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コメント数 1963
性別 男性

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1361.  平原児 《ネタバレ》 
ゲイリー・クーパー主演による西部劇の大作!ゲイリー・クーパーの西部劇というと真っ先に「真昼の決闘」を思い浮かべるけど、好みで言えば断然「真昼の決闘」のが上であるが、しかし、この作品もなかなかの出来栄えになってはいて、何と言ってもゲイリー・クーパーが文句なしにかっこ良い。ジーン・アーサー演じる気の強い女にキスをされるたびに唇を拭き取るシーンなど俺はお前には用はない。お前のことなど好きじゃないんだと言っているようであり、いちいち言葉になど出さなくても伝えたいことはきちんと伝えていると感じることが出来る。こんな男は女からしてみたら何て嫌な男でキザったらしい野郎だと感じるかもしれないが、ゲイリー・クーパーだからこそ良いのであり、これがどうだ?俺っていかにもナイスガイだぜ!みたいな奴とは大違い、男らしくてかっこ良い男の象徴、それがゲイリー・クーパーという俳優である。またそんな男に対してしつこく迫るジーン・アーサーがバーでお金を払おうとせずに立ち去ろうとする男を縄で引きずり込んで無理にでも金を払わせようとする場面、正しく強い女の象徴的な場面を表している。勿論、西部劇らしいアクションシーンにしてもきちんと用意されていて飽きずに楽しめる一方で妙に説教くさかったり、戦争の面影を引きずってたりと気になる部分も多いのがマイナスではあるが、役者の芝居、そうそう、若きアンソニー・クイーンも印象に残るこれまたなかなか見応えのある西部劇に出合えた気がする。この監督のもう一つの西部劇「大平原」も観たいなあ!何しろバーバーラ・スタンウィックが出ているらしいし、近所のレンタル屋にあったかなあ?
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-08-24 11:28:56)
1362.  霧の波止場 《ネタバレ》 
ジャン・ギャバンの登場シーンがいちいちかっこ良い。相変わらず男としてのかっこ良さ、それも大人の中年男にしか出せない渋さというものが滲み出ている。冒頭の夜の街道を走るトラック、主人公ジャン(ジャン・ギャバン)ともう一人、とても十八には見えない大人の色っぽさ十分の少女ネリー(ミッシェル・モーガン)の二人が歩く後ろの風景、どれもが詩にでも出てきそうな感じの美しさ、話そのものは特別面白いとも感じないし、犯罪映画にしてはそれほど緊張感も感じない。しかし、作品全体の雰囲気、舞台設定の美しさと登場人物が皆、人間臭くて良い。あの犬もどことなく愛嬌があって良い。最後、殺されてしまうジャン・ギャバンのもとへと駆け寄る犬の姿が何とも悲しい。あの波止場の景色、タイトルにもある霧の立ちこむ美しさ、ジャン・ギャバンは「望郷」という映画でも同じように波止場によく合うそんな俳優だと改めて思ったと同時にこういう役柄、脱走者の役がピタリとはまる。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-08-17 18:00:30)(良:1票)
1363.  第七の封印 《ネタバレ》 
人は常に「生」と「死」に向き合い、背負って生きている者だと監督が言っているような作品というのがこの映画を観ての私の感想でして、とにかく重い。そのあまりの重さの前には観ていてもけして、楽しいという感じはない。人は前向きに生きようとする人と常に何かに対して怯えながら生きている人がいるのと同じように映画においても人と同じで二種類に分けられると思う。誰が観ても理解し易い映画とそうでない映画との二つとに分けられる。ハリウッド映画が前者ならヨーロッパ映画の多くは後者であると思う。この映画は間違いなく後者である。「神」の存在だの「生」と「死」だのと宗教的なテーマが故に我々日本人には解りずらい作品である。それでも一つだけ解ることは人間はいつか必ず死ぬものである。この映画のあの死神と騎士とのチェスは死と向き合うというテーマそのものであり、人生とは何か?チェスにより一つ一つと駒を奪われるその姿は死神にとって命を奪う手段として、じわりじわりと追い詰めていき、最後に残ったキングこそ人の命そのものであると私は思う。それにしても同じ監督の「処女の泉」と同じぐらいの張り詰めた空気と美しい映像美、そして、あの死神の醸し出す不気味な雰囲気、そんな死神がチェスで負けそうになると突如として暴れだして、駒を滅茶苦茶にしようとする姿などは勝負事、特にゲームに負けるとすぐにかっぁとなって切れる今時の若者の姿とタブって見える。人間のエゴイズムと死にたくないという思いの両方を感じる何とも観終わった後にずしりとくるそんな作品でして、断っておくけど間違ってもハリウッド映画のような単純な娯楽性など求めてはならない。そういう考えでこの映画、いや、この映画に限ったことではないけど、この監督の映画はどれも観てはならないと思う。そういう考えで観ようと思ってる方は絶対に観ない方が良い。何故ならテーマがテーマだけに苦痛、退屈としか感じないからである。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-08-16 11:32:41)
1364.  斬る(1968)
これは確かに似ている。黒澤明監督の「椿三十郎」と似たストーリー、しかしながら雰囲気は「用心棒」に近い。時代劇ではあるけど西部劇のような雰囲気を全体から感じる。「椿三十郎」や「用心棒」に比べると確かに出来としては劣るような気がするし、仲代達矢にしても三船敏郎のような侍としてのオーラがないし、緊張感という意味でも弱い。しかし、作品全体がコミカルなところなどは監督が喜劇を撮らせて上手い岡本喜八監督らしさを感じる作りになっていて、これはこれで一本の映画としてなかなかの出来にあることは間違いない。少なくともやたら評判の時代劇で山田洋次監督が撮った「たそがれ清兵衛」よりはずっと面白いし、好きです。
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-08-02 21:08:22)
1365.  瀬戸内少年野球団
夏目雅子の遺作!野球映画として見るとかなり物足りないことは否定しませんが久しぶりに拝見してみて、やはり夏目雅子の美しさが輝る。篠田正浩監督という人の作品はハズレばかりの中で、この作品が一番好きです。瀬戸内海の美しい街並み、インザムードのあのグレンミラーの音楽、そして、やはり夏目雅子!それにしても監督に恵まれないまま僅か二十七歳という若さで亡くなってしまったこの夏目雅子という女優の輝きと美しさは永遠のものであるし、監督にさえ恵まれれば映画史に残るだけの素晴らしい映画を沢山残すことが出来たと思うととてもやりきれない。昨今の日本の女優にはない本物の女優としてのオーラ、美しさが画面を通して見る者に迫ってくる。本来なら6点ぐらいの作品であるも、夏目雅子の魅力で1点追加ということでの7点!
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-07-27 18:02:29)(良:1票)
1366.  フランケンシュタイン(1994)
これ、確か劇場で見てるはず。何だかホラーてよりは恋愛もの、それも悲しい話だったような気がする。ヨーロッパ映画ぽい雰囲気を感じるし、なかなか見応えのある作品になってた記憶があります。ところで、デニーロ!仕事選べよ!普通じゃない人間を演じても凄いのに、今度は人間ではなくフランケンシュタインとは、人間じゃない怪物を怪物らしく怪物的な演技とメイクで見せるデニーロの化け物ぶりは、正に仕事の為なら役を選ばない。何かこの作品あたりからやたら色んな作品に出るようになった気がするけどギャンブルで負けて借金でもしてんのかな?て言いたくなるぐらい、本当に仕事を選んで欲しいと思わずにはいられません。
[映画館(字幕)] 7点(2008-07-23 23:03:51)
1367.  桃の花の咲く下で 《ネタバレ》 
笠置シヅ子演じる紙芝居屋さんと大勢の子供達が歌いながら歩いてやって来る場面を見て、思わずマキノ正博監督の大傑作「鴛鴦歌合戦」を思い浮かべてしまった。何とも軽快な感じの始まりも日守新一が出てきた途端、急に湿っぽくなってしまい、どうも日守新一が出てくるとその顔付きがいつでも暗く感じてしまう。しかし、その一方でこの映画は何と言っても笠置シヅ子の紙芝居と歌による明るさとそれを観て、または聞いて楽しそうにしている子供達の健気さが作品全体の空気をとても良い雰囲気に変えてくれている。清水宏監督の映画を観るのはこれで3本目だが、どの作品も全編に流れる空気と懐かしさ、心地の良い音楽と本当にそこにあるCGなんかじゃない、本物の大自然を生かした映像とが観ていて心癒される。それほど大した面白味のある話でもない今作にしてもやはり自分が子供の頃に楽しんだ紙芝居や桃の花の咲く下でとタイトルにもあるように木の下で大人達と歌ったり遊んだりした懐かしい思い出が甦ってきて、それでけでもこの監督の映画は観ていても嫌な気持ちにはならないし、観て良かったと言えるものがある。ラストの桃の木の下で聞えてくる歌声の響き、ここでスッパと終わらせることで残る余韻、清水宏監督は余韻の残せ方も上手いと感じる終わり方、いつまでもぐたぐたと引っ張らない所もこの映画の良いところです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-07-21 11:44:36)
1368.  大菩薩峠 竜神の巻
市川雷蔵の机竜之介、第二弾は前作同様、相変わらずクール、しかし、今作の目玉は何と言っても中村玉緒である。前作以上に女の悲しみ、愛する者(机竜之介)への思い、情念というものが感じられる。この頃の中村玉緒、本当に可愛い。これを観たらそりゃ勝新が惚れるのも解る。前作同様、なかなか見応えのある内容になっている。映像の美しさ、そして、市川雷蔵のかっこ良さと美しさ、この後の完結篇も楽しみです。
[DVD(邦画)] 7点(2008-07-14 21:19:12)
1369.  刑事(1959)
まず何と言ってもあの音楽、アモーレ♪アモーレ♪は一度、見ただけで絶対に頭に残るし、一生、忘れることはないであろう!サスペンス映画とてし見た場合は、ちょっと弱い気がしなくもないが、この映画は雰囲気が良い。ピエトロ・ジェルミ演じる刑事が渋い。そして、かっこ良い。更にもう一人、クラウディア・カルディナーレの美しさ、あのちょっと太いけど、足も何だか男心を刺激する。渋い男と美しい女、そこに素晴らしい音楽てだけでも観るに値する作品になっていると私は思う。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-07-12 17:13:42)
1370.  大菩薩峠(1960) 《ネタバレ》 
内田吐夢監督、片岡千恵蔵の机竜之介、岡本喜八監督、仲代達矢の机竜之介を見ている者としては当然、この三隅研次監督、市川雷蔵の机竜之介も見ないわけにはいかない。渋い片岡千恵蔵、殺気でギラギラしている仲代達矢、そして、市川雷蔵の机竜之介はニヒル、クールという言葉が当てはまる。どこまでもクールでただただひたすらかっこ良い。そんな市川雷蔵相手に全く引けをとらない。いや、むしろ市川雷蔵以上に物凄い殺気で迫る一人二役の中村玉緒が凄い。女の怖さ、執念、情念のようなものを感じる凄さだ!作品全体に付きまとう乾いた空気と静けさの中にある殺気、三隅研次監督らしい美しい映像美も印象に残る。確かに皆さんの言うようにあのラストはえっ?て思ったけど、それでも一つの作品として見ればなかなかの出来ではあると思います。それにしてもあの水車小屋でのエロス漂うシーンなんて市川雷蔵ならではのシーンではないだろうか!
[DVD(邦画)] 7点(2008-07-05 21:56:52)
1371.  兵隊やくざ 《ネタバレ》 
痛い映画だ!殴られる痛み、殴る側も殴られる側もどちらも痛い。そんな痛みをここぞちばかりに表現しているような如何にも増村保造監督らしい痛みの伝わる映画である。軍隊なんて所は誰が見たって嫌なことばかりしか見えてこない。軍隊における生活は人間をどんどんと嫌な者に変えてしまう。この映画を見て益々そう感じると共にそんな非人間的な奴だらけの中にあって勝新と田村高廣の二人の演じた男には人間的な魅力、バカだけどそのバカな部分こそ人間本来の持っているものではないだろうか!何とも荒けずりで、とにかくやってることは間違いだらけかもしれないが、この映画の持っているその荒けずりな部分こそ昨今の日本映画に一番欠けているものではないかと思う。増村監督の描く世界はいつも心の痛みが観ていても伝わってくる。あの風呂場での喧嘩のシーンにおいての男達の取っ組み合いの凄まじさ、男って奴の大馬鹿ぶりが男である私から見たら微笑ましく思えてしまって単なる大馬鹿野郎とは言い切れないものを感じる。しかし、あれだけみんなして、裸で殴る。蹴る。暴れるシーンを見せながら男にとって最も大事な殴られても蹴られても踏まれても女には絶対に解らないだろう男にしか理解出来ない痛さを感じるあの場所が何一つとして映らないのはある意味、この映画以上に凄いことかもしれない。
[DVD(邦画)] 7点(2008-07-04 21:18:27)
1372.   《ネタバレ》 
「愛の不毛」とか言われても私にはいまひとつぴんとこない。しかし、この映画の男と女の孤独感のようなものは解る気がする。夫に愛されたいと願う女ジャンヌ・モローの眼から見たあの何とも乾いた空気、殺伐とした都会の風景、人間の持っている孤独な世界をモノクロの映像によって浮かび上がらせることへのこの監督の拘りのようなものが感じられる。夫からの愛を感じなくなった女ジャンヌ・モローと同じように何かに怯えているようなもう一人の女、モニカ・ヴィッティ、二人の女の孤独、見ていてどこか同じ監督の「太陽がひとりぼっち」に通じるものを感じる作品になっている。人は常に愛するよりも愛されたいと願う生き物なんだと監督が言っているようなこの感じこそこの監督の作品全体に感じる共通点ではないだろうか!それにしてもここでも出番は少ないもののモニカ・ヴィッティのあの美しさ、悩ましい姿は眼に焼き付いて離れなくなりそうです。そんな美しいモニカ・ヴィッティに「刺激的な夜だったわ」だなんて言われたマルチェル・マルストロンヤニが羨ましい。私も言われてみたい。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-07-03 21:43:09)(笑:1票)
1373.  鞄を持った女 《ネタバレ》 
クラウディア・カルディナーレ、何だかとても美味しそうなお名前だな!のこのイタリアを代表する美人女優、勿論、名前は聞いたこともあるし、そういう女優がいたことも知ってはいたけど、今回、この作品で初めて彼女を見ることになる。もう、一発で惚れてしまいました。最愛の夫を失い、別の男には振られるわで散々な目に合いながらもそんな中で出会った自分よりも年下の男とのドラマの中で見せる苦しみ、苦しみに苦しみ抜いた上に出した決断、自分が年上であることの苦しみ、好意を抱いてくれた年下の男のことを思えばこそ自ら別れを告げることの苦しさがあの何ともやりきれない音楽と共に迫ってくる。途中、少しダレル感じがしたり、あの少年以外に出てくる男がどいつもこいつも本当に嫌な奴きりであったりと、色々不満もなくはないが、それでもなかなか見応えのある作品になってはいる。あんな良い女だったら、風呂の水をいっぱいにして零そうが許してしまいたくなる。クラウディア・カルディナーレ、また一人、好みの女優が増えてしまった。これを機に彼女が出ている他の映画も見てみたいと思いました。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-06-29 11:56:47)
1374.  赤い砂漠
モニカ・ヴィッティ、良い女だなあ!惚れた。惚れた。あの何とも気だるい雰囲気の中にある魔性の女のような何とも言えない色気に見ていてクラクラしそうです。そんなモニカ・ヴィッティが見せる何かに怯え、何かから逃げ出そうとしているその仕草、表情、それにまるで合わせるように後ろの気だるさを十分に醸し出している映像美が作品全体の雰囲気にマッチしている。話そのものは特に面白いとも感じないし、解りづらい部分のが私には多いが、ハリウッド映画にはないいかにもヨーロッパ的な空気がこの映画から感じることが出来た。それにしてもモニカ・ヴィティ、本当に良い女だなあ!彼女の出ている映画を観たのはこれでまだ二つ目だが、あたしゃすっかりあなたの虜です。他の彼女の出演作もまだ観たい。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-06-26 21:00:08)
1375.  ベニスに死す 《ネタバレ》 
まず最初に言っておきたいことがある。今までアメリカ映画しか見たことのない人、これからヨーロッパ映画を見ようと思っている方、そういう方にこの映画を一番最初に観る。選ぶのだけは絶対に止めた方が良い。間違いなく退屈だと思うし、二度とヨーロッパ映画なんか見るものかと思うに違いないからである。そんな映画なのに何故7点も付けているの?と思われるだろうけど、映画はただ面白いだけが映画じゃない。この映画は人間とは如何に惨酷な生きものかという問いに応えて見せている。年老いた主人公がイタリアの美しいベニスという場所で出逢った一人の美しい若者、それも同姓に対し惹かれていく。同姓が同姓に対し描くあこがれ、それは人間の本質のようなものであるという監督からの強いメッセージと取れる映画がこの映画ではないかと私は思う。美しいものに対するあこがれというものは人間なら誰しも持っているはずです。あまりにも美しいベニスの街並みと美しい若者、そして、美しい音楽、この映画は何もかも美しい。その美しさが故にけして、自分は美しくとも感じない一人の老人が美しさの中にある惨酷な少年の心というものに心を奪われたまま最後は病気で死んで行く。誰にでもある老いたくない気持ち、人を愛するということと愛されたいと思えば思うほど浮かび上がってくる惨酷さ、この映画は単なる人間の妄想だけでない人間の惨酷な部分を美しくも哀しく描いた作品で、楽しい映画でもないし、笑えるとかスカットする映画でも勿論、ない。しかし、ただ面白いだけが映画ではないということを私に教えてくれているという意味で外せない作品である。何度も繰り返し見て楽しみたい映画でもない。そして、やはりこれから初めてヨーロッパ映画を見ようと思っている方には薦めることは出来ない。色んな国の映画を観て、色んなタイプの映画を体験した上でこの映画を観る方が良いと思うし、そうでないと間違いなく二度とヨーロッパ映画は見るものかとなることでしょう!
[DVD(字幕)] 7点(2008-06-22 20:36:08)(良:2票)
1376.   《ネタバレ》 
三隅研次監督で市川雷蔵でタイトルに「剣」とあれば、昔の邦画が好きな方なら誰しも時代劇だと想像することであろう!ところがこれは完全な現代劇、それも今に通じる男と女の愛というものが描かれている。市川雷蔵演じる主人公の真っ直ぐな性格、タイトル通り「剣」の道、一筋に生きる男、そして、そんな男を僻む男と慕う男がそれぞれいて、更に女が絡んでくる。出演者の顔ぶれといい、まるで増村保造監督の映画でも見ているような感覚に陥る。市川雷蔵は勿論のこと、市川雷蔵に対して僻む男の見苦しさ、女から見たらこういう僻みぽい男はどうしようもない男にしか映らないはずですの川津祐介(増村監督の「赤い天使」に出演)とは正反対な男の長谷川明男にしても増村作品「刺青」に出演など、どう観ても増村作品としか思えない顔ぶれと内容である。男のだらしなさと女の強さ、男の不器用さと女の起用さ、女は男以上に愛する者の為なら自分を犠牲にしてまで嘘を付く。正しくこの男と女の画き方などどう考えても増村映画としてか思えない。市川雷蔵、川津祐介、長谷川明男の共通点はいずれも増村映画の中で若尾文子と競演している。また、ここのキャストの所には名前がないけど高見国一(あの坊主頭の少年、川島雄三監督の「雁の寺」「女は二度生まれる」で若尾文子と競演!観てる人なら解ると思うが「雁の寺」の慈念です。といい、出ている人達がいずれも若尾文子と競演しているという点についても興味深い。とにかく作品の雰囲気から何まで三隅研次作品てよりは明らかに増村保造作品でして、あのモノクロによるシャープな映像、腕立てのシーンの本人のカメラ視線で地面に落ちる汗、何とも大胆なこの構図に眼を奪われた。市川雷蔵の学生服姿が全くもって違和感のないのにはびっくりさせられたし、現代劇を演じてもその役に徹しきり、観ていても何一つ違和感の与えないところは本当に凄い。最後に市川雷蔵演じた国分という男はどうやら原作者三島由紀夫そのものらしいけど市川雷蔵のあの死に様は何だか三島由紀夫という人の男にしか理解出来ない何とも哀しい人間の切なさが現れているようでもある。
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-06-21 16:29:01)(良:1票)
1377.  日本列島 《ネタバレ》 
宇野重吉と芦川いづみ、目当てに借りてきた。これは何とも重苦しい映画だ!観ていて何ともやりきれない気持ちにしかならない。モノクロの画面から伝わるその怒りと悲しみ、主演の宇野重吉演じる米軍基地犯罪捜査官(秋山)が日本の黒い霧を告発するのだが、敗戦後の米軍占領下で起こった殺人事件の裏に潜む影の正体を追求しようとした挙句に沖縄で殺されてしまう。その模様が描かれている。政治色の強さがありすぎる為にサスペンス映画として観ると面白くはないし、むしろ、そういう見方をするよりはこれは完全な社会派映画として観る方が正しいと思う。この作品では事件当時の映像が何度も出てくるが、そのモノクロ映像による恐ろしさと米軍のジェット機による爆撃で硝子の割れるラストは米軍によって圧殺される者の絶望の象徴を感じせずにはいられない。とにかく何ともやりきれないほどの怒りというものがひしひしと重く圧し掛かってきて本当に嫌になるが、こういうことが本当にあったんだ。けして、人事のようには思えない。他人事としてほっといてはいけない。社会派の熊井啓監督らしいメッセージというものが描かれた作品だと思いました。
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-06-17 20:49:23)
1378.  ねえ!キスしてよ
これはビリー・ワイルダー監督作品としてはあまり知られてないのかな?三人しかコメントがないけど、これはこれでなかなかの出来栄え!まずは何と言っても出ている俳優達の演技合戦が面白い。特にキム・ノヴァクのあの色気は何なんだ?ここまで大馬鹿ぶりを醸し出しつつも、けして、単なる大馬鹿女じゃない優しさを見せる。それに対する男達のマヌケぶりが何とも微笑ましい。全体的に話の展開があっち行ったり、こっち行ったりと目まぐるしいのが気にはなるものの、ビリー・ワイルダー監督らしいテンポの良さで最後まで飽きずに観ることは出来る。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-06-08 15:11:06)
1379.  嘆きのテレーズ 《ネタバレ》 
シモーヌ・シニョレていうと「悪魔のような女」でのあの本当にぞっとするような正しく悪魔のような女があまりにも強烈すぎて、最初のうちは何だか違和感を感じてしまったものの、そこは流石はフランスを代表する名女優!観ているうちに彼女のあの苦悩する演技にどんどん惹き付けられていく。夫がいながらも別の男に愛されると同時に愛してしまったというその苦しみ、愛人と共謀して夫を殺す。いや、彼女の場合は相手の男がやっただけで、本当は殺してはいないのだが、罪の意識の深さに苦しむ姿が何とも哀しい。恋愛映画ではあるけど、男と女の特に女の心理状態の不安さがテーマとも言えるような内容で、本当は8点にしようかで迷うものの、私にはシモーネ・シニョレという女優の持っている本来の悪魔的女の恐さというものにおいて考えるとどうしてもこういう役より「悪魔のような女」で見せた彼女の方が持ち味があるような気がしてならないので1点マイナスの7点てことにしたいと思う。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-06-07 11:03:03)
1380.  菊豆/チュイトウ 《ネタバレ》 
チャン・イーモウ監督の作り出す映像美は本当に凄い。いつもながら色使いの上手さ、赤、青、黄色と巧みに使いこなすその映像センス、これだけ赤、青、黄色の三色を上手く使いこなせるのは他には信号機ぐらいです。おっと、信号機のことよりもこの映画について触れないとまずい。コン・リー演じる菊豆がいたぶられる場面のあの美しさ、女性が男に暴力を受ける場面など本来は醜くて汚い、グロテスクなものなのに、この場面なんて何と言う美しいシーンだ!さほど多くは見たことがないので、よく解らないけど、下手なアダルトビデオのレイプシーン、SMシーンよりもずっとずっと美しく感じるから大したもんです。それも偏にコン・リーという女優の持っている美しさ、外見的なものだけでない内面的な美しさと両方とを持った女性としての美しさと感情的表現における演技力あればこそ見られる美しさ、女性が虐められる場面でこんなにも美しいのを私は今まで見たことがあったか?自分がやがて夫となる男に覗かれていることを知った時のあの表情の素晴らしさ、コン・リーあっての映画であることは少なくとも間違いないと私はこの映画を見て感じました。最後に二人の間に生まれてきたあの何とも憎たらしいガキといったらまるで何だか亀○兄弟でも見ているようでして、いや、本当に何だかあの息子の面構えといい、暴力的ふるまいといい、坊主頭な所までそっくりだ!それにしても本当にどの場面においても映像美が美しいのには流石、チャン・イーモウ監督だと思いました。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-05-31 11:16:45)
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