161. 127時間
《ネタバレ》 実話と知らずに鑑賞。 ラストに実話であることを知った時に、驚きと、心をスーッと通り抜けていく何かを感じました。 自分に満足し、自信も持っていた男が孤独と絶望に直面した時、その心を支えたのは自分と関わりのある人や出来事。「助けてくれ」という叫びに、応えてくれる人。 一人で恰好つけて生きていくことも出来るけど、手を伸ばした時に、応えてくれる人の存在が自分にはあるのかな? それにしても、痛い。。。。 是非、いろんな人に見てもらいたい10点映画なのだけど、痛すぎて。。。 ワシはソファで悶絶しました。。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2015-01-02 00:41:17) |
162. HK/変態仮面
《ネタバレ》 なんだこれ。全編、楽しい苦笑い(笑) 原作漫画のことは知りませんが、日本であまた作成されたアニメ・漫画原作映画としては、屈指作品でしょう。 主演の鈴木亮平さんをはじめ、その他の共演の方々も、妙なキャラクターの役を真面目に演じられています。 MARVEL風のオープニングから、マトリックスや特撮ヒーロー要素満載のサラ金強盗解決までの20分は個人的には文句なしの10点w あと片瀬さんのキャラもなかなかw 内容が内容なので万人には薦められませんが、これは・・これで・・・ういぃーーー! [DVD(邦画)] 8点(2014-12-26 22:10:50)(良:1票) |
163. 未来世紀ブラジル
《ネタバレ》 へんてこな人々と、へんな世界観のオンパレード。書類、サイン、書類、サイン、領収書に受領書。形式主義に権威主義。責任回避と無関心。メインテーマの「ブラジル」が奏でる、開放的で陽気な旋律とはおよそ正反対の世界。登場する人々や出来事のひとつひとつが、いちいちシニカルで、爆笑はできずに苦笑い。 物語のすべてが陰鬱でバッドエンドなのに、それほど後味が悪いばかりではないのが、この映画の不可解にして素晴らしいところでしょう。 ちなみに好評価の前提として、僕はモンティパイソンの笑いが大好きだということ。それはかなり重要な要素ですw [ブルーレイ(字幕)] 9点(2014-12-18 16:21:50) |
164. デッドマン・ウォーキング
《ネタバレ》 死刑にまつわる映画ですが、死刑制度についての是非を伝える映画ではありませんでした。 悪ふざけの延長のように女性をレイプし、恋人ともども殺した男の罪。その男が、どれほど悔悛したとしても、無垢な命が失われた事実も、残された家族の怒りや悲しみも消えることはない。 そして男が自らの蛮行の愚かさを心から後悔し、奪った命や残された家族への償いの気持ちが本物であったとしても、代償としてその命を奪う死刑という罰。 罪を悔い、涙を流しながらシスターに許し乞うた男への罰が執行される中、男の犯した罪が重なって描かれる。 男の行為で奪われた命がある事実と、死刑によって命が奪われてゆく事実。 死刑というと受刑者側の人権、人命などの視点から論じられたり、受刑者側に同情が向きがちな映画が多いですが、この映画は、死刑さえも望んでしまうほどの悲しみや痛みの存在にも真摯に目を向けているように思います。 犯罪であれ死刑であれ、「人が、他人(法)の意志で命を奪われる」という事実に変わりはなく、「人が人の命を奪う」という事実が現実が存在し続けていることへの無常と悲しみにあふれた映画と感じました。 人が人の命を奪いさえしなければ、死刑で人の命が奪われることもなくなる。理屈は簡単なんですけどね。。。 [DVD(字幕)] 10点(2014-12-17 20:33:46)(良:2票) |
165. イントゥ・ザ・ストーム
《ネタバレ》 これぞディザスター・ ムービー。牛も飛びますwww こういう映画のシナリオは後付けということにしておいて、とにかく竜巻を疑似体験。建物の中に隠れていても、窓を突き破ってくる突風や、建物を震わせる音。実際に竜巻にあった時の恐怖は、こんなものじゃないんでしょうね。自然の力は人知の及ぶものではありません。でもこの映画、小さい画面で見たら、肝心のディザスター感が半減してしまうでしょうw [映画館(字幕)] 6点(2014-12-14 23:41:53) |
166. ブレードランナー/ファイナル・カット
《ネタバレ》 小学生の時に劇場で見て以来、何度見たことでしょうか。 ロイの最後は、僕の見た映画では屈指の美しいシーンです。 それまでの獣のような表情は消え、穏やかに訥々と自らの思い出を語るロイ。 「All those moments will be lost in time…like teas in rain…」 全ての時間が時が来れば失われる、雨の中の涙のように… 思い出は、これまでの自分の存在の証しであり、未来へと続くことを信じさせてくれる希望。 でもロイの命は誕生した時から決まっている。 何を見て、何を感じ、どんな思いを積み重ねても、未来を夢見ることは許されない。 希望を抱くことを認められない。 どんな思いも、ただ流れ去り、消えていくだけ。 未来なんて誰にも分からない。どうなるかも分からない。でも、積み上げてきた思い出を礎にして、未来への可能性にかけることがでできる。 そんな「命」というものの掛替えのなさを、ロイは知っていたのかもしれない。 [ブルーレイ(字幕)] 10点(2014-12-14 23:23:23) |
167. プロメテウス
《ネタバレ》 不覚にもエイリアンシリーズの前日譚と知らずに、リドリー・スコット作品だということで無条件に鑑賞。 オープニング直後からの壮大な映像に心を奪われ、宇宙船の中の無機質で静謐な美しさに陶酔していたら、あれ?スペースジョッキー?!およよ、これはエイリアンなのかい?と、そこから自分の中で全く違う映画にw ストーリー的に突っ込みどころがあるのは否定できないが、一枚の秀逸な絵画のような美しさにあふれる映像の数々を堪能しました。 エンジニアの存在やデヴィットの目的、なによりエイリアン創造の意図など、謎だらけのストーリー。ぜひ、そのあたりに踏み込んだ続編を見てみたいなー [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-12-14 22:02:17) |
168. パシフィック・リム
《ネタバレ》 理屈はいりません。 スーパーロボットが出て、怪獣相手に、ドカーン・ギャオー・スドーン!! パイルダーオンにロケットパンチ!その辺にあるものを武器にして怪獣をぶん殴り! タンカーの持ち主から苦情が来るってw 一度でもガンプラや超合金を手に取った人なら、水に濡れるロボットの質感だけで悶絶。 逆にガンプラを子供っぽいと一笑する人には微塵の見どころもないでしょうw 幼いころガンプラを作り、超合金を戦わせて遊んでいた僕にとっては、夢のような映像のオンパレードでした! [映画館(字幕)] 8点(2014-12-14 21:33:38)(良:2票) |
169. 最後の誘惑
《ネタバレ》 劇場公開時に映画館で見て、いまだに感想が定まらない映画です。でも、DVDを所有しちゃうくらいに印象の強い映画。 僕はキリスト教徒ではないのですが、聖書は一冊の本として新約旧約ともに何度か読んではいます。でも、いまだにキリスト像とキリスト教への考えが定まらない。 この映画のキリストは、水をワインに変えるような奇跡を起したのち、どや顔でニンマリするような自己顕示欲を示したかと思えば、ラザロが突如差し伸べた手に、思わず飛び下がっちゃったりする、ちょっと特殊な普通の人。 家族を持ち、子に恵まれ、満ち足りた生活をする、人としての当たり前の欲「the temptation to live」こそが、衆人を救う神の子となるためにキリストが絶たなければならなかった「last temptation」だったとするならば、すべてを打ち捨て、十字架に身を委るという行為のなんと壮絶なことか。 それにしてもこの映画、公開当初から議論噴出でしたが、キリスト教徒でない僕には、この程度の感想が精いっぱいw [DVD(字幕)] 8点(2014-12-14 21:16:53) |
170. レ・ミゼラブル(2012)
《ネタバレ》 素晴らしいストーリー。素晴らしい歌の数々。役者さんも素晴らしい。 だけどだけどだーけーどーも、やっぱり舞台にはかなわないっす。 見終わった後、舞台を見に行きたくなりました。。。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-12-09 17:52:41) |
171. コンタクト
《ネタバレ》 これまでも何度となく繰り返し見た映画ですが、インターステラーを見たら、またまた見たくなったので再見w あ、マシューマコノヒーだwww 公開当時から感銘を受けた映画でしたが、当時、周りには共感してくれる人はいませんでした。『宇宙人が人の姿して出てくるなんて嘘くさいし、面白くないし』みたいな反応ばかりで。 宇宙人や海底人や地底人が出てくる映画は他にたくさんあって、それはそれで僕も大好きなんだけども、だけど、この映画は、そういったSF的空想映画とは一線を画していると思うのです。 宇宙人、というか地球外生命体を描くSFや娯楽作品は空想の中で遊ぶ映画なのに対して、このコンタクトという映画は地球外生命体というものが『現実に存在する可能性』を描いている映画だと思うのです。 もちろん地球外生命体の存在は具体的には確認されたわけではありません。 でも、その可能性はゼロではないのです。 『地球は宇宙の孤児ではない』 素晴らしいメッセージを含んだ映画だと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-12-09 17:47:31)(笑:1票) |
172. WATARIDORI
《ネタバレ》 鳥が空を飛んでいる姿は、気にしていると意外と日常的に見れるものです。我が家のベランダでも雀が羽を休めていったりします。 だけど鳥の存在を意識してる人は少ない(少なくとも僕の周りでは)のは、人を中心に据えた考え方が横行している現代社会では、鳥の存在など必要ともされておらず、取るに足らないものなのだからでしょう。たとえ動物園であっても、パンダやライオンなどに足を止めても、鳥のコーナーなどは『つまんない』という言葉のもとに、立ち寄りもせず、すっ飛ばす人は少なくない。 でも、人本意ではなく、地球という視点では、鳥の存在は『大いなる自然の営み』のひとつです。 地球上のあらゆる生命の頂点にいると迷いもせず生きている人類にとって、鳥たちの営みは取るに足らない、小さいものなのか? この映画を見ていると『生きる』ということに対して、『自然の営み』ということに対して、自分が実に不誠実であり無知であるかを思い知らされます。 こうしてレビューを書いている時も、遥か遠くへ向けて飛んでいる命があるんですよねぇ・・・ [ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-12-09 17:29:40) |
173. 226
226事件が描かれたテレビドラマや映画を最近、つと見なくなったのは、いつ頃からでしょうか? 軍隊が強権を握り、一部の特権階級に属する人間が国家というものを左右していた時代は日本にもあったのだけど 今、それを映像として表現することは、世間にはばかれるのでしょうか? 226事件を起こした将校たちの行動にはいろいろな意見はあれど その一人一人は、人間であったことだけは間違いないわけです そこには決意や意志もあり、迷いや不安もあり、余人には量り知ることはできません この映画は226事件について その時代背景や国際情勢など、ある程度以上の知識を持っていることが前提で作られていて そのへんの説明的な展開は少ししかありません 226事件ではなく、226事件にかかわった人達 将校だけではなく兵卒、それから226の犠牲になった人達を淡々と描きます 盛り上がりもないしドキドキもない映画です ですが226を起こした将校も、それに従った将校も、害された人も、そして、すべての家族もが人 それぞれの立場で、それぞれの思いを抱き、それぞれが、それぞれの思いと立場で226という時間を過ごしたのです 映画=娯楽とは一線を画した映画でしょう [映画館(邦画)] 9点(2014-12-09 17:12:18) |
174. M(2006)
《ネタバレ》 原作者の馳周星が好きで鑑賞。もちろん原作も読んでおります。原作は短編集となっていて、実に精神的な官能というかエロにあふれた、さすが馳周星という作品です。 で、本作ですが、本来、短編集であったはずの作品それぞれの、倒錯した性愛の部分だけを切り取って貼り付けたような映画でして、なんだか中途半端な感じでした。主演の美元さんは官能小説的な魅力にあふれていただけに残念です。 [DVD(邦画)] 4点(2014-12-09 17:01:30) |
175. 魔法にかけられて
《ネタバレ》 べたべった、なディズニーストーリですが、実に軽妙かつ爽快な映画です。ミュージカルシーンは、やっぱりさすがのディズニー。一気に引き込まれて、舞台を見ているかのような気分になります。 『なんか、つまらないなー』とか、『最近、気持ちが上がんないなー』みたいな時に見たい映画です。 王子、頑張れ!だけども、結果、王子もハッピーですから、これでいいのではないかとwww [ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-12-09 16:52:41) |
176. インターステラー
《ネタバレ》 鑑賞後の余韻が強く、久しぶりに映画館に複数回足を運びました。 途中、何度も引用される詩 『Rage, rage against the dying of the light』の意味や、エンディングに向けて静かに進むようで、最後の最後に畳み掛けるような力強い最終カット。僕の心をとらえて離さない何かを考えながら。 この映画には2人の教授と息子が悪役のように登場してきます。一人は人類種の保存のために人を欺き、一人は人類を絶望を隠すために人を欺き、一人は今、自分のもとにあるものを、手段をえらばず失うまいとします。 でも、初見からこの3人を、単純に悪人と断ずることはできなかった。 その理由を考えながら。 一人の教授は可能性を信じて旅立ったが、その可能性への壁に直面して、絶望と孤独の中に苦しみ、もがいて、傲慢なまでに種の保存を切望した。 一人の教授は『今、考えうるすべてのこと』をやり尽くしても導き出されない『現実』に絶望し、人を欺いてでも、その事実を伝えないことを選んだ。 息子は、追い詰められた環境の中で、たった一人、頼れる存在だった父親を失い、自分の力の及ぶ限りのものだけに目を向けた。 それぞれの行動は否定されるものなのか?罪と言えるのか?彼らは悪なのか? そうではなく、彼らは、自分の知識や力の及ぶものの中でベストを尽くし、打ちのめされただけだのではないか? 彼らは自分の力や知識の及ぶ場所の先にある『未知なるものへの可能性』を求め続けることができなかったが、クーパーとマーフは、人知の及ばない先に『未知なるものへの可能性』を求め続けた。 『後ろに何かを残さなければ、先には進めない』 現在の人々の興味は、いかに『今』を守り、今を快適に過ごすか、だけに向いているのかもしれません。ですが、その『今』は、時間や物質や、時には人命を後ろに残し、未知なる可能性を切り開くことでたどり着いた『今』なのです。 『今ある可能性』だけが可能性ではない。『未知なる可能性』というものに挑むことが『進歩』であり、『進化』なのだ。 そんな力強さを感じる映画でした。 ちなみに難しいことは抜きにして、宇宙の映像を見るだけでも十分価値のある映画なので、ぜひぜひ劇場で! [映画館(字幕)] 9点(2014-12-09 16:40:33) |