| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 んん?ジャン・ギャバン、感情移入出来ない、嫌な奴?そうかなあ、確かに女性関係に関しては、一般的尺度で測ればだらしないかもしんないけど、でもコソコソせず、堂々としているからあんまし嫌らしい感じはしなかったです。それに彼には執着心というものがない。破産寸前になってもジタバタせず、「じゃあ、山にでも住むか」とか言ってる様は本当の意味でエレガントで尚且つノンキ。何よりも彼はエンタテンメントに対する誠実さに溢れている(女性に対しては不誠実かもしんないけど)。何だかんだの後で無事フレンチ・カンカンが披露される中、舞台裏で満足げな表情を浮かべながら音楽のリズムに乗ってる所とか、良かったけどなあ・・・あと、この映画、なるせたろうさんが指摘している通り、芸の厳しさ、恋の厳しさ、人生の厳しさ(というか、残酷さ)を描いていると思うけれど、その上さらに「それでも人生は素晴らしい」ってなってる所が良いと思う。例えばあの、昔カンカンの踊り手だったけど今は物乞いをしてるおばあちゃんだって、きっと自分の人生を後悔したりしてないんじゃないかな。ヒロインにフラれた王子様にしても、きっと国に帰ってから好きでもない相手と結婚させられちゃったりするんだろうけど、そんでもパリでの思い出を胸に抱きながら生きてくのだろうし、パン屋の兄ちゃんにしても、ニニのお姉さんとこれからイイ感じになりそうだな~って事がさりげなく暗示されてるし。それにあのカンカンのクライマックスシーンでの観客(お金持ちから貧しい人まで)の歓喜の表情も良いよね。この作品、観る度に新しい発見があるけど(ってまだ二回しか観てないけど)、とりあえず、今はこんな感じです。<追記> それにしてもあの、「かぼちゃパンツ&黒のガーターベルト」っていう組み合わせは、何というか、なかなかオツですな。「メイド喫茶」ブームの後「フレンチ・カンカン喫茶」が来ないかなー。
【ぐるぐる】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-06-19 16:40:53)
ぐるぐる さんの 最近のクチコミ・感想
|