1301. Mirror 鏡の中
良く出来てますね。導入部分は「ありがちな」韓国ホラーかと思いましたが、とんでもない、十分に練り込まれたストーリーです。古来より不思議の象徴とされていた「鏡」というアイテムを中心に、人の「存在」にまで言及する展開は単にホラー作品と断定しきれない深いテーマです。好みにピッタリ合ってしまったので、ちょっと甘めの8点献上。 [DVD(字幕)] 8点(2005-09-07 00:18:47) |
1302. スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする
出演者たちが素晴らしい。静かながらも迫真の演技が光ります。 迫り来る妄念。押し潰されそうになるほどの不安の塊。病んだ男の心の内面が、はっきりと、ゆっくりと、描き出されていきます。 見事に惹きつけられました。 [DVD(字幕)] 9点(2005-09-01 23:01:07)(良:1票) |
1303. ジェリー
この作品に低い得点を付ける人は、こういう作品が嫌いな人。高い得点を付ける人は、こういう作品が好きな人。ふたつにひとつ。実に潔いじゃありませんか。いかに虚飾を排した作品かということの現れです。 で、私は好きな方の人。見終わった後、語らずにはいられない作品って魅力です。この二人のジェリーが光と影なのか、正と負なのか、はたまた表と裏なのか?そして提示される生きる本能と死ぬ本能。私は秀逸な人間ドラマと評価したいです。そして、広大で美しい大自然が、人間の小ささを只管浮かび上がらせます。 出演者をもう少し無名なところにしておけば、もっと高評価を得られたかもしれない… [DVD(字幕)] 7点(2005-09-01 22:17:38) |
1304. ゴーストシステム
申し訳ありませんが、2点が限界!特に目新しいアイディアもなく、台詞回しは単調。内容もイマイチ。それから、演じ手も最初から限界!時間が短いから一応許すけれど、これじゃあ恐くも何ともないって。まさか、これって映画館で上映したのかなぁ? [DVD(字幕)] 2点(2005-08-27 23:56:16) |
1305. 44ミニッツ<TVM>
まんま実話の再現なので、ストーリーの評価には馴染みません。多少人間ドラマを盛り込んでありますが、ガンアクションの占める割合から考えれば御愛嬌程度。やっぱり、この作品は銃撃戦の演出の凄さに尽きますね。非常にシンプル(なんたってドキュメントタッチですから)なんですけれど、それだけにリアル。迫力あります。スピーディで飽きることなく一気に観れます。 全体としては、ラストに象徴されるようにLAPD万歳的作品なのでしょうけれど、私としては、ガンショップでの警官の素直な一言、「こんなものを市民に売るのか?」というのが妙に印象に残りました。それと、犯人が一度服役したけれど、出所時に銃器一式返還されたっていうエピソード。銃社会の抱える大きな問題。それがこの事件を引き起こした、なんてのは短絡的ですけれど、そうは言っても売らなきゃ起きないよなぁ~、こんな事件。 [DVD(字幕)] 8点(2005-08-25 00:18:08)(良:1票) |
1306. 姑獲鳥の夏
残念ながら失敗作と言わせて下さい。原作に忠実に映像化を図ったばかりに、実に中途半端になってしまいました。そもそも京極作品の映像化は極めて難しい。特に「京極堂シリーズ」は難し過ぎます。しかも二時間枠に収めようとするなんて… 如何に優れた監督でも、このチャレンジには無理があり過ぎたようです。原作を読んだ人には何とか理解が得られるかもしれません。ただし、あまりのミスキャスト。辛うじて関口役の永瀬正敏は、「サル」の雰囲気を出していますね。あとのメインキャストは悉くイメージを外してませんか?木場修なんて大ハズレですよ。それから、シリーズで重要な役回りの脇役たちはほぼ説明なしに登場してますが、もう少し大切にして欲しかった感が残ります。原作を読んでいない人には尚更にキツイですね。この原作が何故面白いのか、そこのところが全く伝わらないのではないでしょうか?最大の見せ場の京極堂の憑き物落とし、それがあまりに淡白すぎますよ。時間配分にかなり苦しんだんじゃないでしょうか?やはり二時間じゃ無理だなぁ~。もし、シリーズ化する気ならば、もう一度良く考えていただきたいところです。「世の中には不思議なものなどないのだよ」という本当の意味を。そして、その映像化の実現を。本来は1点献上したいところですが、映像化にあたっての数々の努力と工夫に敬意を表して2点とします。 [映画館(字幕)] 2点(2005-08-03 01:40:15) |
1307. テッセラクト
微妙な作品。高評価したい雰囲気ながら、どこか何かが物足りない。ストーリーの展開にいまひとつ説得力が足りないというか、無理やりの展開というか… エンディングの救いようのなさもイマイチ意外性に欠けるし。雰囲気は悪くないので、ちょっともったいない気がしますね。それから、意味深なタイトルだけど、私は「?」。 [DVD(字幕)] 6点(2005-07-28 00:30:01) |
1308. フォー・ウェディング
大人のラブコメですね。小洒落てますね~。こういうのもいいかな?感情移入はイマイチ出来ないけれど、どこか憧れてしまう部分もないではないって感じ。独特のウィットはイギリスが舞台だからかな?ところで、この人たちどうやって生計立ててるのかしらん?ここまで実生活部分を切り捨てた(切り取った?)作品も珍しいかも。 [DVD(字幕)] 6点(2005-07-18 08:16:37) |
1309. 沈黙の聖戦
《ネタバレ》 爽快です、セガールアクション!ここしばらく何か今ひとつ物足りなさを感じていたセガール作品ですが、チン・シウトン監督が新たな力を吹き込んだのですね。今までにないチャイニーズ風味のアクションが新鮮です。勿論ストーリーは王道を行く不変ぶり。相変わらずの無敵さに感動。それと近年多く見かける不器用なラブシーンもお約束。とにかく安心、いたって安全、期待を裏切らない出来です。カメラワークとか細かなところにも新境地が見られるかな?ただし、インディー・ジョーンズばりの呪われっぷりはヤリ過ぎ?ご愛嬌?老師の体力心配しましたし。それと、エンドロールのBGM、「グリーン・ディスティニー」?と思ったら「バイオハザード」?ま、いっか♪ [DVD(字幕)] 7点(2005-07-18 08:11:34) |
1310. 予言
Jホラーとしては、かなり楽しめる。アジアンホラーとしても又然り。JやらKやら中途半端なお笑いチックな作品が多い中、無理におどろおどろしくしない演出には、好感が持てる。やはり原作がいいと、全体的にまとまるもんですね。ただ、散見される不要な画像表現(床を這う男とか顔ナシ女とか)はやめて欲しい。作品のグレードが落ちる感じ。あと、時間軸の狂い方とその意味について、イマイチ判りにくいと言うか説得力に欠けますね。 [DVD(吹替)] 7点(2005-07-12 23:51:18) |
1311. ユートピア(2003)
アイディア的にはそれ程の斬新さは感じられませんが、スピーディでいて淡々と語られる演出は好感が持てます。カメラアングルやBGMの使い方も、スタイリッシュで結構好きです。ストーリーやら設定に少なからずツッコミどころはあるものの、近年のスペイン映画には、この手の秀作が多いですね。超能力モノなので好き嫌いは分かれるところでしょうが、私は好きだなぁ~。 [DVD(字幕)] 8点(2005-07-10 01:44:37) |
1312. アイ,ロボット
単純に娯楽作品として、解りやすくスピード感ある展開とCG駆使の近未来風景を楽しめますね。時間的にも程よく、丁寧にまとめられている感じです。 ただ、このジャンルの作品は過去数多く作られていますよね。実際、この作品もアイザック・アシモフ作品をモチーフとしていることを公言しているわけですが。それらの作品と比較して、この作品が特に秀逸であるとは言えないような気がします。本来、ものすごく重いテーマなのに、どこか軽く、スタイリッシュに描かれているからか?それともキャスティング故か? 来るべき(?)ロボット依存社会。人間は本当に全てを失ってしまうのでしょうか?結局は、敵はロボットではなく「人間」なのでしょうけれど。 [DVD(字幕)] 7点(2005-07-05 01:08:41) |
1313. ヴィレッジ(2004)
この作品の結末に待っているもの。それをあえてドンデン返しとは言いません。もう随分と先例がありますものね。問題は、この使い古された感のある筋書きをいかに料理するのか?シャラマン監督、頑張りました。オリジナリティには欠けますが、独特の演出感覚はこの作品にマッチしていると思います。もともと無理のある設定故、ツッコミ出したら止まらない。だから、純愛の物語として素直に出演者たちの熱演を受け入れましょう。人の心の真実が丁寧に語られています。まぁ、万人受けは無理でしょうが… [DVD(字幕)] 7点(2005-07-03 10:32:30) |
1314. 解夏
余分な脚色をせず、原作に忠実に丁寧に映像化していると思います。そういう意味で好印象の持てる作品です。同時に、邦画ならではの時間の流れ、画面の美しさ。安心して観ることの出来る良作と思います。主演の二人もいいですね。ベストとは言わないまでも、原作のイメージを傷つけていません。ただ、原作の出来が良過ぎる故に、そのあらすじを辿っただけ、つまりは原作に依存し過ぎているという印象が残ります。敢えて思い切った独自の表現を採用できなかったのでしょうか?チャレンジして欲しかったという気持ちが残ります。余談ですが、この作品のみならず、さだ作品は着眼点が素晴らしい。彼の歌と同様の繊細さが光ります。 [ビデオ(吹替)] 7点(2005-06-28 00:43:25)(良:1票) |
1315. 海猿 ウミザル
ストレートな予定調和は、観ていて爽やかで素直に面白かったです。ある意味定番、ある意味マンネリのストーリー展開だけれども、それだけに安心して楽しめる作りになってますね。比較的最近の作品では、同じ潜水士モノであるデ・ニーロの「ザ・ダイバー」を思い出しましたが、やっぱり規模も違えばストーリーのひねり具合も随分と違う。でも、だからと言ってこちらの方が劣っていると言うことではなく、邦画としての楽しさは十分に満喫できると思います。 [地上波(字幕)] 7点(2005-06-26 00:50:23) |
1316. ラストシーン
中田監督、日本人ですね~。いや、これは褒め言葉としてです。実にノスタルジックに、そして只管感情を抑えて、しっかりと思いを伝えて来ます。出演者たちの抑えた演技もいいですね。主役の三原以外は極力描き込まず、それでいて一人一人の映画への思いも強く伝わってくる、わざとらしい台詞回しが気になる部分もあるけれど、全体として綺麗にコンパクトに纏まっていると思います。良作ですね。 [地上波(吹替)] 7点(2005-06-25 13:37:32) |
1317. イグジステンズ
どこからどこまでが確信犯的なのか判らない。ただ、確かにこのジャンルの作品は他にも思い当たる。テーマは哲学的。バーチャルゲームを通して個の存在とは何かを考察していく。そして、類似作との決定的な相違点は、表現のエロさとグロさ。どう考えても気持ち悪い発想と、何かにつけて性的な演出。その部分で決定的に観る者を選びますね。面白くないとは言いません。ただ、リアリストとの戦いという部分はちょっとチープすぎる展開。そのあたりも確信犯的な演出?それと豪華キャストの使い方も。やってくれますね~。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-06-19 07:00:31) |
1318. コーリング
もう少し高く評価したいのですが、なにぶん引っ張りすぎ。もう少しシンプルにまとめられなかったんでしょうか。こんな風にもたついた方が、ある意味「現実的」なのかもしれませんが… 話の筋書き的には好きです。出演者もそれぞれが熱演。もう少しスピード感があったらなぁ… [ビデオ(字幕)] 6点(2005-06-18 08:28:17) |
1319. ザ・サイト/霊界からの依頼人 (TVM)
《ネタバレ》 見始めは「幽霊モノ?驚かすだけの?」って感じですが、見進めていくうちに「あ、違うんだ。」と言うことが解って来ました。予備知識なしで見たものですから… 「シックスセンス」や「アザーズ」に通じる内容ですが、基本的な設定が違うので必ずしも二番煎じとは思いません。ただ、TVのシリーズもの「ジ・アザーズ」(ちなみに個人的にはかなり好きなシリーズです)とは随分と近いのではないかと… まぁ、本作もTVドラマということを考えると、ある意味二番煎じ的かなぁなどとも思えたりして。ただ、模倣とは言いません。どっちの企画が先かも知りませんし。こういうジャンルなのだと割り切ってしまえば、他作品と似てようが似ていまいが楽しめるわけで。あ、話が逸れてますね。この作品について敢えて一言で言えば、非常に良心的な作りって感じでしょうか。うかばれない魂は必ず救われる、悪は必ず滅ぶ。そんな感じの流れで話は進んでいきますから。あまり難しく考えないで観るべき作品ですね。シリーズモノのパイロット版という感じでした。 [DVD(字幕)] 6点(2005-06-18 08:21:19) |
1320. ファム・ファタール(2002)
映像の美しさ、カメラワークの素晴らしさ。視覚的には納得のいく作品ですね。いろいろとご批判の多い展開ではありますが、観る者を選ぶ作品と割り切ればOKかも? 監督が自由に思いのまま、そして遊び心満点で作った作品として受け止めれば、それほど低い点は付けられません。結構、好みの展開だし。 [DVD(字幕)] 7点(2005-06-11 13:24:36) |