1. 白い馬(1952)
《ネタバレ》 湿地帯や干ばつした大地、地平線と水平線などロケーションが印象的。 白黒映画なので他の馬も白く見えるが、主演の白毛は髪の毛がロン毛なので見分けがつく。 この白毛は少年にしか心を許さない。 生きた馬と少年が主演なので、気味の悪い生きた赤い風船よりは本作の方が断然好み。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-11-09 15:08:20)(良:1票) |
2. 果しなき欲望
《ネタバレ》 欲望が渦巻く中、地下に穴を掘り進めていく土方的サスペンス。 感心したのはよくもまあ、あの距離を真っ直ぐに掘り進めるなあと。 キャラの立った登場人物達に、終盤の怒涛の展開となかなか緊張感はあるものの、全員が死ぬ展開はさすがに無理があるし都合が良すぎる。 戦時中にお宝を隠しておき、その十年後にそれを探し当てて一攫千金を狙うという設定は面白いけどね。 [インターネット(邦画)] 6点(2024-10-17 13:12:38) |
3. ペン偽らず 暴力の街
《ネタバレ》 地方議員が警察や暴力団と手を組み私腹を肥やす。 こんな時代があったのか。 いや、このような市民運動があり、このような映画があったからこそ、それらは昔に比べて少なくとも目には見えなくなったんだろう。 その意味でこの作品は社会的意義がある。 一方で三島雅夫の熟練された悪役の演技、これも特筆すべきだろう。 権力と金にまみれた汚い男を実に痛快に演じている。 [インターネット(邦画)] 5点(2024-10-12 20:30:48) |
4. 忘れられた人々
《ネタバレ》 ハイボよりも共犯のペドロの方がよっぽど酷い目に遭っている。 ハイボは最後撃たれて終わりで済んだが、ペドロは散々ハイボに苦しまされた上に殺された。 なんだかバランスが悪い。 最初は被害者だと思われた盲目の大道芸人が実はかなりイヤらしい人間だったりとか、最初は子どもが悪いように描いておいて実はその子どもたちに愛情を与えなかった親も悪いとか、そもそも貧困が元凶だとか、何かを一方的に悪とはせず物事を多面的に描き出しているのが興味深い。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-10-11 20:53:34) |
5. 夜の深み
《ネタバレ》 久しぶりに文句なしの0点。 判然としない映像のなかで、奇妙な踊りを踊っている男女をひたすら映しただけの内容。 [インターネット(字幕)] 0点(2024-09-19 22:01:51) |
6. 道化師の夜
《ネタバレ》 屈辱的なことや嫌なことがあっても生きていかなければならない。 この世は上手くいかないことも多いし生きてるのが嫌になることも多いが、それでもなお人生は続いていく。 大変な人生だけど、決して自死などは選ばず、タフに生きていけ。 イングマール・ベルイマンからのそんなメッセージを感じる作品。 言ってみれば本作は人生の応援歌そのものだ。 ハリエット・アンデルセンの弾ける健康美がモノクロの映像世界で躍動していた。 目に焼きついて離れない。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-09-06 13:41:47) |
7. 敗北者たち
《ネタバレ》 もはやまだ見ぬミケランジェロ・アントニオーニ作品を見られるだけで至福の悦びであり、内容は二の次みたいになっている今日この頃。 本作も内容にそこまでの魅力は感じない。 ただし若者の退廃的な心情とか、その場限りの実りのない男女関係とか、その辺りはミケランジェロ・アントニオーニらしさを少し感じたかな。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-08-27 21:21:14) |
8. 椿なきシニョーラ
《ネタバレ》 まだ見ぬミケランジェロ・アントニオーニの作品を見る機会に恵まれ、ただそれだけで嬉しい。 後のアントニオーニ色はあまり出ておらず大して面白くはないが、主演のルチア・ボゼーがとにかく美しいので救われた。 若くて美しい無敵な女優に忍び寄る賞味期限切れという現実。 権力や金のある男たちに良いように利用される悔しさ。 それらを容赦なく的確に描く終盤は、アントニオーニの魅力が出ていたように感じた。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-08-25 14:02:52) |
9. 日本戦歿学生の手記 きけ、わだつみの声
《ネタバレ》 18年間レビューされておらず、わたしが投稿する前時点での平均点数が9.5点。 そんな作品にレビューするのは畏れ多いのだが、勇気を出してわたしなりの視点からレビューさせていただく。 終戦から5年しか経っていない1950年に製作された映画だけあって、生々しさが群を抜いている。 置いてきぼりをくらう負傷兵の絶望や、前線の悲惨さ泥臭さがまるで昨日の事のようにリアルに描かれている。 派手で壮大なスケールの戦争映画に比べても決して見劣りしない、嘘偽りのない迫力がある。 大隊長が終始寝そべっていて飯を独り占めしていたが、そんなに日本軍は荒んでいたのかと、驚きと悲しみの入り混じった気持ちになった。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-08-17 18:56:33) |
10. オリーヴの下に平和はない
《ネタバレ》 ストーリー的にはスピーディで面白いのだが、どうにもこうにも都合が良すぎる。 まるでアメリカ映画のようだ。 ボスが悪者と決まっていて、主人公が善玉で、善玉が最後に勝つ。 それまでボス側についていた羊飼いや警察署長が、とってつけたかのように最後は主人公の味方に… そんなことあるかい! 世の中は金のある者、権利を持った者の味方なんじゃい。 そう都合よくいくかよ。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-07-22 22:48:20) |
11. ヨーロッパ一九五一年
《ネタバレ》 思想や宗教という観点において、なかなか複雑で分かりにくさがある。 精神異常者として病院に幽閉されたことが理不尽であり、それを問題提起しているのだろうか? いまいち分からない。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-07-18 21:13:25) |
12. リラの門
《ネタバレ》 ジュジュの憎めないロクデナシキャラが最高だ。 マリアのことを好きなのに、いつの間に恋の橋渡し役をやらされる。 モテない男あるあるだけに、気持ちがよく分かる。 ラストの銃声が聞こえるシーン。 ジュジュとバルビエが取っ組み合い、どちらが物陰から生きて出てくるかと思ったら、ジュジュだった。 ジュジュが対決に勝ったのだ。 これがこの物語の救いになっている。 これがもしバルビエに殺されて終わっていたら、ただの救いのない話になってしまうからね。 それでもなお、切ない話だよね。 好きなコが騙されていて金目当てで利用されていただなんて。 ジュジュとしてはやり切れない気分だわな。 自分が好きなコとはいえ、バルビエとどこかの遠方の地で幸せになってほしいと願っていただろうはずだから。 最後にこの映画のモノクロ画像について。 1950年代後半だけあって、シャープでとても美しい。 この時代ならではの自然なモノクロ画像にはうっとりさせられた。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-06-23 17:16:59) |
13. めぐり逢い(1957)
《ネタバレ》 「歩けないこんな私じゃ、あなたの負担になるだけだから、あの日交通事故にあって待ち合わせ場所に行けなかっただなんて言えない」 いやいや、そこは本当のことを言おうよ! 彼を待たせてしまった訳を伝えた方がいいだろ! 彼は約束を破られたと思ってるんだぞ、裏切った訳ではなく行きたかったのに行けなかったと伝えてあげなきゃかわいそうじゃないか! と、ムキになっても意味がなく、これは悲劇を盛り上がるための意図的なストーリーなわけだからね。 普通に待ち合わせに間に合っていたら、話として盛り上がらないことになるのかな? だとしたら、なんかわざとらしいストーリーなんだよな。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-06-08 18:34:20) |
14. 復讐は俺に任せろ
《ネタバレ》 自分では決して人を殺さずデビーにダンカン夫人を殺させ、自分は刑事に復帰と、なかなか調子の良い物語。 警察上層部とギャングとの結び付きを告発した内容は、ラングの信念を感じる。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-05-18 20:34:32) |
15. ミラノの奇蹟
《ネタバレ》 最後はほうきに乗って大円団、、トトホ、いやちがった、トホホ。 トトとやらが、妙に老けてて、まるでとっつぁん坊やだ。 暗くなる話じゃないからいいんだけど、ファンタジーが苦手なもんで。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-05-14 22:29:14) |
16. 掠奪された七人の花嫁
《ネタバレ》 好きな女性は誘拐してでもモノにする。 かなり人権無視な物語。 長男が一番体が大きいのが定型的で気に食わない。 前半はそれなりに面白かった。 後半にいくほどつまらない。 しかし、あれだけガサツな野郎どもが、歌と踊りはしっかり出来るというのは違和感がある。 あんな山奥の汚い暮らしの中で、いつ歌と踊りをマスターしたんだよ! あと掠奪されたのは七人じゃなく六人だけどな。 一応、長男の嫁は本人の同意を得て連れ帰ったわけで。 [インターネット(字幕)] 3点(2024-05-07 22:17:45) |
17. 新東京行進曲
《ネタバレ》 当時、人気があったであろう高橋貞二に何ら魅力を感じない。 話も駆け足過ぎるし、いたるところが都合良すぎでいただけない。 配役通り小林トシ子より淡路恵子の方が魅力的だわね。 これ悲恋の物語なのね。 当時の皇居周辺や上野の風景を楽しめるのはいいね。 [インターネット(邦画)] 4点(2024-05-01 22:33:38) |
18. 白夫人の妖恋
《ネタバレ》 李香蘭より八千草薫の方が好きだな。 ウエストが細くて、顔も晩年のような卵型ではなくシュッとしていて可愛い。 ラストは少し間延びしていてクドく感じた。 白蛇と人間との愛を描いた内容で、最後はめでたく結ばれてハッピーエンド。 愛には蛇も人間もない。 ひたすら相手を思う気持ちが大事。 なんだけど、後半はひたすら円谷劇場でスペクタクル過ぎるんだよなぁ。 上田吉二郎のアクの強い変態ジジイ演技と、顔がシュッとした可愛い八千草薫に加点で、4点で。 [インターネット(邦画)] 4点(2024-04-21 20:10:12) |
19. アスファルト・ジャングル
《ネタバレ》 ジョン・ヒューストン監督は見応えのある作品を作るなぁ。 『黄金』もそうだったけど作品に強く引き込まれた。 アメリカ映画は全般的に苦手だけど、ジョン・ヒューストン監督は好きなアメリカ人監督の一人だ。 とはいえ、悪人は最後全員滅んでしまった。 誰か一人くらいは逃して欲しかった。 勧善懲悪が行き過ぎている嫌いがある。 悪人が美味しい思いをするのは時代的に許されなかったのだろうか。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-04-07 20:08:31) |
20. 勇者の赤いバッヂ
《ネタバレ》 映像はシャープだし話もシンプルで分かりやすい。 おまけに尺も短いので見やすい。 死んだらおしまいだから逃げた方が良いのか? それとも逃げたら生き恥を晒すことになるから逃げない方が良いのか? 私的には逃げても良いと思うが、どうだろう。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-03-16 21:06:34) |