1. サンダーハート
良質のサスペンスを提供する監督さんであるが、これは少しテンポが遅く、眠たくて、二日かけて見た。謎解きの興味も少しはあるが、スー族の血を引くFBI捜査官が、現代アメリカ社会の片隅に残るインディアン保留地の事件を探るうちに、自らのアイデンティティにも目覚めて行くという、社会派の色濃い作品である。 4点(2004-07-16 06:05:09) |
2. ボーイズ・オン・ザ・サイド
ひょんなことから一緒に旅をし、同じ町に住むことになった三人の女の友情を、殺人、愛と恋、病、誕生と死など辛口のテーマではあるが、比較的ソフトに描いた作品。感動の度合いは、男性、女性、人それぞれに、その時の体調によっても、大分違うと思う。ちなみに、題名は「男は添え物」といった意味だそうな。☆☆☆★★ 6点(2004-06-21 06:39:17) |
3. グロリア(1999)
ジョン・カサベテス監督、ジーナ・ローランズ主演作品のリメーク。社会派の監督がどう味付けをするかであったが、ごく普通に、シャロン・ストーンの母性愛がテーマ。彼女の一生懸命の演技もなかなか良く、取り立てて言うほどの映画ではないが、最後までまあまあ退屈せずに見られた。クライマックス・シーンというものが、もう一つなかった(カーチェイスがそう?)気もするけれど。それと、ボニー・ベデリア、気が付かなかった。お姉さんの役? 6点(2004-06-05 20:50:45) |
4. 嵐の中で輝いて
ハーレクイン・ロマンスの実写版だとか、ラジー賞の主要部門を独占するとか酷評散々の映画であるが、才気煥発で勝気なヒロインの言動と、ナチ支配下のベルリンでスパイとなって右往左往する様は結構面白く、最近の変にブッた落ち着きのない作品よりずっと安心して好感を持って観ることが出来た。 8点(2004-05-06 09:48:37) |
5. 忘れられない人
最近、ラブ・ストーリーを見過ぎたせいか、あまり感動しなかった。うらぶれた街のうらぶれた恋、何かもっと夢のある詩的なストーリーにあこがれる。 5点(2004-05-06 09:44:42) |
6. きっと忘れない
"いとこのビニー"に続いて見たジョー・ペシの映画。それと一緒で、じわじわとした感動がボディ・ブローのように効いて来て、気が付いたらノックダウン寸前。"きっと"ではないが、しばらくは"忘れない"作品である。"ハムナプトラ"では馬鹿げた冒険家を演じたフレーザー君が、一転してハーバードの真面目な苦学生を熱演しているというのも見所である。 8点(2004-03-31 21:22:39) |
7. ニューヨークの亡霊
主役の二人より、脇役の名前と監督で観たが、評判通り?の凡作で、なるほど深夜テレビの拾い物とはよく言ったもの。普通に採点すれば4点以下、ラブコメ大好きならご祝儀で6点という所か。 6点(2004-03-29 16:57:06) |
8. リトル・ヴォイス
ひとことで言って映画が美しくない。ヒロインもまわりの人間もみじめったらしくて見ていられない。ストーリーも焦点が定まらず、ラストは尻切れトンボの極致。シネマレビューで結構評価が良かっただけに、ダブルショックという感じ。 2点(2004-03-26 17:39:29) |
9. いとこのビニー
少々消化不良気味ではあるが、そこはかと無い笑いの積み重ねが段々と面白みを増して行き、ラスト近くで一気に加速するという感じの映画。一番の見所は、「オンリー・ユー」などでキュートな魅力のマリサ・トメイが、最初はケバい役で登場し、「なんだこれは」と思わせておいて、話が進むに連れて顔も衣装もドンドン可愛く女らしくなって行く所で、ラストには超おいしい役どころを演じさせて貰い、アカデミー助演女優賞まで獲得してしまうのである。 7点(2004-03-22 20:31:42) |
10. 毎日が夏休み
日本映画の佳作といった所。今やっている朝ドラ再放送で気に入っている風吹ジュンが出ているというので、深夜のNHKBSを録画して見た。女子高生役の日菜子ちゃんが可愛いという評もあるが、私には朝ドラより更に若くて可愛いジュンちゃんがたまらなく良かった。もっと豪華予算でこの監督に映画を撮らせたいという人もいるが、全く同感である。 6点(2004-03-18 17:30:18) |
11. 妹の恋人
ご機嫌のテーマソングに乗って二つのシーンが並行し、最後に誰かさんの目ん玉が・・・というタイトルバックで始まる、奇想天外、おじさんでも十分に楽しめるラブ・ロマンスである。とにかくデップさんの快・怪演に尽きるが、「ワン・モア・タイム」の可愛いさとは一味違ったマスターソン、大人の魅力のムーアさんもなかなか良い。また、脇役人も多彩で面白いが、メイシーさんなど何のために出て来たのか分からない役柄で・・・。他のサイトでこの映画をB級と言う人がいたが、逆にA級とは何か。映画は何よりも表現であり、撮影も音楽もデップの演技も見事にA級であると思う。 10点(2004-03-17 17:19:09) |
12. キルトに綴る愛
熟年・名女優の競演が迫力の、男が見ても十分に面白い作品。歳がいっても、セックス抜きでも、人生くたばるまで男と女、波乱万丈。老女たちの若い時から現在進行形に至る愛憎劇の余りの一生懸命さに、悪いと思いながらも時に腹を抱えて笑ったりもして、感動しきりであった。それにしても、ライダーは「十七歳のカルテ」では精神病院で、ここでは老女たちの間で嵐のような人生体験をして成長して行く、映画の中とはいえ、本当にご苦労さんと言いたく、また、その初々しい姿に、何かファンになってしまった。余談であるが、現在、鳥インフルエンザで悪者にされているカラスが、この映画では重要な役を担っているのも、人間社会を皮肉っているようで面白い。 10点(2004-03-14 09:46:01) |
13. サイダーハウス・ルール
サイダーハウス・ルールとはリンゴ酒・ジュースを作る作業小屋に貼ってある規則のことで、その象徴するものは映画を見れば分かるので書かない。物語は旅立ちと帰郷という、青春の永遠のテーマを一人の孤児を通して描く。原作・脚本があの「ガープの世界」のアーヴィングだから、それだけで面白そうなことが分かる筈である。アカデミー助演男優賞を得たケイン始め、脇役人の好演も見逃せない。 8点(2004-03-12 18:52:49) |
14. 恋におちたシェイクスピア
シェイクスピアの恋を、「ロミオとジュリエット」の誕生過程と同時進行で描いた作品。そのアイデアと登場人物の勢いは素晴しいものがあるが、どうもイギリス系のキャスト、話は濃過ぎて馴染めない所がある。アイデアと勢いに8点、内容の濃さで-2点。 6点(2004-03-06 10:12:41) |
15. 17歳のカルテ
精神病院の若い女性群像を主人公の眼から描いた実話で、精神世界に興味ある人はすごく面白いし、そうでない人には限りなく退屈であろう映画。W・ライダーの純真、A・ジョリーを始めとする同僚患者の凄まじいまでの狂気、治療する側のW・ゴールドバーグ、V・レッドグレーブの抑えた情感。そして、ラスト近くでウーピーが言うセリフ、「溜めていないで全部吐き出しなさい」などなど、なかなかのものであった。 8点(2004-02-29 18:52:41)(良:1票) |