1. 二十四の瞳(1954)
古臭い映画、という印象はどうしても拭えません。たびたび流れる唱歌が、余計にそう感じさせます。今の小学生には、ほとんど馴染みのない曲ばかりなのではないでしょうか。教科書的な印象も受け、それらを欠点として、5点以下の低評価を下している人が少なからずいるのもうなずけます。それでも、この映画は紛れもなく名作だと思います。例え古臭く、教科書的な内容であってもです。この映画が描く頃の日本は、今とは比較にならないほど厳しい時代でした。小学生の修学旅行に、自分で稼いだ金を出して行くなんて、今の子供たちに想像できるでしょうか。若い時に見てピンと来なくても、ある程度年齢を重ねてこの映画を見れば、今の時代の素晴らしさが必ず分かると思います。尺は2時間半と長めですが、山場(泣き所)が全体に散りばめられていたのも好印象です。単に他人に見て欲しいというレベルを超えて、後世に残すべき映画だと強く確信したことから、10点とさせていただくことにしました。 [DVD(邦画)] 10点(2015-03-15 21:14:27)(良:2票) |
2. 無法松の一生(1958)
《ネタバレ》 「無法松」というからにはもっとハチャメチャな人物を想像していたのですが、意外とまともで気骨ある人物だと思いました。その分、ストーリーは平坦に感じてしまったのが残念です。團伊玖磨の音楽も、変に力が入っていて耳に障る感じがしてしまいました。高峰秀子演じる吉岡婦人は、残酷な人だと思ったのは私だけでしょうか。 [DVD(邦画)] 6点(2014-10-05 22:09:55)(良:1票) |
3. ライムライト
チャップリンといえば、お馴染みの出で立ちでのサイレント映画、といった印象がやはり強いですが、この映画では宝石のようなセリフの数々に圧倒されました。この映画ほど、名言に溢れた映画を私は知りません。サイレントにこだわり続けた彼が、このようなトーキーの傑作を作ってくれたことに、心から感謝したいと思います。 [DVD(字幕)] 9点(2014-07-28 00:34:44) |
4. 愛情物語(1956)
非常に高いレベルでまとまっている映画だと思います。特に、最後のピアノのシーンには唸らされました。広くお勧めしたい映画です。 [DVD(字幕)] 9点(2014-06-21 18:21:29) |
5. 幕末太陽傳
名作の誉れ高い作品ですが、意外と面白くないというのが率直な感想です。せめて最後の場面は川島監督の構想通りであったなら印象がまた違ったのかもしれません。 [DVD(邦画)] 4点(2014-06-07 21:15:42) |
6. 私は貝になりたい(1959)
橋本忍の脚本はさすがで考えさせられる内容ではありましたが、所々能天気な音楽が流れたりして拍子抜けしてしまう場面があったのが惜しいです。 [DVD(邦画)] 5点(2014-06-07 21:11:33) |
7. 情婦
本サイトでの高評価でこの作品を知りましたが、予備知識無しで見ることができた私は本当に幸せ者だと思いました。セリフも演出もセンスが光っています。サスペンス好きの人をはじめ、もっと多くの人に見て欲しい映画です。 [DVD(字幕)] 10点(2014-05-18 01:17:51) |