1. 風立ちぬ(2013)
世界は美しい。 [映画館(邦画)] 10点(2013-08-23 17:15:59)(良:1票) |
2. 美味しんぼ
映画は唐突に走り出す。 [映画館(邦画)] 10点(2013-08-18 07:14:48)(良:1票) |
3. アイアン・スカイ
映画秘宝系キワモノと断じてはならぬ。何の茶番もない、極めて真っ当、真摯かつ志の高い傑作。素晴らしい。つまらぬギャグが玉にきず。 [映画館(字幕)] 10点(2012-10-03 22:27:12) |
4. アンノウン(2011)
例えば写真展のシーンなど、ヒッチコック的なショットを交えながら、決してオマージュにとどまらない自分の画面としているあたり実に大人だし、ブルーノ・ガンツとフランク・ランジェラのやりとりをフルショット主体で捉える、ダイアン・クルーガーのとまどいや恐怖を不意に挿入する等、繊細な演出も光る。「蝋人形」「エスター」に続いて、ジャウム・コレット=セラ、なかなかやる。 [映画館(字幕)] 10点(2011-05-25 10:11:27)(良:1票) |
5. キラー・インサイド・ミー
ジム・トンプソンを原作とした映画の最高作であり、ここ10年で最高のスリラーであり、「マルホランドドライブ」以降で最高のフィルムノワール。審美の罠に陥ることなく、かくも幻想的で、現実からの失墜感に満ちた映画はそうない。しかも相手は狂人だ。 [映画館(字幕)] 10点(2011-04-21 23:03:28) |
6. ヒア アフター
泣きに泣いた。イーストウッドはますます透明になっていく。 [映画館(字幕)] 10点(2011-02-23 06:22:48) |
7. ザ・タウン
俳優監督、デビュー2作目にして、この作家性の希薄さこそが素晴らしい。あくまでも透明に、匿名性を帯び、物語だけを考えて。これぞアメリカ映画。傑作。 [映画館(字幕)] 10点(2011-02-20 01:02:59) |
8. ソーシャル・ネットワーク
行動の趨勢のみを捉えたスピーディーな物語の面白さと、物語の枠を超えた豊かな感情醸成。フィンチャーの古典的な演出。このあまりの青春映画ぶりに私は泣いた。素晴らしい。 [映画館(字幕)] 10点(2011-02-17 09:55:50) |
9. ブロンド少女は過激に美しく
純粋な映画、映画の核。こういう映画が観たかったんだよ~。 [映画館(字幕)] 10点(2010-10-13 11:34:13) |
10. 東京島
このネタから想定できるあれこれにまるで興味がないので、想定できるあれこれが展開されないことにほっとする。■木村多江は目まぐるしく推移する状況に行き当たりばったりで対処するだけのいい加減な女で、ちっともタフじゃないし、「自分で」何も「決める」ことのできない女なのだが、それがつまり「タフ」だと言われるならそうかもしれないなぁ、という映画で、このいい加減さが面白いと言えば面白かった。篠崎誠がそれを狙っていたとは到底思えないのだが。■というわけでロカホリさんの粋で大人な行動に10点。これが言いたくて、久々にレビューしてみた。だからシネコンは嫌いなんだよ。 [映画館(邦画)] 10点(2010-09-02 09:19:01) |
11. エアベンダー
この映画には物語しかない。誰がナニしてこうなった、という物事の顛末を描くのみであって、誰がこう思ってこうしました、という「こう思った」を巧妙に避ける。画面手前に人をなめたロングショットその客観描写、様々なことがあちこちで起こっているのをただ長回しで捉えること、「兄は一目で姫と想いを交わした」身も蓋もないナレーション。何が起こるのか、何が眼前に広がっていくのか、物語の原初の快楽をとりもどすこと。それにはまった私は小坊主の唐突な翻意に泣いた、黒い雪に泣いた、ラストショットで泣いた。あまりの酷評が信じられぬ傑作。無茶苦茶面白いじゃん。 [映画館(字幕)] 10点(2010-07-27 23:22:38)(良:2票) |
12. ローラーガールズ・ダイアリー
このあまりにも素晴らしいアメリカ映画っぷり。映画とはアメリカ映画だし、アメリカ映画は映画である。つまり、途方もないことがするりと起こりうる場。 [映画館(字幕)] 10点(2010-06-03 00:01:41) |
13. イングロリアス・バスターズ
映画を観ることの楽しさ、喜びにあふれている。これぞ映画。今年のベストは決まった。 [映画館(字幕)] 10点(2009-11-30 21:21:52)(良:2票) |
14. クローズZERO
刃物を使ってはいけない、殺してはいけない、ただ喧嘩をしよう。それは少年たちにだけ与えられた特権的なルールだ。だから今のうちに無邪気に、ヤクザになる前に、ごっこ遊びに真剣に興ずること。遊びまくる少年たちが素晴らしい。とりわけ小栗旬のスタイルの良さ、立ち姿の素晴らしさには惚れた。「ヤッターマン」と並ぶ三池崇史の最高傑作。 [DVD(邦画)] 10点(2009-11-11 12:38:31) |
15. 殺人捜査線
イーライ・ウォラックの異常性は表層のみにとどまり、ドン・シーゲルは彼をあくまでもアクションの男として捉える。だからドン・シーゲルは本質的にノワールの人ではなく、活劇の人なんじゃないか。 [DVD(字幕)] 10点(2009-11-11 12:27:58) |
16. ストレンジャーズ/戦慄の訪問者
これは悪くない。何のひねりもないことの潔さ。そして、何となく過ごす時間、殺人鬼をやり過ごす時間、人が何か行動を起こす瞬間、それに至る時間、なすがままにされる時間、映画の楽しさってはそれだと。 [映画館(字幕)] 10点(2009-04-08 00:19:00) |
17. ハッピー フィート
《ネタバレ》 まずミュージカルシーンが素晴らしい。歌い出す瞬間の高揚感にあふれているし、見事なタップを1カット切れ目なくみせてくれる堂々。ここ数年で観たミュージカルみたいなもの(むーらんなんとかとかおぺらざのなんとかとかどりーむなんとかとかしかごなんとかとか)の5000倍優れている。 ■そして素晴らしいのは動物に知性があるというアニメーションのお約束事をリアルとして描いていること。それは「ベイブ」以来のネタではあるが、「ベイブ」にみられた被支配者としての屈折を昇華させていること。 ■さらに凄いのは、それがペンギンの歴史、人類の歴史まで変容させる自体にまで発展することで、つまり観客は「神話」が生まれる場に立ち会っているのだ。「食物連鎖が崩れた」という台詞には感動した。エコロジーといった社会ネタを動物の擬人化によって描いているから感動的(あるいは鼻白む?)なのではなく、そのような視点そのものの歴史性が感動的なのだ。 [DVD(字幕)] 10点(2007-08-06 22:28:18) |
18. 雁の寺
川島雄三の映画は巨大すぎて、時に、わけがわからぬ。「2001年」だの「マルホランドドライブ」だのなら、ま、どうでもいい格下でしかないのだが、もちろん川島の映画はどうでもいいではすまされない。この映画も何度見てもわけがわらない。 ■物語は破綻している。慈念は何を考えているのかまるでわからない。「どこに行けばいいのかわからない」若尾文子の悲しみは、決して誰とも結びついていかず、彼女がすがるはずの慈念は唐突に旅支度をはじめてしまう。 ■川島雄三としては初めての大映京都、大映京都の錚々たるスタッフにびびりながら、威圧しながら、文芸映画の巨匠としての職人的手捌きを存分に見せつけていったのだろう。そこに入り交じる映画を壊すかのような作家性。それが拮抗し、破綻し、このようなわけのわからぬ、迷宮のような映画を造り上げたのか。 ■但し、例えば山茶花究や小沢昭一登場シーンにみられる喜劇性を殊更にとりあげ、川島という映画作家の刻印を見いだそうとするのは止めた方がいいと思う。多分、川島雄三はそんな言説以上に巨大な作家なのだ。 [DVD(邦画)] 10点(2007-06-03 23:47:51)(良:4票) |
19. ブラックブック
映画の王道。これぞ映画。 [映画館(字幕)] 10点(2007-05-04 23:36:23) |
20. 父親たちの星条旗
時間軸をバラバラにし、「プライベートライアン」の焼き直しを撮り、誰が誰なのかわからない物語を綴り、嘘みたいな生首が転がり、ジョン・フォードのようなラストシーンを設ける。■そのような形容詞はもう、どうでもいい。■わからない物語はわからない自分が悪いのかもしれない。あるいは、物語のすべてを分かる必要はないのかもしれない。■また、生首や生手首を私は見たことがないので、それがリアルなのか、嘘っぽいのか判断がつきかねるし、本当の戦争を描けば「焼き直し」みたいになってしまうのかもしれない、それはわからない。■ジョン・フォード?多分、脚本家たちは、この物語の収めどころを、ある種のハリウッドの文脈に求めたのだ、と思う。イーストウッドにもそのフシはある。だからと言って、ああアメリカ映画っす、と泣けるのは80年代までだ。21世紀に生きるナウな私に、そんなことは関係ない。■だいいち、死んだ人間、生き残った人間、全員勢揃いの水泳シーンに漲る、感動とか「泣ける」とか、伏線とか回想とか、「長い灰色の線」じゃんとか、そういう文脈を超えた崇高さや歪さ、イーストウッドでさえ信じていないであろう感情を、どう説明すればいいのか。それがわからないから、途方もなく溢れ出る涙の理由を考えて、このような駄文を書き連ねているんじゃん。 [映画館(字幕)] 10点(2006-11-02 00:23:47) |