121. 歌行燈(1943)
《ネタバレ》 神保町シアター、山田五十鈴特集にて鑑賞。 念願かなって、やっと観ることができた作品。 しかし退屈だった。 上映中、天井を見上げてしまうくらい退屈だった。 芸道モノ、山田五十鈴のねぇちゃん、下膨れ章太郎、、と個人的に苦手な要素がてんこ盛り! 都合よすぎる展開と、お約束のようなハッピーエンド。 成瀬作品の中では、最もつまらなかった作品となってしまった。 [映画館(邦画)] 3点(2008-12-06 22:24:20) |
122. 生きている画像
フィルムセンターにて鑑賞。 期待していたほど面白くもなかったが、かといってつまらないわけでもない。 大河内傳次郎は、本作では特別なオーラを感じなかった。 [映画館(邦画)] 5点(2008-10-15 19:54:30) |
123. 罪の天使たち
《ネタバレ》 キリスト教会の修道女の生き様を描いた、ロベール・ブレッソンの貴重なる長編デビュー作。 東京は有楽町「有楽町朝日ホール」にて鑑賞。 しかし、これは面白くなかった。 ブレッソン作品に特有の張り詰めた緊張感が感じられなかったのだ。 修道女と、それに関わる女性の罪と罰と救済とを描いているが、どうもよろしくない。 この後、ブレッソンは、自らのスタイルに磨きをかけていったのだろう。 そう思うよりほかない。 [映画館(字幕)] 3点(2008-09-13 19:53:55) |
124. 最後の切り札(1942)
東京・銀座「有楽町朝日ホール」にて、宿願叶っての未見ジャック・ベッケル作品の鑑賞に成功した。 ベッケル作品の鑑賞は、これで8本目。 まだまだベッケル作品を観て見たい! それはそうと、本作だが、どうも期待はずれだった。 犯罪もので、ミステリー色も豊かなので、普通に楽しめる内容になってはいるが、ベッケル作品として期待して観てしまうと、どうも物足りない。 ベッケル作品に、ベッケルファンが期待するもの・・・それは、「傑作」の二文字である。 ベッケル作品には傑作が多いので、普通の出来では、もはや満足がいかないのだ。 [映画館(字幕)] 5点(2008-09-07 00:15:54) |
125. 海の沈黙
《ネタバレ》 東京は有楽町(銀座)、「有楽町朝日ホール」にて鑑賞。 これって、一見すると分かりにくい作品のように思えて、実は主張がハッキリしていて、いたってシンプル。 それでいて、観る者の心を鷲づかみにする魅力を持った作品である。 ジャン=ピエール・メルヴィルといえば、フィルム・ノワールを撮る監督の代名詞的な存在であるが、本作はフィルム・ノワールではない。 ナチス・ドイツを題材にした、戦争心理劇である。 前半から中盤にかけて、主人公のいかにもドイツ人といった感じの不気味な将校がとにかくしゃべりまくる。 これが凄い。 室内でずっと一人でしゃべっている。 でも独り言ではない。 ちゃんと相手がいるのだ。 しかも二人も。 その二人はフランス人の父娘なのだが、ナチス将校の話を全て無視する。 フランス人からすれば、ナチスは敵なわけで、とにかく無視を続けるのだ。 そのナチス将校は、フランス人父娘が住む家に寝泊りを続けるのだが、とにかく精神的な孤独を強いられる。 しかし、ナチス将校はじっと我慢し、暴れたりもしない。 ひたすら一人で話しまくり、フランス人父娘の心に訴えかけるのだ。 そして最後には、敵であるはずの冷たい二人の父娘の心を開いてしまう。 これに至るまでの経過が面白く、無言の中にも、父娘の微妙な心理変化が読んでとれる。 最初は頑なに心を閉ざす相手がいたとしても、長期間かけて真心を伝えていけば、いつか相手は心を開いてくれる。 そんなメッセージが伝わってきた。 メルヴィル作品らしい地味な作品だが、ラストに娘が口をきいた時の衝撃度はかなり高く、心を打たれる素晴らしいラストであった。 [映画館(字幕)] 7点(2008-09-07 00:05:09) |
126. 虎の尾を踏む男達
黒澤映画としては、『羅生門』に次いで好きな作品です。 アクション過ぎる『七人の侍』や、ヒューマン臭が過ぎる『生きる』『赤ひげ』などの世間的評価の高い黒澤作品よりも、本作の方が好きです。 尺も短く、緊迫感が最後まで持続し、見事な出来栄えです。 大河内傳次郎の、迫真の演技も特筆すべき素晴らしさでした。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-09-03 23:41:11) |
127. 牢獄
前半はベルイマン作品らしからぬ軽妙な語り口だが、後半から一気にベルイマンらしさが加速する。 特別面白い作品ではないが、ベルイマン作品特有の世界観を味わうことのできる作品である。 [ビデオ(字幕)] 6点(2008-08-17 19:39:48) |
128. ドイツ零年
《ネタバレ》 前に一度観たことがあったような気がしたが、記憶が定かでなかったので、もう一度鑑賞してみた。 やはり観たことがあった。 しかし、どうも印象が薄い。 第二次大戦後の風景をフィルムに残した記録映画としては貴重な作品だが、話はただ単純。 それがイタリアン・ネオリアリスモなのかもしれないが、映画としての面白さという点では疑問が残る。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-07-20 18:36:30) |
129. 闇の中の音楽
《ネタバレ》 ベルイマン作品としては異色作。 何故なら、爽やかにハッピーエンドなので。 ただし、随所に暗い影もあるにはある。 例えば、冒頭でいきなり盲目になってしまう青年。 射撃練習で、かわいい子犬が近くにいて、それに近づいたために、弾に当たってしまう。 それが災いして、盲目の人に。 これ自体はものすごい悲劇で、いかにもベルイマン。 だけど、その後が違った。 彼には、若くて美しい女性がそばにいた! 何たる羨ましいこと。 しかもその女性は、その男に献身的。 そして最後は見事に結婚・・・ と、およそベルイマンらしくない爽やかな展開。 だけど、美しい映像はベルイマンならではのもの。 少女はとても美しいし、映像美と爽やかなストーリーで、とにかく癒される。 マイナーながら、なかなかの良作だった。 [ビデオ(字幕)] 7点(2008-07-19 06:52:49) |
130. われらの恋に雨が降る
《ネタバレ》 ベルイマン監督作品としては、デビュー作に続く二作品目らしい。 日本で鑑賞可能なベルイマン作品としては最古のものだ。 元来、ベルイマン作品は画面の輝度が暗いものが多い。 本作は初期作品であるからして、特に暗く、観づらいのがネックだ。 話としてはロマンスあり法廷劇ありで、最後はハッピーエンドと、まるでアメリカ映画を観ているかの様。 およそ後年のベルイマン作品群からは想像もつかない内容だ。 とるにたらない作品であるが、かのベルイマンも初期の初期には、こういったストレートな映画、つまりは原理的な作品を撮っていたのだと知ることのできる貴重な作品である。 [ビデオ(字幕)] 5点(2008-07-13 01:44:13) |
131. 女優(1947)
なんか冒頭からずっと退屈でした。 何故なのか、それは後から解りました。 理由は、溝口健二監督の『女優須磨子の恋』と同じ話だったからなんですね。 そういう点で全く話に新鮮味を感じなかったのが致命的でした。 しかし、この二作品、同じ年に配給されていたんですね。 驚きました。 当時、競作として話題にのぼったようですが。 [映画館(邦画)] 4点(2008-07-06 21:18:40) |
132. お嬢さん乾杯
おっと、意外にもレビュー数が多いんですね! やはり、木下惠介監督の知名度がなせるわざか?! さて、本作は嫌味のない、そしてシンプルに心和ませる作品です。 ほんとに木下監督は幅が広い! 悲劇から喜劇まで撮れてしまう監督さんだ。 原節子って、やっぱり20代の頃が圧倒的に綺麗ですね。 『河内山宗俊』でもそうでしたが、まだこの頃は顔にクセもないし、ふっくらし過ぎてもいない。 まさに清楚な女性の鏡なのであります。 小津作品での原節子はどうも好きじゃありません。 笑顔が不自然で、どこか怖いのです。 作り笑いが過ぎるというか。 ところが、本作での原節子は神々しいほどに、清楚で控えめな美しさを画面いっぱいに発しています。 原節子の魅力を存分に味わえる作品だと思います。 [ビデオ(邦画)] 7点(2008-05-28 23:30:31)(良:1票) |
133. インド行きの船
《ネタバレ》 前半部分は、船長である父親とその息子との確執を描いている。 これが何とも陰惨で、観ていて辛くなった。 しかし、中盤からは恋愛の要素も絡んできて、面白くなってくる。 息子と彼女(父親の情婦)との水車小屋における戯れは、とてもすがすがしく、それまでの暗い展開のせいで、どんよりしていた気分が多少なりとも上がっていった。 それにしても、ベルイマンらしい暗すぎる映像。 これは何度観ても、単に観づらいだけで、どうも好きになれない。 、、とここまでみてくると単なる凡作のようだが、そんなことはなく、ラストがとても良かった。 愛する女性を8年もの間想い続け、8年ぶりに帰郷した息子。 しかしそこには精神的に病んでしまった彼女がいた。 息子は必死に連れ出そうとするが、自閉的になってしまった彼女はそれを拒む。 だが、彼女に一途な愛情を持つ彼は、彼女を救いたい一心で、必死に説得をする。 その想い通じてか、彼女は結局、彼と旅に出る。 女性を愛する気持ちがあれば、どんな苦難でも乗り越えられる。 そして、その女性がどんな状態だろうとも、身を呈して救うことができる。 愛の持つ力が、ストレートに伝わってくる見事なラストだ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2008-05-22 23:30:39) |
134. シミキンのスポーツ王
題名からして凄い。 なんだ「スポーツ王」って。 日本語の範疇を超えたキテレツな題名。 内容はとにかくハチャメチャ。 ドタバタ喜劇を超えて、ハチャメチャ喜劇。 もうやりたい放題。 バカに成りきって観られれば楽しめる、かも(?)。 ところで、川島作品のキャスト・スタッフ表示って面白い。 とても個性的。 『お嬢さん社長』でもそうだったけど、ナナメに字が流れたり、そもそも字がナナメだったりする。 これは独創的だ。 [ビデオ(邦画)] 6点(2008-05-15 22:34:59) |
135. 白熱(1949)
素直に楽しめる内容だが、やはりそこはアメリカ映画。 ご都合主義が目立った。 [ビデオ(字幕)] 5点(2008-05-10 16:35:06) |
136. 還って来た男
おやおや、青観さんしかレビューがないんですか・・・ 本作ですが、佐野周二の魅力は発揮されているものの、全体的に散漫な印象で、川島作品としては凡作の感が否めないです。 [ビデオ(邦画)] 5点(2008-05-03 16:32:29) |
137. 死の谷
終り方はともかく、素直に楽しめる西部劇。 [DVD(字幕)] 7点(2008-05-01 00:18:28) |
138. 夜の女たち
溝口作品の鑑賞31作品目! 残すはあと4本! しかし・・・ これは大したことのない作品ですね。 田中絹代がパンすけ役を演じきれていないのです。 全く様になっていません。 無理に頑張っているのが伝わってきてしまっています。 戦後の世相を反映しているという点においては、見所はあると思いますし、成瀬作品バリに風景描写がリアルに描かれていて良かっただけに、何だかもったいない。 それにしても、溝口作品は大傑作も多いが、失敗作がそれ以上に多い! 未見の溝口作品4本も、あまり期待できない感じです・・・ [DVD(邦画)] 4点(2008-04-04 23:33:59) |
139. レベッカ(1940)
この作品を酷評するのは気がひけます。 それだけヒッチコックの代表作の一つとして名高い本作。 さて、とにかく肌に合わなかったです。 最初から最後までイライラしっぱなし。 元々、ミステリー色全開の作品が苦手というのが根本にあるのですが、どうも観ているものを翻弄させようとする二転三転する展開が肌に合わなかったんです。 個人的には、ヒッチコック作品の緊迫感やユーモア感が好きみたいです。 [DVD(字幕)] 2点(2008-04-04 00:44:34) |
140. 無法松の一生(1943)
三船版の後に観たので、ストーリーを追うような形で観るハメになってしまった。 こちらの方を先に観ていれば、もっと感動できただろうに・・・ 残念だ。 [DVD(邦画)] 6点(2008-03-20 22:38:23) |