1. キル・ビル Vol.1(日本版)
こりゃニュー・ヌーヴェル・ヴァーグかな? ますます真剣に、より本気に、どんどん壊れて行くタランティーノが楽しく頼もしい!! 8点(2003-10-27 23:14:25) |
2. フレンチ・カンカン
全然悲しくなどないのに、感極まって涙が溢れてくる。ラストの10分は映画を観て、感じることの喜びの極致のひとつ。 ルノワールの映画への、スタッフ・キャストへの、そして観客への愛情があふれ出る一本。 9点(2003-06-12 12:20:22)(良:1票) |
3. 大魔神
どんなに逃げても、逃げても。走ろうが、隠れようが、あんなにゆっくりとしか追ってこない大魔神から決して逃げられない恐怖。たとえ自分に罪や非が無かろうと襲われてしまうかも知れぬ魔人の怒り。これは怖い。 何をもって「許し」を得るのか?最早怪物映画をこえてホラーの極致だ。 世界で日本だけが持ちえた恐怖映画のひとつじゃないだろうか。音楽、効果音、美術とも最高だ。 9点(2003-06-10 17:00:23) |
4. リトル・ダンサー
なんと爽やかな映画。 感傷にうったえて湿っぽくなる手前でグイっと留まる節度もわきまえているし、映画ながらの古典的な作りをわざと編集で現代的風に見せようとするお茶目さもいい。最後に成長した主人公を見せないで終わっていたら尚、良かったのに・・・・ 「ねえ、私のこと好き?」「・・・そんなこと考えたこともない」「私のあそこ見たい?」「・・・・・見なくても、好きだよ。」______いいガキじゃあネーか!それに家族も!! 9点(2003-06-09 10:54:58)(笑:1票) |
5. グリード(1924)
主人公の、金と砂漠の熱射との格闘・格闘・絶望! 音は無いのではなく、観るものの内から湧き出てくるほど。オリジナルは軽く数時間を越えるらしいが、観客まで脱水症状にさせる気か? シュトロハイム。 9点(2003-06-08 22:55:36) |
6. ワンダフルライフ
実験映画か?と思うような内容。すごく引き込まれるシーンと全然ダメな部分。 おそらく素人さんと思われる出演者が思い出を語るシーンは素晴らしかった。それゆえに俳優さんが自然に、自然にと振舞われる部分は作為が浮き出てしまい、作品の中で良い部分、引いてしまう部分が交互に表れてバランスを崩してしまった印象をうける。ドキュメンタリーっぽさと劇映画の融合の難しさ。 6点(2003-06-08 13:42:25) |
7. キー・ラーゴ
映画史上最強コンビのひとつ!ボギーとバコールの作品だが、ホークス演出による前二作「脱出」「三つ数えろ」の驚くべき自由度から比べると、やけに小さくおさまってしまい残念至極。そこが、ホークスとヒューストンの差なのか? しかしここまで面白く魅せられるのはやはり主演の二人他、役者陣の素晴らしさのおかげでしょう。 7点(2003-06-07 17:35:56) |
8. 東京物語
「じゃ、お姉さんも?」 「ええ、なりたかないけど、やっぱりそうなってくわよ。」 「いやぁねえ、世の中って・・・・」 「そう。 いやなことばっかり・・・・」 アぁ、そうなんですねェ、人間は・・・世界は。 撮影後ネガが火事で焼けてしまい、誰もオリジナルネガからの作品は観れないという不幸の中に、それでも尚、小津の魂の結晶がこうして観られるという幸福感。 その異端ぶりを、日常的なるものや緩やかな映像に隠した深く厳しく美しい大傑作。 10点(2003-06-07 17:22:00) |
9. 大いなる西部
演出良し、役者も良し、カメラも音楽も申し分ない気品ある名作ですね。 素晴らしいロケーションで見事な大景観なんだけど、何か足りないような。埃感(?)というか空気感というか。何故かスタジオ撮影のような小奇麗さに納まってしまったような・・・それがワイラーの魅力なんでしょうが。 8点(2003-06-07 16:40:30) |
10. 秋刀魚の味(1962)
トリスバーで笑いあい、敬礼しあう3人を見るたびに、人間って悲しいけどいいもんだね、映画っていいなァと思う。 9点(2003-06-04 21:58:03) |
11. グロリア(1980)
オープニングからラストまで、ハードボイルドなのに映像は濡れている。 この映画を観るものすべての願いと祈りの結晶のラスト。 9点(2003-06-04 18:52:46)(良:1票) |
12. フェリーニのアマルコルド
そのあまりに見事な映像でフェリーニの「郷愁」を見せられてしまい、こちらも見た筈もない「郷愁」を疑似体験させられてしまった。 この甘酸っぱい幸福感。大好きだ。 9点(2003-06-04 18:42:04) |
13. 飢餓海峡
映画が、ある時代と、そこに生きる人々を描き創りあげたものとして最高の到達点のひとつ。 9点(2003-06-03 13:32:14) |
14. 黒い罠
動く、動く動く!キャメラも人も、物も街も。すでにストーリーなど無くていい如くに圧倒的ボリューム感で、遊園地のビックリハウスのように映像が遊びまわる。国境にある「黒い街」をネットリと描くウェルズは、文学のいかがわしさと、映画のいかがわしさの境を、その魅力の違いを、ぐさっと突きつけてくる。 9点(2003-06-03 13:18:38) |
15. 第三の男
有名な白黒撮影を意識すると、出来過ぎて嫌味だし、サスペンス物として見たら平凡だが、ウェルズ主演のB級活劇で観たら・・・断然、光り輝く! 9点(2003-06-02 18:19:56) |
16. 上海から来た女
ウェルズが、当時公私ともにパートナーだったリタ・ヘイワースを、生の彼女よりも、フィルム上の彼女の方を愛すかのように、艶やかにセクシーに写し撮っている。 過剰なほどにいかがわしくケレン味たっぷりな映像が、たとえズタズタにカットされ編集された後にも独特の吸引力をもって観る者をはなさない。 やはり天才の仕事でしょう。 9点(2003-06-02 13:54:55) |
17. キング・コング(1933)
CGなんぞが空虚なものに思えてしまえるほど無駄がなく、痛快で恐ろしく、美しく切ない怪物映画。 9点(2003-06-01 22:06:24)(良:1票) |
18. 穴(1960)
硬いコンクリート。それを割る鉄の棒。響きわたる硬質の音、音、音。すべてのサスペンスが極めて硬質な肌触りで、観ているこちらを締めつけてくる。 それを和らげるかのような男たちの狭義の気持ちよさ。観終えた後にさえ、「あの男」は裏切ったのか否かとサスペンスを突きつける。 9点(2003-06-01 18:20:36) |
19. ヤンヤン 夏の想い出
ゆっくりと・・・・ゆっくりと、沁みてくる。 9点(2003-05-31 11:56:09) |
20. 菊豆/チュイトウ
酔わされた。 光に色に、コン・リーに! あぁ、たまらん!! 9点(2003-05-29 19:48:19) |