1481. 千年の恋 ひかる源氏物語
《ネタバレ》 舞台が似合うような演出なので、舞台を映像で見たときに感じる物足りなさがある。 キャスト、衣装、セットは豪華なのに、ストーリーがダイジェスト的で味気なく退屈。 源氏物語の筋を知らないと楽しめないし、知っていたら知っていたで随所でイメージが違ってくるかも。 宝塚じゃないんだから、光源氏はやっぱり男が演じないと。 歌う松田聖子の浮きっぷりも半端なかった。 ファンタジー色を加えるとこうなるのか。 [地上波(邦画)] 3点(2013-01-19 23:08:51) |
1482. ひぐらしのなく頃に
《ネタバレ》 コミックは読んでいたけど、この映画化は失敗か。 自主映画レベルの演技と演出で、「嘘だ!」の文字には口あんぐり。 メインキャストにも惹きつける魅力が乏しい。 ストーリーは映画化するなら独立した作品として完結させるべき。 原作や続編を待たないとわけがわからないようなら、それは失敗作といえるのでは。 未解決のまま放り出された感があって、これではスッキリしない。 続編を見るのが前提の作りなら、制作サイドが勝手すぎる。 そんな続編だったら意地でも見たくない。 [DVD(邦画)] 1点(2013-01-19 23:07:28) |
1483. GTO
《ネタバレ》 原作の漫画もドラマも好きで全部見たけど、この映画版は…。 松嶋菜々子の不在も大きい。 鬼塚と正反対の人物がいてこそ、鬼塚のキャラもより活きてくるのだが、藤原紀香の役はそれをまったく果たしていない。 その上、本筋にほとんどリンクしていないので、いなくてもよかったくらい。 ストーリーも陳腐で、田中麗奈も活かせていない。 綾乃が変わってしまったのは親友が転校するときに放った言葉がきっかけだが、唐突にあんなこと言うなんて不自然極まりない。 描写が全般的に浅いので感情移入もできなくて、感動すべきところでシラケてしまう。 まさか北海道ロケで気球でも飛ばせばスペシャル感が出ると安易に思ったんじゃないだろうなと疑いたくなる。 ベースがあってもスタッフが変わるとこうも違ってくるものか。 人気連続ドラマの映画版となると、テレビで見るよりハードルが上がるもの。 わざわざ映画にするほどの内容ではなく、逆にテレビドラマより質が落ちるとなると評価も厳しくなってしまう。 [ビデオ(邦画)] 2点(2013-01-19 23:06:06) |
1484. 北斎漫画
《ネタバレ》 曲亭馬琴と北斎のやりとりが江戸の当時を想像できて楽しい。 緒形拳、西田敏行、田中裕子の三人が達者で、軽妙な会話に笑えるシーンが幾つもある。 田中裕子と樋口可南子が思い切り良く脱いでいるが、まったく違った女を演じていておもしろい。 田中裕子は北斎の娘役で、無邪気でユーモラスないい味を出している。 密かに好きだった馬琴の手伝いを勘違いして帯を解きだしたのは微笑ましかった。 樋口可南子は魔性の女の妖艶さが出ていた。 映画の売りになっていた大ダコとの絡みはインパクトがある。 大ダコの作りがチープだったのが気になったが。 北斎といえば切手になってる絵くらいのイメージしかなかったが、人となりに触れたような気になる。 バイタリティあふれる北斎の生き様には圧倒される。 作品に対するメラメラとした執念がすごい。 頻繁な改号や転居、エピソードも奇行が目立つ人物だが、芸術家本来の姿を教えてくれるようだ。 [ビデオ(邦画)] 7点(2013-01-19 23:04:34) |
1485. 猟奇的な彼女
冴えない男が気の強い女に振り回されるだけかと思いきや、だんだんステキなカップルに見えてくる。 スカーレット・オハラのワガママ自己中は嫌悪感を催すけど、彼女のは愛しく思えてしまう。 その辺りの匙加減がよかったし、なにより脚本が伏線をうまく張りながらよくできていた。 [ビデオ(吹替)] 8点(2013-01-18 23:24:48) |
1486. 月光の囁き
つぐみのエロさだけで、他は見るべきものがない。 主人公の屈折したド変態ぶりに引いてしまう。 高校生同士でこんなアブノーマルな恋愛はちょっと…。 この性癖に共感できる人にはたまらないだろうが、すごくシリアスな場面なのに笑ってしまった。 [ビデオ(吹替)] 4点(2013-01-18 23:22:34) |
1487. 1999年の夏休み
宝塚系で少女が少年を演じ、その少年たちの間の同性愛が描かれるのだが、こういう世界は生理的に受け付けない。 作品の出来不出来というより、好みの問題。 [ビデオ(邦画)] 2点(2013-01-18 23:20:44) |
1488. 満月 MR.MOONLIGHT
タイムスリップで津軽藩の侍が現代に。 そこで出会った女教師と恋に落ちるファンタジーだけど、二人の恋にあまり感情移入できず。 タイムスリップもありがちなストーリーなので、プラスアルファがないと物足りない。 [ビデオ(邦画)] 4点(2013-01-18 23:19:12) |
1489. 明るいほうへ 明るいほうへ -童謡詩人 金子みすゞ- <TVM>
映画の中で時折り挟まれる金子みすずの温かい詩が心に残る。 金子みすずがこんな悲しい人生を送っていたなんて知らなかった。 [ビデオ(邦画)] 5点(2013-01-18 23:17:13) |
1490. ナインハーフ
当時、エロシーンが話題で見てみたが、それ以上でもそれ以下でもなく。 キム・ベイジンガーはいいんだけど、ミッキー・ロークがあまり好きじゃない。 [ビデオ(吹替)] 4点(2013-01-18 23:14:36) |
1491. サッド ヴァケイション
《ネタバレ》 千代子の包み込むような母性が、捨てられた建次の燃えさかる復讐心を鎮める。 そんな画を描きたかったのだと思うが、ピンとこなかった。 あれって母性で片付けられるのかどうか、どうしてそういう行動になるのか共感できない。 [映画館(邦画)] 4点(2013-01-18 23:12:31) |
1492. サイダーハウス・ルール
《ネタバレ》 孤児院を飛び出して広い外の世界を体験したかったホーマーの心情は共感できる。 シャーリーズ・セロンの美貌が印象的。 こんな人妻がそばにいたら気持ちが持ってかれるのもわかるが、出征している旦那が気の毒すぎる。 美しい人妻との恋に溺れて院長の呼びかけにも戻らなかったホーマーに、院長の落胆はいかばかりだったろう。 さまざまな事件は起きるが特別な悪人がいるわけではなく、それぞれのルールで精一杯に生きている。 サンダーハウス(林檎園)の小屋に住んでもいない者が押し付けたルールなど受け入れられない。 そんな黒人たちからは、ルールは自分たちで決めるという強い意思が伝わってくる。 もっとも、この作品に登場する人たちのマイルールは、時にずいぶん自分勝手なものもあるのだけど。 直面した現実にそぐわない法律を破って中絶手術をするホーマーには、明らかな心の変化が見られる。 孤児院に戻って院長の役目を果たす姿には、孤児院を飛び出す前とは違って曇りがない。 温かく育ててくれた院長や孤児院のありがたさは、外の世界に出なければ実感できなかったのかもしれない。 決して派手ではなく静かだけれど、いい映画だ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2013-01-17 22:00:15) |
1493. KIDS/キッズ
ドラッグとSEXに耽るティーンの生態。 その中で起きたエイズ騒動。 あまり身近な感じがせず、ストーリーもひねりや新鮮味に欠ける。 [ビデオ(吹替)] 4点(2013-01-17 21:58:57) |
1494. エッチを狙え! -「イヌネコ。」-
《ネタバレ》 葉月京の漫画「イヌネコ。」の映画化だが、なんともチープな出来栄えで、誰も見ない深夜テレビの低予算ドラマのよう。 カミナリで人格が入れ替わったり、女子高の先生目当てに男子が女装して入学したり、とにかく設定が古臭い。 ひと昔前のコメディのようで笑えないし、かといってエロスもほとんどない。 ベタ展開の薄っぺらな作品なので、GYAOの無料配信ならまだ許せるけど、お金を払って見る価値があるかどうか…。 [インターネット(字幕)] 2点(2013-01-17 21:57:05) |
1495. オールド・ボーイ(2003)
《ネタバレ》 誰が何の目的で15年間も監禁したのか、謎を追究する主人公に自然と思いを重ねてしまい、最後まで引っ張られる。 その謎を解くキーはなぜ解放したかにあったというのが、意表をつく展開で良かった。 日本の漫画が原作だけに、劇画的な部分もあちこちに感じられる。 15年間の監禁生活で体を鍛えイメージトレーニングを重ね、大勢の敵を金槌で倒せる格闘の達人になるなんて、いかにも漫画チック。 少年の頃に持つような空手の通信講座で達人になる空想を、そのまま映像化したかのよう。 リアリティはまったくないけど、これはこれで楽しい。 ただ、犯行動機と手段が近親相姦も関わってあまりに衝撃的でシリアスなもの。 なので、時折り混ざっていたギャグタッチの描写とのギャップに違和感はあった。 そういうのもないと重くなりすぎるのかもしれないが。 アラを探せば、主人公が解放後に一番気になるはずの娘の消息を追わなかったのはおかしい。 また、万能薬的なアイテムともいえる催眠術を使っているのも引っかかる。 ただ、そうしたことをさほど気にならなくさせるだけの勢いがこの映画にはある。 ウジンの犯行動機は理不尽な逆恨みに近く、これほど苛酷な復讐はありえないと思われるかも。 でも、イカレた人間の逆恨みのターゲットになる怖さは今の社会なら常に潜在しているので、絵空事とまでは思えない。 タブーを恐れないアンダーグラウンドの臭いがして面白い映画だった。 [DVD(吹替)] 8点(2013-01-17 21:55:48)(良:1票) |
1496. プラダを着た悪魔
《ネタバレ》 鬼上司ミランダのふるまいに、自然とアンドレアに肩入れしてしまう。 ミランダもプライベートでは思わぬ人間らしい弱さを垣間見せて面白い。 アンが変わっていくにつれて、彼氏など今までの人間関係もギクシャクしていく様子がうまく描かれている。 夢のために人を冷酷に切り捨てていくミランダの生き方を、アンは最終的には選ばなかった。 ミランダは見込んだ相手に去られて、ダメージも大きかっただろう。 それなのに、アンの生き方を認めて再就職を陰でサポートしていたのが粋でよかった。 脚本がよくできていて、テンポと起伏があって最後まで一気に見せてしまう。 ただ、うまくまとめているものの、予想の範囲内ではあるのであまり後には残らないかも。 [DVD(吹替)] 7点(2013-01-16 22:12:32)(良:1票) |
1497. エレベーターを降りて左
《ネタバレ》 行動が裏目裏目に出て誤解が誤解を生むドタバタコメディ。 自動ロックの締め出しと、拳銃とおもちゃのライターの取り違えが、何度も繰り返される。 隣室の夫婦の感情がころころ変わって、別れる愛してるの繰り返しで面倒臭くなってくる。 片思いのマダムや部屋の清掃婦を巻き込んでの痴情のもつれもあってややこしい。 もう少し話がスッキリ整理されていたらよかったのだが。 印象に残ったのは、なんといってもエマニュエル・ベアール。 初めて見たけど、とてもキュートでコケティッシュ。 ストーリーの物足りなさをカバーするほどの存在感。 その後、ベアールの出演作を幾つか見たものの、ここでの小悪魔的なキャラが一番合っていたかも。 あっけらかんと男を虜にする女。 [ビデオ(字幕)] 5点(2013-01-16 22:10:54) |
1498. 成熟
《ネタバレ》 デビュー作の瑞々しいヌードで話題になった関根恵子だが、本作ではそういうシーンはない。 あくまで純愛青春ものに仕上がっている。 庄内弁や庄内の風景など地方色を生かした叙情は豊か。 ただ、設定やストーリーがさすがに時代を感じさせて、今みると相当古臭い。 水産高校と農業高校というライバル校にいる男女が、あらぬウワサを立てられて東京へ駆け落ちしようとする。 でも、二人とも故郷の海や田んぼから離れられられずに――。 後半からは陳腐な展開にダレてしまった。 ラストもコントになりそうなほどの青春臭さで、なんだか気恥ずかしくなってくる。 [ビデオ(邦画)] 3点(2013-01-16 22:08:20) |
1499. 緑の街
《ネタバレ》 主人公草介が始めて映画監督にチャレンジする人気ミュージシャンという設定で、監督の小田和正自身がモデル。 デビュー作「いつかどこかで」に続く二作目で、デビュー作で苦労した実体験が生かされている。 映画の基礎知識もない素人監督の甘さと、熟練スタッフの強烈な自負心がリアルで、双方の軋轢が伝わってくる。 この辺りは、俯瞰で見つめることができる小田監督に少し感心してしまった。 多くの人の共感を呼ぶ歌詞をつくることができるだけあって、人の気持ちを察する繊細さが生きてくる。 草介は自分と元恋人の信子のことを映画にして、信子を女優に復帰させている。 自伝的映画を撮って、信子とのことを完了させようとしているわけだ。 ところが、信子は草介の書いたセリフが自分の気持ちとかけ離れていてそのセリフがどうしても言えない。 そうした信子の感情が伝わりきらなかったせいか、二人の恋愛感情に乗れなかった。 信子が別れを肯定的に受け止めた流れも、いまひとつ掴めない。 なので、エンディングの撮影での信子のセリフも、感動するまでには至らなかった。 草介の映画づくりの動機が恋愛がらみの極めて私的なものだったのが、ちょっと気に入らなかった。 映画づくりへの思いというより、信子への思いが先行している。 一人で何でもできると思い上がっていた草介が、みんなの力で作り上げることに目を向ける過程はそれなりに感動的ではある。 ただ、急にスタッフが草介に協力的になったのはできすぎの感も。 草介のやったことは重さんに訴えたこととスタッフに手紙を書いたことで、事態をまるっきり変えるには描写が弱い気がする。 [ビデオ(邦画)] 4点(2013-01-16 22:03:46)(良:1票) |
1500. 転々
《ネタバレ》 全編に散りばめられた洒落っ気のある小ネタが見どころ。 臭いつむじ、岸辺一徳、時計屋のカンフーなど、ストーリーの本筋とはあまり関係ない小ネタも多いが面白い。 あるあるネタも多く、思わずニヤッとさせられる。 登場するのはクセのある人物が多くてユニーク。 擬似家族の体験でカレーを食べながら泣く文哉。 息子を小さい時に亡くしたらしい福原と、親に捨てられた文哉が、本当の父子のように見えて微笑ましい。 福原と文哉の散歩は、福原が妻を殺した後というような緊迫感や暗さはない。 終始ゆるくて遊び心を感じる映画で、独特の雰囲気に包まれている。 随所に感じる会話のセンスはすばらしいが、ストーリーの起伏で巻き込まれる感じはない。 まさに散歩と同じようなゆるさと遊び心を持つ映画なので、それが性に合わないとダレてしまう。 散歩するようなつもりで見ると、ちょうど波長が合う映画だろう。 逆にいえば、散歩したくないときに無理やり散歩させられている気分になるかもしれない。 [映画館(邦画)] 4点(2013-01-16 22:00:57) |