プロフィール |
コメント数 |
78 |
性別 |
男性 |
ブログのURL |
https://www.jtnews.jp/blog/27405/ |
自己紹介 |
まずは幸運にも劇場で鑑賞できたもの優先につらつらぼちぼち書かせていただきます。とはいえたまには都度鑑賞したDVDものも挟んじゃうかも。
ここ最近足しげく通っている映画館は、Film Forum, MoMA, Japan Society, IFC Center, Lincoln Centerといったところ。
ハイ、新作はあまり観にでてはおりませんです。
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1. 妖刀物語 花の吉原百人斬り
MoMAで開催となった内田吐夢祭、日本から持ち込んでの一挙19本上映ときた。金曜トップバッターは本作! 片岡千恵蔵にはちょうど1年ほど前の同じくMoMAでのJapanese Early Talkieシリーズに含まれていたお見かけしたのが初であったような。「赤西蠣太」(1936) という一風変わったタイトルのその作品で彼は一人二役を見事に演じており、実はお恥ずかしながら自分はそれを完全にダマされて(つまり同一役者だとは気づかず)鑑賞していたのが記憶に新しい。それ故今回のその作品からはほぼ四半世紀のちの、ちょい歳のいった千恵蔵を眺める視線はリメイク版「雪之丞変化」(1963) でちょい歳のいった長谷川一夫を観た視線とついダブってしまったりも。 「二代目 水谷八重子」が誰の二代目なのかを把握するには、これまた昨年のJapanese Early Talkieシリーズに含まれていた「上陸第一歩」(1932) において「初代」の方を鑑賞してしまってるから話が早かった。登場時はふてぶてしさ満点の下品な女がどんどんと格上の花魁へと変身を遂げてゆく様を見事に演じているのは観ていて爽快でもあった。この「観てるうちにその人への美の意識がふらふらと変わってゆく」という体験は、ふと「愛のコリーダ」(1976) での松田英子を彷彿としたり。(どちらかというとあえて「吉原炎上」(1987) での名取裕子というよりは。) 鑑賞後にJapan Societyで顔見知りの人に会い、どうクライマックスを予想したかということで面白い会話をした。というのは彼は英題「Killing in Yoshiwara」しか頭になく、原題を理解していなかったからもう少し幅のある結末を予想していたということなのだ。公開当時は元ネタの歌舞伎の演目を知っていた人が多かった訳で、「百人斬り」というタイトルが幾分ネタバレ感ありすぎであったという判断にはならなかったのだろうが、これは英題をつけた人がエラかったという分かりやすい例になりそう。 [映画館(邦画)] 7点(2016-10-27 10:52:20) | 2. おとうと(1960)
Japan SocietyにてのKON ICHIKAWA RESTORATIONS、3本中2本目。 幸田文の作品は読んだことがない。しかしながら映画化されたものとして成瀬巳喜男監督作品「流れる」(1956) が燦然と記憶の星の中に輝いている。あいにく鑑賞中にはどの作品だったかまではもつれた記憶の糸をほぐしきれなかったのであるが、本作の扱うテーマなどと比較するとなるほどの類似性で、人の内面をえぐるようなセリフ回しの数々が次々と溢れ出てくる。うーん、これまた原作か…。 田中絹代の憎まれ役というのは本来珍しい訳なのだが、自分にとってはもうそうでもなくなってきてしまっていることを改めて認識した。元となる既鑑賞作品は「春琴抄 お琴と佐助」(1935) だったり、「女優須磨子の恋」(1947) だったり、「夜の女たち」(1948) であったりするだろうか、どれも本作の頃よりは随分と若いころではあるけれど。 森雅之の老け役はまだ見慣れない。どうも本作が自分の既鑑賞群の中では再後年の作品らしく、自分の印象の大半を占める「雨月物語」(1953) 、「白痴 」(1951) 、「浮雲」(1955) 、「楊貴妃 」(1955) といった年代からは5〜10年の歳月が過ぎていることになる。ただだいぶん焦らしてからの第一声は十分聴き応えがあり「やっぱり森雅之だ。」と安心できた次第。 若かりし頃の岸恵子と初めて遭遇したのは小津作品「早春」(1956) であったが、今年に入って鑑賞した小林正樹監督作品「からみ合い」が1962年の作品で本作はその間に落ちる。実年齢と比べると本作撮影時は20代の後半で女学生役に挑戦してたこととなり若干無理があったかもしれないが、和装の似合い度も手伝って大正期の女学生の雰囲気は十分に出てたかと。ちなみにその先の印象といえば「男はつらいよ 私の寅さん」(1973) 、「細雪」(1983) とぽんぽーんと飛ぶこともあり、やっぱりこの60年前後が彼女の魅力が満開だったのかなと感じはするものの、結論は当たり役「君の名は」(1953) を観てから述べることとしましょうか。 [映画館(邦画)] 5点(2015-10-20 12:26:20) | 3. 続・男はつらいよ
劇場版第一作がことのほか評判がよかったため急遽撮られた第二作…という位置づけらしいのだが、多くの人が認めるようになかなかどうして。 このころには「マドンナ」という呼称はまだ定着していなかったのかもしれないが、本作でのそのマドンナ、佐藤オリエという女優は若い頃の浅野ゆう子を少し庶民的にしたような印象で、今回が初お目見えではあったが好感度十分。ただ倍賞千恵子の輝きがまだまだまぶしいので(笑) ミヤコ蝶々の登場シーンでも、東野英治郎の登場シーンでも、つい声を出して喜びを表現してしまいそうになった。小津作品「東京物語」での笠智衆と東野英治郎が旧交を温めあって泥酔するシーンが記憶に新しい。実際は二人とも下戸だという話が微笑ましくもあり、感嘆するところでもあったのであるが、本作でも寅さんと二人で盃を思う存分に交わしてくれている。残念ながらというか当然ながらというか、御前様こと笠智衆との飲み交わしシーンは本作では実現せず。 三条大橋のたもとでのシーンは嬉しくって嬉しくって。何度も自分で歩いたことのある角にて寅さんと蝶々さんが撮影をしていたことがあったという事実だけで幸せになれる。人間って思ったより単純にできてるらしいと思わされた瞬間であった。 [DVD(邦画)] 6点(2014-05-10 08:24:30) | 4. 007は二度死ぬ
Every time I was asked about opinions on this title, I felt like that I am a Japanese who is not patriotic enough. Finally I checked it out on a big screen thanks to MoMA's effort, and have opinions on this. This is a sort of masculine fairy tale, like other Connery titles as they are in similar ways. Being surprised, giving applause, and then smiling or laughing out loud. That's all. Japan in 60's was perfect place to shoot such a tale because they had everything, from industrious brand new subway system to traditional medieval castle. With a hint of practical nonsense, like ninja sequences, the tale can be concluded beautifully. Originally I was astonished by Tetsuro Tanba's clear British English but that reputation has been brown away once I leaned that it was dubbed one due to his "hard to hear" accent. On the other hand, I would like to give hands to the only "real" English speaker, Akiko Wakabayashi, and I am going to check her other, not many, appearances. Now I can laugh at "unidentified object" portion of Austin Powers really out loud! : ) [映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2014-04-30 14:06:34) | 5. 女王陛下の007
"He's never been equally valued among other Bonds, somehow, but he was also good." That was my Bond advisor's comment against this "one-time limited time only" version of James Bond, acted by an Aussie-born actor George Lazenby. I didn't know his name and also couldn't come up with his face, totally had no idea before actually watching it. But now I understand why his remark was just like that. He is a cooler type of Bond compared to other JBs, somewhat closer to Daniel version, but yet still it stands out. It was kind of fun to read all the gossipy articles about how this replacement happened, the role went back to Sean, it moved on to another guy, then it came back to Sean again. That kind of stories reminded me that a rumor how Hugh Jackman turned down the Bond role. It was also glad to see the young and "very active" Telly Savalas, as I didn't watch that many his Kojak back then. Now I really want to watch him without Moriyama's voice, who is the famous guy did Kojak's voice over. By the way, this title's the "Bond Girl", Diana Rigg, reminds me younger days of Machiko Kyo. Don't know why... Go out and check the one of Mizoguchi's fine work, "Street of Shame (1956)", if you want to understand what I'm talking about here. Other than that by looking through her titles, I do want check out her Bond version in The Avengers! [映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2014-04-27 22:14:29) | 6. 007/サンダーボール作戦
Re-visited through 50 years anniversary event at MoMA. This was another friend's best and I still remember when two of them were debating each other over another contender, Goldfinger. An unexpected thing was that the only part I remembered was the meaning of slanted lines on the both side of the big ship. Don't know why... Maybe that would be the most meaningful part of Bond Movies... "You don't need to try to remember every details. They really don't matter. Just enjoy the Bond moments!" That's the main spirit of this series! And then, it is highly likely that I am writing similar review five years later. : ) [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2014-04-26 23:52:21) | 7. 007/ゴールドフィンガー
Through "50 Years of James Bond" Film Festival at Museum of Modern Art in 2012. While MoMA was showing 22 of them in chronological order, I've missed first two of them in a row. The life is not easy... One of my "Bond Otaku" friend named this title as the best but I didn't have further opinions against that simply because I am still at 3 year old level knowledge regarding on Bond collections. At that table, I was rather keeping smiling due to the my only related memory related to this title, which was the one comes from the famous parody version of Austin Powers series : ) [映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2014-04-25 20:34:18) | 8. 心中天網島
MoMAでのATG映画祭を通して。同じATG心中物として鑑賞した中では本作の2年後に公開される「修羅」が若干かぶるが、色気部門では若さが少し邪魔するも岩下志麻に軍配。ただ内装の奔放さはさすがこの時期のATGといった感あり。 黒子の面構えが気になる方、「神々の深き欲望」をごらんあれ。さすれば小松方正の素晴らしさも味わえまする。 [映画館(邦画)] 7点(2014-04-01 11:49:54) | 9. 切腹
「神々の深き欲望」で追悼三國連太郎熱があがって…、夜中に再鑑賞することに。初鑑賞は武満徹を冠した映画祭での一本として。 映画というものは脚本のできだけでこうもひとつの題材が面白くなりうるものかと打ちのめされた。先日リメイク版の「一命」も鑑賞する機会に恵まれたが、やはりあちらは色合いと3D効果に脚本の力が削がれているようにも感じられた。(役所広司はよいのだが。)まだどちらも観ていない人には是非この「正順」での鑑賞を強く、強くお薦めしたい!音の面から言っても!! [映画館(邦画)] 9点(2014-04-01 11:12:35) | 10. 神々の深き欲望
邦画評論家ドナルド・リチーの追悼映画祭での一本として鑑賞。 今村昌平初のカラー作品であり前半期の集大成とも称される本作は、返還直前の沖縄付近の様子を強烈に切り取ってくれている。戦後の経済成長に揺れる南海の「くらげ島」で繰り広げられるその人間臭い愛憎劇はかつて日本のどこにでもあったはずの土着宗教や若衆制度がどういうものだったのかというものをまざまざと魅せつけてくれる。このお話をどこかの南海の昔語りとして受け取るのではなく、こうしたこうしたものが今でも我々の意識下の根底に流れているのだということにぼんやりとでも気づきながら鑑賞することによってその価値は倍増する。 今村プロ設立時の社員でもあった武重邦夫氏による撮影当時の手記が作品研究資料としてネット上に存在。その内容の量と濃さ故に鑑賞後の閲覧を是非お薦めする。 [映画館(邦画)] 7点(2014-03-31 07:10:21) |
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