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《ネタバレ》 良かった点はと言えば、例えばお城のゴシックな雰囲気であったり、衣装や美術、あるいは全体的な雰囲気の暗さだったり、そういう世界観というものが精巧に作られていて見応えがあるという点と、主人公が狼男へと変貌する際の骨格から変わっていく「ボキボキ」という変化の仕方、その押さえられない獣の情動、といったものがよく表現されていたと思う。ただ、変身しきってからの顔、あるいは全身が、言うならばいかにも着ぐるみという感じで、その点は少々残念。お話自体は、長く語り継がれる古典なだけあって深く切ない。弟を殺した犯人が実は父親で、その父親によって愛する母を殺され、そして自らその父と決闘して倒していく。自分は抑えが利かないので、愛する人に対して自分から離れてほしいと説得する。それはもう、言うならば悲劇の塊のような話ですよ。今のハリウッド映画に移し替えてるからあっさり風味ではあるけれど、やっぱりこのお話はとってもとってもダークで根が深い。人間の不条理の根の深さと同じように。
【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-10-25 10:13:12)
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