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《ネタバレ》 とってもいい映画だったと思います。2010年の邦画No.1と言ってもいいくらい。大抵の映画は、主人公に肩入れして他は飾りみたいなものが多いけど、この作品に出てくる登場人物は、一人残らず皆、共感が出来る。「悪人」というタイトルですから、観る前は当然、妻夫木君演じる清水祐一の悪行を見せつけられる内容なのかなと思いきや、そうではなかった。登場人物は、誰もが悪い面を持っていた。それは、人間誰しもが持ってる影の部分。それを等身大で、リアルに、そして丁寧に描かれており、だからこそ、全ての人に共感することが出来た。祐一の役柄を考えると、妻夫木君ではちょっとイケメン過ぎるようにも思えるけど、彼の持ち味であるキラキラした瞳を消して、やるせない一人の若者を頑張って演じきっていた。満島ひかりの嫌な女役も、岡田将生の憎たらしい男役も、樹木希林演じるどこにでもいそうなおばちゃん役も、みんなとってもハマり役で素晴らしかった。個人的には、娘を殺された父が圭吾に言い放った「そうやって一生、頑張る人をバカにして生きていけばいいんだ」の台詞が、現代人のシニシズムを痛烈に批判してるようで清々しかったです。
【あろえりーな】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-03-21 00:52:55)(良:3票)
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