2. 上海から来た女
《ネタバレ》 巧いね! ホント巧い。 やっぱりオーソン・ウェルズは映像作家と言うに相応しい人だと思う。幾人もの思惑が絡み合って、なんなんだ??? と思わせる前半から殺人事件が起き、中盤の法廷劇に移行する。なるほどココで事件の真相が解明されるのか、と思いきや! 終盤にはもう一と転げする3段仕込み。ま、はっきり言って、お話は雑。とくに工夫のある面白い話ではないし、展開的に説明不足の観も否めない。最も雑なのは、主人公が真犯人を見破るところ。その理由も謎解きも無く、ほとんど直感。神憑り。w でもね、そんなことを差っ引いても、この作りの巧みさはお見事としか言いようがない。前半でただの嫌みにしか聞こえなかったサメの例え話が、最後で大きな意味を持つに至っては、もう脱帽の一言。のちにブルース・リーの『燃えよドラゴン』にインスピレーションを与えた鏡の間のシーンも、映像効果としてこっちの方が1枚も2枚も上手。素晴らしい。それにしても、リタ・ヘイワースの作品を観る度に思うが、この人はただのセクシー女優じゃなかったんだなぁ。才色兼備の名女優だわ。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-12-22 17:30:51) |