121. トライアングル(2009)
離婚して障がいのあるお子様を育てる若い母親。いらだつ毎日。気晴らしのヨット。転覆。大きな船に避難して…。 こんなにネタバレしたくない映画もないですが、多少かいつまんでご紹介。 まず非常によくできた脚本の映画であること。時間軸をずらさずに違う時間をみせることができていること。さまざまな伏線がとても小気味よく回収されること。象徴的な場面の入れ方(たとえば繰り返すレコード、ラストの場面の大量のカモメ?の死骸など)がうまい。そしてなんといっても秀逸なサスペンスであると同時に、恐怖の質がとても異質であることを挙げたいです。 もちろん人が死ぬ描写の恐怖もあるんですが、製作者はそこのところの恐怖はたいして重きをおいていないのでは。それよりも無限の…、おおっと危ないネタバレしそう(笑) 絶対に面白い映画に違いない、なんて肩に力をいれて観るんじゃなくて、パッとレンタル屋さんで手に取っちゃったとか、テレビでやってたからたまたま観たなんて人は「お、けっこう良作」と思っていただけるんじゃないでしょうか(笑)。 テーマは罪と罰とみました。どうかな? [ビデオ(吹替)] 6点(2015-07-21 00:07:46)(良:1票) |
122. 屋敷女
《ネタバレ》 スプラッターなんてもんじゃないフレンチホラー。サスペンス要素もばっちり。凶悪すぎる。近頃観たこの手の映画の中では群を抜いた出来栄え。 妊婦の方がおひとり。旦那さんは事故で他界。お家に一人。そして…。 まさかの○○○シーン!しかも残虐すぎてボカシが!さらに私的にはボカシにサンキュー!!!!そんなの観れません!!!! 薄暗い映像でとにかく一方通行的な展開。そして謎!なんだお前は状態!なんでこんなことになるんだという不条理の連続にすでにパンチドランカー的な私。いつまで?まだこの先映画続くの?ターミネーター1より怖い! とりたててすごいストーリーがあるわけでもなく、突っ込みどころもあるんですが、映画の持つパワーがすごいすごい。あとね、フレンチのノワール的雰囲気最初だけあります(笑)。途中からもそういう雰囲気あるけどゴア描写がとんでもなくてぶっ飛びます。あと、この映画は独特の効果音が冴えわたります。なんだかハリウッドや日本では使われないような音。いい味出します。 有名な映画なんだろうな。私は全く知らなくて、適当にジャケ観て、「あ、座敷女(マンガ)?」とか思って、このごろ変態村あたりから変な邦題増えたななんて軽く借りて木端微塵にされました(笑) [DVD(字幕)] 8点(2015-07-20 21:32:04)(笑:1票) |
123. the EYE 【アイ】
《ネタバレ》 角膜移植を受けた女性が、目が見えるようになるとともに不思議なものまで見えるようになるお話。 とても好感の持てるナイス怖い映画。オリジナリティあるお話で、映像表現GOOD。登場人物をしっかりと描写し、物語をはっきり作っている点が良い^ ^ホラーシーンは結構怖いですが、骨子があるので最後までお話を知りたくなるのがとてもいい。 この映画でパンブラザーズ知りましたが、そりゃ世間で注目されるようになるのもわかるなーと。この映画は、まず怖がらせよう!ではなくて、ちゃんとホラー映画作ろうって感じで。 ま、このあとこの映画の2も3も借りてるんで久々鑑賞しようと思ってます。次第に、まず怖がらせよう!的な感じになっていったのは仕方がないですけど。次第に作品も監督も評価が落ちていくのもよくあることかな。 ラストもとっても気持ちいい。本当のハッピーエンドとは違うのかもしれませんが。 [DVD(吹替)] 7点(2015-07-20 14:24:12) |
124. ターミネーター:新起動/ジェニシス
《ネタバレ》 観ました。正直書きます。ダメでした(>_<)私には。 いろいろ面白い部分もありますが…、まだまだこの映画楽しみにしている人も多いとはおもいますが率直に。あるいは楽しみにしている方、これより下を見ないでいただけるとm(_ _)m カイルとジョンとサラが1時間くらい設定や世界観をしゃべりまくり。映画の中の大切なプロットを口で説明しまくり。理屈はわかるが、理屈の説明の仕方が違うんじゃないかと…。映画の描写の中でうまく映像なんかを使って物語の展開の中で気づかせるなんて効果を使いながら説明して欲しいんですけど、全部しゃべりって´д` ;台本は電話帳なみの厚さかって。 主人公が世界観説明しまくりのマトリックスとかマッドマックスとか考えられないっすもん。ターミネーターの第1作だって説明不足ぐらいの感じでなぜか襲ってくる不気味な敵っていうのが面白かったんじゃないのかなって。 シュワちゃん最高。イ・ビョンホンウルトラ最高。 カイルとジョンとサラのキャスティング微妙。特にカイル。子役と全然似てない。ま、そんなことは大したことないか。 がっかりして凹んでます [映画館(字幕)] 5点(2015-07-20 14:21:12)(良:1票) |
125. トガニ 幼き瞳の告発
《ネタバレ》 田舎の聾唖学校での、入所児童に対する性的虐待。告発する者される者。 大雑把なんだけど、伝えたいことは十分にわかる。…、書き方が悪かった。ある程度大雑把に観ている人に推測させるようにしないと、演技すらできないほどタブーに直接触れるように題材にしているから仕方がない。特に子役たちは素晴らしい演技をみせた。あ、悪役たちも素晴らしい演技だ。よくこんな題材でこんなに迫力あるタフな演技をさせて、しっかりとエンターテイメントにできるもんだ。感心。 人として大切なことはなんなのかを貫く人から順番に、モノの見事になんでも失っていく。耳が聞こえないために命を失う登場人物も。 映画のラストは全く報われないが…。 実話ベースのこの映画。この映画をもってして韓国国内の本事件の関心が高まり「トガニ法」なるものが制定されることになったそうだ。障がい者女性への虐待の罰則強化や公訴時効の撤廃など、映画の中ではできなかったことが法に。 報われる(笑) [DVD(字幕)] 7点(2015-07-17 13:30:09) |
126. 渇き(2009)
《ネタバレ》 ヴァンパイアと悲しい恋愛はよく似合う。韓国映画のとっても良い音楽もよく似合う。ゴシックな感じはしない。極めて韓国的な美があふれる。 ソンガンホが美しくみえる。物悲しくみえる。ソンガンホの大ファンなので、これだけでも観た甲斐があった。 キムオクビンの狂気の演技が素晴らしい。映画のクライマックスは彼女のクライマックスでもあるように感じた。最初に出てきたときと比べると、殻をうち破った感がハンパない。昔であれば、クリスティーンのアーニー、この頃であればクロニクルのアンドリュー(デインデハーン)を思い出した。彼女が次々に人を襲うシーンはホラーだ。 分相応以上の力を持つと破滅する。 とりたてて好きな映画ではないが。作りはとてもしっかりとした良い映画だと感じた。 [DVD(字幕)] 5点(2015-07-17 12:54:22) |
127. ソウォン/願い
《ネタバレ》 もうめちゃくちゃだ。映画のスタートが激しすぎる。こんなことまで人間は受け入れて生きていかなきゃならないの?でも同じような目に合った人はたくさんいるのかもしれないな。ソウォンの周りにはいないが。で、一度は止めかけたDVDを、結局…観てよかった! 瀕死の暴行を受けた八歳の少女とその父と母の再生の物語。性犯罪の立件の難しさや韓国メディアの強烈さなども的確に描写する。 その中で私の心が動いたのは、事件は家族の周囲の人間の心をも傷つけていたという部分だ。細かいニュアンスがよく伝わってきた。 俺が頭を下げれば俺から金を借りてくれるのかと父親に電話する工場長の男気。 工場長の奥さん(被害者の母親のママ友)と被害者の母親の心の交流。勘違いからの暴言をめぐり言い合いながらも心通わせる母親二人。 そして、被害者ソウォンと同級生の工場長の息子の涙。「自分があの日ちゃんとソウォンと一緒に学校に行けばこんなことにはならなかったのに」と被害者の父親に泣きながら告白する。お前、どこも悪くないじゃん(涙)。 実話ベースかぁ。ひどすぎる。でも父さんも母さんもソウォンも、周りの人もよく頑張った。人工肛門って大変なんでしょう?いつまでたっても被害の傷跡は隠せないかもしれないけど、みんなよく頑張った。復讐に走らないで、よく耐えた。 いい映画だった。 [DVD(字幕)] 7点(2015-07-17 12:34:22) |
128. とかげの可愛い嘘
《ネタバレ》 靴の紐で彼女を椅子にくくりつけるシーン。あそこが最高だ(笑) [DVD(字幕)] 5点(2015-07-17 12:14:10) |
129. 13日の金曜日(1980)
《ネタバレ》 今さらながらに、よく観てみると、とてもよくできている。 CGの無い時代にあの手この手でのスプラッタシーンもさることながら、「間」がいい。音楽も何もかも計算されている。「間」のために。典型的なのはラストシーン。朝になり警察が来て…の場面。ま、ベタといえばベタだが、そのベタな「間」を作りだしたのがこの作品だと思うと素直に尊敬できる。ゾンビやハロウィンのヒットの中、なんとか結果を出したがったであろう制作陣の執念の作品に感じた。首だってよく切ったよ。えらい!手だけ前に出して(笑)。 もちろん、この時代にほかにも面白いホラーが散見できるのも確か。この映画だけが突出していたとは言い切れないが、スプラッターホラーの金字塔とはこのシリーズのことを言うのではないか。ま、2作目以降にそれほど評価をしているわけではないが、何匹目ものドジョウを生み出したのは間違いない。 映画製作に知恵を絞らない奴ら、この映画観て勉強しろ。 [DVD(吹替)] 7点(2015-07-14 14:19:23)(良:1票) |
130. 蜘蛛女のキス
《ネタバレ》 モリーナを愛することができればこの映画を愛することができる。ウィリアムハート渾身の演技。本当に女性的に見えた。モリーナとヴァレンティンの愛は確認できないくらいかすかなものだったが、モリーナはその愛にかける。 二人の囚人がいる。一人は性犯罪者でゲイのモリーナ。一人は政治犯で革命を考えるヴァレンティン。相いれない二人が、古い、たぶんナチスのプロパガンダ映画についてを話題にし、モリーナには秘密があって…。 戯曲がはまる。でもこの映画は、戯曲からのはみ出し度がイケる。 絶望ってやつはいろんな表現があると思うが、ヴァレンティンのラストは幸せそうで良かった。あくまで幸せそうというだけだが。 [DVD(字幕)] 8点(2015-07-08 10:54:28) |
131. さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち
《ネタバレ》 何度観たことかm(_ _)mまた観ちゃいました。 1978年の映画ですかー。レベル高すぎです。個人的にはヤマト映画の中でナンバーワンです。他作品はテレビからのツギハギが激しかったり、メロドラマが入りすぎていて…。本作はその辺りのバランスがとても良いように感じています。151分、みっちり観せられるだけの物語もあります。あくまで個人的な感想ですm(_ _)m リアルタイムでは私が幼稚園ぐらいかぁ。もう少し大きくなってからテレビで観たり、さらに大きくなってからレンタルして…。何回観たろう。 佐渡先生、ユキ、山本、加藤…。みんなしんでいきます。その中でも真田さんと斉藤(涙)。あの爆弾仕掛けシーンは永遠の0を超えます(これまた個人的な感想ですm(_ _)m)。最後に古代進。この映画の真骨頂である自己犠牲の嵐に涙が止まらなかったことがあります。 ま、今回は泣きませんでしたけどね(≧∇≦) さて、バリバリ大人の私からみれば故沖田艦長の言葉は怖かった(^_^;)特攻礼賛的な(^_^;)今まで気づかなかったヤマトにまた気付きました(^_^;) [DVD(邦画)] 8点(2015-07-08 10:37:17) |
132. マッドマックス
メルギブソン若すぎ!(笑) [DVD(字幕)] 5点(2015-07-07 12:08:49) |
133. 髪結いの亭主
床屋や歯医者に行って、女性の方が極度に接近してきて、その体臭に興奮したり頭にあたる胸に興奮したり。気持ちわかるなあ(笑)。 悲しくて涙がでてくらあ。 [DVD(字幕)] 6点(2015-07-03 21:48:42)(笑:1票) |
134. 仕立て屋の恋
凡庸なストーリーで幅もない。でも漂うせつなさは一級品。 [DVD(字幕)] 5点(2015-07-03 17:24:23) |
135. JUNO/ジュノ
《ネタバレ》 妊娠してしまった少女が自分の生まれてくる子どもを里親に受け入れてもらう話。 自立できていない16歳の少女の生きる強さがとてもよかった。エレン・ペイジの存在と演技だけでリアルな感じがした(吹き替えもとってもよかった)。 フレッチャー教授(セッション…笑、今回はお父さん役)とか母親とか、あんな家族ならジュノも胸を張って強く生きるよなって。フレッチャー教授が彼の肩をつかむシーンよかったなあ。 とんでもなく素晴らしい映画でもないし、ここは、というような場面が続くわけではないけど。この映画、観てよかった感はとてもあるなあ(笑)。 [DVD(吹替)] 6点(2015-07-02 18:51:09) |
136. オールド・ボーイ(2003)
《ネタバレ》 クラリネットなのかな。素敵なワルツとともに双方向の復讐劇が始まります。 15年、訳も分からずに監禁された男。そして15年、なぜか解放された男。すぐに監禁の張本人は現れます。そして選択を迫ります。殺すのか。真相を知るのか。 そして謎の女ミド。 4、5回目の鑑賞。原作はハイパーな日本漫画。ピンポンと同じく、やはり比べてはいけないと。ただどうしても触れたいのはラストの違い。原作と本映画はラストが全く違います。が、どちらもとても叙情的で魅力的な展開に。ハードな内容にセンチメンタルが見事にはまります。私は原作からはいったので、本映画のラストには唖然としましたが、これもまたよくできているなと。ミストも原作とラストが全然違うが、原作者のキングも、あのラストを思いついていたらこうしたと認めた、という話を思い出します。本映画のラストまでの超サスペンスな展開をかんがみるとこのラストも秀逸なのかもしれません。 [DVD(吹替)] 7点(2015-06-30 17:20:37) |
137. ピンポン
《ネタバレ》 超久々の鑑賞。感想は昔と変わらないな。大切なのはスペシャルな原作のことは置いておくこと。原作漫画がすごすぎて比べちゃ失礼かなと。 卓球青春ストーリー。今回も深く考えず登場人物の魅力を感じることに専念! ペコポコもいい。スマイルもいい。風間も、風間のチームメイトも、中国人も、(くどい)コーチも。ババアも、キャプテンよしよしも。 でも今回もアクマにやられる。この映画、何回観てもアクマに持っていかれる。ペコも挫折する。髪の毛を伸ばしポコになりタバコを吸う姿は窪塚本人そのもの。でもなんといっても挫折キャラはアクマ。登場人物の中でもっとも私自身に近いのがアクマだと思うので。風間のトイレシーンもいい。天才の苦悩とでも言おうか。でも私は挫折キャラ(笑)。 あくまでもアクマ(しゃれじゃない)が私の心を奪っていく。どのシーンもいい。中でもスマイルとの対戦や橋の上、風間とのトイレ後の彼女に今はこっちにくるなっていうシーンかな。 挫折して知る男の哀愁をこんな映画で味わえるなんて悪くない。脇役の引き立つエンターテイメント。 「ティンポン」も観てみたいなあ(笑) [DVD(邦画)] 7点(2015-06-29 18:01:03) |
138. 愛を読むひと
《ネタバレ》 ケイトウィンスレット、アカデミー主演女優賞受賞おめでとう。納得。レイフファインズ教徒の私は、数多い彼の作品の一つを今日も新しく観ることができて大満足。 少年時のひと夏の関係。序盤は思いのほか性描写が多く戸惑ったが作品の質を低めるようなことなし。彼は小説を朗読し、彼女はそれを聞く。そして関係を持つ。のめりこむ彼。なぜか急に会えなくなる。 数年後彼は法廷で彼女と再会する。彼女はアウシュビッツ看守としての責任を問われた戦争犯罪人としての被告、彼は傍聴人として。そしてとても大切なキーワード「文盲」。 背景であるアウシュビッツなどを含むホロコーストは大事件なのだが、この映画はそこが出すぎずとてもよいバランスを保って二人の人間ドラマを描く。このバランスというか映画としてのまとまりに感服。そこにマイケルとハンナのドラマが主軸として描かれる。熱演。 多分初めは愛ではなかっただろう。少年は体を求め、女はそれにこたえつつも文字や文学に対するコンプレックスと憧れを。でも…最後は愛だと感じた。めちゃめちゃにすれ違った愛。 救いのあるラストもよし(笑) [DVD(字幕)] 8点(2015-06-29 17:09:18) |
139. ピアノ・レッスン
海とピアノがこんなに似合うとは。 [DVD(吹替)] 6点(2015-06-25 20:37:04) |
140. 親切なクムジャさん
《ネタバレ》 純粋復讐劇。 復讐をテーマとしている映画の中で、ここまで題名と内容にギャップがある映画もないなあと。この世に題名だけみて何の気なしにこの映画を観てしまった人、いるだろうなあ。映画館の中で困ったろうなあ(笑)。ガッチガチの復讐もの。私は三回目くらいの鑑賞。何度観てもインパクトある。 絶対にテーマは贖罪ではなく「復讐」だと思う。復讐だけを胸に抱え13年間も服役。他の人と一緒に復讐しようとしたのは贖罪ではく、復讐を分かち合っただけのように感じました。自分の「復讐の仕方の正しさ」を修正したと。自分だけで復讐するより、復讐すべき他の人にも復讐する権利がある、そこは分かち合おうというような。より先生に与えるダメージを増幅させる、とまでは感じませんでしたが…。指を切っても詫びにはならない。そこはクムジャさんが先生に正しく念入りに復讐するためにどうしても必要な自分のためのプロセスだったように感じました。クムジャさんからは他の人を巻き込んだ責任をとるような姿勢は感じられないので。 [DVD(字幕)] 6点(2015-06-25 16:14:28) |