1. ジャッキー・ブラウン
銃の密売人の金の運び屋であるジャッキー・ブラウンが、密売人とも警察とも手を切るために知恵をめぐらしていくのだけど、良くも悪くも「タランティーノの映画」である。つまり、B級テイストが満載(笑) ボビー・ウーマックの「110番街交差点」にのせたオープニングのキャストクレジットからB級感が垂れ流される。ジャッキー(パム・グリアー)とオデール(サミュエル・L・ジャクソン)の演技力をクラシックなR&Bでプッシュしたり、選曲とキャスティングは相変わらずのセンスを見せるタランティーノ。しかしテイストはB級映画。クスリでイカれたり思わずぶっ放したりと、ロバート・デ・ニーロまでがタランティーノのB級テイストに漬かってるようでいい味を出している(それにしても"速すぎる"ぞ、デ・ニーロ)。 ストーリーにあまり必要のないファックシーンや、役目の終わったキャラクターを淡白に始末するあたりは相変わらずというか、タランティーノなんだな、と思って失笑するしかない。 ストーリーのテーマのなさをキャラクターのインパクトや、発想力で押し切るタランティーノの作品の中ではストーリー性を求めているのだが、それにこだわりすぎたのか、タランティーノ独特の時間軸をずらしたストーリーのパズルがこの作品ではあまり見られない。 唯一出てくるのが金の受け渡しのシーンなのだが、それもストーリー全体から見ればごくわずか。 B級テイストの中に隠された超A級のキレがこの映画にはないのだ(おまけに出たがりのタランティーノの出演場面もない) 6点(2004-02-18 17:00:20) |
2. ベリー・バッド・ウェディング
クリスティアン・スレイターとキャメロン・ディアスがフルジャケットを飾っている割には、このキャメロンの登場シーンってかなり少なめ。おいおい・・・。 それにしても、ブラックジョークというにはちょっと凄惨な内容。特に死体を切り刻むシーンとかあって結構えげつない・・・。まあ、悪いことをすると次々と疑心暗鬼に駆られて、精神的におかしくなるっていうのをコミカルでスリリングに見せているんだろうけど、ちょっとこれで笑うのはムリっす、ということで。キャメロンの「結婚相手ではなく、結婚そのものに憧れる世間知らずのちょっとおバカな女性」とか、スレイターの「やっちゃったものはしょうがない的クレイジー」っぷりはかなりイケてるんですが、それ以前にストーリーがダメすぎ。 2点(2004-02-18 16:55:25) |
3. メリーに首ったけ
良識なし、モラルなし、「お下品ギャグがトレードマーク」と豪語するファレリー兄弟だけど、ホモセクシュアルと勘違いされ、更には殺人鬼と間違えられるテッドのショートストーリーなんかは素直に笑える正統派。なんだ、結構出来るじゃん、と思ったけどやっぱり中心はお下品路線。 それでもボク的にはかろうじてグリーンゾーンを維持しているかな。 天然素材100%のメリーをキャメロン・ディアスが好演しているけど、なんかこれ以降こんなキャラクターばっかりじゃないですか?キャメロン。チャーリーズ・エンジェルの頃には知性のかけらも感じないので、この映画でキャラ付けされちゃったのか、なんて思ってみたり。(「ポスト・メグ・ライアン」って意見もあるみたいだけど、ボクとしてはそりゃねえだろうって思う) ヒーリー役のマット・ディロンはヒジョ~に久しぶりに見た気がするけど、こんなコメディも結構お似合いなのね。なんかハリウッド版陣内孝則みたいなイメージで胡散臭い感じがむしろお似合い。 コメディとしてかなり楽しめるので、スカッとしたいときにはお奨め(ただし、お下品ダメって人にはお奨めできない) 6点(2004-02-18 16:54:02) |
4. ユージュアル・サスペクツ
仕掛けられた謎に気づいてしまうかどうかでサスペンス映画の評価は分かれてしまうと思いますが、この映画は結構難しい部類に入るようですね。何の先入観も持たないで見たほうがこの映画は楽しめると思うのであまり書きたくないというのが正直な感想です。ボクの評価はご覧のとおり8点。結末にたどり着く前にわかってしまった点がやはり減点材料ですが、それでもテンポのいい展開とカメラアングルのうまさ、登場人物のほとんどが演技力があって楽しめました。アカデミー脚本賞を取っていますが、珍しく納得できる受賞ですね。ですので、この映画は「カイザー・ソゼ」を見つける映画ではなく、騙す心理、騙される心理を読み取ることに重点を置いてみたほうがいいと思います。 カイザー・ソゼとジョジョの奇妙な冒険のディアボロ(第5部、スタンド・キングクリムゾン)がちょっとダブルと思った人、いないかな(笑) 8点(2004-01-23 16:34:24) |