11.まず、哀愁漂う音楽が良い。 選挙管理委員の女性と兵士という組み合わせの絶妙さ。 相反する者同士がやがて理解し絆を深めて行くという普遍的なドラマ姓。 そこに生まれるカタルシスは万国共通。文化の違いなど軽く飛び越えます。 ラストは呆気ないのに、切ない。「年に3,4回選挙をやったらいいのに」という兵士の遠回しな愛情表現がとても愛おしいです。 【ヴレア】さん [映画館(字幕)] 8点(2014-11-03 17:18:36) |
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9.小さな島に降り立った選挙管理委員の少女と、彼女を護衛するよう命令を受けた一人の兵士。考え方がまるで違う二人がボロイ自動車で島を一日かけて票集めをする・・・それだけの話なのですが、選挙に対してそれぞれ一家言ある島民とのやり取りの中、少女と兵士のほんの少しの心の交流を描いた良品。小さな島でも選挙に対する意識はやっぱり人それぞれ全然違うんだなぁと実感。そんな人々に説得を続ける少女の健気さや、終始ムスっとしている兵士が時折かける励ましの言葉が、それぞれ観ていて優しい気持ちにさせてくれます。最後のオチは邦題から何となく予想していましたが、別れの言葉を交わす間もなく離れ離れになったのは予想外。実にあっさりと終わりを告げた「特別な一日」。彼女への想いもイマイチ届かないまま、また明日から変わらない日常を送るであろう兵士の背中に、何とも言われぬ切なさを感じたのでした。 【ライヒマン】さん 7点(2005-03-21 22:23:14) |
8.イランのある島の夜が明けてから陽が沈もうとするまでをたかだか2時間足らずに収めているのに時間の流れがゆっくりに感じる。静かな情景と何も起こらないストーリーゆえにそう感じるのでしょう。島民の生活は誰にも頼らずに独自の風習のもと成され、また自らの生活で手いっぱい。民主主義だの選挙だのということにピンとこないのも仕方ない。でも少しだけ何かが変わっていってるんです。選挙管理人の女性のひたむきさに惹かれる兵士の最期の行動、そして女性もまたいつのまにか後部座席から兵士の隣に座っている。時間をかけてお互いを知ることでちょっとだけ心に変化を見せる二人。言いかえれば(国を動かすことに繋がる)民の心を動かすには時間と根気が必要ということ。焦りは禁物。ソコに銃はいらないのです。先進国のリズムを持ち込んじゃいけない。”ゆっくり根気良く”、我々も立ち返らねば。 【R&A】さん 6点(2004-11-08 13:02:42) |
7.反目し合う男女が旅を通して惹かれ合っていくという典型的なロード・ムービーのスタイルを採りながら、そこで出会う人々が形作るのはイランの現実。必死になってデモクラシーを捲し立てる女の子が直面する、地方が抱える近代化との軋轢と宗教の壁(同じ国の同じイスラム教徒ですら、これだけ説得が困難だとすると、彼らは他国の異教徒の話なんか絶対に聞かないでしょうネ)。でも、映画の時間はほのぼのと過ぎていきます。ラストに忽然と現れる軍用機のシーン等、ビジュアル・センスも抜群(こういう長回しなら大歓迎)。ところで、最後のあれは「ラブレター」だったんでしょうか。島の全員の説得に失敗した女の子が唯一宗旨替えに成功した人間が、このガチガチの兵士だったんじゃないですかねぇ…。ということで、6点献上。 【sayzin】さん 6点(2004-09-14 23:15:15) |
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6.こんな形のちょっとした出会いがもてない不器用な男には運命の出会いに思えてすぐ好きになってしまうんです。でも女の方は自分のタイプじゃないと相手を男として全然見ていないんですよねえ。そしてまたベッドで溜め息です。 【WEB職人】さん 7点(2004-07-19 17:14:15) |
5.先日新文芸座にて見てきました。イラン映画はかなり好きで期待して見たら見事当たったという感じです。面白かった。中盤までイラン社会の内包する(イランだけじゃない?)問題、法律やら選挙やら政治上の矛盾点を描き出した社会派映画の様相を呈しているにも関わらず幕切れは一票のラブレターというセンスですか・・素敵です。非常にセンスがありかつリアルな映画でした。イランの島の風景も雰囲気が良かったし主人公の女の子と兵士もはまり役でした。イラン映画は地味だけれど良質なものが多くブームはちょっと去っちゃった気もするけどまだまだ眼が離せないです。 【べんじょみん】さん 8点(2004-03-06 02:59:42) |
4.内容が微妙に予想と違っていたので(もうちょっとほのぼの系かと思ってた)ちょっと「あれ?」という感じがしましたが、いい映画だったと思います。冒頭の長回しが、人を食っているようでおかしかった。それにしても、あの砂漠の中の無駄なインフラは、どこかのカネを出すのだけは得意な国のODAだったりするのでしょうか?。 【ぐるぐる】さん 7点(2003-12-19 17:11:54) |
3.観終わったあと、どっと疲れてしまいました。まるで自分が選挙管理委員になって島に行ってきたかのようです。観ているこっちはわずか1時間半のことなのに、主人公の女の子は1日中島を歩き回ってさぞ疲れたことでしょうねぇ^^ この女の子の演技がとても良かったです。終始見せる疲れたような物憂げな表情が一層リアリティを感じさせ、感情移入して観ることができました。大変だけど仕事には決して手を抜かない彼女の真面目な姿勢には感心させられました。 【きのすけ】さん 7点(2003-11-08 21:10:39) |
2.舞台はキシュ島。長く続く白い砂浜と大部分が砂漠で占められた小さな小さな島。物語は、おそらく何の変化も無い毎日を湾岸警備に従事する青年兵士の前に、ある日1艘の船に乗って一人の娘がやって来るところから始まる。彼女はいわゆる選挙管理委員として投票箱片手に、数少ない島民になんとか投票させようと、選挙の重要性を説いて回る役目を担っていた。限られた時間の為、運転手として兵士が娘と島中を奔走するハメになる。この理想に燃える娘と現実的な兵士との珍妙な遣り取りがなんとも微笑ましく、(砂漠の真中に何故かある信号機に従うような愚直な兵士だが、彼女の直向きさにやがて好意を寄せ始める。しかし彼女はそんな空気が読めないというもどかしさ!)宗教と古い因習の根強い島の人々とのギャップともども、心を伝えるというコミュニケーションの難しさと、民主主義への矛盾や疑問というものを痛切に考えさせられる。声が大きく多弁さが圧する現代において、時が止まったかのような風景の中、この囁くような作品は貴重だ。終盤、帰路に間に合わなかった彼女にドラマチックな味付けが施されるという憎い演出もあり、また彼女の去った後の兵士の寂寞感漂う後姿に、言い知れぬ余韻を残しつつ終わるという、幕切れも実に鮮やかなものである。 【ドラえもん】さん 9点(2003-07-24 00:50:14) (良:1票) |
1.地味で、淡々として、シュールで、素朴で、一生懸命で、ゆったりとして、固陋で、どこか間が抜けていて。なんか、そんな感じ。悪くない。 【山岳蘭人】さん 6点(2003-06-06 21:10:14) |