161. 千年女優
東京ゴッドファザーズがよかったんで、こちらも思い出して投稿しました。 褒めてるみなさんが書いているとおり、スピーディーで奇想天外な展開の楽しい映画でした。 9点(2004-07-27 19:56:50) |
162. 静かなる男
アイルランド旅行の前のお勉強と思って、まったく期待せずに借りてみたら、もう最高でした。 とにかくお約束的なエピソードと演技の連続でありながら、不思議に斬新で展開が読めず、やたらと盛り上がるのはどうしてなんでしょう。 女優さんの表情の作り方とかは、最近のディズニー映画そのもので、相当この映画を研究したんだろうという感じがしました。ちょっと男まさりだけど、実はけなげでかわいい、みたいなキャラクター設定も、そのまま借りてきちゃっている感じですし。 あと、脇役の動かし方や、殴りあって仲良くなるみたいなところは、宮崎映画の源流だなあと感じました。 ちなみに最初に書いたような事情でアイルランドの近代史などを勉強していると、この映画に描かれるプロテスタントとカトリックの融和が100%おとぎ話の理想郷であることがわかるんですが、そういうところも含めて、良い映画だったと思います。 一緒に「クライング・ゲーム」や「マイケル・コリンズ」などのアイルランド人監督の映画を見ると、この映画のそうした意味での凄さが伝わるような気がします。 10点(2004-07-27 19:46:46)(良:1票) |
163. スパイダーマン2
映像的に前作で不満を感じた点はかなり改善されていた。トビーの表情の作り方には少々ワンパターンかなあという感じも受ける。ストーリー的には前作のひきをよく回収していると感じた。全体的にはよくできているのでは。悪役も今回は子供だましっぽい感じはせず、「エイリアン」程度にはリアルだった。全体的にはとても楽しめた。 9点(2004-07-04 18:01:35) |
164. マッチスティック・メン
《ネタバレ》 上手な映画やったとは思うけど、脚本で一箇所だけ納得いかないのは、奥さんに主人公が連絡とったらすべてが水の泡になりそうなものなのにってことかな。どんでん返しという意味では「シックススセンス」くらいの域に達している。振り返ると、「ああそういえば!」というのがいいですねー。 8点(2004-05-13 21:06:43) |
165. あした
尾道が大好きで尾道を舞台にした映画でも見ようと思ってみました。そういう意味では背景だけは見られたけど、あとはもうセリフはくさすぎ、演技はとろい、無意味なお風呂シーンや無駄に長い導入など、お金をどぶに捨てるような内容でした。こういう人間に映画をとらせたらあかんよー。 1点(2004-05-13 20:59:05)(笑:1票) |
166. ゲロッパ!
みなの評価がなぜこんなに悪いのかわからない、というのは普通の感覚を持ってないっちゅうことなんかなー。みんな芸達者やし、おもろない、という理由がようわからんわ。ちなみに私は太郎が「おまえにはわからんやろうけどな」っておやじさんの思いを代弁するところで泣きました。 9点(2004-05-13 20:54:59)(笑:1票) (良:1票) |
167. 七年目の浮気
最近マリリンの映画を立て続けに見ていたが、この作品は主人公があまりに気味悪く、吐き気がしそうになって、とてもでないが最後まで見られなかった。こんな映画でわざとらしい色気を強要されたマリリンがかわいそうなくらいだった。「面白くない」という表現は不十分で、できればマイナスをつけたいくらい。 0点(2003-12-11 00:18:19) |
168. ニューヨークの恋人(2001)
妻が見ようって言うんで見たけど、意外に面白かった。「ニューヨークの恋人」などという最低の邦題でメグ・ライアンときたら、またあれかと思ったら、意外に練りこまれたセリフの多い作品だった。「いかにも」という感じをここまで上手に表現できたヒュー・ジャックマンの起用があたっている。メグ・ライアンの演技はこれまでのワンパターンを繰り返すのみで、旬を過ぎたと言わざるをえないだろう。ちなみに僕が一番好きなのは病院での「僕が時間を見た、というのは犬が色を見たというようなものなんだ」というところのセリフ。 6点(2003-12-11 00:09:46) |
169. グリーン・デスティニー
最近、アン・リーがハリウッドに魂を売る前の「ウェディング・バンケット」と「飲食男女」を見て、この作品の無意味さと才能の浪費に腹が立った。この人には単なるハリウッドの便利屋に終わってもらいたくないなー。みんなもっと台湾映画みようよー。候孝賢、エドワード・ヤンはほんとに素晴らしいんだから。 0点(2003-11-15 17:37:25) |
170. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦
これを「オトナ帝国」と同列に並べるのはいただけない。ひどくはないけれど、ありがちなラブストーリーでしかなかった。 4点(2003-11-15 17:13:42) |
171. 僕のスウィング
《ネタバレ》 最近バルトークへの関心からハンガリーの民族音楽にはまってたんだけど、スペインのジプシー音楽も良いなあとあらためて感じさせられた。この映画、少なくとも音楽だけはまさにその場にいる感じが楽しめる。しかしあのラストは、いったい何だったの。「あの」音楽を通じての心の交流は所詮うたかたのもの、というメッセージになっちゃいそうだけど。 最近再見した「フランスの夏休み」と比べたとき、この後味の悪さは何ともいえないものがあった。 5点(2003-11-15 16:56:42) |
172. シカゴ(2002)
この退屈な映画のどこに、他の人が惹かれているのか、よくわからない。ミュージカルやダンス映画って、どんなにつまらない筋書きでも必ずそこそこは見せてくれるものだけれども、これは音楽もダンスも何も胸を打つものがなかった。最近「紳士は金髪がお好き」を見た直後だっただけに、あちらではマリリン・モンローと同様の役をあてられたレニーの歌唱力、演技力、ダンスの貧弱さばかりが目についたからだろうか。照明や音響効果だけで、もとの貧弱な音楽とダンスはカバーできないことを良く教えてくれた作品。 ちなみに僕にとってはムーラン・ルージュもナンセンスでしかなかったが、そちらには少なくとも反発させるだけの力はあった。これには何もない。ゼロ。 0点(2003-11-15 16:46:17)(良:1票) |
173. ハッピー・フューネラル
アン・リーの「恋人たちの食卓」と共に、今年見た映画のベストを分かち合いそうな作品。 あらすじは配給のソニーピクチャーのHPで見ることができる。 http://www.spe.co.jp/movie/worldcinema/happyfuneral/top.html 上記のサイトで監督のフォン・シャオガンは「日本映画で例えて言うならば『男はつらいよ』的な国民的人気を持っている」と紹介されているが、ここから中国映画にありがちな大げさな演技と泥臭い演出、人情芝居を想像すると、それがすでに偏見でしかないことを冒頭の数カットで知ることになるだろう。すきのない完成度という点では、アン・リーに今一歩及ばないかもしれないが、この映画が中国で大ヒットを飛ばしたということに、今後の中国映画全体の可能性を感じさせる。「単なる人情劇でない」と書いたが、この映画の魅力の核となっているのはやはり、主要登場人物であるハリウッド映画監督タイラーと中国人カメラマン、ヨー・ヨーとの、常識的なモラルを超えた相互の敬意の交換だろう。そうした高次のヒューマニズムを、全ての役者の確実な演技力と美しい映像、劇中劇の効果的な使用とで見事に描ききっている。 9点(2003-11-15 16:32:50)(良:1票) |
174. 紳士は金髪がお好き(1953)
たまたまこの前にもう一つ見た「百万長者と結婚する方法」と比べるからかもしれないが、のっけのショーからの見せ方はさすがホークスと思わせる。ラストも同じ曲で締められるが、全体的な構造はとてもすっきりしている。ラッセルとモンローそれぞれの魅力が十分に引き出され、誰にでも薦められる映画だと思う。モンローの映画を実際に見てはじめて、彼女がなぜアメリカのセックス・シンボルと言われつづけているのか理解できた。しゃべりは現在一つの類型になっている気もするが、その仕草、表情はいかにもというものでありながら、他にこれをいやらしさを出さずに自分のものにできた人はいないように思う。もっともそうした演技の傾向はこの映画ではまだこの段階では「未完成」といえるかもしれない。 8点(2003-11-03 01:14:43) |
175. CQ
主演のジェレミー・デイビスは、渡部篤郎を思わせ、知的で抑えた止めの演技が光った。ローマンの起用するメローの音楽、音響のセンスは最高で映像にぴったりはまっていた。グランジ系の好きな方にはぜひおすすめしたい。ヒロインのアンジェラはモデル本業ということもあり、劇中劇の美女役はこれ以上ないほどの配役だったと感じるが、残念ながら演技の固さはぬぐえなかった。 とはいえ、脇を固める俳優は世界のベテランぞろいで、全体的な評価は十分8点に値するだろう。 8点(2003-11-03 00:48:37) |
176. メラニーは行く!
《ネタバレ》 アメリカ人の恋愛至上主義には、少々あきれはてる。どうでもいいけど、あの結婚式に招待された500人の人々が気の毒でならない。僕だったらかなりむかつくと思う。___しかしそれも恋愛至上主義のアメリカ人たちなら、彼女の選択をよしとして、いい場面に感動して帰宅できるのかもしれないなあ。そしてあの市長さんは、そういうアメリカ的美学を解さない、無粋な女だ、ということになってしまうのだろうか。だとしたら、結婚式の参列者(除く、彼女の友人たち)に同情するのはいらんおせっかいなのかもしれない・・・。それにしても、アメリカの女性って、とりあえずああいったロマンチックなことのためなら仕事とかキャリアは頭の外、ということで観客的にはOKなんだろうか。初めてのファッションショーの直後で、仕事関係の場面がでてこないのはかなり不自然なんだが・・・。きっとマーケティングの結果ああいう結末なんだろうから、ハリウッド商業資本的にはあれでOKなんだろうなあ。日本であたったのかな、これ? 3点(2003-09-21 23:36:28) |
177. 戦場のピアニスト
《ネタバレ》 これがポランスキーではなくて、カンヌで賞もとってなくて、何にも期待していなければ、ポーランド人が英語をしゃべってるところで見るのをやめたかもしれない。(でもドイツ人はドイツ語をしゃべってるんだ、これが。)あるいは、すでに誰もが知ってるワルシャワのユダヤ人の歴史を、ポーランド分割からナチ崩壊までの5年間を、これからまた例のごとくの演出で三時間見せられるのだと覚悟を決めさせられるところで。ピアノを滅多に弾かないピアニストの映画だけど、その数少ないピアノのシーンのうちの一つは、逃亡生活の果てにたどりついた隠れ家にとうとう見つけたピアノを、命が惜しいために弾くふりですませてしまう。ピアノを愛するものなら、死んでも弾いてしまうところなんだろうが、そういうひとは実際死んでしまって手記も残せなかったのだろう。また、あの場面。やせほそり、筋肉の削げ落ちた指がたたき出す不自然に華麗な旋律。ピアノを弾く全ての人が、毎日の練習をさぼったとたんに訪れる「ああ指が動かない!」という思いを主人公は決して感じたりはしない。その間にあった5年間のブランクは彼の指にはおこりえない。妻いわく、この映画の教訓は「芸は身を助く」なのだそうだが、彼が自分から行動するのは、たった一度だけ。武装蜂起にいよいよ立ち上がらんとする友人に、唯一人自分勝手に逃亡の手助けをさせるその瞬間のみだった。あとはただ流されるまま、感謝もなく他者の好意に甘え、自分の食欲を満たすことのみにわずかながらの執着をみせていた。ピアニストとしての才能以外には、たしかにどこにでもいそうな人間のリアルな姿かもしれないが、そこにたとえば芸術家としての誇りなり、こだわりなり、生きがいなりといったものは見つけられなかった。あの戦争の前後において、彼は同じショパンの作品(これは僕のもっとも愛した作品でもあるが)を弾いてみせるが、ホロコーストの経験をその後者に聴く事ができるという人がいれば、お目にかかりたいものだ。 0点(2003-09-12 00:22:57)(良:2票) |
178. BeRLiN/ベルリン
最近クロエを見て思い出しました。あちらはひどいものだったけど、これはいいです。中谷の魅力なんだろう。 8点(2003-08-18 13:34:56) |
179. クロエ(2001)
BeRLiNがよかったんでもしかしたらと期待してみたんだけど、これはひどかった。ボリス・ヴィアンの原作が苦手だったので無理もないか。最近村上春樹が「ライ麦」を新訳で出したけど、ヴィアンの原作も似たような感じ。繊細で傷つきやすさを誇っているような。あの世代の人たちって、これ読んで共感して「自分はまだ純真さを失っていない」ということを確認したいんだろうな。大木眠魚さんの言われるとおりの感想に近いです。永瀬のキャスティングには無理があったか。どう演じたらいいか、つかめてない。ともさかりえは悪くなかったけど、とにかく脚本がひどいから・・・。 3点(2003-08-18 13:31:49) |
180. ウィンター・ゲスト
評価が2というのを見て愕然としました。親子競演なんですが、実に味わい深く仕上がっています。映像と音楽の美しさも絶品。ミニ・シアター系の佳品をお探しの人にお奨めです。 8点(2003-08-18 13:15:18) |