1. ベン・ハー(1959)
初めて見たのはもう30年近く昔だ。戦車のシーンの迫力には痺れたが、キリストの件が邪魔に思えた。それから約10年毎に見たが、見る度に印象が変わり再発見があった。そして今回、映画館のスクリーンでこの名画を見ることができた。最初の6分間ただただ音楽だけが流れ、一分毎にカウントダウンが始まる。これも家でDVD鑑賞なら当然早送りだが、映画館では逆に胸の高まりを抑えることが、出来なかった。前半が終わり休憩時間に、ほとんどの観客がトイレに行き、別に言葉を交わすことはなかったが、皆が物語の後半への期待に胸を膨らませながら用を足していたのが印象的だった。後半の戦車のシーンは、圧巻の一言。何度見ても凄いが、大スクリーンだけに迫力が違う。やっぱり体が痺れた。今回の再発見は、いつもながらハリウッド映画だからユダヤ人を持ち上げてるのは仕方ないとして、アラブをかなり好意的に描いているのがちょいと意外でしたよ。欠点もないこともないのだが、もはや伝説の域まで達してると思うので10点だ。この映画未見の年老いた両親と映画館行って良かったなー。 [映画館(字幕)] 10点(2010-04-28 01:41:01)(良:2票) |
2. モンスター(2003)
衝撃度で言えば数年に一度レベルの映画だ。ほんとはこんな暗い映画好きではないのだが、この映画は別格だ。当たり前だが、アイリーンの行った行為は許されるものではない。だが、彼女に「なぜあんなことをしたんだ?」と訊いて「じゃあどうしたらよかったの?」と答えられると、俺は次の返答に困ってしまうだろう。最後の殺人を犯すときの彼女の魂の叫びは、見ていて辛かった。ほとんどの人間は、状況次第で人を殺すのかもしれない。人間の業の深さをここまで見せつけるアメリカ映画の底力は、やっぱ凄い。シャーリーズ・セロンは、ある意味最強女優....。 [DVD(字幕)] 10点(2009-08-07 23:30:09) |
3. 劔岳 点の記
前から四列目ぐらいで鑑賞した。スクリーン一杯に映し出される美しくも荒々しい自然の圧倒的な迫力。これが映画だろう。また、背景に負けないぐらいの役者の熱演も光った。エンドロールでも立ち上がる観客は、誰一人としていなかった。テレビで見るのは、もったいない映画だ。映画好きならぜひ映画館で見てほしい。 [映画館(邦画)] 10点(2009-06-23 15:01:12) |
4. 用心棒
《ネタバレ》 三船の電光石火の殺陣やストーリーなど全て素晴らしい。自分が一番しびれるシーンは、爺が吊るされてる先に三船が現れるシーンですわ。なんというかっこ良さ。日本映画の金字塔だと思う。映画の中とはいえ本物の「男の中の男」だ。ほんと惚れてしまうわw [DVD(字幕)] 10点(2009-05-18 17:03:30) |
5. 遊星からの物体X
《ネタバレ》 血液検査のシーンは映画史上に残ると思う。今作ればCGだらけだろうが、昔のクリーチャー のほうがリアルだけに怖い。最初見た時はトラウマになりかけた。あと男しか出ないのだが、死を覚悟して人類のために闘う男の映画だ。怖くて痺れる映画だ。年に一回はこんな映画を作ってほしいっす。 [DVD(字幕)] 10点(2009-04-15 02:00:53) |
6. スター・ウォーズ
夏の満員の映画館。映画を見る前に小説を何度も読みストーリーは全て頭に入っていたけどやはり感動した。映画に連れて行ってくれた親に今でも感謝。役者も皆魅力的だ。レイア姫もかわいかったしw 文句なしの傑作ですね。 [映画館(字幕)] 10点(2007-11-13 03:24:20) |
7. 隠し砦の三悪人
《ネタバレ》 いい映画ですね。ロードムービーものとしても傑作では。馬上の三船しびれますね。映画館で見たかったです。映画館で娘を馬上に上げるシーンでは拍手喝さいだったとのこと。日本映画最盛期の傑作の一本でしょうね。登場人物は、皆面白いというかキャラが立ってますね。三船やお間抜け二人組みも実にいい味出してます。あと雪姫。彼女じゃなきゃこの映画の魅力は半減したと思います。雪姫の下なら叱咤されながら働くのも悪くないんじゃないだろうかと思うぐらい太腿の魅力がありますよ。ちなみに20年前見たときはココまで面白いとは思わなかったのですけどね。黒沢映画は字幕で見るのがいいですよね。 [DVD(字幕)] 10点(2007-08-19 01:36:23) |
8. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦
基本的にクレヨンしんちゃんは、嫌いだ。クレヨンしんちゃんの真似してるガキ見たら叩きたくなるぐらいだし。でも、この映画は別物だ。他のサイトで絶賛されてるので見たら涙が出た。大河ドラマよりも時代考証もしっかりしてるし(戦のシーンなど)。姫のような女性も又兵衛のような武人も今では死滅してるが、昔はちゃんといたんだろう。日本アニメ史上に残る傑作。人に勧めても「クレヨンしんちゃんでしょ!?」と言われるのが、ちと残念。確かにクレヨンしんちゃんは、いなくてもいいと思うしな。 [DVD(邦画)] 10点(2007-08-18 21:03:35) |
9. ALWAYS 三丁目の夕日
原作の漫画ファンになってもう20年です。映画化されると聞いたときは嬉しさと不安がありました。原作と登場人物の設定などが違い別作品という感じもしないことはないですが、やはり映像化された三丁目の世界は魅力的でした。今度は、「鎌倉ものがたり」も映画化して欲しいと思わせる出来のいい映画でした。ちなみに漫画は最新刊から読んでいったので駄菓子屋の親父が、どんどん悪い人になっていくんですよねw 続編もできるようなので期待しています。 [映画館(邦画)] 10点(2007-08-11 21:30:44) |
10. アパートの鍵貸します
《ネタバレ》 恋愛映画でこの映画が一番好きな映画です。器用に振舞おうとしても不器用なサラリーマンが、魅力的だが男運の悪いヒロインに恋をします。どちらとも恋愛下手で順調な人生を送れそうにないです。ヒロインの兄に殴られても笑顔を見せるジャックレモン、彼が会社を辞めたと聞いたときに驚き喜びながら走っていくシャーリーマクレーン、そして感動のラストシーン、あげるときりがないぐらい好きな場面が多いです。こんな恋愛をもう一度してみたいでね。今ではこんな品のある映画は作れないのでしょうか。死ぬまでにあと10回は見たいものです。 [DVD(字幕)] 10点(2007-08-02 22:36:16) |
11. 素晴らしき哉、人生!(1946)
「アメリカの良心」って感じの映画ですね。確かに前半部分はやや退屈しますが、映画を見終わった後には気にならなくなります。人生に絶望を感じ自殺をする人にも一度見て欲しい映画です。人間は一人で生きてはいけないし、生きる以上は少しでも周りに良い影響を与えないといけないなとガラになく真面目に考えてしまいました。 [DVD(字幕)] 10点(2007-07-31 20:28:57) |
12. 乱れる
高峰秀子が見たくて借りてきました。高度成長を迎えようとする日本の風景や心情なども昭和30年代ファンの私としては見ていてたまりません。平凡にまじめに生きてきた戦争未亡人と彼女に思いを寄せる義理の弟の話という、一歩間違えば陳腐なメロドラマになりそうな話なんですが、日本の恋愛映画でもかなり傑作といえるのではないでしょうか? 最後のシーンは雪が降るのを想定してロケをしていたらしいですね。ラストの凸ちゃんが忘れられません。 [DVD(邦画)] 10点(2007-07-31 15:58:22) |
13. 愛と宿命の泉 PART II/泉のマノン
《ネタバレ》 泉をめぐる物語の後半の話です。美しく成長した娘が復讐を果たそうとします。美しく成長した娘役のエマニュエルベアールは「美しい」の一言です。彼女を見るだけでもこの映画を鑑賞する価値があるでしょう。人は良いが頭の弱い男と狡猾で名誉欲の塊の伯父。前作では歓喜の叫びをあげたこの二人の運命も大きく変わっていきます。一枚の手紙が人の人生を大きく狂わせることは実際あると思いますよ。哀しいけど心に残る名画といえるでしょう。 [DVD(字幕)] 10点(2007-07-31 15:41:32) |
14. 寄生獣 完結編
見ごたえが、ありましたね。日本の漫画史上でも最高傑作との名高い名作を実写化するというスタッフの勇気にまず感謝です。 原作は月刊誌掲載当時から読んでます。正直、今の漫画では対抗出来ないぐらいの傑作です。 これを実写化するというのは、かなり勇気がいりますよね。外国での実写化の話も出ましたが、世界中から評価が高かったからと思います。 日本映画となりましたが、日本のCG技術もかなり進んできましたので、今の時期に実写化されて良かったと思います。 まず、役者ですが深津さんの田宮良子が、凄かったですね。配役決まったときはがっかりしましたが、素晴らしい演技でした。 クールビューティそのものです。また、美しい顔が化け物に変化するのも原作そのものいで強烈でインパクトがありました。 その他の役者さんも頑張ってました。橋本愛ちゃんは、美人ですね。このまま芸能界に残ってほしいです。 最後にマイナス点です。市役所での後藤と警察隊との死闘は、超見どころのはず。何故省略するのでしょうか? 映画館で見なかったのですが、あっという間にエンディングでした。日本映画の底力を感じました。 [DVD(邦画)] 9点(2015-11-30 01:32:22) |
15. ヤング・ゼネレーション
《ネタバレ》 全く予備知識なしで見たのだが、見たあと爽やかな気分になる青春映画だった。この落ちこぼれ四人組のような経験は、ほとんどの人間がしているのではないだろうか。あの懐かしい時代に、今となってはほとんど会うことの出来ない友人たちと過ごした、まったりとした毎日。ライバルの大学生より落ちこぼれに肩入れするのは、仕方ないですな。イタリアかぶれの主人公が、イタリア人になり切って女の子にアタックするところや、本物のイタリア人に苛められてイタリア熱が冷めるところなど、小ネタもたくさんあってニヤニヤと笑ってしまった。四人組もその後、ちゃんと役者として活躍しているのでちょいと嬉しかったです。 [映画館(字幕)] 9点(2011-07-13 02:06:27)(良:1票) |
16. 塔の上のラプンツェル
《ネタバレ》 この映画で、3Dの映像の威力をまざまざと見せつけられた気がした。画面から飛び出さんとばかりに動きまくる魅力たっぷりのキャラクターたち、ついつい手を伸ばしたくなるような宙を舞うランタンなどなど、映像の新時代の幕開けのような気がする。映画の内容も素晴らしく最初から最後まで飽きさせない。でも、この映画の一番素晴らしいところは、ラストシーンだろう。ラプンツェルは、人生の希望を犠牲にして愛する男の命を救おうとした。それに対し男は、自分の命を捨ててまで姫をその呪われし運命から解放させようとした。過酷な環境で生き抜き人の心を忘れかけたコソ泥が、自分自身を初めて心の底から必要とした姫の純粋な心の打たれて変わっていったのだろう。フリンは、男の中の男ですよ。あの状況で俺なら「早く治してくれや!」か、どさくさに紛れてブチュっとしかしないはずだから。ここまでお互い純粋に自己犠牲を貫き、相手を愛した映画はディズニー初だし他の恋愛映画でもあんまりないと思う。映画館で見れて良かったっす。 [映画館(吹替)] 9点(2011-05-06 01:19:43)(良:1票) |
17. 放浪記(1962)
《ネタバレ》 高峰秀子演じる林芙美子は、嫌な女だ。ブスだけど妙にたくましくずる賢い。自分を慕ってくれるまじめな男など目にくれず、ハンサムだが中身の乏しい男に身も心も捧げてしまう。金のためなら変顔など厭わず奇妙な踊りもこなし、ライバルを蹴落とすためなら汚い手段をしても何食わぬ顔だ。成人したばかりの自分が見たら、一発で嫌いになるタイプである。でも何故だろう、人生半分に差し掛かった今はこんな嫌な女が妙に愛おしく見えてしまう。多くの人間が持っている嫌な部分を正直に表し、貧乏で泥臭く生きる姿についつい共感してしまうのだろうか。この女の逞しさは、羨ましいぐらいだ。「このままじゃ終わらないよ」と言ってるシーンは、両目がメラメラと燃えているようだった。「二十四の瞳」で天女のような大石先生を演じた高峰秀子が、この映画を気に入っていたのは彼女の優れたエッセーを読むと何となくだが、わかるような気がする。やっぱり高峰秀子は、凄い女優だわ。 [DVD(邦画)] 9点(2011-02-13 03:08:40)(良:2票) |
18. リアリズムの宿
これは、なかなか面白かった。登場人物全てが、どこか変でまともでないんだが、面白すぎる。主人公二人の微妙な距離感や会話の間の取り方なんか最高。冴えない二人に謎の美少女と言えばもっとなんかあってよさそうなんだけどね。「つげ義春」というより「いましろたかし」を思い出してしまった。あと尾野真千子は、日本を代表する女優になる資質があるので、今後に注目していきます。 [DVD(邦画)] 9点(2011-01-17 02:09:58) |
19. 心の旅路
《ネタバレ》 確かにちょっと展開に無理があるんだけど、最後の展開までも持って行きかたが上手すぎる。どこで記憶が戻るのか、ハラハラさせてくれた。苦労してやっと再び結ばれた二人が、幸せになって欲しいと素直に思わせる内容。大昔の映画なんだけど、カット割りや人物のみせ方など映画というのは、昔でほとんど完成されているのかなと思った。主演二人の演技力もさることながら(コールマン髭の元なんだね、知らんかったw)、キティ役のスーザンピーターズ。演技力も美貌も素晴らしいね。現代のトップ女優よりもずっと綺麗だ。 [DVD(字幕)] 9点(2010-05-10 02:32:02) |
20. マイケル・ジャクソン/THIS IS IT
マイケルファンの俺にとっては、最高の映像の連続である。リハーサルシーンの迫力ある踊りや人間マイケルの素顔、エンターティナーとして血の滲むような努力をしているのも垣間見られドキュメンタリー映画としても楽しめた。レイトショーで見に行ったのだが、1200円が本当に安いと感じた。マイケルが来日しても地方に住んでるのでコンサートには、まず行けない。映画館の大きなスクリーンでマイケルのコンサートを楽しめるのだから鑑賞料を安く感じるのは仕方ないだろう。そう言う意味では、ある意味反則の映画である。だから、ちょいと減点した。レイトショーで満員の映画館なんてこの映画が最初で最後だろうね。 [映画館(字幕)] 9点(2010-02-06 22:14:29) |