121. 愛のお荷物
なんと豪華な出演陣! 山村聡、三橋達也、フランキー堺、山田五十鈴。 それぞれ個性を満面に打ち出していて楽しい。 テンポ良く最後まで観られるのが魅力。 また、人口増加というシリアスな問題が背景にあるのに、まるっきり暗さがなく、川島監督の上手さが伺える。 [ビデオ(邦画)] 7点(2008-02-17 18:28:13) |
122. あにいもうと(1953)
《ネタバレ》 森雅之だが、本作では職人風情の荒っぽい男を演じていた。 これがどうも無理があるように見えてならない。 熱演により、何とかそれらしくは見えたが、ミスキャストなのは否定できないところ。 やはり、森雅之には「脂ぎった陰気なオヤジ」が良く似合う。 しかしながら、「妹を本心では愛しつつも、表向きは邪険に振舞い、そして妹を孕ませた船越英二を殴り飛ばす」、このシーンには感動できた。 京マチ子だが、以前からどうも苦手な女優だ。 ボリュームがありすぎるし、どうも好みに合わない。 むしろ、気持ち悪いとさえ感じてしまう。 久我美子だが、やっぱりナインティナインの岡村に似ていた。 浦辺粂子は実にいい味を出していた。 野暮ったくてノロマな田舎のばあちゃんだけど、実に人情味があって、家族思い。 そんな役をこれ以上なく自然に演じていて見事だった。 特別に出来がいい成瀬作品とは思わないが、パワーを感じた。 成瀬作品としては、力作の部類に入るのではないだろうか。 [DVD(邦画)] 7点(2008-02-06 14:39:43)(良:1票) |
123. 橋(1959年/ベルンハルト・ヴィッキ監督)
《ネタバレ》 前半は退屈極まりない。 本サイトでの高得点に疑問を持ちながら鑑賞を続けた。 しかししかし、1時間を経過する辺りから様相が一変。 非常な緊迫感の持続する終盤へと突入した。 ここからは固唾をのんで鑑賞した。 見事、その作品に引き込まれた。 この引き込まれる感覚。 これこそが映画鑑賞の醍醐味。 あー、楽しい。 楽しいけど、内容はそれとは正反対。 残酷な終幕。 戦争の虚しさと愚かさ、命の儚さ。 そんなことが映像だけを通して雄弁に語られる。 戦争映画としては硬派な部類に入り、派手さはないが、間違いなく傑作だ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2008-02-04 20:31:48) |
124. にごりえ
三つの話から成るオムニバス。 樋口一葉の小説を映画化したもの。 第一話と第二話は普通の出来。 第三話はとても良い。 山村聡、淡島千景ともにいい味を出している。 最後の幕切れはありきたりだが、その裏には、理屈では割り切れない“切りたくても切れない男女の仲”という、永遠不変のテーマが横たわっている。 そう、成瀬巳喜男監督の作品に通ずるテーマが、本作の根底には流れているのだ。 [ビデオ(邦画)] 7点(2007-11-27 20:25:49) |
125. 妻の心
最近、映画館で着々と成瀬巳喜男作品を観ている。 今回は『妻の心』。 前回観た『鰯雲』よりはいい出来。 高峰秀子、小林桂樹、三船敏郎ら、出演陣がとても良い。 終盤の持っていき方も、まさに“成瀬流”。 夫婦というもののあり様と因縁を、作品を通して、観る者にとても分かりやすく訴えかけてくる。 川島雄三監督にも似た“庶民の息吹が聞こえてくる様な”風景描写は相変わらずお見事。 その時代時代の街風景を、これほど丁寧に、そしてリアルにフィルムに焼き付けた監督はいただろうか。 その点においても、成瀬監督は傑出している。 次回も映画館で鑑賞予定の成瀬巳喜男監督作品、『あらくれ』を観るのが楽しみだなぁ~! [映画館(邦画)] 7点(2007-11-17 20:02:42) |
126. 現金に手を出すな
ジャン・ギャバンとリノ・ヴァンチュラの対決が柱となっているギャング映画。 終始、淡々と進むが、そこはベッケル作品。 そつなく楽しませてくれる。 そして本作で初めてジャン・ギャバンを心からかっこいいと思った。 貫禄十分のジャン・ギャバン。 男なら誰もが憧れるはず。 更に忘れてはならないのが、ベッケル作品の十八番“平手打ち”。 本作では一回だけでなく、そこかしこでバチッ!バチッ!バチッ! もう、平手打ちの出血大サービス。 ベッケル作品の平手打ちシーンは、ファンへのサービス?!と感じてしまったほどの、もう見事と言うしかない激しいものだ。 そして、何故だか分からないが、思わず「クスッ」と笑えてしまうのだ。 まさに、ベッケル作品の平手打ちマジックである。 本作は、「ベッケル作品=平手打ち」という図式が最もはっきり分かる作品とも言える。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-11-12 21:42:23) |
127. 驟雨
いやぁ、これ面白かったっす。 成瀬作品の中では『おかあさん』の次によかったっす。 そして青観さんのおっしゃる様に、本作でも香川京子が抜群にかわいい! 夫の愚痴をこぼしている時のムクレ顔ったら、かわいくて噛み付きたくなっちゃうくらいかわいい! 顔のパーツが、ダウンタウンの浜ちゃんの様に、中心に寄ってる感じがまた、いとおしい。 ただし、前半はやや退屈。 後半、尻上がりに良くなり、特にラストは最高! あの終わらせ方は、最近観た邦画の中ではピカイチだった。 男女の腐れ縁的なテーマを描かせると、やはり、成瀬監督の右に出る者はいない気がする。 本作は“惚れた腫れた”という、一筋縄ではいかない夫婦関係を、絶妙に描き出しており、ユーモア感も相まって、素晴らしい出来栄えの作品である。 [ビデオ(邦画)] 7点(2007-11-09 20:26:45)(良:1票) |
128. 野いちご
何と言うか、美しいと表現するしかない名画ですね。 面白いといえる内容ではなかったですが、その孤高の映像美にはやられました。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-10-15 19:39:10) |
129. 浮雲(1955)
日本映画史に燦然と輝く名作です。 内容的には暗すぎて、しつこ過ぎて、どうも後味が悪かったですが、ケタ外れの負のパワーを持った作品ですね。 [DVD(邦画)] 7点(2007-10-14 17:51:36) |
130. 田舎司祭の日記
これって、観た直後は「単なる暗い映画だなぁ~」という印象でした。 それがそれが、観てから時間が経ち思い返してみると、なんか心に残っているものがあるんですよね。 物静かだけど記憶に残る、観終えた後にじわじわと影響を及ぼす作品だと思います。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-10-13 15:16:58) |
131. 七人の侍
確かに凄い作品だが、邦画のナンバー1という風評を基に観てしまうと物足りなさを感じた。 長いのも一因。 [ビデオ(邦画)] 7点(2007-10-13 10:11:10) |
132. 羅生門(1950)
黒澤作品の中では一番好きですね。 DVDで鑑賞したとは言え、1950年の作品とは思えない程、映像が美しい。 雨の中の静寂。 画自体が既に詩を語ってます。 [DVD(邦画)] 7点(2007-10-12 00:17:58) |
133. ベリッシマ
ルキノ・ヴィスコンティ作品は相当数観たが、本作は間違いなくルキノ・ヴィスコンティのベスト作品。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-10-11 09:11:36) |
134. 抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より
ジャック・ベッケルの傑作脱獄モノ『穴』と似たテイストの作品。 しかしながら映像的にはブレッソン・スパイスがガンガンに効いている。 全体的に硬派な作りになっており、最後の終わり方も渋くて良い。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-10-02 14:40:15) |
135. 麗しのサブリナ
《ネタバレ》 とてもいい話なんだけどな~・・・ 特に後半になるにつれよくなる。 しかしどうもビリー・ワイルダー的演出が鼻につく。 作り手を観る者に意識させてしまう演出。 これが良いのか悪いのかは別にして、個人的には苦手な作風だ。 ただ、終り方はなかなか良い。 あのひっかけた傘が何を意味していたのか瞬時には分からなかった。 でもしばらくして意味が分かり、「う~ん、鼻につくけど巧いなぁ・・・」と言わざるを得なかった。 二人の間をいったりきたりしてしまう恋愛真っ最中の不安定な心情は、個人的には経験があり、とても共感できた。 これら、ラストの傘のシーンと共感できた部分を考慮して7点を献上したい。 [DVD(字幕)] 7点(2007-09-28 16:36:37) |
136. 近松物語
香川京子の魅力が満載。 特に香川京子の“かかと”に惚れた!(危) [ビデオ(邦画)] 7点(2007-09-13 10:53:11)(良:2票) |
137. 鷲と鷹(1957)
《ネタバレ》 とあるおんぼろの船。 そこに二人の六尺(181㎝)近い男が乗り込んでくる。 どうやら臨時の雇われ水夫の模様。 そして乗り込んだ途端の大喧嘩。 派手なアクション。 うーん、やはりこの作品は単なるスターの織り成すアクションものか・・・ と、当初の疑念も晴れるまま、物語は進行。 しかも石原裕次郎は相変わらずのクサい演技。 元々好きでなかった上に、今観るとイケてないファッションや髪型に閉口しながらの鑑賞。 そしてそのライバル役である三國連太郎も終始、不自然に上半身真っ裸。 これまた閉口。 まあ確かに立派な体格ではあるけれど、これはさすがになぁ・・・ そこで船長の娘が登場。 これがスレンダーでスタイル抜群。 しかもかわいい。 誰だ? 分からない。 オープニング・ロールのキャスティングに浅丘ルリ子の名があったが、まるで顔が違う。 誰だ? 若かりし頃の浅丘ルリ子は、『男はつらいよ』を全て観たことがあるので、よく知っている。 まったく顔つきが違う。 やっぱり浅丘ルリ子じゃあない。 浅丘ルリ子はもっと顔にクセがあるはず。 誰だ? この綺麗な女優サンは・・・ 観終えた後、ネットで調べると、この女優さんは浅丘ルリ子だった。 当時17歳。 そして『男はつらいよ』の初期に出た頃は20代後半。 こうまで雰囲気が変わるとは。 まさに衝撃。 本作における浅丘ルリ子は必見。 この“意外なほどに美しい10代の頃の浅丘ルリ子”を観ることができただけでも、本作を観た甲斐があった。 ~~~ 映画『飢餓海峡』ですっかりミクニの虜になった私。 本作では全編に渡り、不自然に上半身裸で、『飢餓海峡』で上がった私の“ミクニ熱”をすっかり冷めさせてしまった。 しかしそこは流石ミクニ。 最後はジゴロな白いスーツで登場。 「おいおい!そんな上下のスーツ、船の荷物の中のどこに隠していたんだョ!!」 というツッコミはさておき、そのあまりのジゴロ的かっこよさに、衝撃を受けてしまった。 さすがミクニ。 かっこよすぎ! というわけで、ストーリーよりも、豪華な出演陣の意外な魅力がいっぱいの本作。 まさにキャスティングの勝利だ。 [DVD(邦画)] 7点(2007-09-10 10:05:54) |
138. 青春群像
《ネタバレ》 フェリーニが初期の初期に放った「青春映画」の傑作。 個人的には、「一人、汽車で町を出ていく男と、それを駅で見送る少年とのシーン」が最も印象的。 初期(1950年代)フェリーニ作品には、こういった「終盤の印象的な会話シーン」が多く、それはフェリーニにしか演出できないレベルのものだと私は思う。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-09-04 09:57:26) |
139. 寄席の脚光
フェリーニの処女作。 「本邦未公開作品」且つ「ビデオが発売されたのも古い」ので、観るのはなかなか難しい本作品。 しかし、“巨匠”のデビュー作だけあってかなりの出来。 この時代の作品って、「歴史的価値がある」とか「映像が芸術的」とか「音楽が素晴らしい」とかの評価は出来ても、「掛け値なしに面白い」作品って、案外少ないと私は感じている。 しかし、この作品は「掛け値なしに面白い」のだ。 そして、他の作品では“常におばさんっぽい”のあのジュリエッタ・マシーナが、本作品ではまだ若く綺麗だったりするのは非常に新鮮味があった。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-09-04 09:56:54) |
140. 大人は判ってくれない
モノクロの良さが凄まじいくらいに出ている名作。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-09-03 16:19:35) |