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1.  シャンプー
ゴルディ・ホーン出演の未見作ということで見たのですが、ゴルディ・ホーンは主演ではなかったのですね。こんなに意味不明な(難解ではない)映画もめずらしい。明るい希望につながるわけでもなく、厳しい現実に突き放すわけでもなく。かといってエロチック映画と割り切れるわけでもなく。映画制作の意図が不明です。普段は「不思議ちゃん」系で魅力を発揮するゴルディがむしろ一番まともな人格とは。
[ビデオ(字幕)] 1点(2009-06-17 10:21:33)
2.  かもめのジョナサン
なんじゃこりゃ。製作者サイドにはきっと一片の悪意もないのでしょうが、何とも評価のしようがない失敗作ですね。何より表情のない鳥という生物を主人公に据えて実写映画にしようとした着想が間違いです。小説だったら文章を通じてイメージを膨らませることができますが、無表情のかもめにかぶせた声の演技だけでは無理があります。おそらくアニメにするよりも数倍の製作費をかけているのでしょうが、表現の効果はアニメの足元にも及びません。ただニール・ダイアモンドの歌声は染みたなあ。この映画公開のころ人気だったんですね。
[ビデオ(字幕)] 3点(2008-10-30 11:24:52)
3.  太陽を盗んだ男
前半の原爆づくりの過程のスリリングさに比べれば、後半はだらだらと間延びしすぎのまとまりのない映画。「菅原文太、沢田研二、池上季実子にそこまでやらせるか!」というカーアクションはさすがにすごいが、それだけ。ラストの尻切れぶりは、ワンアイデアで突っ走ったものの、収拾がつかなくなったスタッフの混乱振りが露呈したものでしょう。「太陽にほえろ」を連想してしまう安っぽい音楽は演出上の狙いなのか? お金はかけているが、所詮は自己満足の自主制作映画という感じがします。アイデアの面白さは認めるので、「踊る大捜査線」のスタッフあたりがリメイクしたら、面白い映画になるかも。
[DVD(吹替)] 6点(2005-11-05 11:45:26)
4.  タワーリング・インフェルノ
映画を批評する言い回しの一つに「人間が描けていない」という常套句がありますが、私にそれを痛感させてくれたのがこの映画。ポール・ニューマンとマックイーンはひたすらにかっこよく、手抜き工事の張本人はひたすら身勝手な悪役という描き方。演出はもっぱら、派手なビル火災と生きながら炎上する被災者というきわものまがいの描写に重点を置いています。同じパニック映画というくくりながら、主演のジーン・ハックマンに単なる正義漢を越えた多面性を持たせ、彼と行動を共にする被災者のキャラクターを浮き立たせた「ポセイドン・アドベンチャー」の足元にも及びません。上映時間を2時間にまとめた「ポセイドン」に対し、2時間45分も費やしながら、です。冗長なテンポは、せっかくの迫力を削いでいます。そのあたりが、「キングコング」・ギラーミンとロナルド・ニームの差でしょう。
[DVD(字幕)] 4点(2005-10-14 11:09:07)(良:1票)
5.  大統領の陰謀
ディープスロート正体判明を記念して鑑賞。確かに当時のアメリカの官僚の名前が次々と出てきて、全体の構図がわかりずらいのが最大の欠点。今の日本人にはニクソン大統領ぐらいしか著名じゃないし。しかしこの辺は、「ああ、次々と政府要人の名が暴かれていってるんだ」ぐらいの理解でよしとすることで乗り切りました。魅力はやはりレッドフォードとダスティン・ホフマンの新聞記者ぶりでしょう。「大きな仕事がしたい」とはやる若手記者を好演しています。頭の回転が速く、時にはルール違反すれすれの取材を辞さないバーンスタインと、9ヶ月前に入社して意欲はあるけど、原稿はまだ下手というウッドワードの取材過程はスリリング。よくある2人組刑事ものの変異系? 評判の悪いラストですが、これは時の権力者を追い落としたジャーナリズムの力をタイプライターで象徴し、そのたたく音を祝砲の砲声と重ね合わせることで、ペン(タイプライター)=民主主義の銃器、という暗喩を映像化しているのです。私にとっては、これ以外にはありえないほどふさわしい幕切れはないと思えるのですが。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-06-24 08:42:32)
6.  ある愛の詩(1970)
演技、脚本◎、演出△といったところ。インテリ2人の会話はウィットに富んでいながら、現実感を失っておらず、うまさを感じます。名せりふ狙いでシェークスピアさながらの大仰なせりふが登場する凡百のラブストーリーに見習ってほしいところです。ライアン・オニール、アリ・マッグローの演技もそうした脚本に血肉を与えて素晴らしいと思います。ただやはり展開が速すぎるために、全体がうそくさく見えてしまいます。本人に自覚症状のないままに突然病床に臥してしまうし。この展開の速さは何を狙ったんでしょうかね?
7点(2004-12-02 09:36:33)
7.  スター・ウォーズ 《ネタバレ》 
スターウォーズの本来の魅力が一番詰まった作品でしょう。帝国軍の歩兵に追われるルークとレイア。目の前は奈落の底。すかさずベルトから取り出したロープを天井のフック(?)にかけるとレイアを抱いてターザンのようにジャンプ(ここでのマーク・ハミルとキャリー・フィッシャーの間の取り方は最高です)。当時中学生の私はこのシーンが見たいがために映画館に向かいました。いったん袂を分かちながら、最後に助太刀に戻ってくるハン・ソロ。そしてジョン・ウィリアムスの荘厳な音楽と相まった最後の王座の間のシーン。ヒロイズムにあふれるシーンが満載でした。 しかし「帝国の逆襲」「ジェダイの復讐」さらに「エピソード1」「2」と進むと、何を勘違いしたか、着ぐるみキャラ、CGキャラのオンパレード。「7歳から70歳まで楽しめる」とルーカスが言っていたストーリーも、政治的駆け引きの話ばかりで、躍動感にとぼしく、しらけるばかり。この20年余りというのは、ルーカスの才能(フォース)が暗黒面の金銭欲に浸食された過程といえるのではないでしょうか。 今はルーカスがこの第1作を「全編CGで作り直す」などと言い出さないのを祈るばかりです。
10点(2004-06-16 10:40:52)(良:1票)
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