1261. ロビンソンの庭
廃墟好きには堪らない作品。 調べて分かったが、舞台になっているこの廃墟、杉並区の蚕糸工場跡地のようだ。 この場所をロケ地に選んだ時点で、既に映画として成り立つ、そういう意味ではロケ地選びの勝利。 内容はほぼゼロに等しいが、この舞台を活かすという意味で、余計なストーリーは要らないのかもしれない。 主演の女性が、これまたキモい。 これは映像として堪えうるものではない。 カルト的な味わいを出す上では意味があったかもしれないが、個人的にはNG。 [DVD(邦画)] 5点(2016-06-30 01:08:44) |
1262. 血と砂(1965)
《ネタバレ》 ユーモアたっぷりの戦争映画。 慰安婦をプラスに描いている点も印象的。 三船敏郎がまともな役どころを演じているくらい、その他のキャストが破天荒揃い。 粒揃いな俳優陣も、見所の一つ。 戦争の悲惨を間接的に描いているところが、絶妙。 残酷描写は沢山あるが、それがメインではなく、おかずという感じ。 シーンとシーンの間に、さり気なく入ってくるあたりが、にくい。 音楽隊というのが一つの主役になっているが、少々、しつこい感じもある。 だが、その音楽隊の奏でる音楽こそが、ラストで非常に効いてくる。 死ぬ直前まで楽器を奏で、仲間の生死が、音楽により確認できるところなんかもすごい。 すごいづくめの作品だが、どうも肌には合わなかった。 きっと、戦争という題材に、ユーモアを入れ過ぎたからだろう。 何か、不自然なものを感じた。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2016-06-22 02:48:56) |
1263. 菊五郎の鏡獅子
歌舞伎という伝統芸能を紹介する記録映画。 歌舞伎というものに造詣のない私からすると、その凄さがさっぱり分からなかった。 でもその一方で、歌舞伎は戦争をも乗り越えて、現代に脈々と伝わっているのだと感嘆した。 小津映画を観たというより、とてつもなく貴重な、日本の伝統芸能の映像を観たという感覚だ。 [インターネット(字幕)] 5点(2016-06-01 05:46:52) |
1264. 群衆(1941)
《ネタバレ》 キリスト教の物語。 イエス・キリストが、1940年代にジョン・ドーとしてよみがえった! そんな内容の物語。 つまらない内容ではないが、かといって、特に面白いというものでもない。 ただし、ヒロインの女性の脚が、この上なく美しいということだけは、ゴージャス! [ビデオ(字幕)] 5点(2016-05-20 23:58:16) |
1265. 拳銃無宿(1947)
《ネタバレ》 またしてもジョン・ウェイン。 こんな太り気味のおっさんに、早撃ちができるはずがない。 とにかく本作でも無敵でモテまくりのジョン・ウェイン。 話としては普通に楽しめ、奇をてらったところがないのが好印象。 [ビデオ(字幕)] 5点(2016-05-12 09:20:31) |
1266. パームビーチ・ストーリー
《ネタバレ》 かの蓮實重彦氏が推薦している作品だったので鑑賞。 ビデオジャケット裏に、“ノンストップ・コメディ”と書かれていたので、この時代のアメリカ映画に特有な、べちゃくちゃうるさいラブ・コメディを想像していたが、意外とそこまでうるさくはなく、落ち着いて観ることのできる内容だった。 結局は元サヤに戻るという結末は、偶然にも最近鑑賞した、同時代のアメリア映画とまったく同じオチではあったものの、そこにいたるまでのストーリーが面白かったので、楽しむことができた。 [ビデオ(字幕)] 6点(2016-05-07 22:58:27) |
1267. スター・ウォーズ/フォースの覚醒
《ネタバレ》 期待を上まわり、スターウォーズの世界にどっぷりと浸ることができた。 それにまず感謝! 懐かしい登場人物たちとの、再会てんこ盛りも、もちろん嬉しい。 だが、それ以上のインパクトだったのが、ハン・ソロが殺されるシーンだ。 息子の心を取り戻し、ライトセーバーを手渡されたかと思いきや、その手は強く握られ、離されない。 次の瞬間に殺されてしまうわけだが、このシーンはとても切なく、記憶に残るシーンとなった。 この切なさ、やるせなさも、スターウォーズの魅力の一つじゃないだろうか。 スター・デストロイヤーが砂漠に突き刺さっているシーン。 『猿の惑星』の自由の女神の如く、衝撃なシーンだった。 あとは、ハックス将軍。 エピソード4の“グランド・モフ・ターキン”の様な、冷徹な将軍。 そして地位が高く、カイロ・レンに対して臆することもなく、堂々していて、頭脳明晰。 この悪人キャラは、帝国軍の縦社会の厳しさと恐怖感、威圧感を感じさせてくれる。 ハックス将軍が次回作にも登場するわけだが、カイロ・レンとの覇権争いも楽しみだ。 おそらく修行を終えたカイロ・レンに駆逐される運命にありそうだが・・・ 細かく書いているとキリがないので、この辺で。 やっぱりスターウォーズは、最高の映画だ。 切なさ、恐怖、希望、愛情、そして友情・・・ 全てが詰まっている。 でも再認識したのは、ダース・ベイダーの威圧感は最強でいて、唯一無二であるということ。 それを感じることができただけでも、観た甲斐はあった。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-05-06 02:46:33) |
1268. キング・オブ・キングス(1927)
《ネタバレ》 キリスト教に伝わる福音の数々を、そのまま引用し、イエスが起こす奇跡から復活までを、コンパクトにまとめた内容。 特に面白いとか面白くないとか、そういう映画ではない。 ただただ、キリスト教映画である。 この映画を観て思ったこと。 それは、なんだか善玉と悪玉がはっきりし過ぎているということ。 そして悪玉は最終的に後悔する。 結局は皆、イエスの思うがまま、である。 宗教映画だから当たり前の成り行きだろうが、さすがにうまく行き過ぎていて辟易する。 この一方的な価値観の押しつけこそが宗教である気がする。 真っ向から反対論を展開し、それも正しいとする表現が、もっとあっていいのでは? この映画で表現されている内容は、とても独善的だ。 もし多角的な価値観を認める宗教が存在するならば、信仰してもよいとさえ思う。 だがキリスト教は、私が学んだ限りでは、価値観の押し付けが過ぎている。 閉鎖的な環境の下で、一方的にキリスト教を説かれれば、傾倒してしまう完成度はあるが、冷静になれば都合の良い講釈と感じる。 これが、この映画に限らず、キリスト教というものに関する、私の雑感である。 [ビデオ(字幕)] 4点(2016-05-05 02:52:43) |
1269. 會議は踊る
話としては分かりやすく、人生の華やかな一瞬をとらえた内容で、楽しく見ることができる。 しかし、かといって、名作たる所以を感じるほどの内容でもない。 [ビデオ(字幕)] 5点(2016-05-03 00:07:55) |
1270. キートンの蒸気船
セットを壊しまくる終盤のスタントに呆然。 キートンにしか演じられない、もの凄いスタントに唖然。 恋する女性役の脚の綺麗さも特筆もの。 小柄で、とてもチャーミング。 時代を超えて、この女優さんに恋をしてしまった。 荒くれ者の父親だが、息子に対する愛情が感じられ、ほんわかとした気持ちにもさせられる。 見所にあふれた、キートン代表作の一つ! [ビデオ(字幕)] 7点(2016-04-30 00:58:50)(良:1票) |
1271. パンドラの箱(1929)
おそらく、私が今まで観てきたサイレント映画の中でワースト。 サイレント映画は、文字を極力入れずに分かりやすい映像で見せるか、もしくは、映像だけでは分かりにくいので文字で補うかの、いずれかのパターンが多い。 しかし本作は、文字挿入が控えめであるにも関わらず、映像だけ見ていても、話の筋が分かりにくい。 あらすじは知ってはいたが、もし全くストーリーを知らなかったら、細かい部分はほとんど分からなかったに違いない。 それと、出てくる男どもが気持ち悪い奴らばかりで辟易した。 デブと汚いジジイばかり。 主演の女優も、特別キレイとは感じなかった。 話が見えにくいフラストレーションに加え、汚いおっさんばかりという世界に、ほとほと限界を感じた。 [ビデオ(字幕)] 0点(2016-04-26 23:29:46) |
1272. リリー
《ネタバレ》 不器用な男が純真無垢な少女に惚れる。 だけど不器用だから、人形劇を通して想いを伝える。 少女はなかなか気づかない。 だけど最後は気付いて・・・ うーん、現実には、こうはうまくいかない気がする。 無骨だったり、不器用だったりする男は、気持ちは伝わったとしても、相手にされないのが現実世界の厳しさ。 表面上は不愛想で無表情だけど、自分への愛を感じ取り、好きになってくれる女性など、そうはいない。 絶対にいないとは言わないけど。 不器用な男の内面を理解してくれる女性が、もしいたとしたら、それは女神だろう。 (大概は、本作のマークの様な愛情表現豊かな男にもっていかれます。もしくは、不器用でもモテるのは、ごく一部のイケメンです。) その女神を、おそらく男性目線で描いた、理想絵巻。 そこに人形劇をからめての、幻想的なまでに美しい物語。 とにかくピュアで、美しい映画だ。 愛情表現が苦手な男性諸氏に、勇気と希望を与えてくれる映画! [ビデオ(字幕)] 6点(2016-04-18 18:37:30) |
1273. フィラデルフィア物語
《ネタバレ》 同じ1940年に製作されたケイリー・グラント主演『ヒズ・ガール・フライデー』と同様、ケイリー・グラントが離婚したばかりという設定。 これは嫌な予感が・・・と思っていたら、、うーん、やっぱりかぁ。 またもやケイリー・グラントが総取りかよ!と思ったが、本作の方は少し趣きが異なっていて、ケイリー・グラントがそこまで完全無欠ではない。 優しさを持ったキャラクターになっており、主演のキャサリン・ヘプバーンを支える優しい男を演じていた。 本作では、男連中は皆、キャサリン・ヘプバーンに夢中なのだが、そこまで魅力的な女性には見えず。 観ている私も、夢中になれるような女優が演じていたら、もっと感情移入できて、楽しめたとは思う。 そこまでガチャガチャとうるさいコメディ映画ではなかったのも救い。 ムード溢れるシーンも随所にみられ、ロマンス映画としても楽しむことができる。 上流階級の世界を描いていて、その辺りの描写も興味深い。 上流階級に限っての話ではあるが、この時代でも十分、豊かな生活をしていたんだなぁと感心。 人間が物質的に豊かな暮らしをしていく上で、この映画で描かれていた生活レベルでも十分な気がした。 現代の物質的豊かさは、必ずしも必要じゃないのでは?と。 もちろん上流階級で、召し使いが何でもやってくれる生活じゃないと成立しないが、家電やIT技術など、余計なものにさえ感じた。 70年以上経っても、意外と人間の暮らしの豊かさって、そこまで変わっていないのでは? 科学技術は格段に進歩したが、その科学技術の進歩の割に、人間の生活水準って、そこまで上昇していないようにさえ思ってしまった。 この時代の上流階級の暮らしぶり、とても豊かで、十分に満たされている。 この映画が作られた5年後に、日本は焼け野原になっていたかと思うと、かなりショッキングな生活ぶり。 そういう視点で見ると、衝撃を受ける映画。 [ビデオ(字幕)] 5点(2016-04-18 14:24:06) |
1274. 若草物語(1933)
《ネタバレ》 原作を無理やりに詰め込んだ感があり、物語の進行に違和感があった。 姉妹が亡くなったのに、最後はみんなハッピーだったり。 正直、退屈さがあったくらいだから、これ以上長い尺だときついが、原作の良さを表現するならば、もっと長い尺が必要だったように思う。 、、いや、原作は未読だけど(笑) まあ、おそらくという意味です。 [ビデオ(字幕)] 4点(2016-04-17 11:23:45) |
1275. 殺人カメラ
《ネタバレ》 こういう喜劇を撮らせたら、パゾリーニには遠く及ばない。 ロッセリーニには、喜劇よりシリアス劇の方がよく似合う。 階段ばかりの海に面した街。 ロケーションはとても良い。 そこには自分の利益しか考えない人達ばかり。 もちろん、それは時代と場所を超えて、どこにでも存在する人間達なのだが、とにかく金への執着が強い。 ここにも経済的格差が存在し、それは現代でも変わらない。 人殺しのできるカメラを手に入れた主人公が、悪人を次々と葬っていくが、悪人は次から次へと現れ、きりがない。 結局、世の中、悪人だらけという結末に。 そして悪人を裁いているつもりの主人公も、実は人殺しの悪人になってしまったという皮肉。 コメディの中にも、皮肉と社会風刺がこめられている。 [ビデオ(字幕)] 5点(2016-04-15 10:07:37) |
1276. 十月
《ネタバレ》 10月革命について詳しくは知らなかった。 ネットで調べ、少しではあるが、前知識をもって鑑賞。 帝政ロシアを打倒すべく、貧しさにあえぐ人々が一念発起する。 特にラストの冬宮に進撃するシーンは、映画とは思えぬほどの迫力に満ちている。 こうして社会主義国家「ソビエト社会主義共和国連邦」が誕生したかと思うと、非常に興味深いし、感慨深い。 現在は、そのソ連も崩壊してしまった。 こんなに熱い思いで誕生したソ連が、今はもう無い。 そんな、はかなき思いも感じることのできる作品である。 歴史的出来事を映画化したという意味では、エイゼンシュテインの功績は大きいが、映画として楽しめるかは別。 楽しいというよりも、ただただ、目の前に起きている歴史絵巻に圧倒されつつ、茫然と観続けたという感触。 映画の枠を超越した映画。 [ビデオ(字幕)] 5点(2016-04-11 22:15:57) |
1277. ヒズ・ガール・フライデー
《ネタバレ》 とにかく、やかましい映画。 背が高くハンサムな男がおいしい思いをするという大正義。 まったく見ていて読売巨人軍な気分になる。 自分だけが主人公、自分だけが勝てばよい。 そういった思想が露骨に現れた、アメ公映画の決定版。 我こそ正義な、ムカつく映画の極米。 [ビデオ(字幕)] 1点(2016-04-09 23:59:36) |
1278. 第七天国(1927)
《ネタバレ》 男女が恋仲になるまでの過程が、丁寧に描かれていて、とってもピュアな恋愛映画。 サイレント特有の集中力は要されるが、セリフは極力、抑えられている。 そして、戦争が恋人や家庭を切り裂くという悲劇も、同時に描かれている。 サイレント映画の中では、比較的見やすい作品。 妻の女性も美人ではなく、親しみやすさのあるキャラクターで、物語の信ぴょう性を高めている。 [ビデオ(字幕)] 6点(2016-04-06 23:43:13) |
1279. 嘆きの天使(1930)
《ネタバレ》 単純は話にも思えるが、よくよく考えると、なかなか奥深い内容。 堅物の独身デブハゲおっさんが、若い女に誘惑され、あれよあれよという間に熱を上げ、教授の地位を捨ててまで求婚をしてしまう。 女は求婚を受け入れ、結婚するが、その後の扱いがひどい。 男はプライドをズタズタにされ、最後は野たれ死に。 結婚をするという設定は、さすがに合点がいかないが、この作品がうったえたいことは理解できた。 男とは愚かな生き物、女とはしたたかな生き物。 教授として、学校では立派なことを説きながら、少し女に誘惑されただけでメロメロになってしまう。 生徒の前で言っていることと、陰でやっていることがまるで違う。 例えば、会社で立派な地位にいて、立派なことを部下に言っておきながら、女の前ではまるでだらしがないという、現代にも通ずる普遍的な話。 男と女の関係性を、普遍的なテーマとして、今に伝える作品という意味では、名作たる所以を理解できる。 [ビデオ(字幕)] 6点(2016-04-01 00:36:11) |
1280. ロンゲスト・ヤード(1974)
試合が始まる前半部分までが普通に面白くて、肝心の試合が始まった以降はよく分からない。 試合はむしろ要らなかったんじゃないかと思わせる内容。 アメフトのルールを知らないのが原因か、それとも作り方の問題か。 それすら分からないまま、よく分からない大円団を迎えさせられた。 ヘタな謎解き映画より、解読が難しい。 [ビデオ(字幕)] 4点(2016-03-28 01:31:23) |