1781. ギャング・オブ・UK
《ネタバレ》 邦題からヒリヒリする物語の中でのジョン・ハートの最期に寄せた期待が悪ふざけスレスレのコメディ調に萎んでいきましたが、二転三転四転五転の展開に父娘の物語が盛り込まれていて結構見応えがありました。若作りに無理を感じたもののほろ苦さを醸し出すジョン・ハートはいぶし銀の味わいがありました。 [DVD(字幕)] 7点(2018-04-07 19:07:46) |
1782. バイオレント・サタデー
クセがすごい面々の中でジョン・ハートの存在感が突出しています。 始終微笑みを浮かべて画面を傍観している(だけ、アクションは担当外)彼が本性を表していく様子に怨念の深さを感じさせられます。 私怨が晴らせたのかどうか分からない等、脚本がお粗末だったのが残念なところです。 [DVD(字幕)] 6点(2018-04-06 16:36:36) |
1783. ジキル博士とハイド氏(1941)
1931年版に続いての鑑賞。ストーリーはほぼほぼ同じ。スペンサー・トレイシーのハイド氏は面影を留めており、瞳に宿る狂気に痺れました。イングリッド・バーグマンは自意識過剰と言うか哀れさを感じられなくミスキャストでしょう。 [DVD(字幕)] 6点(2018-04-05 14:58:55) |
1784. ジキル博士とハイド氏(1931)
《ネタバレ》 神の領域を侵した科学者の好奇心が生んだ悲劇。ジキル博士のフレデリック・マーチは私的米国男優ナンバーワンのオトコマエでウットリさせられ通し。悪役好きの身にハイド氏への変身過程に身悶えし期待がパンパンに膨れ上がったのですが、変身終了のエテ公ヅラに唖然茫然! スペンサー・トレイシーとは異なり原型を留めておらず、別の俳優が演じていると納得させ鑑賞続行。下流階級の女性に対する残忍な言動(ミリアム・ホプキンスの泣き笑いの表情が何とも憐れ)が赴くままの本能と言うのところの悪役ぶりにも惹かれない。あのエテ公もフレデリック・マーチだという事で何回も観直してみたけれど面影が何一つ見いだせなかった。だからこそのオスカー受賞なのでしょう(怪奇役では60年後の「レクター博士」まで唯一だとか)がションボリです。 [DVD(字幕)] 7点(2018-04-05 14:48:02) |
1785. コブラ・ヴェルデ 緑の蛇
共に枯れた感を醸し出す最凶タッグを観ていて侘しくなり、ラストショットのクラウス・キンスキーの姿に寂しさがこみ上げました。 [DVD(字幕)] 5点(2018-04-04 14:24:53) |
1786. エイリアン
《ネタバレ》 このジャンルは苦手なのですが、ジョン・ハート目当てで初めての鑑賞。あんなのが顔に貼り付いたら顔が見えないよ(怒)ご愁傷様と思ったら取れていて普通に食事している。やれやれと思ったら・・・ 「う、う、う、うわ~っ!!! 何じゃお前は~」 キャリア50年超で40回死んだ(デビュー作で破滅に追いやった聖人の呪いなのか?)中でも屈指の死に様を見せて早々のご退場に放心状態。 その後はお決まりの展開と結末でしたが、本作がその「お決まり」の元祖という事を考えると映画史に名を残す逸品と言えるでしょう。エイリアン以上に度肝を抜かれたのがアッシュで、アカデミー視覚効果賞受賞も当然の仕事ぶりでした。 あの猫がエイリアンとなってお尻にかぶりつくのかと思いきや・・・不要なキャラに減点です。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2018-04-02 15:31:53) |
1787. 太陽の中の対決
《ネタバレ》 「白人は助け合うのよ」と言いいながら先住民は虐げてきた。ペラペラ喋る女性に対するポール・ニューマンの淡々とした言動の端々に窺える憤りに寒々しさを感じる。hombreとしての最期も寒々しかった。フレデリック・マーチとの絡みが物足りないのがとても残念。 [DVD(字幕)] 6点(2018-03-31 20:56:44) |
1788. ロンゲスト・ヤード(1974)
《ネタバレ》 アルドリッチ節全開の名作。 クルー:「所長を殴って後悔した事は?」 老トレーナー:「無い」 所長の言いなりになって後悔するより意志を通して後悔する事を選んだ本作一番の名シーンに胸を熱くさせられる。 刑務所モノの所長のなかではダントツの憎たらしさでクルーを引き立てたエディ・アルバートの変わらぬ名脇役ぶりに喝采。 [DVD(字幕)] 8点(2018-03-28 14:51:37) |
1789. チャイルド44 森に消えた子供たち
「楽園であるソビエトに殺人事件は存在しない」って、寝言は寝てから言いなさい。エピソード全てが中途半端で盛りあがりゼロ。トム・ハーディは奮闘していたものの、後頭部のハゲに目がいってしまって・・・・何とかならなかったのか。 [DVD(字幕)] 4点(2018-03-27 00:58:44) |
1790. ルワンダの涙
《ネタバレ》 ベルギー軍撤退後に笛の音を合図に学校になだれ込む一団(フツ族の穏健派を真っ先に虐殺したらしい)は人間の姿かたちをしているだけの狂犬で、神の言葉はおろか人間の言葉も通じない姿が心底恐ろしい。撤退せず留まる決断をした時点で死が確定したジョン・ハートの最期の演出はドラマチックに過ぎるものの切り刻まれるよりはマシだったかなとちょっとホッとしました。と、同時に、死ぬのなら銃殺されたいと懇願されたベルギー軍の隊長の無力感を思うとやるせないものがあります。後年再会した教師に「何故、逃げたの?」と言う少女に自分が逆の立場だったら逃げなかったのかと言ってやりたい。 このような極端な話でなくとも、生かさせてもらっている事を少しは意識して文句や不満を少しは慎まなきゃいけないなぁ、などとエンドロールを見ながら考えさせられました。 [DVD(字幕)] 7点(2018-03-25 21:59:19) |
1791. ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります
《ネタバレ》 老夫婦とワンコ1匹の暮らし。40年を過ごしたアパートの売買話、テロ騒動、ワンコの急病。ここに二人の若かりし思い出話が挿入された物語。モーガン・フリーマンとダイアン・キートンのいぶし銀の二人が醸し出す落ち着いた雰囲気が心地良い。不動産屋のモーレツ仕事人ぶりが作品にメリハリをつけている。イスラムというだけでテロリスト容疑をかけられた青年を「ブチ込め・撃ち殺せ」という売主から買うのを止めたのは分かるものの、売るのを止めた理由が今一つ分からなかったのにモヤモヤが残る。 [インターネット(字幕)] 6点(2018-03-22 16:12:28) |
1792. 黒蘭の女
使用人達が意外にも生き生きしているのと、黄熱病大流行の史実が印象的。毒婦というより小生意気な娘に見えたジュリー。ベティ・デイヴィスなので身構えて観ていましたが、他愛のない悪役ぶりにずっこける。中途半端な盛り上がりの物語が歯痒い。 [DVD(字幕)] 4点(2018-03-22 00:27:25) |
1793. 歌行燈(1960)
お袖と喜多八の裏山での稽古の幻想的な美しさに美術の方々の気迫を感じます。能に何の造詣もないので解り辛いのですが、結末に見るように芸道の厳しさよりメロドラマに重きをおいた作品に感慨も今一つ。山本富士子の固い演技にも引いてしまいました。 [DVD(邦画)] 6点(2018-03-19 09:37:59) |
1794. 少年の町
神父の高い理想を実現させた親友モリスに拍手喝采。「ええハナシやなぁ」とは思いますが、スペンサー・トレイシーのオスカー受賞には「これで?」と拍子抜けであります。 [DVD(字幕)] 5点(2018-03-18 18:58:08) |
1795. サンダーボルト(1974)
《ネタバレ》 むさ苦しいイメージしかないジェフ・ブリッジスの屈託のない笑顔に「へぇ~」っと驚くばかり。私もラストに真夜中のカーボーイが浮かびました。都合良く生き残って都合よく大金をせしめるサンダーボルトに何一つ魅力を感じず退屈なオハナシに眠気が襲う。珈琲3杯飲みながらどうにか完走、疲れました。 [DVD(字幕)] 4点(2018-03-17 23:44:00) |
1796. 必死の逃亡者
犯罪者、被害者一家、官憲、それぞれの必死さが生み出す緊張感が途切れることのない展開。加えて一家の絆の強さにじわじわと感動が湧きあがり、「パパ、僕も人質になるよ」「バカな事を。お前は悪い子だ、パパに楯突いてばかり」に涙腺決壊。ボギーを自分の引き立て役にした感があるフレデリック・マーチにキュンキュンさせられ通しで、ラストの手招きにまた涙。ボギーの手下2人がアホアホでなかったら10点でした。どのようなジャンルでも一級品に仕上げる巨匠に拍手喝采。 [DVD(字幕)] 8点(2018-03-17 20:20:19) |
1797. マタ・ハリ(1931)
スパイとして大した事をしていないグレタ・ガルボの気障ったらしい言動に白けます。切なさ募る別れの場面ではありますが、ただならぬ気配を感じられない中尉さんが何だかなあと盛り上がりませんでした。情けない役柄のライオネル・バリモアにもガックリ。 [DVD(字幕)] 4点(2018-03-16 01:51:49) |
1798. シェイプ・オブ・ウォーター
《ネタバレ》 乳児に負った傷がもとで言葉を発せない女性とアマゾンから連れてこられた言葉を発せない半魚人の恋。互いが自分の事を分かってもらえる事の喜びが滲み出ており、半魚人の得も言われぬ美しい目が語る胸中が切なさをかきたてる。個人的に助演男優賞が相応しいと思ったマイケル・シャノン演ずる力だけが正義と信じているストリックランドが本作のキーパーソン。マイノリティに対するこの男の言動に「便所のような国」発言の大統領が思い浮かぶ。60年代東西冷戦と半魚人の関わりの掘り下げが浅いのが惜しいものの、ラストショットまで目の離せない、余韻の深い、記憶に留まる秀作でした。 [映画館(字幕)] 8点(2018-03-16 01:39:54) |
1799. オックスフォード連続殺人
《ネタバレ》 高邁な数学・哲学理論で彩られていながら事件の真相は数学に何の関係も無い下々の人間臭い動機であるのに白けてしまい、お粗末な結末に「何じゃこりゃ」 天才数学者役のジョン・ハートは見せ場は無く客寄せパンダのようでガックリ。暇つぶしにもならない駄作。 [DVD(字幕)] 3点(2018-03-11 21:40:43) |
1800. いとこのビニー
《ネタバレ》 キッチリと描かれた法廷シーンとコメディの塩梅が絶妙な脚本は見事で、大笑いさせられた法廷モノという稀有な作品。何時もの残忍冷酷な役柄でないジョー・ペシのキレるのを堪えてそうな姿に、何時もなら皆血祭りにあげられているのにと思うと可笑しくてしようがなかった。子宮でモノを考えてそうで理知的であるギャップが魅力のモナ・リサ・ヴィトを演じるマリサ・トメイが輝いていた。勝訴の結末は想定内だが、一発逆転の証言の理詰めさが心地良く、後味もスッキリ爽快。掘り出し物の逸品。 [DVD(字幕)] 8点(2018-03-11 17:30:05)(良:1票) |