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クロちゃんさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 25
性別 男性
自己紹介 頑張りは持続できない。
持続性がなければ私ではいられない。

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1.  ROMA/ローマ
モノクロームは事物の内面を写すと言われている。 情報としての色は本質ではなく表層的なもので、意外と洞察力を鈍らす。 逆説的に言えば、色の処理に使われている脳の領域を解放することにより洞察が増すとも言える。 鋭敏になった思考はじわじわと漠然と眺める客観視から共感への主観視へとたぐり寄せられ、 映像も広く写し雑多な出来事を長回しで見せ、無秩序的な現実世界を再現している。 情報量があるシーンでも色を抜くことによって色に目が奪われず、観る人をROMAの世界へいざなう。  映画は家族の絆、人の成長が丁寧に描かれている。 皮肉なことに、人間は望まなくとも不幸や困難によって成長するという普遍性があるようだ。 満たされた幸せだけだと人の絆は脆いのか、助け合いの状況の中で人の素晴らしさが明白になるのは本質なのか。 理解しなくてはいけないのかもしれない。幸も不幸も人間には必要なことだと。
[映画館(字幕)] 10点(2019-06-09 00:56:19)
2.  沈黙 ーサイレンスー(2016)
エンドクレジットで流れるのは、自然の音、虫の音。日本人はそれらに風流を感じ情緒を刺激されるが、欧米人などはノイズだといって忌みきらうと聞いたことがある。 本作は感情に訴えかける常套句的な音楽がほぼ皆無のために、ダイナミックな欧米的な映画ではなく、静的で堅実な作品となっている。 そもそもタイトルがサイレンスなのだから自然といえば自然なのだが、このようなわびさびを呈するような映画をよく日本人ではない欧米人監督が撮れたものだと感嘆しきりであった。 内容も内外どちらかに比重を置くことなく公平に描いてるのも素晴らしく、エンターテイメント性を追い求めることなく、深い人間性をえぐり出す実直な作品に仕上がっている。 そして物語の骨子が宗教であるため、否が応でも宗教について考えてしまうが、得てして多くの日本人は宗教の存在を軽んじ忌み嫌う節がある。そのような人はこの映画を観ても、上から目線でしか見れず退屈と疎ましさで嫌になるだろう。 宗教には実に多種多様な要素が含まれており一概に決定論的に語れない複雑さがあるため、ある種のタブーがある。それは相手の宗教観に自分達の宗教観を持って対峙しないこと。当然ながらどちらが正しいなどと決められないからだ。もちろん無宗教も立派なひとつの宗教観だ。 このような扱い難いデリケートな宗教観の対峙をこの映画は避ける事なく真摯に描ききり、この相克が作品にリアルと説得力を生みだしていた。 この映画を見終えたあと、今までに感じた事のない妙な感慨深い気持ちになったのは、ひとえにこの作品の特異性なのだろう。
[映画館(字幕)] 10点(2017-01-21 23:42:03)
3.  ラスト・ナイツ
冒頭から落ち着いたカメラワークと美しいライティング、そしてクラシックな音楽と、過去の作品とはまったく雰囲気が違う。 これは重厚感のある作品だなと思いゆったりと観賞していると、ふつふつと水が沸騰してくるかのように底から何かが沸いてくる。 それは雪深い静的な景観と、温もりを感じさせない静謐な空間の中に揺らめく信義という名の炎。そのコントラストに醸成される緊張感なのではないかーーー。  あのCASSHERNから十年以上たった。映画批評家から辛辣な評価をされた過去作とは全く毛色の違う作品を世に出した紀里谷監督。 今作はそんな世間に向けて意地で撮った映画ではない。そんな幼稚じみた人に撮れる映画ではないのだ。十年もあれば人も状況も変化する。 自分のやりたい事を最大限に実現する為にやることはもちろん、映画に対する謙虚さがあるからこそ柔軟に作風を変えられるのだと思う。 しかし彼の作品には変わらないスピリットがある。 それは、生きることよりも大切なものがあるという信念だ。 死は敗北ではなく、敗北とは生きるために大切な何かを捨てることだと。 生きることが目的ではなく、生きて何をするのかが人生だと。 『Last Knights』はそんな美しい魂が描かれている作品だった。
[映画館(邦画)] 10点(2015-11-14 19:45:58)
4.  インターステラー 《ネタバレ》 
人の存在理由は真理探究だと思った。人の本能は真実を強く求めている。 神秘の源泉は真理欲求が生み出すものと仮定し、その現象は人の限界を突破しうる可能性を持つ。 科学的に相反するオカルトの存在も無意味では無く、直感も真理を目指す為に必要な要素なのだ。 全てに意味がある。なぜなら、起こりうる事は起こり、偶然は必然なのだから。  人類の命題が真理究明ならば、人はその為に誕生した事になり、 誕生以前に存在していた事物は、人が真理に到達する為に用意されていたと考えられる。 では何が用意したのか? 太古の昔から人知を超えた存在を神と呼び、現在も神が万物を創造したと考える人は多い。 作中では人類は異常気象や疫病により危機に瀕している。 誰もが神に救いの祈りを捧げていてもおかしくないのだが、そのような人たちはこの映画には登場しない。 即物的な救いを求めている人類に呼応したのは神ではなく「彼ら」だったーーー。  一般的に神とは聖書に出てくる神を指している。 この神は全知全能で完璧な存在であり、ある特質を持っている。 それが「愛」である。 聖書は分厚い本であり一読するに労力を必要とするが、教義は一言で説明ができる。 それは隣人愛である。自分を愛するように他人を愛しなさい。ただそれだけである。 ただし究極的に隣人愛を実践するということは、自分を殺しにくる相手も愛しなさいということである。 普通の人間なら理解も実践も難しい。しかし神はそれを望んでいる。  最初は愛を反理性的な本能からくる非科学的なものと考えていた男は、彼らの導きによって愛の本当の意味を知る。 愛は人を破滅させず救いをもたらすパワーであると。人類の次のステップである進化に必要な力であると知る。  彼らは神と同じく愛の重要性を教えてくれたのだ。 男の中で点と点が繋がり「彼らは我々だ」言った。三次元的思考が五次元空間を介する事で慧眼したのだろう。 その言葉を聞いて私は、もしかしたらこの世の全てを造ったのは我々自身なのかもしれないと思った。 宇宙は超ミクロな一点から始まった。その中に全てが詰まっており、全てが一つだった。 万物の根源は同じであり、優劣など無い意味ある存在なのだ。 直感は訴えかけてくる。いま理解ができないからといって存在しないとは限らない、いつか分かる時がくるかもしれないと。 起こりうる事は起こるのだ。
[映画館(字幕)] 10点(2014-12-31 19:18:07)
5.  ゼロ・グラビティ
この映画は可能な限り森羅万象を模倣して創った記念碑的な作品だ!!  「GRAVITY」が素晴らしい点は大きく分けて2つある。  まずは圧倒的な「映像美」。 徹底的な写実描写が有無を言わせぬリアリティを生み、観ている者を宇宙空間に引きずり込む。 本物はそれだけである種の神秘性を内包するが、それに近い感覚を喚起されるほど作り込まれた世界は圧巻である。  つぎに「普遍的」なストーリーとメッセージ性。 国家、人種、宗教が違えどこの映画は誰しもが楽しめる。 なぜならば襲いかかる脅威は自然現象であり(きっかけは人間だが)そこに善悪は無く敵が不在だからだ。 当然だがどこに住もうが規模の大小問わず生命を脅かす物理現象は偶発的に発生してしばし人間を苦しめる。 大切なのはその現象に対してどう人間として振舞うのかである。 この映画の素晴らしい所はそれを明示していることである。 すなわち人間が人間たるゆえんは、理性をもって思考することだと。 これを放棄し本能に流されるままの人間にはなるなと訴えているのだ。  まだ未見の人はぜひ劇場で観賞してほしい。この映画に限らず宇宙を題材にしている映画は劇場の暗くて広い環境が最適なのである。説明は不要だろう、百聞は一見にしかず。 映画史に名を刻むに恥じぬ「GRAVITY」観て損は無しと保証する。
[映画館(字幕)] 10点(2014-01-12 09:10:00)
6.  クラウド アトラス
クラウドアトラスそれは世界を紡ぐ旋律。人とはその一つ一つの音でしかない。 善人と悪人の相違は世界から見れば優劣はなく、厳然と流れるクラウドアトラスの節の一点にすぎない―――。  事象の価値を決めているのは人間の都合であり、世界にとっては何の意味も持たない。 しかし全ての音階には意義がある。だがその本質が認識できない。言うなれば我々は真意が分からないのである。この演奏の意味がそして行きくつく先が―――。  人は真実が存在しているのは知っているが、客観的な真実は知れないという原理を忘れやすい。 たとえば隣にいる人に何かを尋ねてみる。その答えの真実はその人には分かるが、あなたはその人の答えを「信じる」しかないのである。  この世になぜ神が存在するのか。それは絶対的な真実を人は欲しているからであろう。  絶対的な真実とはクラウドアトラスに他ならない。 ひとつの音符が他の音符との断絶感に嘆き、関わりを断ち切って孤立していては、この豊饒で壮大なクラウドアトラスの調べは奏でられない。  全てを知っている神の存在とはクラウドアトラスシンフォニーの指揮者であり、人とは神が調律した楽器のようなもの…なのかもしれない。
[映画館(字幕)] 10点(2013-03-17 11:53:47)
7.  ツリー・オブ・ライフ
この作品の評価は二分するでしょう。それこそ映画の冒頭で語られる「世俗に生きるか神に委ねるか」のように、低評価を下す人は世俗型で、高評価を推す人は宗教型と類型化してみても満更でもないかもしれない―――。  飴を渡されそれを直ぐに口に入れ甘さだけを味わう人にこの映画の良さは伝わらないと思う。与えられた飴の意味を思索する人に見てもらいたい映画だ。
[映画館(字幕)] 10点(2011-08-13 00:31:15)
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