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《ネタバレ》 とても淡白な作りで派手さは全くないのですが、こういった事実があったんだということを知らしめるためにも、この硬派な実録映画を作り上げる意義はあったと思います。長年、CIAエージェントとして国に尽くしてきた主人公のヴァレリー。彼女の働きにより、イラクの核兵器開発は事実無根であることが解るのだが、その事実は当時の政権によりもみ消しにされ、開戦してしまうことに。それに対し夫のジョーは事実を暴露しようとするけど、そこでこの夫婦が対立するわけですね。この対立が、いわばこのお話のミソという感じがします。普通に考えりゃ、彼らは正義であり事実を公表するべきなのですが、そうすると敵をどんどん増やすことになる。それに、彼らは公務員という立場ですからね。公務員が国家の意思に反逆したことをやるジレンマみたいなものがある。その行いは正しいけど、立場上どうなの、みたいな。でも、政権側が今度はヴァレリーがCIAの人間であることをリークするわけですね。ここで一気に判断が動いた。国のために尽くしてる人間を、国家が危険に晒したわけだから、そこで泣き寝入りする必要なんて無い。なにより、民主主義の大義がかかってる。戦争の大義はなくなったけれど、こうやって事実が現に暴かれて、そして映画になってるということ自体、アメリカの懐の深さを感じずにいられない。
【あろえりーな】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2012-09-05 19:30:23)(良:1票)
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