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1761.  大いなる勇者 《ネタバレ》 
ショーン・ペンは、「イントゥ・ザ・ワイルド」を撮るときには、大分この作品を参考にしたのかなあ、とか楽しい想像もよぎる作品。導入部の静謐さがもたらす迫力はなかなかなのだが、話が進むほど、クロウ族との戦いに特化するような感じになって、主人公のスタートの立ち位置はどこに行ったの?と思ってしまう。最後の方で、主人公を何か伝説の存在っぽく持って行こうとしているのも、やや違和感。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-08-06 23:57:31)
1762.  サンダーボルト(1974) 《ネタバレ》 
本題に入るまでにやたら時間がかかっているし、各シーンは継ぎ接ぎ感満載だし、かといってコメディチックに笑えるわけでもない。どちらの方向に物事を持って行きたいのか、よく分からない作品でした。ラストのところで、もしかしたらそういう作品だったのかもとは思いましたが、それであればもっと前振りが必要です。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2015-08-04 00:24:48)
1763.  限りなき追跡
とりあえず追跡の体はとっているのですが、主人公側も特段技量もなければ作戦もなく、悪役側も別に大して悪くなさそうな感じ。つまり、終始予定調和的な緩い雰囲気だけが漂っています。「何でそこでそうするの?」と双方に突っ込みたくなる場面が満載です。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2015-08-03 00:14:02)
1764.  長崎の鐘 《ネタバレ》 
後年の「この子を残して」に比べると、特に前半は、普通のホームドラマ風の描写が続いており、永井博士の思想や背景に踏み込んでいるとは言いがたい。しかし、原爆投下後の世界の反転、そして如己堂での生活の描写は、果てしない重みをもって迫ってくる。何よりも重要なのは、この作品が製作されたのは原爆投下からわずか5年後であり、永井博士のご存命中であり、若原雅夫と月丘夢路は実際に如己堂で生前の永井博士と面談して役作りを行っており、その上でGHQの検閲をくぐり抜けて作られたものであるということ。内容もそうなんだけど、それ以上に、当時の息づかいがダイレクトに聞こえてくるという点において実に貴重。
[映画館(邦画)] 7点(2015-08-02 20:30:42)
1765.  忍者武芸帖 百地三太夫
とにかく、真田広之、真田広之、真田広之と、まあそういう作品。広之さんを鑑賞するという目的(謎のインチキバレエも含めて)に絞って見れば、必ず目的は達成できる。志穗美悦ちゃんは、分かりやすく出番が削られている上に使われ方もひどいんだけど、まともに悦ちゃんを活躍させれば、主役を一気に目立たなくさせてしまうことが容易に推測できるため、作品の目的からいえば仕方ないのだろう。僅かなアクションでも、この人の技の切れは異常。
[DVD(邦画)] 5点(2015-08-02 01:27:01)
1766.  J・エドガー
インビクタスもジャージー・ボーイズもそうだったんだけど、実在の人物や著名な人物を対象とすると、イーストウッドの演出はとたんにつまらなくなる。逆に、ミスティック・リバー以降の一連の作品に顕著なように、架空の人物を好き勝手に造形させた方が、よほど伸び伸びと創作が機能している。この作品も、そもそも何で対象がこの人だったのか、さっぱり分かりません。それから、ディカプリオはモノマネは頑張って行っていますが、演技はしていません。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2015-08-01 12:56:36)
1767.  天城越え(1998)<TVM> 《ネタバレ》 
田中美佐子のハナには期待したんですが、裕子版ハナを意識したのか、えらく蓮っ葉な感じが美佐子さんに合っていなくて、かなり無理している感じでした。せっかく美佐子さんを起用したんだったら、もっと全然別の感じに作り変えてもよかったんじゃないかと思うけどな。ただ、回想終了後に追加されている現代パートは、この種の展開には珍しく作品世界の雰囲気を壊すことなく、上品にまとまっている。
[DVD(邦画)] 4点(2015-07-31 18:55:55)
1768.  グッドナイト・ムーン
態度の悪い子供は(たとえ創作人物であっても)嫌いなので、導入部の時点ですでにまったく入り込めなかった。しかしその後も、どこかで見たような、あるいは適当に思いついたようなシーンの連続で、クオリティが高まっていかないまま終わってしまった。演出上の人格設定がなされていないので、サランドンもエド・ハリスも、3割くらいの力でしか演技をしていない。というか、どう演技していいか困っているような感じ。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2015-07-30 01:10:33)
1769.  シャーロック・ホームズの冒険
シャーロック・ホームズという人は、もっと尊大で、高飛車で、芝居っ気と茶目っ気があって、頭脳が先走ったらほかのことは全部忘れてしまって、要するに一言で言うと変な人であるはずなんですが。こんな紳士的でおとなしい主人公、ホームズを見ている気がまったくしません。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2015-07-29 20:39:56)
1770.  消されたヘッドライン 《ネタバレ》 
無駄にキャスティングが豪華なんだけど、それがちょっとずつずれてるんだよなー。クロウとアフレックの息の合わなさは脚本の陳腐さのせいにするとしても、ヘレン・ミレンはどこかで英国王室の凜とした威厳を発揮するかと思っていたら最後までそのままだし、レイチェル・マクアダムスは、最初から凄く頭の良い子にに見えてしまって、何であんな馬鹿っぽいリアクションをするのかと違和感を持ってしまう。まあ、ミスリードもひっくり返しもあれだけ安直でしょぼかったら、役者陣も頑張りようがないんですけど。大体、置き引きの少年が射殺される下りって、関係性が判明した後は完全にオマケ扱いで、あれなら入り口を二本柱にした意味がないじゃん。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2015-07-27 03:19:19)
1771.  ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮 《ネタバレ》 
じわじわとしていながらも手際の良い進行の中で、徐々に大きなドラマが動いていく。ストルーエンセとの接触によって、当初は変人そのものだったクリスチャンがまともになっていく皮肉。しかし、王妃との愛情は決して芽生えていかないすれ違い。それどころか、ストルーエンセと王妃こそがくっついてしまうという逆流進行。そういったところを丁寧に積み重ねているからこそ、クライマックスの衝撃のシーンが一気に生きている(その手前の、無言のままでストルーエンセが状況を察知する演出も凄い)。曇天と暗めの照明で統一した映像の質感も、こだわりを感じさせる。
[DVD(字幕)] 7点(2015-07-27 00:43:27)
1772.  ワルキューレ 《ネタバレ》 
最初見たときは、予想よりもこぢんまりとまとまっているし、計画に至るまでの背景とか相手方の動きとかもあまり突っ込まれてないけど、それでもなぜか印象に残るなあと思っていたのです。で、改めて考えてみると、例えば爆破のシークエンスとか、決起が崩壊するくだりとか、ラストの処刑への流れとか、余計な寄り道をすっ飛ばして、むしろサクサク進んでいる。この、逆に過剰なほどの手際の良さが、現実の刻々と過ぎ去る時間の経過とシンクロして、全体の敗北の容赦なさを醸し出すことに成功しているのです。その偶然によって、作品の質がぎりぎりの一線を確保しています。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-07-26 01:38:15)
1773.  野郎どもと女たち
しかし長かった・・・。色彩感覚と楽しげな雰囲気は悪くないのですが、まったく同じようなやりとりが延々と2時間半も続けられると、何がしたい作品なのか分からなくなってくるのです。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2015-07-25 13:13:22)(良:1票)
1774.  股旅 三人やくざ 《ネタバレ》 
ほかの方と同じく、順々に良くなっていくという印象ですね。1本目は、ただじめじめと暗いだけで、見所あまりなし。2本目は、3人揃ってからやっとドラマが動き始める。3本目は、この主人公は全然戦闘経験はないと、何も説明がなくても、見ただけで分かるのが素晴らしい。股旅とはそもそも何であるかという点も反映しているのも素晴らしい。脚本も細かいところまで練られています。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2015-07-21 21:11:29)
1775.  ジュリー&ジュリア
相変わらずノーラ・エフロンって、頭で考えただけの薄っぺらい脚本と演出しかできないんですね。根本的には、50年前のシーンと現在のシーンで同じ撮り方しかしていないので、重層構造が表現されておらず、話の前提が成立していません。メリル・ストリープも、そんな演出で元気が出るわけもなく、小手先で芝居をして乗り切っているだけ。輪をかけてまずいのが、料理を主題としていながら、何かの嫌がらせかと思うくらい、肝心の食べ物が全然美味しそうに撮られていないこと。もちろん、料理のディテールにはまったく踏み込まれていない。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2015-07-20 02:54:08)
1776.  馬鹿まるだし 《ネタバレ》 
まさに「無法松」と思っていたら、本当に劇中劇で登場してしまうのにはちょっと笑ってしまったが、しかし、労働争議やテロリストが日常生活の中に当たり前に絡んでくるある種の背景的暗さが、あちらと一線を画している。そして、最後の安五郎のあの「告白」、あんなに悲しい、哀切に満ちた告白の台詞は、私は聞いたことがない。●最後のダイナマイトの場面、安さんは当初、ご新造さんの依頼があったと思ったからこそ突入を決意します。しかしその後、ご新造さんはそんな依頼などしていないという正しい情報が伝えられます。それなら安さんが突入する理由はなくなったので、そこで止めてもいいはずなのですが、安さんはやっぱり突入します。なぜ安さんはそうしたのでしょうか?台詞では「人に頼まれれば嫌とは言えねえ」みたいな説明がされますが、あのシーンのハナ肇の芝居は、そんな単純な心境の表現ではないように思えます。解釈はいろいろ考えられますが、かなり奥の深いシーンです。
[DVD(邦画)] 7点(2015-07-19 13:41:00)
1777.  春琴抄(1976) 《ネタバレ》 
いきなりヒステリックで高飛車な百恵ちゃんというのもびっくりしたが、その百恵ちゃんと、それにひたすら忠実に仕える友和さんという図式で最後まで一貫して押し通したのには、もっとびっくりした。こういうのができるところからも、やっぱりこの二人、単なるアイドルカップルではなかったんですね。何と百恵ちゃんは、作中で笑顔の一つすら見せない。結構演技の難易度が高い役柄だと思います。妊娠の背景説明ゼロで謎を残したまま平然と先に行っちゃうというような作り方も、今日でも参考になると思う。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2015-07-15 03:00:08)
1778.  浪花の恋の物語
肝心の錦之介さんが、びっくりするくらい最後までナヨナヨしっぱなしで・・・これではいくら悲恋を設定しても、当事者の感情の衝突がないので、何も生み出していません。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2015-07-15 02:52:15)
1779.  マジェスティック(1974) 《ネタバレ》 
演出はところどころ妙に切れがあって面白いんだけど(最後の山荘の決戦、垂直方向と水平方向がクロスする構図とか)、肝心の前提がかなり強引で、どっちも何でそんなにムキになってるの?という感が拭い去れないのです。敵ボスも、逃走中にコケにされてムカついたというだけでは、ほかのことを全部放っといて主人公だけに固執する理由になるのかと思いますし、そもそもあれだけノーガードの主人公、その気になればいつでもどうとでもできたような・・・。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-07-13 01:34:56)
1780.  ニュー・ワールド
むしろ、イメージ映像っぽいもっともらしい風景だけで最後まで押し通した方が、マリックらしさを発揮できたと思うのですが。中途半端な恋愛沙汰を入れたせいで、かえって勢いを足止めしてしまいました。というか、主人公の男女が絡むシーン、ほとんど同じことしかしてないんだけど。
[DVD(字幕)] 4点(2015-07-08 23:40:30)
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