1. 八月の濡れた砂
オーソドックな青春映画と言ってしまえばそれまでだが、いかにも気怠そうな主題歌とともに、 70年代初頭の若者の鬱屈感は描写されています。 主人公は、どうしても「飛びだせ!青春」の河野先生のイメージが強すぎて。 こちらの作品のほうが早く制作されたので、仕方がないんだけど……。 全体的には粗い作りで、終盤の展開は今ひとつわからなかったです。 [DVD(邦画)] 3点(2015-06-25 03:31:52) |
2. 都会のアリス
淡々とした流れのロードムービーながらも、主人公と少女の距離感がとてもいい。 ベタなエピソードや演出はほぼなし。モノクロ映像の中に映しだされる風景、彼らのひとつひとつの行動や仕草、表情が、徐々にじんわりと、心に沁みいるような情感を与えてくれる。 ヒロイン役の少女の魅力はもちろん、ラストのカットも印象深く、主人公の心情変化をさりげなく描いた監督さんのセンスが光る映画。 [DVD(字幕)] 7点(2015-01-15 06:46:43) |
3. はなれ瞽女おりん
大正の北陸を舞台に、一人の瞽女の生涯を描いた作品。 瞽女を題材にした内容がインパクトを与える。 ストーリー自体はかなり重くて暗いんだけど、四季折々の美しい風景と風物詩が、作品全体に情緒や重厚さを吹きこんでいます。 自らの境遇と女心とのあいだで揺れるヒロイン役を、岩下志麻が熱演。 ラストは……う~ん、どうなんでしょう? [DVD(邦画)] 6点(2014-09-04 01:50:49) |
4. コールガール(1971)
タイトルからもっと下世話な内容の映画と思いきや、サスペンス調の味付けに、ヒロインの孤独感を中心に描いた女性ドラマに近い作品でした。 ジェーンの演技はいいし、ドナルド・サザーランドやロイ・シャイダーのサブキャラもいいのだが、全体的に映像が暗く、物語の流れもやたら淡々としていて重苦しい圧迫感が。 サスペンスとしてのストーリーは今イチ、ドナルド演じる刑事とのロマンス(?)は空回りぎみで、正直ちょっと退屈な映画でした。 古いニューヨークの風景シーンは印象深い。 [DVD(字幕)] 4点(2014-05-27 09:39:06) |
5. レッド・ドラゴン(1976)
ブルース・リー主演「ドラゴン怒りの鉄拳」の正統な続編らしいです。 前作ヒロインのノラ・ミャオが出ていても、舞台が上海から台湾に変わり、序盤から中盤にかけては本当に続編なのかと思えるような内容と展開。 主人公であるジャッキーの設定もとってつけたようで、キャラの魅力は全然ないし、雑なラストはあまりにもひどすぎる。 ちなみにDVDの特典映像には、「もう一つのオープニング」が収録されており、まだこちらのほうがわかりやすいです。 アクションシーンは、まあそれなりに。 根強く残るリー人気をあてこんて作られた映画ということで、ジャッキーにとってはちょっと不運だったかなというような作品でした。 [DVD(字幕)] 2点(2014-05-09 15:13:55) |
6. 青春の構図
昔懐かしい、ちょっとクサい青春映画。 ティーンズ向けの少女雑誌に連載されていた恋愛漫画のような展開で、ストーリーはあまり面白くないけど、早乙女愛、岡田奈々、森田健作、加納竜と、古い俳優さんたちがたくさん出ていて、こちらも懐かしかった。 昭和の匂いを感じさせてくれ、レトロ感は満足させてくれる。 [DVD(邦画)] 2点(2013-08-07 07:35:53) |
7. 約束(1972)
主人公とヒロインの状況説明はほぼなし。 セリフを極力抑え、顔の表情と風景描写で物語を展開させていく手法、カット割りや音楽もフランス映画に通じるものがあり。 全体的に淡々とした流れの中で、萩原健一のやや軽めの演技が、逆に鑑賞者を飽きさせない役割を果たしているのかも。 映画の作りは悪くないと思うが、ベタなシーンだけはやっぱり不釣り合い。 そういう泥臭さが、邦画のいいところでもあるんだろうけど……。 [ビデオ(字幕)] 5点(2013-07-02 09:38:31) |
8. 音楽(1972)
オープニングの耽美な映像が印象的な作品。 原作は未読だが、内容自体はとても面白く、丁寧なシナリオというよりは俗っぽい作りでインパクトを感じさせてくれる。 ただヒロインのオーバーアクションぎみの狂気的な演技が勝ちすぎて、彼女の深層心理に隠された謎をもっとじっくり見たかったなという感も。 増村監督らしいと言えば、らしいサスペンス作品。 [DVD(邦画)] 4点(2013-06-27 13:53:53) |
9. 刑事コロンボ/ルーサン警部の犯罪<TVM>
名刑事役を演じるテレビスターとコロンボの対決。 アイデア自体は面白いと思うし、二人の掛け合いが本作の最高の見せ場になるはずなのだが、コロンボの相手としてはあまりにも物足りなさすぎた。 犯人側のキャラの魅力が薄く、トリックも稚拙。コロンボの着眼点は相変わらずいいんだけど、中盤以降の彼はやる気すら感じられないように見えてしまう。 ラストの犯人のセリフが、やけに虚しく聞こえてしまうエピソード。 [DVD(吹替)] 3点(2013-06-20 18:41:17) |
10. 刑事コロンボ/さらば提督<TVM>
ミステリー映画のような展開という点では、シリーズの中でも異色作のうちに入るのだろうが、トリックも終盤の見せ場も全体の出来としては今一つ。 それ以上にコロンボのキャラが本作ではかなり変わっていて、面白味をまったく感じなかったのは致命傷。 スタッフも、いろいろアイデアを考えるのは大変だとは思うけど……。 [DVD(吹替)] 3点(2013-06-13 04:07:08) |
11. サタデー・ナイト・フィーバー
公開されるや、一大ディスコブームを巻き起こした、トラボルタの出世作。 「グリース」が楽しさを追求した娯楽映画なら、こちらは鬱屈した生活を送る主人公中心のドラマ仕立てで、ストーリー性はやや濃い。 映像は総体的に暗いし、音楽がビージーズというのはいまだにピンとこないのだが、やはりダンスシーンは観ていて楽しい。 今ではもう、懐かしい青春映画という括りになってしまった作品。 [映画館(字幕)] 5点(2013-06-02 06:15:45) |
12. エッチの国のアリス
果たしてファンタジーと言っていいものか、一応ミュージカル仕立てで、無駄に音楽がいいのが笑えるおバカ映画。 エッチをしながら突然歌い出したときは、さすがに苦笑するしかなかったが、ヒロインの女の子がけっこう可愛くて、もっとハードな絡みはないのかと、ラストまで鑑賞してしまった自分が情けなかった。 ちなみにこのヒロイン、「バトルクリーク・ブロー('80)」でジャッキーの恋人役を演じていたらしく、本作を先に観ていれば、「バトル~」もまた違う楽しみ方ができたのにと、ちょっと残念だった。 映画ファンなら、話のネタぐらいにはなるかも……。 [ビデオ(字幕)] 2点(2013-05-09 02:23:59) |
13. 鮮血の美学
実話とは謳っているけど、いくら何でもこれはというような脚色が多々あってびっくり。 一応バイオレンス映画なのに、カントリーミュージックみたいなのどかなBGMが浮きまくってて面白いが、ストーリー展開はやたらもっさりしていて、緊張感はまったくといっていいほど感じないです。どぎついシーンもかなり控えめ。 映像の粗さが、少々生々しさを与えてはくれるけど……。 [ビデオ(字幕)] 2点(2013-03-27 04:14:00) |
14. ザ・ヤクザ(1974)
ガチガチのヤクザ映画ではなく、"義理と人情"を題材にした人間ドラマに近い作品。 いろいろと複雑な事情が絡んでいて、それがテーマを描く伏線にはなっているのだが、同時にやや重苦しい雰囲気の仕上がりに。映像がやや暗いせいもあるのかも……。 日米合作ということで、きょとんとするシーンもあるけど、とりあえず健さんはカッコよく、見せ場もちゃんと用意されてます。 ロバートも渋くて、やっぱり主演二人の存在感が印象的な作品だった。 [DVD(字幕)] 4点(2013-03-21 03:14:22) |
15. 不連続殺人事件
横溝正史風の時代背景と雰囲気に序盤は期待するも、淡々と殺人が起こり、淡々とストーリーが進み、淡々と謎解きがされるミステリー。 登場人物があまりにも多いため、主要キャラたちの描写が薄く、人間関係において置いてきぼりにされる可能性あり。 決してつまらないわけではないけど、140分でもこれだけ詰め込まれるとちょっとつらい。 カメラワークも単調で、最後まで盛りあがりに欠ける映画だった。 [DVD(邦画)] 3点(2013-02-19 03:40:07) |
16. 小さな恋のメロディ
主演の二人がとにかくかわいくて、初公開時から何度かリバイバル上映され、長いあいだ人気を博していた映画だった。 男子はもちろん、女子からのウケもよく、トレーシー・ハイドのファンがあちこちにいたっけ。 ほのぼのとした淡い恋心を表現した映像がよかったが、ビージーズの音楽が内容にベストマッチしていた。 特に大人たちに対して強烈なメッセージを残したラストシーンは、とても印象に残っているし、秀逸な絵だったかと思う。 さすがにこの歳になると、再鑑賞するのは恥ずかしいけど……。 [映画館(字幕)] 7点(2013-02-17 06:42:04) |
17. 刑事コロンボ/権力の墓穴<TVM>
今回のエピソードは登場人物やロケシーンが多く、時間もやや長めで、ちょっと劇場映画のような雰囲気。内容のほうもボリューム感たっぷりでした。 犯人はコロンボの上司であるロサンゼルス警察次長で、捜査しづらい状況ながらも、コロンボの推理がキレてます。 どんでん返しぎみのラストが面白く、こちらもお薦めのエピソード。 [DVD(吹替)] 5点(2013-01-21 13:43:28) |
18. さよならミス・ワイコフ
過激なレイプシーンばかりが注目されてしまった感はあるが、ある保守的な町を舞台に、人種差別、女性差別と、社会派ドラマとしての色合いが濃い作品。 かなり辛辣なストーリー展開ながらも、登場人物が少なく、ヒロインである中年女性の苦悩や葛藤もしっかり表現されているため、感情移入がしやすい。 後半「女の性」という点で、彼女の心情変化の描写が浅薄になってしまったのが惜しまれるけど、ラストシーンで本作のテーマはちゃんと伝わってきます。 とにもかくにも、主演女優アン・ヘイウッドの体当たり演技が光る作品。 [ビデオ(字幕)] 6点(2013-01-13 11:28:55) |
19. 大地の子守歌
逆境にもめげず、逞しく生きる一人の少女の姿を描いた作品。 辛辣なシーンの多い映画だが、タイトルの意味合いも含め、軸がぶれずにお話が進むのでわかりやすいし、とても鑑賞しやすい。 ヒロインのキャラ設定は、原田美枝子のイメージにはぴったり。演技自体はそれほどうまいとは思わないが、体当たりの熱演という印象が強く、ラストもいい。 時代背景が昭和初期ということで、佐藤祐介の長い髪だけはどうしても納得できなかった。 [ビデオ(邦画)] 6点(2012-11-23 04:33:32) |
20. 刑事コロンボ/毒のある花<TVM>
今回のエピソードでは女性の突発的な殺人ということで、第二の殺人を含めてかなり粗っぽい展開。 決め手となる証拠も早い段階からわかってしまったので、ドラマとしての面白さはあまり感じず、コロンボのキャラだけを楽しむような内容だった。 あとの見所は、マーティン・シーンがゲスト役で出演しているぐらい。 [DVD(吹替)] 3点(2012-10-10 09:13:46) |