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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1821.  ファイナル・デスティネーション 《ネタバレ》 
娯楽ホラー。某国営放送の子供向け番組『ピタゴ○スイッチ』を彷彿とさせる死の仕掛け(死のデザイン)が見ものです。その徹底した悪ノリぶりが好き。コレ系に付きものの殺人鬼が姿を見せないのもいい。概念としての“死神”が、その存在を匂わせるだけ。多少物足りなくもあります。逃げ応えがないし、どうすれば助かるのかもよく分からないから。でも死とは本来そういうもの。誰もが気付かないうちに、死神デザインの死の仕掛けに組み込まれている。そう考えるとゾっとします。天災に巻き込まれるのか、はたまた事故か。さしずめ自分の場合はメタボリックですかね(苦笑&冷汗)。
[DVD(字幕)] 7点(2007-05-29 18:06:49)
1822.  イゴールの約束 《ネタバレ》 
物語が進むにつれて父親とイゴールの結びつきの強さが明らかになります。そして同時に違和感を覚えます。それは親子に距離感が無いから。お揃いの指輪、刺青、カラオケでデュエット熱唱。年頃の息子と父親の関係とは思えない。一心同体。血肉を分けた子ですから、父が息子を同一視する心情は分かります。それは愛情でもある。ただし、本作のケースは度を越えています。父にとって息子は、今も幼い子供のまま。コミュニケーションの取り方ひとつ見ても、それが伺えます。しかし父は子を縛っていることに気付いていません。それは息子にしても同じ。いや、気付いていないというより、甘んじていると言うべきか。束縛は苦痛ではありません。面倒な選択と決断をしなくていいなら楽なものです。しかし、少年はそれを“よし”としない生き物のはず。従順だったイゴールの反発。それは父と共有してきた価値観の放棄を意味しました。そのきっかけは“死”。自分が関与した人の死は、彼に大きな衝撃を与えたでしょう。その圧力が束縛を切る力に転化したのではないか。そしてキーとなるのが、死んだアミドゥの妻の存在。幼子を抱えながら凛と振舞うその姿は、あるべき母親像そのもの。イゴールが自身の母を彼女に重ねたと想像するのは難くありません。そういえば彼女に抱きついたイゴールは、まるで母に甘える子供のようでした。母親不在の状況が父子の濃密過ぎる関係を構築し、仮初めの母が息子の自立を促したと見てとれます。そうだとすれば興味深い。イゴールが自立のために払った代償はとてつもなく大きいものでした。しかし、もし“今払わなかったら”と考えるともっと恐ろしい。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-28 18:14:50)(良:1票)
1823.  銀色の髪のアギト 《ネタバレ》 
率直にいって『未来少年コナン』+『風の谷のナウシカ』という感じ。そういえばタイトルの語感も『ナウシカ』っぽい。もっとも、後発作品ゆえ設定や世界観が先行作品に似通ってしまうのは、ある程度仕方が無い。問題なのは、物語としての出来が芳しくないことです。本作の肝は、何故アギトはトゥーラを奪い返しに行ったのかということ。森を助けるという目的は2の次。2人には(少なくともアギトの方には)強い恋愛感情があったはずです。口を開けば「トゥ~ラ~」と叫ぶ、サカリの付きっぷりを見てもそれは明らか。だのにアギトがトゥーラに恋する過程が描けていないと感じました。自分は2人が初めて出合ったシーンが本作の最重要シーンと考えます。ここに全精力を注ぎ込む必要があった。いかにトゥーラを魅力的に描くか。アギトの一目ぼれを印象付けるか。この娘のためになら命を賭してもいいと思えるほどに。ココさえ押さえてしまえば、全ての流れに必然性が出る。アギトの決意に感情移入できます。最初の躓きが作品全体の躓きに思えました。火山のエネルギーがイストークの源動力といいつつ、地面を離れて立ち上がってしまう等、不合理な設定も目に付きます。それでもキャラクターに魅力があれば印象は良くなるのですが、誰一人として“生きている”感じがしませんでした。これは声優の力量不足も当然影響しています。メッセージは理解できますが、表面的な部分で終結していると感じました。軍事国家ラグナの位置づけを単純悪で片付けてしまうのは浅い。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2007-05-27 00:29:39)(良:1票)
1824.  コンセント 《ネタバレ》 
意味深っぽいタイトル。難解な作品を予想しました。事実途中までその雰囲気アリアリでした。でも終わってみれば明快なストーリー。いや冥界か(ダジャレ失礼)。シャーマンという設定に、市川実和子はピッタリです。吸い込まれるような大きな瞳。包み込むような長い手足。これに演技力が伴えば、言うことなしでした。もっとも彼女に限らず低調な演技者が目立ったのはマイナスポイント。殊更「コンセント」を意識した演出にも疑問符が付きます。のっけから市川が掃除機のコンセントに食いつくのは不自然ですし、清掃業者がそのコンセントを躊躇無く切ってしまうのはもっと変。その掃除機新品ですよ!キーアイテムの直接的なアピールは、興を削ぐことになります。それでもテーマは興味深く、結構楽しめたのでアリかなと。も、もちろんイヤラシイ意味はないですよ。ええ。
[DVD(邦画)] 6点(2007-05-26 17:53:40)
1825.  シェルブールの雨傘
通常の芝居と歌のパートが別れているミュージカルの場合、感情の起伏に同調するように歌と踊りが挿入されます。ミュージカル最大の長所は、歌の力で喜怒哀楽を際立たせること。歌うことで世界が一変します。歌と踊りが“動”ならば、それ以外の芝居部分は“静”。このメリハリがミュージカルのリズムです。動を引き立てるには、静が大切です。本作は通常が“動”の状態。観ているうちに慣れてきます。動から盛り上げるには更なる動が必要。それがBGMの音量を上げること。情緒溢れる印象的な旋律が胸を揺さぶります。しかしこれはやり方として上手くないのでは。音の大きさで誤魔化している印象を与えかねません。結果的に大味な表現になっていると感じました。本作は大人の恋愛物語。揺れる想い、秘めたる胸の内。繊細な感情を表現するのに、本作の技法が適切であったかは疑問です。ひたすら甘く他愛の無い恋物語のほうが相応しかったかと。色彩感覚は素晴らしく、まさしく“鑑賞”に値する映画。オープニングを観ただけでも、並の作品でないのは鈍感な自分でも分かります。ただ、自分好み作品ではありませんでした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-05-25 18:40:59)
1826.  スリーピー・ホロウ 《ネタバレ》 
首なし騎士は怖い(ウォーケンの首つきのほうがもっと怖い)ですが、一番恐ろしいのはやっぱり人間。主人公も主人公にあるまじきダメっぷり。正統派ゴシックホラーの趣ですが、人間の暗所と短所が存分に描かれている、紛れも無いバートン作品。この毒気こそが監督の魅力。無駄に悪趣味な部分もありますけど。思った以上にミステリーとして楽しめましたが、こういうジャンルに不慣れなためか、タネ明かしが少々もたついたように感じました。ところで冒頭に出された宿題、“主人公の理想は現場で活かされるのか”については、結局どうでもよくなってしまったような。物語の締めにもう一工夫あって良かったかも。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-22 18:12:21)
1827.  或る夜の出来事 《ネタバレ》 
ラブコメというジャンルは凄い。時代を超える普遍性があります。当時の時代背景等の知識がなくても、すんなり入っていける。『ローマの休日』然り『お熱いのがお好き』然り。本作もそんな古典ラブコメの名作とのこと。もっとも自分はそんな事も知らずに鑑賞したのですが、これが滅法面白い!そして上手い!例えば、娘が所持金4ドルの状態で1ドル60セントのチョコレートを買おうとするところ。これだけの描写で、彼女の人となりが伝わってきます。探偵相手に2人で芝居をするエピソード。ここで一気に2人の距離が縮まります。何十回の気楽なデートよりも、たった1回共に苦難を乗り越えるほうが、絆が深まる。よく分かります。そして後々唸らされたのが、序盤での主人公のある台詞。彼は世間知らずな娘をたしなめるために、こんな言葉を投げかけています。「何でも金で解決できると思うな」。これは、娘の父親が婚約者に多額の慰謝料を払う部分の伏線でもあります。“金で解決できないものがある”は、すなわち“解決できるものは大して重要ではない”ということ。このエピソードひとつで、これまで語られることが無かった婚約者の人格を想像することができます。彼を殊更におとしめることなく、“金目当て”であったことを匂わせる。2人を快く祝福するためには、婚約者は“嫌なヤツ”でなくてはなりません。もっとも、これはひとつの解釈。婚約者は泣く泣く彼女を諦めた可能性もありますし、金の力無くして2人は結ばれなかったのも事実。二重の意味で「金の力で~」は深い台詞になっていると思いました。ラブコメとして優れたフォーマット。ニヤニヤクスクス、ときに大笑い。やきもきしつつもハッピーエンド。見事な恋物語であり喜劇を堪能させてもらいました。
[DVD(字幕)] 8点(2007-05-21 18:22:45)(良:3票)
1828.  奥さまは魔女(2005)
まず2005年にわざわざリメイクする必要があるのか疑問。それにサマンサは別にしても、ダーリン役がオリジナルとあまりにイメージが違いすぎる。こりゃ厳しいかなと思いつつ鑑賞を始めたのですが、予想とは全く違いました。劇中劇の二重構造。こういうやり方があったのかという感じ。これもドラマが超有名だから成せる業でしょう。なかなか楽しいラブコメでした。恋こそが最大の魔法といったところでしょうか。ただこれ、ニコールが魔女でなくても成立したかなと。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-05-20 18:04:11)
1829.  キスキス,バンバン 《ネタバレ》 
述懐形式で展開する物語。ストーリーテラーは主人公です。サスペンス調ですが、多分にコメディの要素を孕んでいます。狙いは“お洒落”なサスペンスコメディといったところでしょうか。ただ狙ったラインが微妙なせいか、笑うに笑えない、もどかしさを覚えました。お洒落も少々鼻に付きます。例えば“指オチ”のエピソード。本来アホバカコメディでやるようなブラックなネタです。「アホバカでやるようなことを、あえてやっているんですよ」というお洒落さのアピール。でもそれってお洒落なのかなあ?ヒロインの妹のエピソードにしても無理がある。胸糞悪いエピソードは何処まで行っても胸糞悪いだけです。狙いは面白いと思いますが、個人的にはもうひとつ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-05-19 18:23:16)
1830.  シャーク・テイル
本作は海中が舞台の物語。画面には常に青色があります。もちろん明るい青、深い青などバリエーションはありますが、青系の色が画面から消えることはありません。そのため、画にメリハリが出ません。どんなに派手な街並みを海底に再現しても、青色から受ける単調さを払拭するには至らない。それほどまでに“青”という色の持つ力は大きいと感じます。本作の場合、肝心の主人公がいけません。多分現実に存在する魚だと思うのですが、カラーリングが問題です。青を基調とした体色のため、背景に溶け込んで見栄えしません。また、黄色や白といった色も混じっているため、美しさはあるもののインパクトに欠けます。性格は際立っているのに、見た目で損をしているのはもったいない。そういう意味では、未見ですが『ファインディング・ニモ』のニモの色使いは正しいと思います。背景に溶け込まず、単純で覚えやすい色使い。子供向け作品であれば、尚更それが必要です。ストーリーについては特に言いたいことはありません。可もなく不可もなしといったところ。話は変わりますが、日本版ではアンジーの代わりに小池栄子が吹替えをしているんですね。“日本のアンジェリーナ・ジョリー”と言われる方は気分がいいでしょうが、その逆はどうなんだろうと思ってみたり。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-05-18 18:51:14)
1831.  北の零年 《ネタバレ》 
大勢の人たちが汗水たらして鍬を振るう。序盤とラストで象徴的に使われるシーンです。画的な華やかさがあります。ただどうも引っかかる。経験がないので、的外れな指摘だったらゴメンナサイなのですが、あんなふうにやるものでしょうか。右を向く人、左を向く人。四方八方に散らばって鍬を振り上げるのは危険です。それに無駄も出る。一列に並んで耕すのが普通では。(そのほうが連帯感も感じられますし、画面手前から奥にかけてずらりと並んで鍬を振る姿は壮観ではないかと。)ここで自分が指摘したいのは、作業方法の問題ではありません。この場面に集約されている“雰囲気重視”の姿勢が気になるのです。大仰な音楽が多用されることにもそれが言えます。“感動”を安易に考えている気がしました。主人公の人物像。どこまでも清らかで、耐える姿は美しいです。でも“正し過ぎて”近寄りがたい。本作は開拓の物語。切り開くのには、途方も無い労力を要します。もがき、苦しみ、絶望することもあるでしょう。でも成果の喜びは、何物にも代え難いはず。苦労は存分に描かれていますが、喜びの描写がほとんど無いのは何故でしょう。それは感動を生むロジックを、画一的に捉えているからではないかと思いました。ですから感動ポイントが決まっています。でも優れた作品の場合はどうでしょう。不意をつかれて涙を流したことはないでしょうか。厚みのある作品は、点で心を捉えようとしません。雰囲気重視の一面的な描写で得られる感動は、やはり“それなり”である気がします。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2007-05-17 18:07:03)(良:2票)
1832.  ヅラ刑事
「かつら」という言葉には、意外とポジティブなイメージがあります。パーティーのアフロ。時代劇のちょんまげ。ウィッグなんておシャレな言い方もある。日なたの匂いがします。ところが「ヅラ」と言われるとどうでしょう。とたんに湿度が5%ほど上がります。かつらはサラサラ。でもヅラはムレムレなのです。それは禿げを隠すために真剣だから。ヅラ、豊胸パット、ビガーパンツ…。コンプレックスと共にあるアイテムは、いつの世も日陰の存在です。そこで本作。主人公は自らのヅラを投げるという。堂々と自身のコンプレックスを人前に晒します。これは本来在り得ない行為。ヅラの存在価値を否定することになってしまう。本作ではその大いなる矛盾を、ある“荒業”でクリアします。もはや主人公のヅラは単なる道具ではありません。『トミーとマツ』や『あぶない刑事』などの、名だたるコンビ刑事ものと肩を並べたと言っていいでしょう。(すいません。やっぱり言い過ぎでした。)そういえば、名作刑事ドラマ『太陽にほえろ』にもリアルヅラ刑事がいたとかいないとか。本作はコンプレックスを笑いものにしています。被ってるキャラのイジリーを、デカチンにキャスティングするなんて皮肉もいいところ。でも好意的に捉えれば、コンプレックスを持つ者たちへの応援歌と考えられなくもない。モト冬樹はスタイル抜群ですし、イジリーもメガネがよく似合う。よく考えれば、彼らは悪く描かれていないことに気付きます。さあ、耳を澄ませてみましょう。きっとステキな応援歌が聞こえるはずです。もっとも、自分は最近耳掃除をしていないので聴こえませんが。
[DVD(邦画)] 4点(2007-05-16 17:54:35)(笑:2票)
1833.  ジェーン・エア(1944) 《ネタバレ》 
少女期の物語から、主人公の“ひととなり”を伺い知ることが出来ます。彼女は人一倍“愛されたい”という強い想いを抱えています。育った環境を考えれば至極当然のこと。この“強すぎる想い”が、彼女の人生の指針となります。そして重要なのが、虐げられても立ち向かうだけの強さを、彼女が持っていること。主張できる強さ。“ヒロインは強い”という原則は、洋の東西を問いません。ただ、ハッキリと外観で分かる強さが西欧では求められるのかなと思いました。人格を否定され、親友を失いつつもなお、真っ直ぐに育ったのはほとんど奇跡。さらに、教育を十分に受けられたのも。いずれにしても、彼女に“強さ”があったればこそ。成人した彼女は、家庭教師となって、あるお屋敷に住み込みます。ここからがメイン。当主と使用人という関係を超えて、二人は惹かれあうようになる。しかし、2人の行く末を妨げる、ある重大な秘密を当主は隠し持っていた!サスペンスタッチで物語が進行するため、ちょっとドキドキ。結果的には、今どきの昼メロのようなストーリーでした。当時の時代背景を考慮すれば、十分シンデレラストーリーなのでしょう。ただ現在の価値基準を当てはめると微妙です。世界が狭いところで終始してしまっている。ジェーンにはもっと外の世界を知って欲しいと思ってしまいます。
[DVD(字幕)] 6点(2007-05-15 18:04:52)
1834.  絞殺魔
画面分割の多用など、視覚効果は凝っており楽しめましたが、サスペンスやミステリーとしての醍醐味は希薄です。捜査の過程に面白みはありませんでした。もっとも実話とはこんなものかも。見せ場は容疑者の取調べ。犯人の心理描写は重厚で見応えがありました。どうせなら、いきなり容疑者を確保したところから物語を始めても良かったのではないかと。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-05-13 00:29:26)
1835.  スパイダー 《ネタバレ》 
この手のサスペンスの場合、自分が重要視するのは敵のキャラクター。悪ければ悪いほど、狡猾であればあるほどいい。雰囲気も大事です。本作の犯人の場合、善人の皮を被っていた前半は問題ありません。ところがその正体を観客に明かしてからがいただけない。人質の娘に切れて暴言を吐いたり、銃を乱射したりするのは品がない。それはチンピラのすること。彼女はラスボスの器ではありませんでした。全体的な流れもご都合主義が幅を利かせており、好みではありません。主人公のスキルがあまり活かされてないのももったいない。
[地上波(吹替)] 4点(2007-05-12 17:34:47)(良:1票)
1836.  ステルス
芳しくない評判を耳にし、心の準備が出来ていたせいか、言い方は変ですが思ったよりも“大丈夫”でした。戦闘機のエアアクションをはじめ、視覚部分では結構楽しめました。ただ、満足できるのはこの部分のみ。こと、ストーリーに目を向けるとダメです。いかにもアメリカらしい大雑把な価値観がまかり通っているのが鼻に付きます。もちろんフィクション。現実ならば、ここまで無茶はしないでしょう。でも根底に見えるのは、今のアメリカそのもののような気がします。“正義”とか“真実”という言葉を何の疑問も持たずに使えること。自己の利益を何よりも優先できること。その迷いのない姿勢は羨ましくもあります(これは皮肉ではなく)。ですから娯楽作品と割り切れれば、アメリカ作品ほど面白いものはない。でも現実の問題とダブッてしまう題材の場合は、なかなかそうは行きません。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-05-11 20:43:18)(良:1票)
1837.  ダーク・ウォーター 《ネタバレ》 
『ザ・リング』や『JUON』等の丸パクリメイクに比べて、本作は日本版を消化した上で再構築しています。リメイクとして、正しい姿勢だと思います。これは好印象。日本版の不可解とも取れる“母(黒木瞳)の決断”を、きちんと整理したところが最大の変更点。今まさに娘の命が奪われようとしている。だから娘を助ける代わりに、自分(母)の命を差し出す。交換条件が明確です。また、母のトラウマを強調した部分も上手い。“妄想”の可能性を残したことで、物語に幅が出ました。テーマはより鮮明に、ストーリーはより納得できるものに仕上がっています。ただ、“余白”をそぎ落としたために、味わいが薄れてしまったように感じました。本作の母の決断には、あの選択肢しかなかった。考える暇もありません。“急かされて契約書にサインをした”ように見えてしまう。日本版には他の選択肢も、考える時間もありました。その僅かな“間”から汲み取れるのが“母の強さ”であり、“大きな母性”でした。管理人に責任を取らせたのも、霊と母が去っていくシーンを入れたのも、スッキリはしますが几帳面すぎたかと。早々にネタバレしてしまう日本版と比べると、つくりは本作のほうが遥かに上質です。本作には感動がある。でも自分は日本版の情緒を好みます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-05-11 18:52:47)(良:1票)
1838.  ダメジン 《ネタバレ》 
『亀は意外と速く泳ぐ』やTVドラマ『時効警察』で三木作品に慣れ親しんでいたせいか、すんなりと作品世界に入り込むことが出来ました。ただ、もしそうでなかったらと思うとゾッとします(笑)。先に挙げた作品には無い“アクの強さ”がありました。のっけから●焼ですもん。嫌いな人は絶対受け付けないと思いますが、此処をクリア出来れば結構いけるかも。いやそうでもないかな(笑)。本作が初監督作品とのこと。市川実日子よりも市川実和子が、中山忍よりも中山美穂が、高島政伸よりも高島政宏の方が“濃い”ように、最初の作品の方が監督の嗜好が顕著に現われるのでしょうか。三木作品は小ネタが多いことでも知られています。荒唐無稽なものから“あるあるネタ”まで、そのフリ幅は広い。個人的には「空き地には紐が埋まっている」がツボでした。コーヒーシュガーによるガムの再生も好き。”脱力系”と評される”ゆるさ”。その独特の“ゆるさ”は“やさしさ”でもあると思いました。悪意がないから、きわどいネタでも笑えるのだと思います。それにダメな奴を笑うことは、自分のダメな部分を認めることでもある気がする。ダメな部分を直せれば最高です。でもそれが無理なら、自分のダメさと付き合っていくしかない。それでも生きていくことのほうが大切です。人は死んで川崎のガンジス川に帰っていく。どうせみんな死ぬんだし、とりあえず生きてみますか。それ“も”いいんじゃないかと思う。
[DVD(邦画)] 8点(2007-05-10 18:17:24)(良:1票)
1839.  みんなのいえ 《ネタバレ》 
職人と芸術家に挟まれて、若い旦那さんは右往左往。夢のマイホームの姿があらぬ方向へ進んで行く様を笑って欲しい。唐沢と邦衛が互いに理解を深めていく過程には、温かいものを感じて欲しい。それが監督の注文だと思います。そもそも三谷監督の真骨頂は、爆笑よりも“ニヤリ”の笑いだと思います。そういう意味では、自分は注文にはまりました。でも苦笑いの方が多かったかも。2人の和解については、正直心に響きません。それは、2人が仲良くなっただけだから。それでは浅いです。真田広之がカクテルをつくるシーン、唐沢に対してココリコ田中が声を荒げる場面からは、“プロの仕事は自己満足であってはならない”というのが監督の主張が読み取れます。どうもその主張と展開が合っていない気がします。バーテンの独りよがりな姿を見て、唐沢が(悪いほうに)感化されるのは変ですし、邦衛が自身の主義を曲げて唐沢に歩み寄る部分がないのも物足りない(タイルの件は自分の嗜好に会っただけ)。依頼主の願いを尊重する“プロの仕事”を感じたいと思いました。長回しの多用など、映像的な工夫は感じられます。ただ物語としては、イマイチでした。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2007-05-09 20:41:29)
1840.  ブレイブストーリー 《ネタバレ》 
使い古したファンタジーの世界観にベタな冒険譚。薄っぺらいし、安っぽい。ヴィジョンへすんなりと足を踏み入れたこと。また内なる自分との戦いがあることから、異界の物語は全てワタルの心の世界との解釈が妥当かもしれません。少年の心の成長をRPG風に描き出したと。仮にそうであっても芳しくない印象は変わりません。そこで、です。原作未読であることを逆手にとって、自分勝手な解釈を試みてみます。まず気になるのは、主人公がヴィジョンに来た目的です。彼の願いは、“お母さんを助けて”というもの。母想いの良い子です。でも何故“家族みんなで暮らしたい”ではないのでしょう。次にミツルについて。彼は一家心中で家族を失っています。その時“母親の知人の男性”も心中に巻き込まれたとのニュースが。知人の男性?つまり母親の愛人と推測されます。不倫が最悪の事態を引き起こした。家庭を壊した男に天罰が下ったのです。そして謎の少女。序盤から主人公の意識に語りかけます。ヒントを与え、彼の進む道を気遣います。その正体は大きな蛙。「あなたのために、こんなにもしてあげたのに」という台詞。この口調、耳にしたことはないでしょうか。それに何故“蛙”なのか。そういえば、蛙の飲み込んだ先がフィールドでした。蛙の特徴は変態するということ。おたまじゃくしが子供なら、カエルは親。そう、これらの事柄から導かれるのは、“謎の少女の正体はワタルの母親”。そして“ヴィジョンは彼女の心の世界”。母親が我が子を主人公にしたRPGを頭の中でやっている。離婚のショックと心の拠所が子供だけになったことが引き金です。真の主人公はワタルの母。そう考えても、結構納得がいく。父親が出て行った直後の母親のリアクションは、現実を受け止めていなかったように見えました。RPGの設定が少々古臭いのは、母親の子供時代に流行したゲームだから。ワタルが大した困難にぶつからないのは親の願い。父親が悪く描かれるのも合点がいく。世界を統治するのが女神である理由も。ただワタルの出した答えは、母を助けないというものでした。母にとっては予想外だったかもしれません。でも子供は親の期待を裏切って成長していくもの。そして過去より未来を目指すもの。大きく姿を変えた勇者の剣はまるで翼のよう。もう飛び立つ準備は出来ました。本作は、親が子離れをする“勇気”の物語だった。こう考えるとちょっと面白いのでは。
[地上波(邦画)] 6点(2007-05-07 17:56:13)(良:2票)
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