141. 偽りの花園
《ネタバレ》 ベティ・デイビス、当時33歳くらい?嘘でしょ?って思うくらいのド迫力。やはり凄い女優さんです!良くも悪くも印象的なシーンが本当に多い、見応え充分の作品です。個人的には汽車で積極的に人に話しかけるようアドバイスされた後、汽車が動き出し前の座席の人を見るテレサ・ライトの戸惑いの表情。これはもう、たまりません! [ビデオ(字幕)] 7点(2006-10-01 23:51:13) |
142. バルカン超特急(1938)
《ネタバレ》 めちゃめちゃ面白い。つかみはホテルの支配人に任せて、後は主役脇役入り乱れて疾走するサスペンス!車窓から文字が浮かび上がった瞬間は"志村ー、うしろー!"の小学生と化してしまう自分がいた。様々な上質のエッセンスが詰まっているのに、驚くほどスッキリとした喉ごし、ヒッチコックの気合いがバッチリ決まりまくった快作です。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-10-01 23:47:55) |
143. 外人部隊(1933)
《ネタバレ》 ラブシーンも含め、女の撮り方がエロチックで巧い。運命に翻弄される自己チュー兼アル中ピエールの成れの果てを暗示するラスト。泣き崩れるのはフランソワーズ・ロゼーのみ。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-09-30 22:21:03) |
144. 痴人の愛(1934)
《ネタバレ》 ベティ・デイビスの粘っこい喋り方、シカト演技で冷酷さを引っ張り、キレまくった縦横無尽の表情のドアップが強烈なインパクト、そしてラストの瀕死の顔。若きベティ・デイビスの演技を堪能できます。ただし映画としては最初から最後まで突っ込みまくりですけど。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-09-30 22:19:54) |
145. イヴの総て
このみなぎる緊張感、ラストまで完璧。ベッドに横たわるベティ・デイビスのアップ、照明に照らされて浮き上がる顔のしわ。生々しすぎる。しわだけで無く名優たちの迫真の演技も最高に生々しい。映画全体を覆う都会的なトーンと、そのゾクゾクする生々しさ が絶妙絡み合って、そのハーモニーが完成度を押し上げている傑作。 [DVD(字幕)] 9点(2006-09-30 22:18:33) |
146. 我等の生涯の最良の年
《ネタバレ》 おそらくは、この年にしか描けなかった時代の質感がギューッと詰まっているのも関わらず、どこも偏っていないフェアな視点が、製作後60年以上経過した今観ても色褪せるどころか瑞々しい輝きを放っているところが凄すぎる。家に戻る復員兵、戻る側も待つ側もそれぞれの喜びと戸惑いが交錯する感情が丁寧に描かれており、まさに人間ドラマとして大変な出来栄えで流石ワイラー監督と唸らずにはおれません。 [ビデオ(字幕)] 9点(2006-09-25 00:27:16) |
147. にんじん(1932)
《ネタバレ》 前半は全くつまらないけど、後半のにんじんが反攻を始めたあたりからグッと引き込まれます。母親が異常すぎるだけで、父親もたいがい酷い。しかしこのありがちな酷さが妙にリアル。何も解決していないけど、ラストの乾杯がこの映画の唯一の救い。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-09-25 00:25:52) |
148. ラスト・ワルツ
昔、ラジカセのガチャ音で聴きまくったザ・バンドのファーストやセカンド。蒸し暑い夏の夜、汗ばんだ体の記憶を蘇らせる『南十字星』そして、音楽があって人がいる、人がいて音楽がある。ひとときの演奏でありながら、インタビューを上手に盛り込んでいるのもあって、演奏シーンに人との関わり、奥行きを感じさせる。いいなぁ~、最高にいいバンドやなぁ~、ディランも最高やな~、そしてニール・ヤング。あの声。遠い記憶、東京駅前の雑踏の中で突如爆音で流れてきたCSN&Yの"ヘルプレス" 行き交う人のはざまで、ただその曲にだけ集中していたほんの少しの時間の思い出が残っている。そんな思いとシーンの記憶、万感の映像。 [DVD(字幕)] 7点(2006-09-09 11:52:03) |
149. 我等の仲間
《ネタバレ》 ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の描く情感が、自分はたまらなく好きです。この作品も開始早々から"ぷふぁ-っ"と喉ごしよく楽しめます。5人の仲間で買った宝くじが当たって10万フランを得て、共同で別荘を作る夢を語り合うシーンとか最高です。若きジャン・ギャバンもカッコいいし、何よりも魅惑のヴィヴィアンヌ・ロマンス!この女は怖い。ただし、自分が観たビデオは日本公開版とは異なるラストシーンのようで、本当はそっちを観てからコメント書くべきですよね、すみません。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-09-03 00:38:39) |
150. 自由を我等に
発想とアイデァはスゴい、風刺も効いててギャグもいいし(あまり笑えないけど)音楽もいい、見所の多い作品。だけど全体としてあまり面白くなかったのは、登場人物に魅力を感じなかったからだろうか? [ビデオ(字幕)] 5点(2006-09-03 00:36:56) |
151. 巴里祭
何と気持ちのいい作品なんでしょう!おまけにレヴューまで気持ちいいのだから、これ以上何が語れる?って感じもしますが・・・。この映画はこの時代の巴里の下町に、自分自身が降り立ってしまう。このフィルムの中に登場人物の一人として存在しているかのような錯覚を覚えるほどの気持ちよさ。そして惹かれあいつつも反発してしまう微妙な状態を、雷が後押しする最初のキスシーンは絶妙。突然降り出す雨さえも、ホント気持ちいい作品です。 [ビデオ(字幕)] 9点(2006-09-02 10:46:00) |
152. 犯罪王リコ
《ネタバレ》 エドワード・G・ロビンソン、この滑稽と紙一重の狂気、この類稀なキャラクターが最高。タキシードを誂えて鏡の前でポーズを取るシーンなど象徴的に思えるギリギリ感。まさにトーキー初期ギャング映画の傑作。そして離れていった盟友の看板の下で息絶えるラストシーン。巧い、凄い、面白い。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-09-02 10:43:39)(良:1票) |
153. わが谷は緑なりき
映画全体から特別なオーラが出ている。この作品そのものがゴスペルであり芸術だと思う。好きな映画はいろいろ思い浮かぶけど、自分にとって一番重要な、または一番大切な作品だという意味では、これぞマイ・ベスト。 [DVD(字幕)] 10点(2006-08-27 12:06:15) |
154. 太陽はひとりぼっち
《ネタバレ》 これも大好きな映画。研ぎ澄まされた映像、描かれている出来事や現象の理由は殆ど明らかにされないけど、その視覚的効果によって次々とイマジネーションを呼び起こされていく為、静寂が続く画面の切り替りであってもグイグイと引きつけられていく。もの凄いリアリティ、モニカ・ウィッティも素晴らしい。 [DVD(字幕)] 8点(2006-08-27 09:03:15) |
155. 続・夕陽のガンマン/地獄の決斗
《ネタバレ》 ゆったりと時間は流れ、たっぷりと見せ場が詰め込まれ、どっぷりと陶酔しレオーネの世界にしたりきってしまう。これはもう大好きですね、たまりません。クライマックスの決斗シーンは、3人の顔と腰を順々に追い、モリコーネの音楽がひたすら緊張感を盛り上げていく。即興じゃないの?こんのもん計算で出来てしまうの?今考えれば結果的に、映画以上にテレビ製作に悪い影響与えてしまったなぁ~という気がしないでもない引っ張りようですが、とにかく完璧にドラマチック。また全編に渡って最高と最低のコントラストを逆転に次ぐ逆転で見事に描ききっています。ラストの死と大金のはざまで苦悶のイーライ・ウォラック、この極限状態に思わずふきだしそうになり、九死に一生を得た後のイーストウッドへの突っ込みには爆笑でした。 [DVD(字幕)] 9点(2006-08-27 09:01:45)(良:2票) |
156. 夕陽のガンマン
《ネタバレ》 敵と対面したら先ず一服、この余裕とタメのカッコよさ。渋すぎるイーストウッド、復讐の鬼でありながら常に抑えたクールな、そしてクールなだけでないリー・バン・クリーフは最高の役どころ!この印象的なラストシーン、素晴らしきエンターティメント。 [DVD(字幕)] 7点(2006-08-27 08:59:50) |
157. ウエスタン
《ネタバレ》 初めてこの映画を観たときに、自分の中にある壁やカテゴリーやその他諸々を、木端微塵に粉砕されたあまりにも強烈で美しく、感動的な作品です。レオーネとモリコーネの化学反応の結晶、特にブロンソンとヘンリー・フォンダの決闘からクラウディア・カルディナーレとの叙情詩的な別れのシーン、そしてラストの駅に汽車が到達するシーンのクライマックスまでの流れは、もう鳥肌が立ちまくりです。更にこれはもう男が憧れる男の生き様が凝縮されていると言う意味でも、愛すべき素晴らしき作品です。 [DVD(字幕)] 10点(2006-08-20 23:50:45) |
158. 夜
《ネタバレ》 アントニオーニの映像の世界にどっぷり浸れます。オープニングの病院のシーンもいいし、富豪邸のパーティーの後のシーンのどれもが印象深い。人間が人間らしくあるが故の、痛いところや寂しいところがヒリヒリ沁み込みんでくるようで、ラストのマストロヤンニの押し倒してのキスの雨には、まるで我がことのようにハッとさせられました。 それにしてもマストロヤンニもジャンヌ・モローもまったくオイシくない役柄のようで、ある意味主役二人が汚れであり、言い換えれば流石に巧いです。反面、モニカ・ヴィッティは登場シーンが少ないながらも魅力全開で、最後の足で電気を消して、パッとシルエットに変わるシーンはあまりにも出来すぎですね。 [DVD(字幕)] 6点(2006-08-20 23:49:15) |
159. ウィンダミア夫人の扇
《ネタバレ》 ルビッチ監督の本当に何と雄弁なサイレント。ゴシップ、ゴシップ、ゴシップ塗れの中で女が生き抜く術、それが凄い。アーリン夫人を演じるアイリーン・リッチさんの演技、 表情、まさに妖艶。それがラストのウィンダミア夫人との2ショットではまさに母の顔に。扇の使い方は流石で、これぞ映画製作の奥義ですか・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2006-08-20 09:24:33) |
160. 北ホテル
マルセル・カルネ監督の、これぞこの時代、フランス情緒いっぱいの素敵な作品。この雰囲気とシーンごとの味わいだけで、もう充分楽しめます。タイムスリップして、あのホテルで1週間ほど滞在したいです。 [DVD(字幕)] 6点(2006-08-19 21:50:20) |