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1.  ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア 《ネタバレ》 
テーマも興味深く高得点なので観てみたが、表現があまりにも軽くテーマとアンバランス。 死期を宣告された2人。やけ酒飲んで、見たことない海を見に行くのにベンツ盗んで強盗に変身。 死に直面している2人が、よくこんなに早く気持ちの切り替えをして、割り切った行動にでたものだ。 挙句は銀行強盗まではたらくとは、法もモラルもあるものか。 これで捕まらないのだから、どんな滅茶苦茶な筋書きも有りかと思うと、この時点で真剣に観る気はしない。 ギャングは馬鹿だし、警察官は間抜け。笑いのセンスはマニアック。銃はバンバン撃ちまくる。 命の重さなど無視したこの展開、脳腫瘍の男が発作を起こす場面や最後に海を見る場面だけ、やけにシリアス。 この映画、私にはどのように感動したらよいのか分からなかった。
[DVD(字幕)] 4点(2006-01-30 18:52:46)(良:2票)
2.  シックス・センス
なんと繊細な映画だろう。 愛する息子を理解することができない母、愛する母に秘密を打ち明けられない息子(ハーレイ)、双方の苦悩がひしひしと伝わってくる。美しい街並みを背景に、静かな展開が精神科医の過去にやり残した仕事への未練と親子の抱える悩みとを無理なく融合させる。そして、衝撃のラスト。特に印象に残った場面が2つある。1つは、少女の葬儀でその母親が少女の食事に洗剤(?)を入れていたことが発覚する場面。父親と葬儀に参加いていた人々の視線、無言で動揺する母親の冷酷な表情、身の毛もよだつほど恐ろしかった。もう1つは、車の中でコール(ハーレイ)が母に秘密を打ち明け、理解しあう場面。「お墓参りに行ったとき、ママはお婆ちゃんにに聞いたでしょ」「その答は毎日だって」「ママは何て質問したの?」くどくどとした説明は無く、短いセリフの中に死者であるお婆ちゃんと話しをしたことを明確にする。ハーレイの演技も良いが、さらに素晴らしいのは母親役の女優(トニー・コレット)の演技。懐疑、納得、感動へと変化していく表情はみごとである。何回見ても、この場面は涙なくして見ることはできない。確かに衝撃的な結末が話題になった映画だが、綿密に計算された展開や各俳優の演技力があってこその傑作である。だから、何回見ても楽しめる。2回、3回見るうちに、初回には気付かなかった細部までも綿密に計算されていたことが分かり、また一味違った楽しみ方もできる。最後に、もう一度言いたい。この映画は繊細な映画である。デリカシーを感じてこそ、この映画の良さが分かるのだと思う。
10点(2004-01-09 17:43:34)(良:4票)
3.  ジョー・ブラックをよろしく
こういう映画は、初めて見た。ストーリーは「死神が出てきてこんにちは」って、あまりにもバカバカしいのに、何だろう、この充実感は! よく観察すると、俳優一人一人の燻し銀のような演技で成り立っていることを最初に感じる。唯一、派手な映像テクニックを使っているのは交通事故の場面。これが、物凄いインパクトとなって話に引き込まれる。そして、セリフとセリフの間にある余白に、重要な意味を持たせているのに気付く。テレビだったら放送事故になるかもしれないくらいな、このテンポの遅さがたまらない。「行間を読ませる」というのは、正にこのことか。場面一つ一つに小さな山場があり、それをを丁寧、かつ綿密に作り上げている。だから、終わってみて約3時間が長く感じなかった。「う~ん、いいものを見たな」と思わせる、素晴らしい映画。きっと、監督は一般受けすると思って作ったのではないだろう。本当に表現したい作品を作ったのだと思う。この芸術性に拍手を送りたい。
10点(2004-01-04 03:03:51)(良:1票)
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