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コメント数 594
性別 男性

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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  フェイシズ(1968)
ジョン・カサベテス監督の映画は「アメリカの影」も観たのですが、今一つ楽しめませんね~。確かにやっていることは凄い、今の時代から見ても新しいことは明らかです。しかし構成の斬新さに内容が伴っていないというか…、正直中盤はかなりダレました。しかしカメラ等、撮影機材が一切存在していないかのように振舞う俳優たちの自由奔放な演技はこの上なく魅力的!また会話と会話の間に生じる気まずいムード、あの瞬間に生まれるピリピリとした緊張感はもう癖になりそうです。そして何よりも自宅を抵当に入れてまで映画を作ることにこだわった監督の熱意、その映画人としての魂に深く感動いたしました(ちょっと異常だけどね、笑)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-04-14 18:52:52)(良:1票)
2.  四月 《ネタバレ》 
グルジアの巨匠オタール・イオセリアーニの脅威のデビュー作!…はっきり言ってこれは傑作だと思います。俳優の台詞を一切排除し、字幕もオープニングのタイトルとクレジットだけに抑えた、まさにムルナウの「最後の人」をそのまま地で行ったような作品。“音と映像が一体になってこそ、そこに初めて映画が生まれる”という監督の信条通り、サイレントのような静謐さとトーキーにある力強さを合わせ持っています。後半、主人公二人が移り込んだ無機質なアパートに次々と持ち込まれる家具類の数々、物質主義の批判とも取れるこれらの品々を見ていると、まるで無声映画に割り込んできた音声<トーキー>のようにも思えます。そして驚くべきことにこの無駄な家具が増えていくに連れて、何と主人公たちも無駄な言葉を発するようになる!モンタージュやスローモーションなど古典的な技法を用いつつ、撮影法も一見シンプルに見えて実はかなり工夫されているように感じました。実際かなり実験的な作品ではありますが、恐ろしく完成度が高く、もしかしたら彼(イオセリアーニ)の最高傑作かもしれません。兎に角僕のつまらないレビューなんかよりも早く本編を観て下さいというのが正直な本音です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2006-03-03 17:57:21)(良:1票)
3.  女の中にいる他人 《ネタバレ》 
これは奥さんが気の毒ですね~。考えてみればタイトルの「女の中にいる他人」って彼女のことだったのか、最後には思わず犯罪に肯定してしまいます。それよりも主人公の身勝手な行動が鼻に付く。親友の奥さんと浮気して殺しておきながら、妻と相手の夫に告白しながらも、まるで自分が被害者であるかのように一言も謝らないのが良い(笑)。優柔不断の極みとも言える小林桂樹の表情はまさにハマリ役。作品的には同年の「ひき逃げ」と同様、成瀬作品の中では異色のサスペンスですが、あちら(「ひき逃げ」)が視覚的に驚かせていたのに対しこちらは心理的にジワジワと追い詰めていきます。何故か告白する時はいつも暗闇という、停電及びトンネルのシーンも恐怖を煽っていてグー。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-02-08 16:48:16)
4.  ケス 《ネタバレ》 
相変わらずケン・ローチ先生の授業は厳しいですね。学校教師の行いは体罰以外の何者でもないし、最後には最愛の小鳥まで殺してしまう。それでもサッカーのシーンで「Manchester United 2」なんてテロップを挿入するところはユーモアがあるし、心寂しい田舎の風景も少年とケスが戯れている時だけはこの上なく美しく感じられました。そんな訳で僕は今のところ彼の作品の中では『SWEET SIXTEEN』を越えて、本作が一番好きです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-12 14:26:04)
5.  ニュールンベルグ裁判 《ネタバレ》 
これは何もかもが素晴らしいと言わざるを得ません。三時間という長さをものともさせない息詰まる展開。緊迫感溢れる一方で、主演のスペンサー・トレイシーの人柄の良さも感じさせる。バート・ランカスターの威厳に満ちた演技、リチャード・ウィドマークとマクシミリアン・シェルの対決、そして華のあるマレーネ・ディートリッヒ。その他証人役として登場するジュディ・ガーランドやモンゴメリー・クリフトも、出演シーンが僅かながら流石名優というだけあって強烈な存在感を放っています。また撮影のアーネスト・ラズロの緩急を巧みに利用したカメラワークが素晴らしく、特に法廷シーンでの迫力は相当なものです。映画は最後にナチスの悪行から話を乗り越え、世界の"正義と悪"の本質に迫る。非常に意義深い作品です。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-26 19:03:56)(良:1票)
6.  男と女(1966)
う~ん…確かに才気は爆発しているけど、これが面白いかどうかと言うとちょっと…。ハリウッド映画のような大袈裟なラブストーリーではなく、ごく普通の男女の恋物語を描いている点には好感を持てます。リチャード・リンクレイターの「恋人までの距離」等は本作の影響を受けているのでしょうか。それからフランシス・レイのテーマ音楽は余りにも有名、漸く本家本元に辿り着くことが出来ました。流石に今日ではあらゆる所で真似され過ぎて、ちょっと新鮮味が無くなっているように思えます。それにしても当時無名で金も無かった新人監督が、これ一本で世界中の映画祭を席巻し一躍有名になるなんて"アメリカン・ドリーム"ならぬ"フレンチ・ドリーム"ですね。
[DVD(字幕)] 7点(2005-11-26 10:16:18)
7.  柔らかい肌 《ネタバレ》 
いや、正直フランソワーズ・ドルレアックが相手なら浮気したくなる気持ちも分かるよ。…という冗談はさて置き、これは全く恐ろしい映画でした。奥さん!ライフル片手にコートに隠し持って行っちゃいけません(苦笑)。自分は浮気はされる方にも責任があると思っている人間だけど、やっぱり妻を裏切るのは良くないな~と思いました(こんな感想しか書けない自分の貧相な鑑賞力にトホホ…)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-11-26 10:05:04)
8.  アルゴ探険隊の大冒険
これはレイ・ハリーハウゼンの行った仕事の中でも最高の出来栄え、映画としての面白さでは「シンドバッド七回目の航海」にも引けを取りません。何と言っても出てくるクリーチャー達が揃いも揃ってカッコ良すぎ!巨像タロスはそのあまりの大きさに、コイツが動き出すのかと思うと非常にワクワクしました。そして七頭の大蛇はデザイン、ディテール共に凝っていて素晴らしく、その牙から生まれる骸骨軍団とのクライマックスの死闘はハリーハウゼン・ダイナメーションによる極地と言えるのではないでしょうか。ここまで来るともはや無駄な人間ドラマが邪魔に思えてくる程…いや、この際ハッキリ言ってしまいましょう。邪魔だと(笑)。これを当時映画館の大スクリーンで観ることが出来た人たちが死ぬほど羨ましい…。くぅぅ
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-10-28 18:26:16)(良:1票)
9.  去年マリエンバートで
あるパーティーで出会った男女が去年起こった出来事について回想していくという、正しく「去年マリエンバートで」というタイトルが指し示す通りの物語。発想は良かったのですが、余りにも前衛的というか実験的すぎる作品なのでイマイチ入り込むことが出来ませんでした。というかそれがこの作品の売りなので受け入れられなければ全く駄目なのでしょうが…(汗)。現在と過去、そして思い出が交錯していく手法は当時にしてもかなり斬新だったろうと思われるので、個人の好き嫌いは関係なく技術面は高く評価します。事実、音楽とカメラワークは超が付くほど素晴らしかったです。どうやら自分は完全にこの映画の招かれざる客だったようですが、いつかこの映画の良さが理解出来る日が来ることを願いつつ6点で保留にしておきます。それではまた来年!(何が)
[ビデオ(字幕)] 6点(2005-10-16 21:16:17)
10.  ぼくらと遊ぼう!
全11話のシリーズで構成されたこの作品は、日本ではビデオ三巻で発売されており、その内容はあらゆる驚きと楽しみに満ちています。主人公の小グマ二匹の変幻自在のイマジネーションなど、単なる子供向けの内容ではなく大人の鑑賞にも充分堪えうるクオリティを持っています。さすが監督のブジェチスラフ・ポヤルは日本の川本喜八郎などと同じく、チェコの巨人イジー・トルンカの元で仕事を学んだだけのことはある。各話ごとに登場するサブキャラも色っぽい雌の豹や、見栄っ張りの犬、お調子者のヤギと個性が際立っていて良く、毎回変わるお洒落なオープニングタイトルも可愛いです。もし自分に子供がいたら見せてあげたいアニメーションNo.1。さあ、皆で一緒に遊びましょう!
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-10-07 21:47:37)
11.  ハロー・ドーリー!
良くも悪くもお上品なミュージカルという感じ。公開当時莫大な製作費を投じて作られたものの、既に観客が求めていたものとは違い興行的に失敗に終わってしまったという、何ともお気の毒な作品。監督は「雨に唄えば」の天才ジーン・ケリー。大作なだけに物語も長尺で終始集中力を持続させるのにも苦労しましたが、何より主演のバーブラ・ストライサンドとウォルター・マッソーの掛け合いが面白く、また伝説のパレードシーンや高級レストランでのダンスシーンが観られただけでも満足です。偉大なミュージカルの先達たちに敬意を払い、7点。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-09-24 20:15:48)
12.  続・男はつらいよ 《ネタバレ》 
寅さんって子供の頃に一体何人の女の子を泣かせているのでしょうか?そのツケが回ってきたのか、今回もやはり悲しい恋の結末でした。笑わせて泣かせるというのはチャップリンの頃からのコメディの定説ですね。と言うか寅さんのキャラクター自体がチャップリンとよく似ている(笑)。てっきり寅さんと母親の話がメインかと思いきや、そうではなく最後にアッサリと片付けられているところがちょっと残念でしたが、その方が却って寅さんらしくて良いかもしれませんね。また本作は前作に比べ喜劇色が強いので、至るところで笑わせてもらいました。特にハナマルキのCMには大爆笑!いきなりお爺ちゃんがうなぎを食べたいと言い出して、皆で川へ釣りに行くところも良いです。忘れられた日本映画の人情がここにあるような気がします。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2005-08-13 00:23:44)
13.  男はつらいよ 《ネタバレ》 
これがあの伝説のシリーズの第一作目ですか。何を隠そう僕は今まで寅さんの本名が寅次郎ということも知らなければ、演じている俳優さんが渥美清という名前であることすら知らなかったのですが、テレビで延々と繰り返し放送されている作品群の様子を見て「このシリーズは絶対にいつか最初からちゃんと観たい!」と思い、今回ようやくその願いが叶いました。大満足です!最初は寅さんのキャラクターが想像していたのと大分違い、何だかとても身勝手で薄情なイメージがあったのですが、後半恋に破れるところでは不覚にも男泣きしてしまいました。もう「男はつらいよ」と言うよりも「寅さんはつらいよ」という感じです。喧嘩に別れ、再会に旅立ち、そして純愛に失恋とこの映画には人生の全てが詰まっているような気がします。考えてみれば自分が小学生の頃に渥美清が亡くなって、皆「寅さんが死んだ、寅さんが死んだ!」と騒いでいたことを思えば、それほど国民に愛されていたキャラクターなんだなぁということが分かります。ようし!こうなれば自分もこれから寅さんの後に付いて行くぞ!しっかし笠智衆の「バター」には笑ったなぁ。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2005-08-13 00:16:51)(良:2票)
14.  ショック集団 《ネタバレ》 
凡そ物語の展開が予測できてしまいますが、精神病院という所の怖さをここまで徹底的に描いた映画は初めてではないでしょうか。特に色情症患者の女たちは怖すぎです!まるでゾンビですやん…。その他にも黒人のKKKの男が強烈な印象を残します。時折挿入されるカラー映像も実に不気味、しかも何故か日本が。果たして主人公はあんな簡単に頭がおかしくなってしまうものなのかと思いながらも、「喋れない」「名前を思い出せない」というモノローグで外見と内面の狂気をよく表しています。最後はあの廊下に一緒に立たされている気分になる、全く恐ろしい映画です。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-08-11 12:52:13)(良:1票)
15.  昼顔(1967) 《ネタバレ》 
<「欲望」のネタバレ有ります!>もう冒頭から変態ムードがムンムンしていて笑ってしまったのですが、売春業界の裏側というか、その様相が今から見れば果たして古いのか新しいのかよく分からないところが面白いです。で、ここからが本題。まるでアントニオーニの「欲望」のようにシュールで、尚且つサイケデリックな常識を逸脱した世界観に思わず興奮してしまいました。ラストも今までの出来事がまるで全てセヴリーヌの夢だったかのような…、そんな最後のオチまで「欲望」と似ています(面白いことに製作年はほぼ一緒!)。と言うか「昼顔」というタイトルからしてそのまんまじゃん!という感じがしますが、この系統の作品は見つかるはずのない答えを求めて何回も観返したくなるようなタイプの不思議な味わいがあります。アジアやハリウッド映画では決して真似することのできない、ヨーロッパ独特の雰囲気を醸し出していて僕は好きです。こういうの。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-08-05 13:55:35)
16.  沈黙(1963)
茹だるような暑さの中でひたすら続く静寂。気が付くとそこは列車の中、そして夜明け…みたいなそれらしいことを書いてみる。『不良少女モニカ』を観て「お!こんな分かり易いドラマも撮れるんじゃーん」とか油断していたら、またしても…。やっぱりベルイマンは一筋縄ではいきませんね。それにしても異国の土地というのは孤独感極まる一方で、またどこか神秘的な感じもしますね。
[ビデオ(字幕)] 6点(2005-07-02 21:02:11)
17.  ボッカチオ'70 《ネタバレ》 
ここまでボリュームのあるオムニバス映画は初めて観ました。まず第一話目は何やら慌しい男女間の恋物語、二人揃って会社を辞めるところにはスッキリ。いかにもイタリア的なほのぼのとした結婚騒動劇、個人的にはこれが一番好きです。二話目は気味と言うか気色が悪い…、しかしこの面白さは流石。看板の絵が変わるところはもはや「世にも怪奇な物語」の世界に入っています。小悪魔的なアニタ・エクバーグのキャラクターも良い。三話目は巨匠ヴィスコンティ、はっきり言ってただ喋っているだけでそれほど面白くない。ある意味ではこれが一番期待していたんだけどなぁ、猫のシーンには癒されました。最後はネオリアリズム、ヴィットリオ・デ・シーカ。見るからに陽気そうなお祭りの雰囲気、しかしその裏側では…というお話。歌って踊るソフィア・ローレンが可愛い。以上これらの有名監督たちのコラボレーションが楽しめる何とも贅沢な時間でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-06-06 19:27:15)
18.  影なき狙撃者 《ネタバレ》 
最近でもこういうタイプの映画ってなかなか見かけないですよね。本作が他の洗脳物と比べ秀でている点は、まず問題の洗脳シーンが恐ろしいほどのリアリティがあること。殺す方は何の殺気もなく、また殺される方は恐怖すらも感じていない。まさに身震いがしてくる映像。そして主人公の暗いバックグラウンドを掘り下げ、やがて愛する者をも殺さなければならない殺人マシンとして仕立て上げられた男の悲しみを深く追求しているところが良いです。個人的に気になったのは主人公の友達のフランク・シナトラが主人公が洗脳されていると気付いた時の、「明日でもいいや」という態度が引っ掛かります。「今すぐ行けよ!」と思わず突っ込みたくなったのは僕だけでしょうか?とは言えラストはヒッチコックの『知りすぎていた男』並のスリルと緊張感が味わえる。う~ん傑作、邦題は決める時苦労したでしょうねぇ。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-18 19:35:46)
19.  庭園 《ネタバレ》 
うわ~出た出た(笑)。意味不明、不条理。「君、突っ込むのが遅いよ」と思いながらも、やはり「何故?」と考えずにはいられない。もしかして皆元々は彼のように友人だったのでは…と思うと、ちょっとゾッとします。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-27 13:57:59)
20.  馬上の二人 《ネタバレ》 
これは劇中どうしても北朝鮮の拉致被害者のことが頭に浮かんでしまい、辛辣な目で観てしまいました。問題はそれでなくても大して面白い映画ではないということ。ジェームズ・スチュワートとリチャード・ウィドマークの会話の長回しと、ダンスパーティーの居心地の悪さは一級です。それしてもラストは本当にあれで収拾が付いているのでしょうか?
[CS・衛星(字幕)] 5点(2005-04-27 13:52:57)
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