより仲間に入れと誘っているようにも見えて、その後の深刻ないじめ問題とはまだ無縁な時代と感じられる。終盤では、ナマの実力行使がものを言ったというよりも、主人公が少しだけワルになったことで仲間になれたことを評価したい。 ほかキャストでは、母親役の中真千子さんの出番があまりないのは少し残念だが、母親のいる部屋を独りのときより明るく見せていたのは若干印象的だった。また天本英世氏が優しい大人の役で、主人公を見る慈愛の目が他人事ながら嬉しく思われた。当時の人は殺伐とした世相と思っていたかも知れないが、こういうご近所さんが普通にいる映画ができているというのは逆に、まだまだ日本社会も捨てたものではなかったと感じさせる。
[DVD(邦画)] 5点(2013-05-06 19:58:35)
1208.  ホッタラケの島 遥と魔法の鏡 《ネタバレ》 
まず評判になっている女子高生のパンチラに関しては、自分が見たところスカート丈に応じて自然な範囲に収まっており、まあご愛嬌といえる程度である。それより体型や姿勢があからさまにエロい方がよほど問題だと思うが、小さい子どもならわからないだろうから、成人男子としてはあまり目くじら立てずに黙って見ておけばいいだろう。  それで内容については、見る前はもっと環境っぽい話かと思っていたが実際はそうでもないようで、消費行動はそのままにして要はリサイクルすればいい、というのは現代日本の感覚そのままである。劇中では、本人が断捨○しなくても誰かが勝手に回収してくれていたのが都合良すぎともいえるが、実際には親がだまって古いものを処分していた場合もあるはずで(主人公の友人の回想はその例)、本当に大事なら放置するなと親に代わって言ってくれているのかも知れない。  一方ストーリーとしては、まるきり子ども向けというより思春期以降向けのお話で、ベタな展開だが一応まともな話になっている。哀れなお父さんが最後に見直してもらえたのは幸いだったが、ただし仮に今回のことがなかったとしても、女の子なら結婚のときに記憶の総ざらいの機会があるだろう(最後は葬式)。このお父さんなら披露宴で泣きそうだ。  全体としてはドタバタした展開が面白く飽きないのと、主人公の表情が可愛くて目が離せなかったので、本来なら少しいい点を付けたいところである。ただし、途中でいかにもフジテレビ系らしい悪ふざけとも取れる箇所があったので、念のため減点しておく。サントラCDも感じがいいのに残念なことだ。
[DVD(邦画)] 6点(2013-05-06 19:58:29)
1209.  失恋殺人 《ネタバレ》 
ここまでの平均点が妙に高いので困惑する。 見た動機としては皆さんと同じだが、根が真面目なので原作から先に読んだ。読むのに5分程度の超短編なのに、これを「完全映画化」すると時間が20倍に拡張されるというのはよくわからない。原作もそれほど内容のある話ではないが、映画では原作固有のアイデアが骨抜きになってしまい、ただの痴情殺人と化している上に題名も意味不明になっている。 またドラマとしては、劇中の夫婦がそれぞれに必死なのはわかるが、妻と浮気相手の関係がどこまで本気なのかわからず、昼間からこんな所で何やってんだか、という印象しかない。最後の男の行動は本気度を示したようにも見えるが、実は単に自分の社会的地位にこだわった結果とも取れるし、ラストで出るテーマらしきものも真に受けていいのか怪しい気になる。 一方、登場人物で少し注目したのは医院の事務員で(台詞では看護婦)、この人が出て来たところで面白くなるかと期待したのだが、結局それほどでもなく肩透かしだった。女探偵も好人物ではあるが行動が定型的すぎる気がする。また主演女優については、脱がなくてもいいので(脱いでもいいが)もっと普通に魅力的に見える映画に出てもらいたいものだと思う。  なお評点に関しては、自分のせいで平均点を落とすのは誠に心苦しいが、宮地真緒・星野真里・山田キヌヲの3女優を讃えて合計3点だけ献上する。男にはやらない。
[DVD(邦画)] 3点(2013-04-15 20:49:36)
1210.  宇宙人王(ワン)さんとの遭遇 《ネタバレ》 
宇宙人の使用言語について、使用人口が一番多いから、という説明はイカにもウソっぽく、個人的にはこれで宇宙人の信用度ががっくり落ちる(現に意志疎通の役に立ってない)。しかしほかに納得できる理由が思いつくわけでもなく、かえってどこまでも怪しい感じが残る。 それより映画の製作上は、やはり東洋人に対する西洋人の先入観を観客から引き出すための設定なのだろう。尋問者の「鏡見たことあるか」という発言に対する主人公の反応には、単に“外見に素朴な違和感を覚える”以上の偏見がちらりと感じられた。醜くて可哀想な劣等種族を法規や国際機関の手で守るという欧米流?の人道主義を、この人が何のためらいもなく全宇宙に適用しようとしていたのは微笑ましい。 以上はまあ東洋人としての感想だが、加えて当該国の最近の情勢や国際社会でのふるまいを反映した現実的な反応も予想され、日本人としてはこっちの方に誘導されそうである。「私の故郷では礼儀が重んじられています」という発言には大笑いした(それは仲間内限定の話だろうに)。  それで結末について、途中経過としては①完全にA、②完全にB、③全体としてはAだが個人の問題としては別、という3種類程度を予想していたが、劇中で実際にやっていたように、断片的な材料を並べるだけでも一応の心証は得られるように思う。自分は登場人物のうちでは秘密警察タイプだろうが(笑)、日本人が好むのは③のような結末ではないだろうか。あるいはそういう方向のどんでん返しがあるかと最後まで構えてはいたのだが、実際はあまりにもあっけらかんとした①だったのが逆に意外だったともいえる。 この映画を見て怒り出す人々もいるようだが、しかし出身地や外見や個別の物言いに関わらず信用できるかどうかは別の判断、という程度なら言っても支障ないだろう。劇中では移民系のアモニーケさんが、リアリストで猜疑心は強いが友好的な人物だったのはホッとした。  なお主人公は日本アニメを小馬鹿にしているようだが、「侵略!イカ娘」を見たことはないのだろうか(自分は見てないが)。
[DVD(字幕)] 5点(2013-03-20 19:52:18)(良:1票)
1211.  あゝ! 一軒家プロレス 《ネタバレ》 
主人公の妻役の女優が目的で見た。途中は随分ひどい扱いと思ったが、最後まで見ればそういうことですかとまあ納得。「あなた」の歌声に癒される。エンドロールの終わりまでちゃんと見ましょう。 その他の部分も意外に面白いので、見てそれほど落胆はしない。ホラー調の(無理にかさぶた剥がすような)気色悪い場面などなくていいので、ソニンの活躍がもっと見たい気がした。
[DVD(邦画)] 3点(2013-03-16 12:59:59)
1212.  千と千尋の神隠し 《ネタバレ》 
これは公開時に映画館で見たが、冒頭のトンネルの場面で近くにいた幼児が怖い怖いと言い出し、仕方なく母親が飲食物を持ったまま外に連れ出したのが記憶に残っている。大人なら怖くないと言いたいところだが、そのあと海の向こうから得体の知れない船が近づいて来る場面では、自分も怖くなって腰が浮いてしまった。やはり劇場で見る迫力は違う。 それで全編を見ると舞台設定の面白さは当然として、とにかく映像から受けるインパクトに圧倒される思いだったが、一方で話の意味がわからないため気持ちの収まりがつかなくなり、帰ってから解説本などを読みあさる結果になってしまった。監督が当時これを子どもに見せるために作った、と言っていたのも意味不明で、せっかくアニメとして純粋に面白いのだから、妙に小難しくして混乱させるのはやめてもらいたい、というのが初見時の実感だった。  しかし公開から時間が経つと、監督が何を言ったかというようなことはもうどうでもよくなり、大人も子どももそれぞれの立場から勝手に味わえばいいのだという気もして来た。今の目で見れば、年齢に対応した子どもの心境の変化のほか、子どもを取り巻く不健全な環境や、子どもから見た大人の複雑さといった内容が詰め込まれているように思われる。クモオヤジは茶化して「愛」などと言っていたが、初めて純粋に他人のために何かしたいと思いつめたのは大事なことだろうし、また本来一人の人物が持つ“理性”と“本能(我欲)”を分離した上で、それぞれがさらに多面性を持ったものとして外部に表出される描写は、分析的すぎるようでもあるが面白いといえる。 ほか特に海の映像が美しく、湯屋の廊下から見える海原や、海面を渡る電車から踏切に立つ人影が流れて見えるなどは非常に印象深い。こういうのはもう理屈など関係ない。
[DVD(邦画)] 8点(2013-02-07 23:24:06)(良:1票)
1213.  借りぐらしのアリエッティ 《ネタバレ》 
東京都の多摩地域に住んでいる小人が外人名前で外人顔で(材木にくっついて来た外来種?)、それでいてひらがなも読めるのが何とも荒唐無稽だが、ストーリーとしてはそれほど悪くない。劇中の少年がまだ若いのに、自分の生命などたかだか67億分の1(今だと70億分の1)でしかないと悟ってしまっているのは切ない気がするが、そのことで一方的に共感を寄せた相手には厳しくはねつけられてしまったわけで、この辺はさすが生命力豊かなジブリのヒロインだと思う。 ただ、少年の方が勇気をもらったのはいいとしても、少女の種族の未来はやはり先細りという予感しかなく、最後の小川の場面で、個人的にはターミネーター(1984)のラストシーンが思い出されたのはつらいものがあった。  ところで、この映画では家政婦の存在が非常に不快なわけだが(母親も相当不快だがまあいいとして)、実はああいう素質をかなりの人間が持っており、だからこそ彼らは絶滅しかけているという想定なのだろう。子どもの頃なら昆虫や小動物を虐殺するのはよくあることで、姿が人間に似ていれば余計に虐待のしがいがあるはずだ。大人はさすがにそういうことをしないのが普通だが、あの家政婦はもともと性質が自然人に近いため、虐待衝動がモロに出てしまっただけだと思われる。ここは家政婦を罵って終わりにするのでなく、人類すべてが自戒すべきということなのだろう。 しかし、今回の件であの家政婦を解雇したりすれば、近隣に悪口雑言をふりまいて嫌がらせの限りを尽くすのではないかと考えると、やはり出来が雑な人間はどうしようもないと思ったりする。まあ世間も人を見ているので、全部が全部真に受けるわけでもないだろうが。 そのように考えていると次第に話がそれてしまうが、とにかく最終的にはそれなりに面白いという印象が残ったのでそれなりの評価にしておく。
[地上波(邦画)] 5点(2013-02-03 23:03:30)(良:1票)
1214.  奇談 キダン 《ネタバレ》 
原作は「新世紀エヴァンゲリオン」に元ネタの一つを提供したマンガだが、映画もそのストーリーを基本的に尊重しているのは評価する。期待していた「三じゅわんさま」もちゃんと出てきたので嬉しかった。ただこの場面の神父の発言には、原作にあった微妙な可笑しさが感じられなかったのが残念である。 また原作の短編を長編映画にするためか、もとの話と直接関係のない要素がかなり加えられており(同じ作者の「天神さま」から取ったか)、「7歳」で無理につなごうとしたようだが、どうも本筋との統一感がないので困る。 それでもヒロインが年齢のわりには(昔の女性らしく?)清純そうで可愛いのは高評価で、これは原作よりずっといいかも知れない。稗田センセイも、あくまで堅物というか紳士なので安心して見ていられた。マンガのとおり尊敬できるお方である。 なお、自分としては特に原作者のファンとは思っていないのだが、DVD特典で初めてご尊顔を拝することができたのは感激だった。
[DVD(邦画)] 4点(2013-01-20 10:34:57)
1215.  小さき勇者たち ガメラ 《ネタバレ》 
実物の子ガメはともかくガメラの造形も可愛らしい。成長後はそれなりに凛々しくなるが最後まで童顔を残しているのは“愛すべき怪獣”を体現している。成長段階に応じた最初の火球攻撃と最初の回転ジェットのタイミングは感動的だった。また子役が煩わしく感じられないのは、昭和ガメラに比べると著しい進歩といえる。ほか美少女が出るのは現代風だが、これも歓迎する。  それで映画の内容としては、映像面では平成以降の水準と特徴を受け継ぐ一方、ドラマ部分は昭和ガメラ直系の後継作と思える。心に欠けたところのある少年とガメラとの関係性をもとにドラマを作っているのは昭和ガメラ第一作への回帰のようで、またキャッチコピーに書かれたように、子どもらがガメラを助け、ガメラがそれに応えてくれるというのは、古き良き昭和ガメラの本質を示しているように思われる。劇中の大人は善人でも結局自分のことしか考えておらず、「みんなが逃げるためにガメラが戦ってくれてる」とはあまりの言い草で、ウルトラマンその他に任せて安心と思っている世代の根性が情けない(自分はこっちに近いわけだが)。やはり観客の思いを託すのは子どもらでなければならず、石のリレーが不自然なのは言われなくてもわかっているが、正直ここは泣けた。君らもヒーローだと言ってやりたい。自分もガメラの鼻先を撫でてやりたい。 ただリアリティを削ぐのがカリカチュアライズされた役人の存在であり、こういうバカみたいなのは出さなくていい。要は政府や自衛隊が動いていることが示唆されればよいので、半端な社会描写などは割愛し、主人公周辺の人間関係だけに限定でよかったと思われる。これは戦争映画に大局感が必須でないのと同様である。  以上、子どもの出るファンタジックな映画のため攻撃性が鈍るのも確かだが、子どもだましと貶めるよりも、あえて大人がだまされてもいいと思える映画である。何より個人的な趣味嗜好が嵩じたような人々ではなく、ちゃんとした大人が作っているという安心感がある。 40年間の全ガメラ映画を当事者的に眺めて来た立場からすれば、この映画が映像面とドラマ部分を総合して最も高水準の内容が実現できており、子どもを中心に据えた怪獣映画の理想像を提示したものと思える。いいものを見せてもらった、というのが率直な感想であり、評点についても、ここまでの最高が9点なのに励まされる形でいい点を付けておく。
[DVD(邦画)] 8点(2013-01-20 08:46:42)(良:2票)
1216.  ガメラ3 邪神<イリス>覚醒 《ネタバレ》 
この映画では前作の設定を引き継いで、ガメラの行動原理についてうまく整理をつけた印象がある。そしてガメラはやはり人間の味方だったことがわかるが、正確には、自分を助けてくれる人間がいるからガメラも人間を守るということらしい。 一般論として、仮にガメラが災害出動したとすれば(しないだろうが)、一方的な人助けなので万人に感謝されるだろう。しかしギャオスのような外敵と国内で戦闘すれば今回のように巻き添えが出たり、一般民を見殺しにせざるを得なくなる場面もある。それでも可能な限り個別の人助けもするだろうし、特に年少者を守ろうとするのは人情として当然のことである。たとえ被害者が出るとしても、ガメラがいない方がいいというのは本末転倒であり、いなければ外敵を利し、被害者は増えるばかりということになる(劇中では、ガメラがいるからギャオスが来るのだ、という屁理屈までは出なかった)。それが人々を守るということの現実だろう。そういう自分も、身内が死ねばガメラを恨み、怒りは一生消えないかも知れない。しかしガメラの立場がわからないほど理性に欠けてはいない。 劇中では、大人っぽくなった浅黄ちゃんがあくまでガメラを信じ、ガメラもそれに応えていたが、自分もこのガメラを信じる。彼は強い意志と力を持つだけでなく、人間同様の心を持った誠実な生き物であり、最後まで“ぼくらのガメラ”だった。これにより平成ガメラ(映画でなくキャラクターとしての)に対する個人的評価が確定できる。 上記のほか、女性鳥類学者の「生物は最後の瞬間まで生きようとします」という台詞には共感できた。人類はきっと生き延びるだろう。また元警部補がどこまでも逃げようとして逃げ切れず、最後に立ち向かう覚悟を決めた場面も好感が持てる。  評価できるのは以上である。映像面は、現代の映画ならこの程度で当然ともいえる。渋谷の場面は、破壊衝動を満足させたい観客のニーズに応えるためか徹底しすぎで、これをやるなら昭和ガメラの第一作に戻るか別映画ですべきだった。 また京都を火の海にした新キャラクターの面々は、こうなる前に全員死んでもらいたかった。というか映画が始まる前に死んでいろ。バカにしか見えない少年も一緒に死ねば本望だったろう。一体何を作っているつもりなのか。
[DVD(邦画)] 3点(2013-01-20 08:46:38)(良:1票)
1217.  ガメラ2  レギオン襲来 《ネタバレ》 
敵生物のデザインやスピリチュアル風の要素など気に食わない点はあり、90年代の素朴な環境観に基づくラストの警句も陳腐に感じられる。しかし前作よりマンガっぽさは薄れており、低レベルの突っ込みどころは多くない。また社会描写の現実感は増しており、映像面でも前作同様の感動がある。マイナス面は小さくプラス面が最大限に発揮されていて、大人向け(一応)のガメラ映画としては総合的に高水準の内容を実現しているように思う。 特に、前作では邪魔ばかりしていた人間側が今回は大活躍なのは素直に嬉しい。当初はほとんど絶望的な戦いだったが、ガメラと共闘を決めた後はちゃんと効果的な支援ができていた。隊員が普通の人間の心を持っている(当然だが)ことを示す場面や、ともに戦った仲間としてガメラに敬意を表する場面があったのは、わざとらしくもあるが心温まる情景だった。 また霞目飛行場でのガメラが具体的行動として人間を守ろうとしていたのは印象的で(振り返ってヘリを見ていた)、ちゃんと“ぼくらのガメラ”的性質を持っているのは一応安心できる。浅黄ちゃんの「ガメラも血を流したんです」の台詞で泣けて来たのは他人には言えない。 ほか特筆すべき点として、今回はヒロインが可愛い(前作が可愛くないとまでは言わない)。また日本テレビの関谷アナウンサーが懐かしい。この人がまだ現役の時代と思えば、けっこう前の映画なのだなと実感する。  なお以下は余談になるが、今回は東京以北の都市が舞台なのは怪獣映画としては珍しい。しかし仙台に関しては、「白松がモナカ」の看板は何度も映るものの仙台らしい特徴的な風景があまりなく、学生時代に住んでいた者としては不満もある。またキャッチコピーが「消滅するのは日本か、レギオンか」であるのに、結果的には日本でなく仙台だけが消滅してしまったのは理不尽だ。こんな深い穴があいてしまっては復興どころではなく、一体どうしてくれるのかと思う。 ただ些細なことだが個人的に注目したのは、宮城県が設置した救護所のテントに「名取市役所」と書いてあったことで、これは仙台市の被災により隣接の名取市が緊急的な支援を行っていることを示している。これも映画のリアリティに寄与しているが、その後の震災のことを考えれば複雑な心境にもなる(両市とも沿岸部の津波被害が甚大だった)。現実の悲惨さに接してみれば、怪獣映画も呑気に見ていられない。
[DVD(邦画)] 7点(2013-01-20 08:46:33)
1218.  ガメラ 大怪獣空中決戦 《ネタバレ》 
他の人々と同様、自分としてもこういう怪獣映画が見たかった、という希望がやっとかなえられたという感慨があった。福岡ドームからの回転ジェットの飛翔、吊橋を越えて敵を粉砕するプラズマ火球、それから遠景の巨大怪獣と近景のリアルな生活空間を組み合わせた画面づくりなどは見ていちいち感動する。 また、これは旧作も基本的に同じなのだが、毎度のように傷つきながら奮闘するガメラの姿には愛しさを覚える。「ガメラは味方です」の台詞にも感動した。ゴジラにはある程度冷淡な態度を取ることができても、やはりガメラは昔も今も特別扱いである。自分が子どもだった時代に、ガメラはぼくらの味方、というのが刷り込まれているからだろう。  ところでここから苦情になるが、登場人物のふるまいがマンガのようなのは昭和ガメラと別の意味で子どもじみており、これはいったい何歳児が何歳児に向けて作ったのかと呆れる。女性鳥類学者の言動が変なのは役者の持ち味?かも知れないが、政府機関が2種類の希少動物のうち片方だけを執拗に敵視する理由がわからず(役人の体面の問題ということ?)、劇中人物の胡散臭さと相まって現実味が著しく削がれている。 また昭和ガメラが特に動機なく子どもの味方だったのに対して、この映画では新たな(屁)理屈を考えようとしており、うちアトランティスまでは旧作にもある要素なので許容すべきかも知れないが、直接関係ない勾玉だのエトルリアだのルーン文字だの引っ張り出して来てトンデモオカルト説のようになっているのは何とかしてくれと言いたい。浅黄ちゃんの言うファンタジーだから信憑性度外視でも可ということなのか。まったくいつになったら大人が突っ込まずに見られる怪獣映画ができるのかと思う。 というわけで絶賛するわけには全くいかないが、まあ見て感動したのは間違いないので、ぼくらのガメラに免じて点数は少し高い方にしておく。  なお今回見て気づいたのは、劇中に出ていたルーン文字はでたらめではなく、ラテン文字に転写した文章(画面で下に書いてある)を現代アイスランド人に見せれば普通に読めるだろうということである。ここでギャオスの表記がGyaosでなく、ゲルマン語風にGjaosと書いてあるのはほめてやってもいい。が、全体がマンガのようなのに妙なディテールにこだわるのもオタクっぽい。
[DVD(邦画)] 6点(2013-01-20 08:46:29)(良:1票)
1219.  宇宙怪獣ガメラ 《ネタバレ》 
別のガメラ映画では過去映像を長々と使い回ししていて落胆したが、この映画は初めからそういうものとわかって見たので個人的には問題ない。 内容としては、一度は手放したカメがガメラになって戻って来て、最後は宇宙に去るというのは昭和ガメラ第一作への回帰を意識したのかと思える。が、それ自体にそれほど重い意味はなさそうである。また過去映像が重厚なのに劇伴が妙に軽快で、ドラマ部分も30分番組程度の軽さであり、ちょっとお色気の場面(おねえさんが短パンでアクション)もあるのは東映TV特撮を見ているようだった。ほか主人公の少年の歌う「ガメラのマーチ」(=主題歌)は、どう頑張ってもちょっと受け入れがたいものがある。  ところでこの映画ではガメラの存在感が薄い代わりに、善悪計4人のおねえさんが出ているのが少し豪華で、うち失敗続きで哀れっぽい悪玉のおねえさんを応援したくなるのは製作側の狙い通りだろう。善玉のおねえさん方は武器を持たない宇宙人とのことで、戦力不保持の平和日本に滞在しているのはふさわしいと思えるが、ガメラにばかり頼るわけでもなく自己犠牲も厭わないのはなかなか覚悟が据わっている。大きいおねえさんはいかにも強そうだったが、小柄に見える2人にももっと活躍してほしかった。  ほか具体的な場面として、亀有交番の警官の台詞には不覚にも笑ってしまった。一方でゴジラ映画を揶揄するような場面も挟まっていたが、これは笑えるというより、他人のことなど言えるのかという感じだった。これが昭和ガメラの最後というのはやはり寂しいものがあり、ぼくらのガメラもここまで落ちたかというのが正直なところだが、ただ過去怪獣総登場の上に他メディアからの引用やパクリまで入れ込んだ賑やかさは、「ゴジラ FINAL WARS」の雰囲気に通じるものがあるように思われる。
[DVD(邦画)] 3点(2013-01-19 10:07:17)
1220.  ガメラ対深海怪獣ジグラ 《ネタバレ》 
前作が明るい万博映画だったのに対し、今回は一転して高度成長期の陰の部分である公害をテーマにしている。ヘドロを扱った怪獣モノとしては、1971年1月にTV放送された「宇宙猿人ゴリ」のヘドロンのほか、同年7/24に公開された「ゴジラ対ヘドラ」がよく知られているが、同年7/17に公開されたこの映画はヘドラより1週間も早く公害について問題提起をしていたことになり、これはガメラファンとして誇るべきことである(そういう自分はヘドラは見たが、この映画は見てない)。  それはそうと、実際見ればそんな社会派映画という印象は全くなく(当然だが)、前半はもっぱらお気楽な幼稚園児向け映画である。宇宙船に色とりどりの粒がついていて、中に茶色が混じっているのはマーブルチョコレートのイメージに違いない。大東京が壊滅状態なのにも頓着なくチビッコどもが暴れ回るのを笑って見ている一方、悪役のおねえさん(本当はいい人、日本版エリス中尉)はほっぺたがふっくらして脚がきれいだとか、この人が着替えをするたびに被害者は全裸で放置されるのかと想像するなど、お父さん向けの趣向も楽しんでいられる。ホテルの支配人と飼育係の口喧嘩も可笑しい。 ただ後半は一転して妙に深刻な状況になり、親子ともども絶体絶命の危機に陥るので笑っていられなくなる(おまけに一部の展開が不可解)が、どうせ最後はガメラが助けてくれるので問題ない。逆に今回は人間側がガメラを助ける場面がない(不発に終わった)のが残念だったかもしれない。 以上、おそらく最低映画だろうと思っていた予想を裏切り、実は結構面白いのだった…ただし自ら面白がろうとする努力は必要である。まず冒頭のアシカショーを真剣に見て、よくできましたと感心するくらいの心の余裕をもって鑑賞したいものである。また初めから笑うつもりで構えて見ることも大事な心がけだと思う。  なお敵怪獣の背中のヒレは6つあるので、あらかじめドからラまでの音をきちんと割り当てれば見た目も正確な演奏ができたはずだが、実際にガメラが叩いた音板はドレド-レミレであってガメラマーチにならない。それでもガメラが喜んで踊りだしていたので、まあいいか。
[DVD(邦画)] 4点(2013-01-19 10:07:12)
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