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この頃の旅芸人って、今で言うと全国ツアーを続けるインディーズ・バンドみたいな感じでしょうか(ちょっと強引だけど)?人気商売ではあるけれど、いわゆる「堅気」の商売ではない、という。多分この頃は現代のように「一億総中流化」でなく「上流階級」と「庶民」の差がはっきりしてたんでしょうね。さて、それはともかくこの作品で印象に残ったのは、それぞれの役者の「表情」でした。喜八役の坂本武や富坊(突貫小僧)の父親(名前が分からない・・・)の味のある演技は言うまでもありませんが、やはり注目は女優陣。喜八の愛人おたかを演じる八雲理恵子の、時に冷淡、時に妖艶な表情、おとき(喜八の息子を誘惑するが、後に本気で惚れてしまう)役の坪内美子の清純な表情も捨てがたいのですが、やはりワタクシは飯田蝶子を強く推したい!実は最初この人が喜八の「本妻」というのを知った時「ええ~っ!」と思ったのですが、おたかが彼女の家にやってきて「いつも親方がすいませんねえ」と言った時に、飯田蝶子がちょっと切ない表情を見せる一瞬のシーンが実にいい!ぶっちゃけた話、八雲理恵子は断然美人だし、飯田蝶子は菅井きんをちょっと若くしたような感じだけど、逆にそのせいでこのシーンの飯田蝶子が、一瞬とても美しく感じられるのです。これぞ映画の醍醐味。ビデオが出たらこのシーンだけ何度も巻き戻して観てみたい。
【ぐるぐる】さん 8点(2004-01-17 16:25:54)(良:2票)
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