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sayzinさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2394
性別 男性
ホームページ http://sayzin.tumblr.com/
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1241.  MAROKO/麿子
演劇に近いものって、これ、二昔以上前の小劇場演劇を模倣しただけですよ。一幕一場・六幕ものの不条理劇をアニメで再現しようという発想は面白い。しかし、最も表現に制約の無いアニメという媒体で、最も制約のある舞台劇を再現することに意味があったんでしょうか? 枷を嵌めることで新しい表現に挑戦したなんて言わせません。だって、ここには新しい表現どころか、単なるパロディしか存在してないんですもん。確かに一幕目は目新しさもあって興味を引きましたけど、以降は代り映えのしない場面と聞いたことのある様な台詞ばかりで、流石に飽きちゃいました、4点献上。
4点(2004-09-21 00:07:58)
1242.  
鬱屈した精神を痴漢行為でしか開放できない童貞男を主人公に、80年代以前の若者像を描く青春映画。記憶を辿れば前年の「十九歳の地図」と印象が近いかも。理由無き怒りの矛先として新聞の配達先を勝手に断罪、嫌がらせをする「十九歳~」の主人公に対し、心に抱えてるものが怒りなのか、焦りなのか、恐怖なのかは解りませんが、純は通勤途中に出会う女達を勝手に断罪、痴漢します。それはともかく、本作を有名にしたのは作品のテーマや出来ではなく、現在では立ち入り禁止らしい長崎県端島(軍艦島)ロケとリアルな痴漢シーン(と海外映画祭への出品)。確かに軍艦島のインパクトは鮮明に憶えてますし、タイプの違う様々な女が痴漢される様は、結構そそられるものがありましたっけ…。という訳で、5点献上。
5点(2004-09-21 00:07:34)
1243.  エスパイ
邦画衰退の強力な推進役となったであろうトンデモ映画。超能力映画の筈なのに、こいつ等の超能力の役に立たないこと立たないこと。敵は敵で、捕まえた由美かおるに何と催淫剤(!)を投与しちゃう馬鹿揃い…って、何で自白剤じゃなくて催淫剤なのさ、単なるエロ集団か? それにシャルル・ド・ゴール空港(らしい)のカフェが、ほとんど「喫茶マイアミ」に外人座らせただけ。しかも店内に流れるBGMがムード歌謡ってどうよ? なのにゴア・シーンだけはやけに力入れて作ってあるじゃん。あ~っ、これがエロ・グロ・ナンセンスって奴か!? だったら少し点を上乗せしよう、3点献上。
3点(2004-09-21 00:07:09)
1244.  8人の女たち
色使いにも毒々しさを漂わせる、「焼け石に水」を華麗に発展させた密室ミステリー・ミュージカル映画。とは言っても、「ミステリー」や「ミュージカル」自体はパロディの補強というだけで全く意味は無い。本作はタイトル通り“femme”の実態を「悪意を持って」描くことと、“actrice”本人達のセルフ・パロディに徹するパロディ映画です。全てに絶望する館の主人こそ、我々男の代表。とにかく、こーゆー企画を立て、こーゆー脚本を書き、そしてそれを実現してしまうフランソワ・オゾンって人は本当に凄いと思う(女優魂も同様に凄い)。これはオゾンにとっての「キル・ビル」なのです、7点献上。
7点(2004-09-14 23:17:13)
1245.  焼け石に水
この邦題って直訳なんですね。この諺は万国共通なんでしょうか? てなことは置いといて、この示唆に富んだタイトルを冠した本作には脚本の非凡さと、それを「そのまま」、しかも巧みに映画にしたフランソワ・オゾンのセンスを感じました。最初は怪しい雰囲気のゲイの話、続いて普通の倦怠期夫婦と同じ様なゲイ・カップルの話、ゲイに飽きてきた所で無邪気な男女恋愛の話、そして最後は、揃いも揃った全性別に渡る馬鹿共の話になる。「焼け石に水」ってのはレオポルドに対してじゃなくて、他の三人のことじゃないですか? 言い換えれば「馬鹿は死ななきゃ直らない」ってヤツ。ラスト・シーンがそれを象徴してます。私も一瞬彼らは囚われたのだと思ったんですけど、そうじゃなくて、彼らは自ら留まっているのです、6点献上。
6点(2004-09-14 23:16:54)
1246.  クリミナル・ラヴァーズ
「ナチュラル・ボーン・キラーズ」風の逃避行型ロード・ムービーかと思いきや(だってタイトルが「クリミナル・ラヴァーズ」だし、二人が典型的なバカップルなんだもん)、途中から「本当は怖いヘンゼルとグレーテル」へと変貌。確かに【SAT】さんの書かれている様に、ここにはありとあらゆる悪徳が描かれてる。虚言、誘惑、嫉妬、殺人、強盗、監禁、男色、カニバリズム…。フランソワ・オゾン作品は消毒臭の漂う様な映像が多かったですけど、本作はやけにヘヴィでダーティ。何を伝えたいのかは今一つ解りませんでしたが、サスペンスフルな展開で最後まで見せてくれました、6点献上。
6点(2004-09-14 23:16:27)
1247.  海をみる
これは面白かった。フランソワ・オゾンの短編映画(実際は中篇)であるということしか知らず、タイトルから退屈なアート系作品だとばかり思ってたので、まさかの展開に驚きました(もちろん、これは「芸術」等ではありません)。「ファニー・ゲーム」にも似た感じですけど、こっちの方が断然上。オゾンは観客が主婦・サーシャを蔑む様に仕向けていく。すると同時に、タチアナの憎悪が表面化していく。クライマックスは食卓の場面。タチアナの質問が徐々に、そしてずかずかとサーシャに踏み込んでいく。二人を切り返す毎にどんどん表情に寄っていくカメラ。「もうやめてーっ」という位の息詰まる緊張感。電話が鳴って引きの映像に変わった瞬間、私もホッとして思わず息を漏らしてしまいました。こんな経験、最近ではありません、7点献上。
7点(2004-09-14 23:15:58)
1248.  サマー・ドレス 《ネタバレ》 
見るからにゲイの友人と海辺にバカンスに来た青年が、砂浜で女に出会う。「女性は初めて」だと言う青年を女は意に返さず青姦に突入。林の中で全裸になって女に突っ込んでいると、その間に青年の荷物が盗まれてしまう。全裸だったので仕方なく女の「サマードレス」を着て帰ると、それに欲情した青年と友人はキッチンで始めてしまい、今度は青年が突っ込まれる番。翌日、青年は女に服を返す。以上が掛け値なしの全ストーリー、15分。ロカルノ映画祭グランプリ受賞作ってことですけど、これはよー解らん。よー解らんので粗筋しか書きようがなかった…、5点献上。
5点(2004-09-14 23:15:37)
1249.  一票のラブレター
反目し合う男女が旅を通して惹かれ合っていくという典型的なロード・ムービーのスタイルを採りながら、そこで出会う人々が形作るのはイランの現実。必死になってデモクラシーを捲し立てる女の子が直面する、地方が抱える近代化との軋轢と宗教の壁(同じ国の同じイスラム教徒ですら、これだけ説得が困難だとすると、彼らは他国の異教徒の話なんか絶対に聞かないでしょうネ)。でも、映画の時間はほのぼのと過ぎていきます。ラストに忽然と現れる軍用機のシーン等、ビジュアル・センスも抜群(こういう長回しなら大歓迎)。ところで、最後のあれは「ラブレター」だったんでしょうか。島の全員の説得に失敗した女の子が唯一宗旨替えに成功した人間が、このガチガチの兵士だったんじゃないですかねぇ…。ということで、6点献上。
6点(2004-09-14 23:15:15)
1250.  酔っぱらった馬の時間
クルド人の手で作られた初めてのクルド語の映画ということですけど、本作ではクルド民族「特有」の事情は一切描かれていません。極貧を必死に生き抜く子供達の映画は世界中で作られており(要するに、世界中が貧困に喘いでいるのです)、物語的にも珍しいものではありません。しかし、極めて映画的な演出や画作りがなされており、それらのジャンルの中では非常に優れていると思います。大地の張藝謀、砂漠のモフセン・マフマルバフ、そして山岳の新人バフマン・ゴバディといった感じでしょうか。特に、身体の小さな不具の長男と理想の身体を持つボディ・ビルダーのポスターの対比に、監督の冷徹で深い洞察力を感じました(並の監督ならこんなこと出来ない)。本作は単なるお涙頂戴映画ではありません、7点献上。
7点(2004-09-14 23:14:52)(良:1票)
1251.  サイレンス
話的にはイランの話だと思うんですけど、同国での検閲を嫌い、本作は全編タジキスタンで撮影されたのだそうです。しかも巨匠モフセン・マフマルバフと言えど、予算も潤沢じゃない様子。だから風景を撮影することが出来ない。出演者も素人ばかりで、動きのある難しい演技が出来ない。さあ、どーする? きっとそれで、ヤン・シュワンクマイエルばりの接写映像ばかりになってしまったのだと思います(確証無し)。従って映像からは全く空間的広がりを感じることは出来ませんが、イメージと文化の広がりは十二分に感じることが出来ました。それにしてもお母さんを除けば、ほんの一瞬映るだけの人も含めて、本作には美女と美少女しか出てきませんねぇ…。こんなトコも含めて、マフマルバフの映画は非常に私好みです、6点献上。
6点(2004-09-14 23:14:29)
1252.  金玉満堂/決戦!炎の料理人
「食神」と比べれば、かなりオーソドックスな料理対決モノとなってますが、ストーリー自体が無茶苦茶なのは同じ。全てのエピソードが唐突に始まり、映画は強引に推し進められていきます(が、弾け具合は「食神」の比ではありません)。しかし、美人女優にブス・メイクを施して、後半一気に美女へ変身させるのは、香港では一種の流行だったんでしょうかね? 引く一歩手前のギャグにも独特のものがあります。また、満漢全席勝負の審査委員長が日本人なのは、日本マンガへのオマージュなのか、パクってばかりいることへの償いなのか…。ということで、私的には惜しくも5点献上。
5点(2004-09-14 23:14:06)
1253.  紅いコーリャン
中盤までは、これは中国版「風と共に去りぬ」になるのか、といった予感がしたものの、日本軍が余りにもあっさりと物語を終わらせてしまったので相当拍子抜けしました。孫が語る自分の祖父母の物語というスタイルだったのに、何故かそれが最後まで続かないのもしっくりこない。従って本作は、構成や脚本的には大した映画じゃないと思う。本作を本作たらしめているのは、中国の圧倒的な大地と、鞏俐(何と、歯並び悪いじゃん!)の母性的な生命力と、張藝謀の過剰な色彩設計。お二人共にデヴュー作ということですけど、インパクトだけは相当なものがありました、6点献上。
6点(2004-09-14 23:13:41)
1254.  マイ・ボディガード(2004)
話自体は悪くない。しかし本作は、監督と主役の選定(と邦題)に失敗してると思う。もう、トニー・スコット弄り過ぎ! スペイン語に被る英語字幕がコミックの擬音語の様な扱いで、完全に演出の一部になってるのは新しいとは思いましたけど、「スパイ・ゲーム」等の彼の前作群が大人しく見える程の落ち着かない編集は、復讐に「燃える男」のハードボイルドな物語に全くそぐわない(この脚本なら私はマイケル・マンを推薦します)。そしてデンゼル・ワシントンも善人の部分が前に出過ぎて、殺人マシンと化す「死の芸術家」には見えない。それぞれの素材は悪くないのですが、例えればフランス料理の手法で和食を作ってしまった様な感じでしょうか。ということで、惜しげもなく水着姿を披露したダコタ・ファニングちゃんに、5点献上。
5点(2004-09-12 00:07:37)(笑:1票)
1255.  マーダー・ライド・ショー
2000年に完成していたものの、余りの残虐性に配給元が公開に二の足を踏んでお蔵入りしかけたという曰く付きのホラー映画(それを発掘、昨年アメリカ公開を実現したのが「華氏911」で勇名を馳せた、【anemone】さん言う所のキワモノ買いのライオンズ・ゲート)。初っ端からかなりテンションの高いキャラが登場してきますけど、話自体は「悪魔のいけにえ」。従って妙に懐かしい感じもしますが、ロブ・ゾンビはビデオ・クリップ風の演出で非常にモダンな映画に仕上げてます。お久しぶりのカレン・ブラックがイメージ通りの役で出てきたのも嬉しい。クライマックスは変態一家から「TATARI/タタリ」風のキャラに主人公(?)が移り、一気に不条理感が爆発。これは「テキサス・チェーンソー」より楽しめるのではないでしょうか、6点献上。
6点(2004-09-12 00:07:14)
1256.  アンダー・サスピション
モーガン・フリーマン演じる刑事は冒頭から犯人を決め付けてましたが、正義の人モーガンが間違う筈は無い。しかも容疑者は怪し過ぎるジーン・ハックマン。取調べが進むに従い、やっぱりハックマンの怪しい趣味が暴かれていく。妻も夫を信じていない。何故なら妻は、二人の馴れ初めこそが夫の性的嗜好にあると疑い、年齢を重ねた現在は若さに嫉妬する身となっているから。「処刑人」風の演出で証言を再現していく展開も中々スリリングだし、私は楽しめました。しかし、それよりも何よりも、私は自身の問題として冤罪の恐ろしさを感じた。最近の「植草一秀手鏡事件」の例もあり、アダルト・サイトのアクセス記録やアダルト・ビデオの所有が確固たる状況証拠となったんじゃ、私なんか第一容疑者間違いなしです、6点献上。
6点(2004-09-12 00:06:53)
1257.  記憶の旅人
ヒトゲノムの解明が進み、病気の原因は「脳の記憶」ではなく「遺伝子の記憶」によるものであるということが既に常識となっていた、西暦2000年製作の映画とはとても思えないぶっ飛んだ設定。30年前なら「まごころを君に」風のSFファンタジーとして許せますけど、いくら何でも現代ではこんなの通用しません。学説論文じゃないんだから「遺伝子治療は記憶にも影響する」等の適当な理由はいくらでも付けられるのに、どうしてこういう所で手を抜くかなぁ。いっそレイチェル・リー・クックを主役にして、独り立ちする双子の物語にした方が良かったんじゃないの? という訳で、3点献上。
3点(2004-09-12 00:06:28)
1258.  シーズ・ソー・ラヴリー
ありそうで無かったタイプの大人のラヴ・ストーリー。何が衝撃的って、男が初対面の自分の子供に向かって「お前はいらない。俺が欲しいのは彼女だけだ」とはっきり言う所。誰が定めたかも判らない、所謂モラルをここまで明快に否定した映画は他に無いでしょう。存在すら知らなかった自分の子供が突然目の前に現れた時、普通の映画では、まるで宇宙の定理の様に一瞬にして母・父性愛に目覚めてしまう。でも、果たしてそうか? 何かで親や子供には時間をかけて「なる」ものだと読んだことがありますが、そっちの方が正しいでしょう。子供の存在を知らなかった男は、もちろん親になってなかった訳ですけど、女の方も親にはなってなかったのです。愛し合う男女の話として、これは非常に正しい結論だと思いました、6点献上。
6点(2004-09-12 00:06:06)
1259.  ダロウェイ夫人
「めぐりあう時間たち」(意味不明のカタカナ邦題を除くと、近年稀に見る酷い邦題だと思う)は全く「ダロウェイ夫人」をなぞっているということが、これでようやく解りました。これまでの人生を振り返ることが出来る位に歳を重ねると、幸せの中にあっても迷いと後悔の念が徐々に大きくなっていく。しかし先もそんなに長くないし、気持ちの折り合いをつけて生きていくしかない。「めぐりあう~」の三人はある時決断を下した。それによって迷いは消えたものの、悔恨はより大きくなってしまった。どちらにしても、過去を振り返ってもろくなことが無いってことでしょうか。で、肝心の本作ですが、更年期障害の女性が浸る娘時代の白昼夢って感じがしないでもないですけど、20世紀初頭のスノッブな文化を味わうことは出来ました、4点献上。
4点(2004-09-12 00:05:41)
1260.  アデュー、ぼくたちの入江
「アデュー、ぼくたちの入江」よりも、「渚のロリータ」って方が本作には正しいタイトルの様に思えた。だって、鮮烈な性の匂いを振り撒く低脳少女しか印象に残らないんだもん。てか、タイトル以前に、わけ解んないんですけど、この映画。時、場所、登場人物の境遇、テーマ等、全く解らない。またF1、殺人、不法侵入した屋敷、「天使の入江」(これが原題)等に何の意味があったんでしょう? 淡々とした映画には訳の解らないのも良くありますけど、これだけ作為的な映画でこの中身じゃどーしょーもない。官能作として騙して売るしか方法が無かったのも頷ける仕上がりです、2点献上。
2点(2004-09-12 00:05:19)
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