14.《ネタバレ》 不思議な映画。不倫モノをありきたりにしないために吸血鬼と人妻が恋に落ちるという、またその吸血鬼が神父という凝った設定。他の方が言っているように映像は美しいし、つまらなくはないが、なんかしっくりこない感じ。そしてこの消化不良感が何かやっと気づいたのだが、神父の倫理観がちと分かりにくいところ。ラストの心中というのが自分なりのけじめの付け方なんだろうが、そこに至る描き方がちょっと弱いような。肉欲に溺れるというのも別にわからなくはないが、韓国映画お得意のもうちょっと罪との葛藤を深く描いたなら、さらに恋愛とアクションとホラーのハイブリット感が強まった傑作になったと思う。 【エリア加算】さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-04-17 22:47:41) |
13.《ネタバレ》 しっかりした画づくりで、エログロありなんだけど、なんとも長く感じる作品でした。 とは言え、もう一回見直してみたら気づくところがいろいろあるかもしれない。 【ろにまさ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2019-12-08 07:45:58) |
12.《ネタバレ》 『ぼくのエリ』同様、ヴァンパイアものとしての切り口は新しいのに、133分が4時間に感じてしまうくらい退屈。中盤の夫殺しで手間取った揚句、後半の二人の暴走にトップギアが掛かろうとした瞬間、急速に萎んでしまった消化不良感が残る。下手したら失笑もののワイヤーアクションと電柱倒しを敢えて使ったシュールな演出には感心。背徳行為の罪悪感に苛む神父と、宗教から解放されて本能的に生きる人妻の対比から、男と女の価値観の物語だと解釈した。 |
11.《ネタバレ》 ヴァンパイアと悲しい恋愛はよく似合う。韓国映画のとっても良い音楽もよく似合う。ゴシックな感じはしない。極めて韓国的な美があふれる。 ソンガンホが美しくみえる。物悲しくみえる。ソンガンホの大ファンなので、これだけでも観た甲斐があった。 キムオクビンの狂気の演技が素晴らしい。映画のクライマックスは彼女のクライマックスでもあるように感じた。最初に出てきたときと比べると、殻をうち破った感がハンパない。昔であれば、クリスティーンのアーニー、この頃であればクロニクルのアンドリュー(デインデハーン)を思い出した。彼女が次々に人を襲うシーンはホラーだ。 分相応以上の力を持つと破滅する。 とりたてて好きな映画ではないが。作りはとてもしっかりとした良い映画だと感じた。 【JF】さん [DVD(字幕)] 5点(2015-07-17 12:54:22) |
10.《ネタバレ》 万人におすすめはしないが、力作。 いささか長すぎるけれども…。 ソン・ガンホはコミカルな役どころで本領を発揮すると思うが、今回はダークな役柄を体当たりで演じた。文字通り体当たりの、尻解禁。 ソン・ガンホ演じる神父が「祈りが無力になった」と感じて、つまり信仰の危機に陥るがそれでも自殺は罪であるから自殺をすることができず、自殺願望を抱いて治験に参加、死ぬことができずに吸血鬼として生きながら死んでいるという「罰」を負わされる、というような話である。 これを神父が「罰」と受け取ったということはいえると思う。 「人を助けたい」と願っていたのに、他人から奪わないと存在できないものにされてしまったという、そのことは信仰が揺らいでいても消えてはいなかった彼にとっては「罰」である。 親に捨てられた男女が、崩壊した秩序の中で、他人から奪わなければ己が存在できないとしたときに、死を選ぶということは果たして「殉教」なのか「自殺」なのか。 そのことで、この先犠牲になるであろう他者を助けたとしても。 神父は最後に「地獄で会おう」と言っているから、これを「殉教」とは思っていないか、またはこれまでの悪行を指して地獄に落ちると言っているのか。 けれども確かなことは、「地獄」があると思っているということは、「神」が死んでいなかったということであり、彼は「与えられた罰」を認識していたということに、なるのだな。 そして、「罰」に対する彼なりの答えがラストで示されて、果たして「神」はそれにどう応えたのか。それは映画が終わったその先にある。 【パブロン中毒】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-05-13 23:28:35) |
9.《ネタバレ》 神父と人妻の禁断の恋を中心に、バンパイアになってしまった神父の“血が欲しいけど人は殺せない”という葛藤を描いています。中盤からは怒濤の展開を見せ始め、途中から「一体自分は何の映画を見ているんだ…」と思ってしまいました…。大胆な濡れ場を演じたキム・オクビンのある過程を踏んでからの豹変振りも凄まじく、なんかすごい映画を見た気がします。 【nyaramero】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-05-07 10:21:03) |
8.《ネタバレ》 神父がバンパイアになってしまう葛藤、ってストーリの中にあらかた転結が収まってしまった感がある。ただこの監督の魅せ方(初めてチューブから血を吸う時の、チューブからのカメラの流れとか)は結構好き。 【afoijw】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-03-12 02:26:29) |
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7.《ネタバレ》 ヴァンパイアなんてファンタジーな話を、欲望という渇きを生々しく描きながら、スプッラターコメディとして魅せるっていう、これはまたとんでもない物を観てしまった!満ち壊れていくほどに美しくなるテジュが怖いけどかわいい。 |
6.これは良かったなぁ~ 日本頑張れ抜かれちゃうよ。 テジュはエロイ。 【まんせる】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-05-10 20:08:48) |
5.《ネタバレ》 いくつかのモチーフが作者のなかで溶け切れないまま仕上がってしまったようなところがある。だからいろんな面から観られる。潜在的な自殺願望者であった神父が、吸血鬼になることによって成就する話。現代のシンデレラが神父によって救出されるが、変な方向に解放されていく話。不倫の男女が女の亭主を殺すことに成功したが、その亡霊に悩まされるという古典的な怪談話(個人的にはここらへんの線が好きです)。もっともソン・ガンホの神父顔やら吸血鬼顔やらは味わい深いユーモアをたたえていて、そこらへんに徹しはっきり喜劇の線にしてくれてもよかった。ラスト近くのマージャンの場から殺戮に至るあたりは、ホラーコメディとしていい線いってる。でも映画全体としてはなんかどれも中途半端で、その多面体ぶりを楽しむってとこまでは、こちらの心に余裕がなかった。人物ではヒロインの義母が存在感たっぷり。主人公たちはとうとう最後まで彼女は生かしておく(あんまり血がおいしそうではない)。血をすするカトリックも、孝を強いる儒教の伝統の根強さには負けるってことか。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-04-08 09:58:58) |
4.ブツブツ顔のソンガンホの青年のような表情になぜかうちの亡き祖母を思いだしてしまった。彼の顔はハルモニ顔だと思う。頬の張り具合とか。内容は思っていた以上にねちっこく、韓国らしい気がする。バンパイアって弱点がありすぎていまいち残念な化け物?しゃないかなあと思ったけどそこがいいんですかね。DVDのジャケットのインパクトは結構すごい。 【おっちょ】さん [DVD(字幕)] 4点(2010-09-19 19:15:50) |
3.《ネタバレ》 パク・チャヌクの映画は女優は可愛いんだけど、どうもストーリーで楽しませようとする部分が大きくてあまりいい印象を持っていなかったんだけど、これはストーリーが比較的シンプルなだけにたんまりと映像を楽しむことができた。そして何よりも好感を持ったのが、随所に散りばめられたユーモア。エロチックとスプラッター描写の合間のユーモアが絶妙。意識不明の患者から点滴チューブを逆流させて血を飲む姿の滑稽さよ。そして悲鳴をあげるオクビンの可愛さ。ビルとビルの間をピョンピョン跳びはねる姿の滑稽さよ。そしてキャッキャとはしゃぐオクビンの可愛さ。殺した男がいつも付きまとう様子のおかしさよ。そして困った顔のオクビンの可愛さ。そしてラスト。生死の係った切羽詰ったシーンなのにここに一番のユーモアをもってくる。光から身を守るためのあれこれ。必死に死から免れようとする姿のなんて可愛らしいことか。不死身のバンパイアが一人のか弱い女になる。キム・オクビンという女優が気に入っただけじゃないのかという声が聞こえてそうだが、うむ、もしかしたらそうかもしれない。でも間違いなくこの映画に散りばめられた多くのユーモアは映画でしか生み出せないユーモアであった。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-04-02 16:16:06) |
2.《ネタバレ》 すごいスケベ映画という評判なので観た。これはダメだったなあ。飽きてきまった。それなので疲れた。観た直後は評価不能だったのだが、ようは”バンパイア”ってこと。怪物”バンパイア”なんてもちろん実際いないので、幽霊映画とおなじことなのだが、それだと、怖くないと(リングとかエクソシストみたいに)飽きてしまう。非常に撮りかたとか、芸術作品ですよとか、奥深いですよ、とか言いたいのだろうけど、飽きた。怪物モノだから寓話なんでけど、なんか方向性がリアルなので、なんか全然落ち着かなかった。怪物ものは苦手ってことです。”精神病とか悪魔付き”程度だったらどうかなあ。死者が生き返るのなら、なんでもありだもんなあ。 【男ザンパノ】さん [映画館(字幕)] 3点(2010-03-26 17:29:42) |
1.極濃!!この監督の濃さはとどまることを知らないのか。 演出が極めてヤバめなせいてで、神父の葛藤とか結構どうでも良くなってくる。 エキセントリックになる一歩手前のギリギリをついた映像と、倒錯した男女のギリギリ人間的な壊れ方。陰惨かつシリアスなストーリー展開なのに一歩引いた目線でコメディ的に描かれているので、観ている側まで鬱になるような事はない。全てが絶妙なところで線引きがされていて、さじ加減が少し違えば監督のオナニー映画だとか、ただの変態映画だとか言われかねないところだろうが、実は上質なエンターテイメント映画なのではないかと思う。 壮絶なシーンの迫力もさることながら、超シリアスなのに間の抜けた主演カップルに「おいおい、あんたらいい加減にしなさいよ」と、突っ込みながら楽しく見れる。 若干長く、グダグダな部分もあるが、ワンシーンワンシーンに、手が込んでいて決して退屈させない演出は素晴らしい。 この監督にしか取れないだろう唯一無二の一本。 ギリギリ正気のエグく滑稽な倒錯世界を覗いてみることをオススメしたいかもしれない。 苦笑いしながらお楽しみください(ゲロ吐いても責任取れません)。 【すべから】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-03-20 13:22:24) (良:1票) |