1. 萌の朱雀
《ネタバレ》 三度目の鑑賞。 確かに家族構成は分かりづらい。台詞が聴き取りにくい。 が、説明しちゃダメなんだと思う。國村さん以外ほぼ素人のキャスティングなのもうなずける。 食卓の背景の開け放たれた山並みと澄んだ空気、度々現れるトンネルが暗示的で印象的。 切ない、温かい、悲しい、そして美しい。そして何より初々しい尾野真千子が素晴らしい。 ラストの縁側のおばあちゃんの静かな最期と、父親の撮った8ミリ映像が沁みて来る。 [DVD(邦画)] 9点(2015-05-11 21:22:23) |
2. KAMIKAZE TAXI
《ネタバレ》 何故か見逃していた傑作。リアリティーは感じられないが、緊張感と笑いが平行していて、爽快感もある。 役所広司は今まで観た中で、一番強くてかっこよかった。ミッキーカーチスの最低なのに粋な会長も忘れられない。片岡礼子の、ふあふあしっとりした魅力もあり。 内藤演じる政治家土門には、日本のアジアへの侵略戦争を正当化し慰安婦問題も歪曲化しようとするじじい達、最近では何処かの大阪市長を連想させてもらった。音楽も良い。 [DVD(邦画)] 8点(2012-09-10 00:25:24) |
3. 女優霊(1996)
《ネタバレ》 子供の頃に観てとても怖かったけど、あれは何だったんだろう・・・思い出せないけど忘れられない。は確かにある。薄暗い階段を登っていく少年の映像が、小学生の自分に重なったような気がした。怖い映画だ。低予算だとか、今観るとしょぼいとか関係ない。佇まいが怖い。2重に現像されてしまった映像に見え隠れする黒髪の女。撮影中、突然狂ったように笑い出す代役の女優の顔が違う・・・。その後のジャパニーズ・ホラーの基盤になったとも言われるが、何かが違う。この作品にだけ漂う気配が不気味だ。だだ、少し長くなってもいいから、撮影中止になった昔の映画のシーンがもっと観たかった。それにしても時々無性に観たくなってしまう映画ではある。 [DVD(邦画)] 9点(2011-05-04 01:46:39)(良:1票) |
4. ガメラ2 レギオン襲来
《ネタバレ》 殆ど全ての怪獣映画を観たと思うが、私のベストは、初代ゴジラ、フランケンシュタインとサンダ対ガイラの連作、そして大魔神だ。久しぶりにこれらに匹敵すると思えたのが、全く期待せずに観た「ガメラ・大怪獣空中決戦」だった。そしてこの「ガメラ2」も期待に違わず良く出来ていたと思う。全体的なリアリティーでは、3部作の中でも一番かも知れない。評価が高いのも良く分かる。だが、気に入らない事がある。作品全体のリアリティーにかなり寄与しているのが、自衛隊の全面強力だという点。他の2作に比べて、格段の違いだ。矛盾しているようだが、自衛隊の宣伝活動に協力して欲しくはない。ミニチュアの戦車作れよ!あれだけ素晴らしいセット作ってるんだから・・・それにしても、金子、樋口の両氏はガメラ3部作以降は沈みっぱなしだね。特に監督になってからの樋口氏。 [DVD(邦画)] 7点(2009-05-07 02:21:39) |
5. がんばっていきまっしょい(1998)
《ネタバレ》 とても優しい気持ちになれる映画。まず、冒頭の廃虚になったボートハウスの壁に貼ってある古ぼけた写真を観ただけで、スーと引き込まれた。私は淡々と進む映画が好きだが、それにしてもこの心地よさはなんだろう。田中麗奈の何と初々しいことか。そして現在の充実ぶりが納得できる存在感。まちがいなく良い映画だと思う。 [DVD(邦画)] 9点(2008-06-25 03:45:26)(良:1票) |
6. バートン・フィンク
《ネタバレ》 チャーリーが炎の中を叫びながら突進してしてきた時、トリハダが立った。過去に味わったことのない感覚だった。このシーンがハリウッド映画的かといえば、まったく違うと思う。永遠に続く廊下は、やばい世界に繋がっているかのような効果をあげている。そして全編暗く濃厚な色調と音。ラストの海岸と美女が余韻を残す。はっきりしたストーリーやアクションが好きな人には、退屈な映画だと思うのでオススメしない。蛇足だが、DVDの画質の悪さには、がっかりだ。LDにかなり劣っている。早くブルーレイ化してほしい。 [レーザーディスク(字幕)] 9点(2008-06-15 21:06:38) |