1461. おかしな二人2
《ネタバレ》 「おかしな2人」のレモンとマッソーが演じる2人の設定もそのままで、この2人の子供同士が結婚するという微笑ましい設定が嬉しい。17年ぶりに再会した2人がその結婚式に行くはずが迷子になり、中西部をさ迷う珍道中を描いたロードムービーです。 「俺達は犬猿の仲だが最高の友達だよな」と微笑み合う2人はもう演技のようで演技じゃないようです。その長いキャリアの中で何度もコンビを組んだ二人ですが、これは97年の作品。マッソーは2000年にこの世を去り、盟友の後を追うようにその1年後にレモンもこの世を去った。そんな2人の晩年の共演であり、この2人が大好きな僕にとっては2人がとても楽しそうに共演している姿を見ているだけで感動的で嬉しい作品です。 ポーカー仲間の顔ぶれが変わっているのだけが残念でしたが、前作の冒頭に戻ったかのようなラストも嬉しかったです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-01-17 22:27:07) |
1462. おかしな二人
ジャック・レモン&ウォルター・マッソー。説明不要の名コンビがアパートの一室で延々とコントを繰り広げる。ストーリー的にはほんと、大した話じゃないけれど、面白い。何故にこんなに面白いのか。この2人だから、としか言いようがない世界ですね。綺麗好きで神経質なレモンと無精者で大雑把なマッソーの2人の可笑しな共同生活。マッソーはそんなレモンのやる事なす事全てが気に入らない。他の二人の共演作でもそうなのですが、このおかしな2人が絶妙の間を作り出し、仲良く喧嘩している姿をたっぷり楽しませてくれます。ポーカー仲間のおっさん連中もいい味で、彼らが加わるタイミングも絶妙でした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-01-17 22:21:09) |
1463. 見知らぬ乗客
《ネタバレ》 ヒッチコックのサスペンスとしてはストーリー的にはもっと面白い作品があると思いますが、それでもヒッチコックの映画職人ぶりを随所に感じる作品です。いつもながらこの人は眼鏡やライターなどの小道具の使い方が巧いし、それを排水溝に落としてしまうシーンなどで発揮される1つの小道具を有効に機能させるアイデアや見せ方、アクシデントの挿入のタイミングの巧みさには唸らされます。テニスの試合の観客席でガイを一人凝視するブルーノ、ブルーノの屋敷にガイが訪れるシーンなど節目となる場面を見る者に印象に残させる見せ方も巧い。ヒッチコックの巻き込まれサスペンスの主人公は勇敢で善人であって欲しいし、主人公のそんな一面がよく出ている最後の試合と、それに続くラストのメリーゴーランドのシーンが見事でした。そしてブルーノを演じたロバート・ウォーカーの不気味でねちっこい存在感が最後まで効いている作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2011-01-16 20:39:06) |
1464. 恋をしましょう
ストーリーの方はキャストを見ればお分かりの通りイヴ・モンタンとマリリン・モンローによるラブコメです。終盤まで2人の間に大して何も起こらずロマンスとしては盛り上がりに欠けるのですが、それでも見所満載のとても楽しい作品に仕上がっています。 まず、イヴ・モンタン。俳優としても歌手としても一流のエンターテイナーである彼が歌も演技もド素人の役を演じるコミカルな演技は必見。彼にレッスンをする役で大物がノンクレジットで本人の役で出ていますが、彼らとの絡みも実に楽しい。 ミルトン・バールが4000万人が笑い転げるという必殺ギャグを伝授するコントや、歌を教えるビング・クロスビーが歌はダメだから踊りでも習った方がいいとジーン・ケリーに電話をかけるくだりなんて最高ですよ。 そしてマリリン。マリリンが歌を披露する映画は他にもありますが、本作のマリリンが歌う姿は実に魅力的で、彼女が歌うシーンの全てが素晴らしい。この恋多き2人、本作の共演がきっかけで実際にスキャンダルに発展したのは有名な話ですが、映画の中ではとても微笑ましく楽しい共演を見せてくれる作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2011-01-15 21:55:08) |
1465. エレファント・マン
様々な人間が登場しましたが、中でも興味深かったのはトリーブス医師やケンドール夫人です。偽善という言葉も思い浮かびますが、彼らの行為を第三者がどう感じるかよりも、彼らの行為をメリック本人がどう感じていたのかが最も大切なのでしょう。鑑賞中は何度も涙が出ましたが・・・。鑑賞後も自分が涙した感情は一体何だったのか・・・?考えさせられる映画です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-01-14 23:33:26) |
1466. 地下鉄のザジ
何なんだこれは・・・?ポップで、何ともシュールな摩訶不思議ワールド。中盤以降はひたすらドタバタで最後はムチャクチャ、ストーリー性や辻褄などは度返しして、凝った編集を多用したその場のギャグや雰囲気を楽しむ映画なのでしょう。台詞も無く早送りやキャストのオーバーな動きだけで見せるシーンはサイレントの映画でも見ているような感覚でもありました。理解不能な部分もありますが嫌いな雰囲気でも無い。一言で言えば面白かったということになるのかな?そう思わされる勢いは確かにある、高得点の方の気持ちも低得点の方の気持ちも分かる世界でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-01-12 20:12:22)(良:1票) |
1467. 男はつらいよ 寅次郎恋愛塾
《ネタバレ》 シリーズの低迷期を象徴する作品だとは思いますが、樋口可南子演じる若菜のマドンナ像がいいし、前半の長崎の五島でのおばあさんとの出会いもいい作品です。しかし寅さんと若菜の関係が微妙。若菜が柴又を訪れた際に、若菜に柴又を案内するのに寅さんは家で待っていて満男に行かせるのですが、この辺が淋しいなあ・・・・。で、その後の話も寅さん自身も若菜に好意を抱いているもののマドンナに恋する、お馴染みの不器用な青年の恋に手を貸す話がメインになります。古典的な手を使い2人でデートさせる、まではいいのですが、そこに寅さんが全く絡まない2人のデートを延々と見せる。このデートの雰囲気はとてもいいのですが、その後も寅さんの話ではなくこの2人の話が続いていきます。しかしこれは「男はつらいよ」ですからね。やはり物足らないものを感じてしまいます。 [DVD(邦画)] 5点(2011-01-10 14:39:48) |
1468. ザ・ロック
エド・ハリスとショーン・コネリーはさすがにどんな映画でもシブく決めてくれますねえ。ただ、2時間超えの作品ですが無駄も多かったように思います。特にショーン・コネリー登場からアルカトラズ潜入までが長く、シスコの街での豪快なカーチェイスの間は肝心のアルカトラズで起こっていることを忘れそうでしたよ。終盤は本作の2枚看板の2人がせっかく同じ側になるのだから、もう少しこの2人が一緒のシーンを見たかったなあ・・・。人質はほとんど無視状態でしたが、この人質の使い方次第でもっと緊迫感が出たのでは。弱そうな化学屋さんのニコラス・ケイジの驚異的な武運の強さが何か面白かった。この人はこんな感じがいいのかな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-01-10 00:10:13) |
1469. ウェールズの山
《ネタバレ》 田舎の村に起こった一大事に村人が一致団結し、一大事のきっかけになった都会からの客を村ぐるみで誤魔化しながら、奮闘する村の人間模様をコミカルに描く。 たまに見かける題材であり、よそ者から見ればやっていることは結構バカバカしいものであったりする。しかしその土地ごとに歴史や文化があり、それを守るために最初はいがみ合うこともあるが、年寄りも若者も最後は皆が団結してやり遂げる。こういう映画、好きなんですよ。しかも本作の場合は実話というのもいい。 こういう映画は村人の個性のバリエーションに適度なアクシデントとユーモアの配分が重要なのですが、その点も実話をベースにしながらも巧くいっている作品だと思います。 そして「丘に登って山から降りた男」という原題が見事。このタイトルだけ見れば何の事か全く分かりませんが、見れば納得のユーモアがあって素敵なタイトルです。よって既に触れられている方もありますが邦題が残念な作品ですね。 [DVD(吹替)] 7点(2011-01-08 18:17:15) |
1470. ナポリ湾
晩年のクラーク・ゲーブルとまだ20代半ばのソフィア・ローレンという異色の組み合わせによる、ナポリの沖合いに浮かぶ美しい島を舞台にしたラブコメ。さすがに設定に無理はありますが、パワフルなソフィア・ローレンの演技と、それを品があって余裕のある演技で受け止めるゲーブル、2人の味のある掛け合いが楽しめます。 僕はソフィア・ローレンについては、たくましく生きる姿とか人間としての芯の強さなんかを感じてしまいます。本作でも基本的には陽気で豪快に笑い、やはり強さを感じるのですが、本作のソフィアはとても綺麗で、クラブで歌う姿などはとても可愛らしさを感じました。 また、本作は俳優ヴィットリオ・デ・シーカとの共演作でもあります。この頃からデ・シーカは自らの監督作で立て続けにソフィアを起用していますが、そういう意味ではデ・シーカとの共演というのも彼女にとっては分岐点となった作品なのかもしれません。 [DVD(字幕)] 6点(2011-01-08 18:11:54) |
1471. 人生万歳!
《ネタバレ》 見てよかった、と納得のウディ・アレンらしい映画でした。自らが演じアレン映画に何度も登場した○○恐怖症の男といった役どころ。本作の主人公の男も人間嫌いの暗闇恐怖症の頑固爺さんといったところか。 監督・脚本・主演の3役をこなすのがアレン流スタイルだったものの、近年はさすがに映画には出なくなってきましたが、本作はちょっと違うキャラクターになっていただろうけれど、アレン自らに演じてほしい役どころでした。 最初は一人暮らしのこの男のアパートに宿無し文無し娘が転がり込んできて、この2人のロマンスかと思って見始めましたが、中盤以降は老若男女、様々な人物が二人の前に現れる。そこに無駄な登場人物は全く無く、気が付けば現れた全ての人物が絶妙に絡み合って様々な愛のカタチを織り成す群像劇へと話が発展していく、その語り口が見事な一編でした。 主人公の男が見ている僕達の方に向かって何度もスクリーンを通して語りかけてきますが、このアレン流人生に対する前向きなメッセージも実に気分良く楽しむことが出来る作品でした。 [映画館(字幕)] 8点(2011-01-07 21:12:22) |
1472. 小聯隊長(小連隊長)
カラーライズ・バージョンで鑑賞。アメリカの象徴とまで言われた不世出の天才子役、テンプルちゃんの魅力あふれるとても陽気な西部開拓の時代の南部の地を舞台にしたホームドラマです。 よってテンプルちゃん演じる小さな大佐の白人一家と、多くの黒人が登場しますが全て白人の家の使用人となっており、役割分担に明確な区別がありますが、皆がとても元気で陽気。そんな全ての大人達がテンプルちゃんを見守る目はとても優しくあたたかい。そして本作を見る大人も彼らと同じ目で終始ニコニコして作品を見ることになります。 本作のもう1つの見所はタップの神様ことビル・ロビンソン。屋敷の階段を使っての素晴らしいタップをたっぷりと見せてくれます。勿論終盤にはテンプルちゃんとのタップの競演の場面もしっかりと用意されています。 ストーリーの方も一家の危機にものんびりと安心してテンプルちゃんの活躍を見ていればいいし、ラストは絵に描いたハッピーエンドですが、本作はそれで良し。80分程度の短い尺の中に見所が一杯詰まった愛すべき作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2011-01-07 00:10:11) |
1473. アマルフィ 女神の報酬
オールイタリアロケの雰囲気は悪くないのですが色々と惜しい作品。誘拐事件、その裏に隠された真相とは?という題材にしては緊迫感に欠けたし、音楽の使い方に関しては頻繁に流れる”time to say goodbye”をもう少し巧く使えなかったか・・・。ストーリー上重要な位置にいる佐藤浩市の登場のさせ方はあまりにもバレバレではなかったか。大使館のスタッフに豪華な顔ぶれを並べるよりは、もう少し大使館の外の登場人物がいても良かったと思います。フジテレビ開局50周年を記念して?キャストはつまらない役でもかなり豪華になっています。織田裕二は頑張っていたと思いますが、ちょっと作りすぎのように感じました。見応えは無いものの作品の雰囲気やテンポは悪くないので退屈する事無く見ることは出来ました。 [地上波(邦画)] 4点(2011-01-04 20:55:05)(良:1票) |
1474. ショウタイム
エディ・マーフィーはこんなものとしてもデ・ニーロの映画としては上手くいっていない作品。その作品の中でこの役はデ・ニーロでなければならない、というもの見せてくれる人なんですが、本作に関してはそんな名優デ・ニーロらしさというものが感じられず。何かデ・ニーロが乗り切れていないのが気になりました。特筆すべき心に残るものも無く、そんなデ・ニーロに見ている僕の方まで乗り切れないまま終わってしまったような作品でした。 [地上波(吹替)] 3点(2011-01-03 01:13:42) |
1475. クリスマス・ストーリー
《ネタバレ》 クリスマスに合わせて公開され楽しみにしていた作品でしたが、大晦日にようやく鑑賞。期待通り重厚で見応えのあるホームドラマでした。家族の相関図がちょっと複雑なのですが、その複雑なそれぞれの関係がしっかり物語の中で生きています。 母親の白血病の治療のため骨髄移植が必要になり、久々にクリスマスに合わせて顔を揃えた家族のクリスマス前後の数日の人間模様が、過去、そして現在の家族それぞれの様々な事情を交えながら描かれていきます。 一見どこにでもありそうな家族。しかしこの世の全ての家族に何かしらの事情がありドラマがあり、それを大げさになりすぎず見事に普通に表現し、味わいのある家族の絆の物語を見せてくれた豪華キャストそれぞれの演技も見応え十分。特に数年前にある事情で家族と疎遠になっていたアンリの存在が効いており、一家の問題児的存在であった彼の骨髄が母に移植されていくシーンが感動的でした。「血は水よりも濃い」という諺を思い出しました。 [映画館(字幕)] 8点(2010-12-31 18:36:07) |
1476. ミリオンダラー・ホテル
僕が今までに見てきたヴェンダース作品の主人公の多くは心に傷を負っていたり、不器用で要領よく生きていく事が出来ない人間だった。 本作でも主人公のトムトムをはじめ、ミリオンダラーホテルの住人は皆社会に行き場を失った人々だ。本作の主人公である知的障害を抱えるトムトムのエロイーズへの愛はそんなトムトムであるがゆえ純粋で、優しさを感じさせてくれるロマンスでした。そして青を強調した美しい映像と音楽へのこだわり。ヴェンダースらしさが感じられる映画でした。 その一方で本作はミステリーでもあるのですが、こちらの方がいまひとつで、捜査官のメル・ギブソンが作品の中にどうも馴染んでいない。ミステリーの要素を入れるよりも、2人のロマンスとそんな2人に絡むミリオンダラーホテルの人々の人間模様をじっくりとみせるドラマに絞った作品にした方が良かったのではないかと感じました。 [DVD(字幕)] 5点(2010-12-29 21:05:19) |
1477. バーレスク
《ネタバレ》 まずは、映画館で見て良かったと思える映画でした。この迫力のパフォーマンスは家のちっこいTVで見るのと映画館の音響と大スクリーンで見るのでは大違いです! 脇を固める登場人物については、まずはシェールの醸し出す存在感、オーラが凄い。さらにはお約束な感じになりますが、ヒロインに熱い視線を注ぐ、金持ち男とまだ夢を追いかけている途中の金の無い男、この2人の対照的な男に、ヒロインに主役の座を奪われライバル意識むき出しに時にはヒロインの邪魔をするダンサーといった登場人物の配置とストーリーを分かりやすすぎるくらいにして、さあクリスティーナのパフォーマンスを十分ご堪能下さい!といった映画でしょうか。 田舎から己の芸1つで成功を夢見て都会に出てくる若者の恋とサクセスストーリーを描いた映画は昔から幾度となく作られた題材。こういう映画は、そのパフォーマンスを堪能できて主人公がスターへの階段を登って行く様子を気分良く見ることが出来ればいいのではないでしょうか。 クリスティーナのステージに比重がかかっている作品ですが、衣装にダンスに曲調にステージの雰囲気に、と手を変え品を変えで彼女のパフォーマンスも十分堪能できる作品でした。 平日の昼イチの回で見たのですが、ご年配の方に冬休み中の学生さんに僕のようなスーツ姿で昼間から外回りサボってるの丸分かり風の男に、とても幅広い客層で満席になっていたのがなんか嬉しかったです。 [映画館(字幕)] 7点(2010-12-27 20:41:13)(笑:1票) (良:1票) |
1478. センチメンタル・アドベンチャー
《ネタバレ》 一人の人間の壮絶な生き様と死を見つめた作品ですが、旅の道中の程よいユーモアのある人物描写とエピソードに途中は心が和まされる場面も多い作品です。特に実の息子カイルとの共演は勿論の事、旅の道中で出入りするおじいさんと女の子の存在がいい。冒頭から病魔に侵されたイーストウッド演じるレッドの運命は想像がつく。その上で彼が死の間際まで己の夢にかける生き様を見せる。作中の台詞にもありましたが文字通りラストチャンスの己の夢を追いかけた男の生き様は一緒に旅を続けた甥の心に生涯残るはずだ。そういう意味ではイーストウッドの作品で、最後には壮絶な結末が待っている、少年を連れて旅に出る男のロードムービーとしては「パーフェクト・ワールド」という作品もありますが、僕は本作の方が断然いいと思いました。 [DVD(字幕)] 7点(2010-12-25 22:33:41) |
1479. みんな元気(1990)
《ネタバレ》 観る前はもっとコメディ色が強いと思っていた。一方でトルナトーレ監督が普通にコメディは撮らないだろうとも思っていましたが、やはり本作もトルナトーレらしく人生のホロ苦さ、厳しさを見せ、本土に暮らす子ども達を訪ねる一人旅をする孤独なシチリアの老人の姿が哀しい作品でした。 特に列車の中で家族写真を落とす度に拾ってくれた人に延々と家族自慢を繰り広げていた彼が旅を終えて帰郷する最後の車中では実にそっけない受け応えをするシーンは辛いものがあります。今では子ども達は大人になりそれぞれに悩みや事情を抱え、妻もこの世を去っていますが、いつまでも昔の家族の姿を見続ける姿、子ども達は何の問題も無くみんな元気だと妻の墓前に報告するその姿は哀しかった。 その一方、冒頭で「親は子どもが小さい時には早く大人になれと言い、大人になるとずっと子どもでいてほしいと思う」というこの老人の台詞がありましたが、どれだけ年月が経ち状況が変わろうとも我が子を愛し誇りに思う気持ちが伝わってくるし、昔から変わらない一家の合図である口笛には何があろうともやっぱり家族なんだ、と感じさせてくれました。 [ビデオ(字幕)] 7点(2010-12-23 17:11:22) |
1480. シチリア!シチリア!
《ネタバレ》 トルナトーレ監督が久しぶりに故郷シチリアに帰ってきた。勿論盟友エンニオ・モリコーネも一緒だ。本作でも凄い音楽で作品を盛り上げます。本作もトルナトーレの代表作と同様に彼の故郷シチリアを愛する思いを非常に強く感じる作品でした。 主人公の男がいて、彼の少年時代である戦争中から戦後、そして初老に差し掛かるまでを一気に見せる叙事詩であり、この男が話の軸になっています。 しかし貧しくとも明るく生きる名も無き庶民が暮らす小さな町ヴァーリアそのものが主人公であるかのようなドラマとして楽しんだ。町を駆け抜ける少年が空に舞い上がり作品の舞台となる町全体を見せるダイナミックな冒頭に続き、戦争中のファシストの支配にも負けず明るく生きる戦争中のヴァーリアの人間模様も、戦後のマフィアや政治と人々との関わりもユーモアもたっぷり交え描かれます。 そんなヴァーリアの町を捉える素晴らしいカメラワークにモリコーネの音楽にトルナトーレの故郷への思いが一体になり見せる町のどのシーンもとても美しく迫力がある作品でした。 [映画館(字幕)] 8点(2010-12-22 22:06:36)(良:2票) |