1841. 黄金のアデーレ 名画の帰還
《ネタバレ》 オーストリア国家相手の裁判に費やしたマリア82歳から90歳まで8年間の物語。過去と現在を自在に行き来する秀逸なカメラワークで見せる絵画に纏わる一族の歴史とマリアの心模様が実に見応えがありました。ヘレン・ミレンはドンピシャのキャスティングで見惚れました。勝訴して「私は両親を置いて逃げた」とむせび泣くマリアに、絵画まで連れて帰るのか、故国に留まって然るべきでしょう。ナチスに蹂躙されたオーストリアが一方でユダヤ人を蹂躙していた事実が何ともやるせない。 [インターネット(字幕)] 7点(2018-01-08 14:31:13)(良:1票) |
1842. オペラハット
《ネタバレ》 ゲイリー・クーパー定番の善人が最後に勝つという監督定番の物語。悪い気はしませんが予想通りに事が進み盛り上がりに欠けるもどかしい作品。クライマックスの裁判での反撃シーンは癖をあげつらうだけで拍子抜けでしたが、中身は空っぽの恥知らずでも喋った者勝ちでグッと肚に収めて喋らなければ負けである事を痛烈に感じたところに+1点。 [DVD(字幕)] 7点(2018-01-07 17:02:29) |
1843. 百万円貰ったら
《ネタバレ》 パラマウント社の総力を結集したような製作陣と俳優陣。巨万の富は得たが信頼や愛情を注ぐ人を得られなかった余命僅かの社長さんから百万ドル(円じゃない)を与えられた8人それぞれの物語。後味の良いもの悪いものとバラエティに富んだ着想が素晴らしい。印象深いのはウォーカー夫人と紙幣偽造犯と死刑囚と陶器販売店店員。社長がお友達を得たラストが素晴らしい。 [DVD(字幕)] 8点(2018-01-06 16:51:28) |
1844. 生活の設計
85年前に描かれた三角関係のラブコメのカラリとした爽やかさが心地良い。ゲイリー・クーパーとフレデリック・マーチを都合の良い男としてかしずかせるミリアム・ホプキンスは女冥利に尽きますね。夢物語を堪能できる良作。 [DVD(字幕)] 6点(2018-01-06 16:00:37) |
1845. キングスマン: ゴールデン・サークル
《ネタバレ》 予備知識無しでの初日初回の鑑賞。お目当てコリン・ファースの回想シーンで胸がキューン。待ってましたの登場シーンの冴えないオッチャン姿にショボーン。 マーク・ストロングとの別れの場面(・・・Country roads take me home To the place I belong West Virginia mountain mamma Take me home country roads・・・・ 熱唱は本作一番の名場面で左隣の人と一緒に小声で歌いながら胸がジーン)後の活躍にウットリ。 特筆すべきはエルトン・ジョンでコリンと共にロボット犬と戦う姿に笑わされ、「今日は水曜日だろ」のWednesday night's Alright for fightingに懐かしさを覚えました。 折角出演してくれたジュリアン・ムーアの悪党としての淡白さが(大女優にはこれが精一杯か)惜しい。 コリン・ファースのファンの方には楽しめると思われる快作。 [映画館(字幕)] 8点(2018-01-05 16:46:17)(良:2票) |
1846. ジャックナイフ
《ネタバレ》 メグス、デイヴ、マーサ。生きる事にくたびれた三人が、帰還して最初にしたい事を語る圧巻のシーンを機に憑き物が落ちたよう表情となる。ベトナム帰還兵を扱った作品では地味ではあってもデ・ニーロ、エド・ハリス、キャシー・ベイカーの人物を表現する力を見せつけられた良作。 [DVD(字幕)] 7点(2018-01-04 00:15:56) |
1847. 悪の花園
《ネタバレ》 南米に金鉱掘りに向かう船の故障で下船したメキシコで落盤事故に遭った男の救出に向かいあっさり救出した後に先住民と戦う。何じゃこりゃ? な物語。ゲイリー・クーパーは定番の優等生ぶりで見せ場無し。彼を引き立てつつ、おいしい所をさらっていったリチャード・ウィドマークが印象深い。人間扱いされていない先住民の描写が酷い。 [DVD(字幕)] 6点(2018-01-03 10:00:37) |
1848. 夜の人々(1948)
《ネタバレ》 ボウイとキーチ、「俺たちに明日はない」のバカップルとは違う瑞々しい二人の逃避行。結末は分かり切っているものの、それが仲間の裏切り(置手紙を勧める女の顔つきには吐き気がする)によるところがやるせない。監督処女作にして名作。 [DVD(字幕)] 7点(2018-01-03 09:35:25) |
1849. 死の谷
《ネタバレ》 更生して穏やかな暮らしを送るための最後の強盗。無法者の身勝手な夢が叶う筈がないのですが、手を繋いでこと切れた二人と、二人の幸せを確信しながら鐘を鳴らす神父さんの姿に切なさで泣けてしまいました。また、多くの者たちの裏切りを見せつけられて、何時の時代も街中が裏切りに溢れているのを再認識させられます。傑作西部劇。 [DVD(字幕)] 9点(2018-01-01 13:48:20) |
1850. ボー・ジェスト(1939)
冒頭から結末までが見事な展開で目が離せない。謎が明らかになる度に深い感慨に包まれる。秀作。 [DVD(字幕)] 7点(2017-12-31 20:22:23) |
1851. ヴェラクルス
登場人物全てが企んでいる感が満載。悪に徹しきれないゲイリー・クーパーの引き立て役である迷い無き悪のバート・ランカスターが白い歯と同様に輝いておりました。肩のこらない西部劇を大いに楽しめました。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2017-12-31 01:19:48) |
1852. 不機嫌な赤いバラ
テスとダグの関わりに退屈さで欠伸が出た途端の降って湧いた誘拐騒動。見続ける気にはなったものの、あまりのとってつけた感と犯人のしょぼさに白けてしまう。本人の言うとおり元大統領夫人の警護にべらぼうな税金が使われているのにビックリ。公の場におけるテスの立居振舞に加点。 [DVD(字幕)] 5点(2017-12-31 01:05:31) |
1853. いぬ
登場人物の関係が解り辛く、見せない演出がさらに解らないものにしていて、モヤモヤが募るばかりで折角の雰囲気を味わえなかった。 [映画館(字幕)] 5点(2017-12-25 00:20:46) |
1854. アルフィー(1966)
都合の良い女性と都合の良い関係のみを求めるアルフィー。シニカルで飄々とした言動の彼が時折見せる寂しさに胸が疼きます。シェリー・ウィンタースの妖艶さは女性陣の中では別格で流石の貫録。作品に溶け込んでいる音楽も素敵でした。 [DVD(字幕)] 7点(2017-12-23 23:16:55) |
1855. 天使(1937)
三角関係のありきたりな内容ながら、粋な演出による洗練された映像美はお見事。 [DVD(字幕)] 6点(2017-12-23 22:58:44) |
1856. 愛人ジュリエット
《ネタバレ》 冒頭にネタバレあらすじが示されますが面白味を損ねないところが監督の力量でしょう。夢の世界と現実世界の「愛」の対比が鮮やかに描かれています。 [DVD(字幕)] 7点(2017-12-21 16:17:06) |
1857. 或る夜の出来事
「卒業」を思わせる結婚式シーンが絶品で父親の変貌ぶりは胸熱でした。二人の心模様が実に見応えがありましたが、ピーターのあまりの上から目線の物言いに-0.1点。元祖ラブコメ、オスカー主要五部門制覇も納得の至高の傑作。 [DVD(字幕)] 9点(2017-12-18 13:58:26)(良:1票) |
1858. 欲望(1966)
起承転はとりとめなく結は無い。人間や物事の本質を見抜く力は人生経験の積み重ねによるものですが、本作からは芸術臭が鼻につくくだらなさしか感じません。恥とも解ろうとも思いません。スタジオ撮影でのモデルさんの見惚れる肉体美に加点。あまりに酷い邦題は特筆もの。 [インターネット(字幕)] 2点(2017-12-17 17:03:47) |
1859. ミッション:インポッシブル
初見。監督特有のスタイリッシュな映像美を堪能。白眉はCIA潜入シーンで無音の画面に息を詰めて魅入りました。黒幕が早くに判明してしまう展開と、やり過ぎの列車アクションが興醒め。ヴァネッサ・レッドグレーブは流石の存在感であり放たれる悪のオーラにワクワクしたのに絡みが足りないのが心底残念。 [インターネット(字幕)] 7点(2017-12-17 04:30:21) |
1860. ラストエンペラー
ベルナルド・ベルトルッチ、ヴィットリオ・ストラーロが作り出す映像美に「暗殺の森」同様に見惚れる。後年のグレー一色の世界がうら寂しさを一層かきたてる。与えられた環境を受け入れるだけの主人公に心打たれるものが無く物語としては低調だった。 [DVD(字幕)] 7点(2017-12-15 03:13:02) |