1. 渚にて
《ネタバレ》 アステアが出演していなければ、観るのがだいぶ遅れたであろう映画です。そういう意味で、アステア出演というのは、かなりズルイ! (詳細はブログにて)[DVD(字幕)] 4点(2007-08-24 11:06:07) |
2. うわさの名医
恋に躊躇するケイリー・グラントという、珍しいものがみられます。なんで彼が彼女を好きになったのかは謎ですが、いろいろと問題を起こされて(授業中失神+自殺未遂+病院抜け出し)気になって気になってしょーがなかったんでしょうねぇ。改めて彼女の行動を、こう文字にしてしまうと、とてつもなく変で暗い女って感じですが、そんなことはありません。美人で快活で…タマに感情が激してしまうけれど、素敵な女性です。まっ、その二人がどういうふうにくっつくか? それがすごくかわいいんですね。まず、ノア(ケイリー・グラント)がデボラ(ジーン・クレイン)に「どうしてそんな態度なのか」詰め寄るとチーズの作り方を一生懸命説明する。そして今度は逆に、デボラがノアに「なんでウチに来たの?」と詰め寄ると、ノアがチーズのほうに話をもっていく。いい大人がそんなことをするのです。それまでジリジリしていただけに、結婚が決まったら展開はすんごく早いんですがね。とはいいながら、この映画、実は恋愛映画っていうわけじゃなくって、同僚から嫉妬を受ける医大教授の話なんですよね。そっちのストーリーも笑えるというか(失笑の場面があったり、クスリと笑えたり)。ドラマの中にユーモアが混じり、ちょっとハートフルだったりしてとても楽しい映画でした。何度か繰り返して観ると、さらに味が広がります。 [DVD(字幕)] 7点(2006-07-25 20:32:04) |
3. 怒りの河
「追跡モノ」というジャンルがあるとすれば、私が今までに見た映画の中で最も素晴らしいのは『明日に向かって撃て!』ですが、この『怒りの河』もなかなかです。前者が、徐々に追い詰められる緊張感とどこか抜けた雰囲気が味わえる微妙なバランスが見事なのに対し、ゴールドラッシュでべらぼうに高くなった食糧を無事、山奥の開拓地に届けられるか?そもそもこれを運んでいるジミーは善玉なのかそれとも裏切ってしまうのか…そして一緒にいるやつは?という緊張感が味わえます。普通に考えて、ジミーが悪者のはずはないように思うでしょう。彼が信じられないのは、人としてどうよ?的な見方もあるかもしれませんが、そんな常識を疑ってしまうわけのわからなさがあります。またこれまでの話とは全然違いますが、ロック・ハドソンのいいかげんさも好きだったりして。 [DVD(字幕)] 7点(2006-07-16 03:40:53) |
4. ララミーから来た男
決して茶化しているわけではないんですが、なぜかこの『ララミーから来た男』のタイトルと音楽を思い出すと、きまって「魔法使サリー」の♪魔法の国からやってきた サリー、サリー~♪の歌がまわってしまいます。♪ラ~ラミー~♪のところと♪サ~リー~♪のところが重なるんでしょうね。さらに「来た男」と「やってきた」の部分もかぶる。超がつく自分勝手なつながりなんですがね。さてさて本題に入りますが、この映画のジミーは西部劇の主人公らしくちゃんと強い。塩田を牛耳っている悪モノにまったくひけをとらないのですが、それでもアンソニー・マンとのコンビだけあって、ジミーは楽をさせてもらえず、悩みを抱えているわけです。そんなところに妙に安心感を覚えるってどういうこと?と思いますが、それが彼のキャラなんだからしょーがないですよね。 [DVD(字幕)] 7点(2006-07-16 03:09:03) |
5. ブリガドーン
《ネタバレ》 設定自体はいいのですが、緩慢なストーリー展開が眠気を誘う。子どもを寝かしつけるときの御伽噺として、むちゃくちゃいい出来かも。100年に1度、たった1日目覚める「時に埋もれた町」という意味では、この夢幻さがちょうどいいような。ゆったりとした(古風?)なダンスもありだとは思いますけれどね。 [ビデオ(字幕)] 4点(2006-07-13 16:57:37) |
6. 巴里のアメリカ人
いいんですが、これでもか、これでもかとレビュー(歌と踊り)が続き、飽きました。そう思う人もいるってことで。 [ビデオ(字幕)] 4点(2006-07-13 16:12:44) |
7. ショウほど素敵な商売はない
ドナヒュー一家の人数がどんどん増えていくあたりが一番おもしろかった。これからどんなのがはじまるんだろうと、ワクワクしていたのに……ドナルド・オコナーの踊り、もっともっとスゴイのを期待していた。マリリンだって、もっとチャーミングなはず。期待感が大きすぎたのか。ただ、ティムの穴を埋めるため、かあちゃんが代役を見事やってのけたあたりは、家族(一座?)の結びつきの強さというか、芸人根性があって、スゴイ!と思った。それから、アービング・バーリンの音楽はさすがで、それを耳にしただけで、楽しい気分になれます。 [DVD(字幕)] 6点(2005-09-03 21:09:21) |
8. 間違えられた男
《ネタバレ》 ジリジリしていた。まず最初。「これは実話だ」とヒッチコックが我々に告げる。その時点ですでに疑いが……。「実話って言っているだけじゃないの?」「またまた観客を騙して~」とか思った私は、もう素直さというものを忘れてしまい、汚れてしまったのかもしれない……。で、結局のところ実話なの? どっちでもいいといえば、どっちでもいいのだけれど、ヒッチコックがホントのことを言ったのか、私たちをかついだのかが気になって、ね。そして最後。「ぜんぜん似てねーじゃん!」ってのが感想。 [DVD(字幕)] 4点(2005-08-24 22:59:43)(笑:1票) |
9. 地球の静止する日
「宇宙人が地球にやってくる」その目的は何か?地球サイドからみた最大の関心事は何のために来たかを知りたいということだろう。ある意味、問答無用で攻撃してくるほうがわかりやすい。攻められればその意図は明らかで、植民地化か全滅のどちらかである。こうなったら腹をくくって戦うか逃げるかしかない。一方、やっかいなのはこの映画のように、友好的にやって来られた場合。しかも、地球人の意志を試しに来るという。どう対処したらいいのか、かなり迷うだろう。おまけに宇宙人の行方がわからないとする。そこにいたはずなのに、いなくなっている。危害を与えるつもりはないのに、逃げた。何故???と、わからない立場からみると、何を企んでいるんだろう?と疑心暗鬼になる。そこんところのリアルさによって、このSFが現実味を帯びてくる。ラストのほうで意味不明な点がいくつかあったが、そもそも宇宙人サイドのとった行動だ。意味不明なところがあって当たり前のように思う。地球人サイドのさまざまな行動は、まったくもって共感できる。人間ってバカだけれど、希望に溢れたいい映画だ。 [DVD(字幕)] 7点(2005-07-24 20:07:25) |
10. 決断の3時10分
とにかくグレン・フォード演じる悪者の親分、ベンがかっちょいい。そして、ベンを見張る牧場主のダンもかっちょいい。前者はスマートでかっこよく、後者は誠実でかっこいい。こんな男同士(念のため言っておくけれど、決して顔がいいわけではありません)が、各々の考えに基づいて心理戦をする。かたや捕まりながらも悠然と過ごす男。かたや200$のために命をかけて慎重に見張る。もともとダンは金のために見張り役に志願したんだから、ベンはダンを買収しようとする……。この二人の一挙一動を、私たちはただみつめるだけ。この均衡が崩れるのはどこなのか……それを、ただじっと待つのです。ダンが仲間を集める。ベンの手下がやってくる……。どこで動くか、乞うご期待!ってな映画です。 [DVD(字幕)] 8点(2005-06-12 22:15:12)(良:4票) |
11. 赤い風車
傷つくのがイヤで、好きな女性に対して威張ってみせたり、卑屈になったり…。アルコールに依存して、自分の肉体と精神をいじめ続けるロートレックに対して「できれば前向きに生きて欲しい」と、彼の母親のように願うことしかできない。私には、とうてい彼のような極端な生を理解することはできない。映画の前で、というより、ある人生の前には誰もが無力だ。ロートレックは人からの視線と言葉に傷つき、自分をいじめることで、彼のために心を痛める人をいじめ、周りの人からの陵辱をアルコールで緩和してきた。ロートレックの描くムーラン・ルージュのイラストは、踊り子たちがとても健気にみえる。というのも踊り子を囲む紳士たちが冷たく感じられるからだ。絵に何の知識もない私が感じることなのでまったくトンチンカンなことを言っているだけかもしれないけれど、踊り子の健気さにちょっと感じるところがあり、若い頃、このムーラン・ルージュのポストカードを部屋に飾っていたことがある。このお話は、映画なので一部を描いているだけでまったくの事実ではないけれど、あのポストカードにはこんなストーリーがあったのかと思うと、感慨深いものがあった。かなりつらいお話なので、お勧めはできないけれど、私は興味深く見ることができた。 7点(2005-02-13 23:19:38)(良:1票) |
12. ダイヤルMを廻せ!
《ネタバレ》 定期的に観たくなる映画のひとつ。結果も経緯もわかっているのに、ちゃんとドキドキ、ハラハラさせてくれます。男性陣がパーティに行っている間、つまらなそうにお留守番をするグレース・ケリーに映画でもどこへでもでかけて楽しんでおいで!と、毎度毎度アドバイス?をする私。電話が鳴ると、ああダメダメ起きちゃあいけないよ、と思う私……。バカだ。結果はわかっているのに……。欲を言えば、推理小説家の彼が彼女を助けるために半分でっち上げる作り話。アレが本当のお話マンマだったのが残念。せっかくだったら、さもありなんって感じの話をもう一つ作って、もっと観客を楽しませてほしいなぁ、もったいない……と貪欲な観客の一人は思うのでした。チャンチャン 9点(2005-01-14 21:58:57)(良:1票) |
13. 帰らざる河
《ネタバレ》 ロバート・ミッチャムことマットが、ケイ(モンロー)に惹かれていく過程がわかりづらい。もうちょっといろんなエピソードとか、マットの表情・行動とかに表してくれれば、もっと面白くなったのにと残念でした。それでも、ケイの恋人に対する怒り+盲目的なケイへの苛立ち+ケイの色気→放っておけない存在+理性との闘い→むっつり顔……という流れはわからなくもないかも(笑)。基本的にはちゃめちゃなストーリーですが、私はコレくらいならオッケーです(笑)。許容範囲……というより、十分に楽しめました。インディアンがわかりやすいし、川下りだって適当だし、挙げ句の果ては猛獣だし!そんな節操のなさが私は好きです。そしてケイの人を観る目のなさも私は好きです。人を好きになったら、現実を見ずになるべく擁護したいですよね。いいように解釈したい病の女性をみると、ちょっと切なくもあり、そこに女らしさを感じたりもします。↓の方々が書かれていますが、モンローの色気と可愛さは文句なし! 6点(2004-12-25 19:54:21)(良:1票) |
14. キス・ミー・ケイト
何度も書いているのですが、私は唄って踊りながら喧嘩するのが好きではありません。はじめは喧嘩をしていても、唄って踊ればあら不思議、こんなに楽しい気分になっちゃって、みんなハッピー楽しもう!ってのが好きなのです。だから、唄いながら癇癪をおこしたりするのはどーも……。また、『じゃじゃ馬ならし』の劇中劇が、あまりにも適当で、これまた困ってしまいます。舞台の本番中に公私混同して喧嘩するっていうのも、どーなんだろーなぁー。リリーも腹が立つ(といってもただのジェラシー)にしても、舞台途中で帰ると駄々をこねるのも子どもっぽすぎるし、うーーむ、ストーリーに説明が多すぎてまどろっこしいのに、ある場面では「あんたたち、いつの間にそーなったの?」っていうような強引なところも。全体的に整理されていない印象でした。そして歌はまだいいにしても、踊りの場面は、なぜか眠い眠い。きちんと上手に踊っているのに、心から沸き起こるような楽しいリズムっていうものが感じられないのですよ。ただ、人のいい?ギャング2人組の行動にはクスリと笑わせてもらいました。 3点(2004-12-20 02:32:02) |
15. 大アマゾンの半魚人
怖くはなかったが、それでもドキドキしっぱなしで観ていた。ホラーというよりは、人間ドラマ。普通にストーリーのある映画として面白い。学者のくせに?デビッドとケイ、そしてマークが美男美女だった。水中シーン(水着シーン)が多く目の保養に。とくにケイが一人で泳ぐ場面。MGMミュージカルの水中の女王エスター・ウィリアムスも逃げ出しそうなくらい、水中でクルクルまわっている。アレを観たら半魚人も恋しちゃうんだろーなっていう説得力バッチリ! 白黒だから水の美しさなんかがよくわからず、どっちかといえば不気味っぽい印象になってしまっていたんだけれど、きっと、思わず船から離れて泳いでしまう美しい沼なんだろう。泳いでいるときの恍惚とした表情から、その場の美しさが伝わってくる。ふつうおどろおどろしいところでは、あんなにのびのびと泳げないだろう。そして、半魚人のちょっと優しそうな顔に哀愁を感じた。話自体は、アマゾン奥地に入り込んで、半魚人と出くわした人間たちと半魚人のやりとりで構成されている。面白かった場面は、本筋にまったく関係ないけれど、リタ号の船長さんが、「(食えないのに)石ころ集めてどうすんだ?」と学者たちに聞くところ。そーだよなぁ。なんで石ころ集めているんだ(笑)? 対照的に、未開のアマゾンに何のためらいもなくどんどん飛び込む海洋生物学者(デビットとマークね)に恐れを知らない学者根性をみせつけられ、学者ってのはすごいなぁと感心したのだった。 7点(2004-12-11 19:46:38) |
16. 愛情物語(1956)
《ネタバレ》 こりゃあなた、ナミダなしでは観られませんぜ。「人は死んだらお星様になるの」(こんなセリフはなかったけれど)というのを地でいっている。このとても上品で、希望に満ちて、そして控えめな孤独がある映画は、邦題通りの「愛情」であふれている物語。主人公のエディが、生きていくうえで感じた希望や絶望を助け、癒し、そして許してもらう。うーん、愛情って許しでもあるんだよなぁと、心に沁みました。そして、幸せになろうと努力し、幸せであろうとして人々に接すると、運命はどうあれ「生きててよかった」「出会えてよかった」という人生が送れるような気がします。2人で観たニューヨークの美しい風景を今度は新しい3人で観ることができたんだろうな、と場面にない場面を想像する。後妻(っつーのも変だけれど名前を覚えていないの)の彼女は、どんな気持ちなんだろうと考えると、また涙が出る。そもそも「ノクターン」って切ない音楽だと思っていたけれど、弾き方によって楽しかったり、落ちついていたり、そしてやっぱり切なかったりするんですね。新しい発見でした。 8点(2004-12-11 16:11:31)(良:2票) |
17. 媚薬(1958)
《ネタバレ》 はじめはどーなることやら……と思いました。映画が、キム・ノヴァクの独白形式からはじまっちゃうんです。これがなんとも……下手っぴで……。ところが、この単調とした棒読み状態のセリフが、次第に魔女であることに倦怠と自負をもっている彼女の役回りにぴったりだったのを感じたとき「すごい!」って思いました。おばさん魔女(←これがエルザ・ランチェスターというのも、かなりツボ)には「人間界でやたらと魔力を使うものじゃない」と諌めているのに、自分のことになると平気で魔法を使ってしまう彼女(しかも罪悪感はない)に、逆に人間らしさを感じたりして、面白かったです。今回、J・スチュワートは、あんまり目立たなかったな。それよりも、魔法使いのジャック・レモンと、魔女の生態を暴く本を書いている作家の妙な友情?金のつながり?が印象的。作家の目の前でジャック・レモンが魔法を使う場面がとても好きです。 7点(2004-12-04 09:06:49)(良:2票) |
18. 波も涙も暖かい
《ネタバレ》 シナトラが本当にダメダメなろくでなしを演じています。何度となく「お前はろくでなしだ」という台詞が出てくるのですが、そのたびに大きくうなずき「んだんだ、ほんまもんのろくでなしだべ」と何やら画面に向かって語りかけてしまいます。マイアミに小さなホテルを持っているシナトラは、事業が火の車というのにキャデラックを乗り回し、女の人とウピウピして、ウソと見栄とはったりで固められた人生を歩くダメダメちゃん。いつも借金を作っては地道に商売をしている兄ちゃんに泣きついている。そんな彼には意外なことに最愛の一人息子がいるんだけれど、こいつがまたお父ちゃん大好きのしっかり者。こう書くと、ダメダメ父ちゃんがちゃんと立ち直っていく人情物語なのかと思うでしょ?キャプラだし。それがね、、、シナトラ父ちゃんは自分の行動を反省はしても、どうも立ち直っているとは思えないのですよ。せっかく面白かったのに、ラストのラストで「えっ? 具体的には何も解決されてないじゃん! これで良かったの? うーむ、おさまるところにおさまったとはいえなくないかなぁ」という、中途半端さ。富や名誉、忙しい時間を捨ててゆとりと心の豊かさを取り戻そうというメッセージはキャプラっぽいんだけれど、どうも私には合わない。たぶん一般にきちんとした生活を送って、きちんと計画的な人生を送っている人が見ると心打たれるのでしょうが、私は「そんなもんじゃないでしょう」と、ついつい反発してしまいたくなってしまいます。というわけで、『我が家の楽園』とか『素晴らしき哉、人生』とかで受けたのと同系統の心のもやもやを感じてしまったのでした。また個人的に、セルマ・リッター節があんまり聞けなかったのがちょっと残念でした。 7点(2004-10-11 02:45:46) |
19. 無分別
《ネタバレ》 重っ苦しく、ねちっこい愛の音楽に、けっこう年がいった男女二人が織りなす、ゴージャスな恋愛ドラマ。ケイリー・グラント&イングリット・バーグマンなんで、それはそれ、この二人がどういう結末を迎えても、両者ともにプライドが高く、とりまきも多いだろうから大して心配はしておりません。では、この映画、何が面白いかというと、イギリスの男性像に女性像、それから使用人の動きなんかが面白いのですね。C・グラントとバーグマンがはじめてデートしたとき、オペラ座からの帰り道、二人が名残惜しそうにずっと街を歩く。歩いて家まで帰ってきちゃうんだけれど、運転手のカールは二人の歩くスピードにあわせて、車でついていく。そう、ご主人たちがいつ気まぐれで「車に乗る」といっても大丈夫なように、ずっと付いているのです。また、二人+バーグマンの姉夫妻でパーティにでかけるとき、女性陣が支度をしている間、男性陣はクラブに行きます。いわゆる紳士クラブ。そこは女性が入れない場所ですが、男同士の話(いわゆる妻の悪口だとか、女性のこととかがメインでタマに仕事の話らしい)をする……そう、ケイリー・グラントが独身だったということも、義兄はその紳士クラブでするわけですが……そんなのも妻は入ってはいけない夫の書斎にある資料をみて、知っちゃっているという面白さ。義兄のアフルレッドも、「女性は準備に時間がかかるから」と女性を知ったような口をきくんなら、なんでまた見られて困るものを家に持って帰るかね(笑)。「書斎に入るなと言ってあっただろ」と言われても、世の奥様方はそんなこと気にしちゃいないのです(笑)。だからイギリス男性は紳士クラブを作ったのに、それじゃあ、紳士クラブの意味がないじゃないですか(笑)。あああ、おもしろかった。 7点(2004-08-29 18:23:05) |
20. 俺たちは天使じゃない(1955)
《ネタバレ》 バカがつくほど善良な(フリをしている)人は嫌いです。帳簿の計算もできやしないお父さんは、イトコがオーナーをつとめる店の雇われ店主。お客になめられて、ツケでお酒をもっていかれる気弱なおじさんです。そこらへんまではちょっとカワイイかなって思っていたのですが……そのイトコが店にやってきて(このイトコっつーのが本当にいやなヤツなんですが)帳簿と合わないところをチェックすると言い出すといきなり狼狽。家にいた脱獄囚のひとり、ボギーが帳簿の改ざんをすると言い出したとき、ダメだダメだといいながら、あわよくばごまかしてもらおうとする小狡さをもっていたりもします。ボギーがハゲの郵便局長さんに、散髪セットを売りつけたときだって、普通は、必要ないものを売りつけたんだから、代金を後から返しにいくもんでしょう。それを売れてよかったって思っているあたり、この人は相当ダメな人です。あーーー、、、ヤダヤダ。一方、店主の奥さんの善良さは、いい感じ。ボギーたち3人を怪しいと思って警戒し、その後の彼らの行動をみて、警戒していた自分を恥じる。で、義理のイトコが死んだときも、驚きながらもけっこう嬉しそうだったし。人間味があるっていうんでしょうか、私はとても好きでした。この映画を見て感じたこと。それは、バカでマヌケで善良だけが取り柄の人(でも本当はそんなに善良でなかったりする人)って、ほんと付き合いたくないなぁってこと。クリスマス映画として許せません……が、それでもそこそこは面白かったのでこの点数、5点! 5点(2004-08-29 16:00:31)(良:1票) |