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自己紹介 じっくりと作品世界に浸れる映画が好み。

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1.  ワールド・ウォー Z 《ネタバレ》 
初見は映画館で、後日DVDで観直しての投稿です。 まさにジェットコースタームービーといった内容で、劇場で観てこそ本当に楽しめる作品でしょう。 といいながらもDVDで再見して改めて感心する点も多々ありました。 まずはアクション映画として基本がしっかりした映像。 構図やカメラワークがよく考えられており、大スクリーンや3D環境でなくともスケール感が伝わってきます。 スピード感の表現も、「とにかくカメラを動かして誤魔化し、観客は置いてきぼり」といった失敗がなく、 猛スピードで迫るゾンビの怖さを、主人公側の視点から存分に味わえます。 もうひとつ評価したいのは、伝統的なゾンビ映画のお約束とも言えるスプラッタ描写がほとんどなく、なおかつ怖さや緊張感はしっかり出ているところ。 映像のグロさを見せつけずに怖さ、緊張感があるのは、演出力の高さゆえだと思います。 そして、全編猛スピードで走るゾンビから如何に早く逃げるか、そんなスピード競争だけで終わらないのも面白い。 クライマックス、自ら体内にウィルスを取り込んだ主人公がゾンビと間近で対面するシーンは、スピード競争よりも緊張感がありました。  全体的に、パニックアクションとして良く出来た映画だと思います。 反面、日本公開時の宣伝で強く押し出されていた「家族を守る為に云々」というドラマを期待すると肩透かしを食らうかも知れません。 純粋にジェットコースターのスリルを楽しみたい方にはオススメします。
[映画館(字幕)] 6点(2014-08-03 15:52:23)
2.  プロメテウス 《ネタバレ》 
今では何の疑いもなく巨匠扱いされるようになったリドリー・スコット監督だが、実は初期の傑作から最新作に至るまで「映像には徹底的に凝るが、物語描写は残念な人」であったことを思い出した。特に、思わせぶりで観念的なテーマを扱うと悪い癖が出る。自由な発想のSF作品では観念的な暴走に歯止めが効かない。 プロメテウス船内をはじめ、ケレン味たっぷりながらシャープで格式ある映像美はさすが。そしてブツ切りで唐突な展開もさすがリドリー・スコット。 白い巨人が液体を飲んで滝に身を投げるファーストシーンから、不死身ヒロインがアンドロイドと一緒に巨人の母星へ殴り込みに行く(?)ラストまで、全て何かおかしい。どう見ても危険な状況なのに、何度も進んで無防備に近付いていく登場人物全てがおかしい。未知の物質に感染し火炎放射器で焼かれた科学者が蘇って暴れるあたりは完全にゾンビ映画だ。地球に向かう(と何故か確信した)巨人の船を止めるべく特攻をかけるプロメテウスの船長も謎だし、何故か真っ直ぐにしか走らず潰されるシャーリーズ・セロンも謎のまま。 根本的に脚本に難がある失敗作であるのは間違いないが、だからといって駄作と簡単に切り捨てるにはしのびない奇妙な愛着も感じる。これは製作まで兼ねて作品をコントロール出来る立場にいるリドリー・スコット監督の趣味の世界であり、良くも悪くも作家としてのピュアな個性が出た結果ではないだろうか。 少なくとも、完全版なり全長版が出るなら私は観たいと思う。愛すべき超失敗作だった。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2013-01-23 05:17:12)(良:4票)
3.  ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル 《ネタバレ》 
巧妙なプロットと緊張感ある潜入シーンなど、第1作目にあったスパイ映画の醍醐味は「2」で完全に失われて、以降は派手で大味なアクション映画と化したシリーズの4作目。「トム・クルーズのアクションありき」で繋ぎ合わせた大雑把な展開に、コミカルな描写も裏目に出て、全体的に緊張感がないのが残念。どうせ理屈抜きなのだから、もっと短かくテンポ良く魅せて欲しかったですね。クセがなく物足りない敵役の中、サイレンサーを使う女暗殺者だけは冒頭から異様な存在感があり、クライマックスで対決か?と期待したのに中盤であっさり窓から落とされてオシマイとは・・・。まあ、個々のアクションシーンはケレン味たっぷりに良く出来ていて、予想以上に楽しめました。あ、もう一点残念だったのは、スマホやタブレットなどリアルな携帯端末の存在感が強く、せっかくの新型スパイグッズが印象に残りませんでした。
[DVD(字幕)] 5点(2012-10-20 12:57:17)
4.  ドラゴン・タトゥーの女 《ネタバレ》 
デヴィッド・フィンチャー監督のファンで、設定も面白そうで楽しみにしていた本作、残念ながら正真正銘の駄作だった。無駄な描写を端折って映像美と勢いで押し切るのはいいが、全てが大雑把すぎて謎解きのスリルもカタルシスも何もなし。ラストも、リスベットの超人っぷりに頼って全て解決してしまうとは思わなかった。「彼女が本気を出せば何にでもアクセス出来る、解けない謎はない、だから途中経過を見せなくても解るだろ?」万事、こんな調子。ルーニー・マーラ演じるリスベットが魅力的なだけに本当にもったいない。リスベットのキャラクター造形にはフィンチャー監督独特のセンスが感じられるが、それでも続編は別の監督に撮って欲しい。
[ブルーレイ(字幕)] 3点(2012-08-03 02:33:22)
5.  ソーシャル・ネットワーク
現実に勢力を拡大し続けるSNSの裏話を虚実交えて描いた映画。進行形の実話を基にした映画だけに劇的な描写もなく、徹頭徹尾、客観的な視点で進行し、登場人物を応援したり手に汗握ったりというドラマの醍醐味は、全くと言っていいほど無い。しかし、圧倒的なテンポの良さ(時系列の違う場面がビシビシと入れ替わるスタイルが効果的)で、あれよあれよの間に観終えてしまった。暴走しエスカレートしていく出来事をハイスピードで見せていくデヴィッドフィンチャー監督ならではの手腕に脱帽。トレント・レズナーの、哀しく、ミニマムな音楽も驚くほどハマっている。 ただ正直、テクニックの鮮やかさに酔う以外、一度観たら充分な内容。 ここ数年(「ゾディアック」もそうだが)実話を基にした半ドキュメンタリー形式の作品が多いフィンチャー監督だが、この路線は本作でもう充分ではないか。 確かな演出力が健在なうちに、心を揺さ振るドラマ作品を撮ってほしい。
[DVD(字幕)] 5点(2011-09-26 09:33:11)(良:2票)
6.  英国王のスピーチ 《ネタバレ》 
観終えて、複雑な気分である。2人の男のシンプルな友情物語として面白かった。不器用な誠意を持つ者が苦境に立たされ、権力抜きの友情に支えられ、励まされ、ついにトラウマを克服、国民に勇気を与え、喝采を浴びる…。気持ちの良い、エンターティンメント映画の素晴らしさ。(おかしな話だが途中で何度か「ロッキー」を思い出した)整ったプロットに、真っ当な演出と演技。まったく手堅いとしか言いようがない。 しかし、どうしても気になる点がある。ドイツとの戦争に雪崩れ込むクライマックスで、 演説の名手・ヒトラーの映像を挿入したのは、本作の主題を考えれば軽率だったと思う。 国民は、指導者の力強い言葉を待っている。 強烈なパフォーマンスを交えた演説で民衆を酔わせたヒトラーと、苦手なスピーチで国民を励まさなければならない主人公は、否応なく対比されてしまう。 ラストで見事なスピーチを終えた達成感は、「指導者の力強い演説に鼓舞され、励まされる民衆」という図式にすり替わってしまった。それならば、スピーチを終え堂々と手を振る国王の姿は、国民にとってヒトラーと何が違うんだろうか? そんな疑問を置き去りのまま、親友であるローグの穏やかな微笑みで映画は幕を閉じる。 最後まで潔く、2人の友情の物語として完結させて欲しかった。
[DVD(字幕)] 4点(2011-09-26 08:45:38)
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