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MJフォックスの名前の由来のポラートの演技はよかった。ところで当時の視点で見れば、ハックマンの演じる兄とクライドバローは、兄弟の絆を失いつつあると感じた。その無意味なじゃれあいなんか、気持ちを隠す材料のようにも。務所がえりのクライドの心理は、そうは単純ではない。ボニーの肉体を借りて世俗への慣れをはかろうとするもそうもいかない。バンクラバーを次々と重ねる本質は、どこにあるのか。おそらく、クライド自身もわからない。クライドは単純でいて短気な装いをしているが、務所を出たときから実は結末に向かう十字架を背負っているふうにも思える。銃弾の数云々よりは、ほんの瞬間クライドとボニーの瞳と瞳が見つめ輝きあう、あの閃光のような時間の停止がこの映画を永遠のものとしていると言える。人はだれしも弱い者、そしていかなる人生であってもあの一瞬で「愛」として結晶するからだ。
【トラヴィス】さん 10点(2003-06-16 11:16:56)
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