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《ネタバレ》 DVDのパッケージだけ見ると、ずいぶんと重そうな話だなと感じなかなか手が出せずにいたのですが、あの周防作品だからと思い借りて観てみることにしました。まず思ったのは、「人が苦しんでる様子」が凄くリアルだという点。こういうところのこだわりはさすがだなと感じました。確かに、この話においては、江木さんの普段の苦しみと、折井さんが自殺未遂したときに江木さんの苦しみを初めて理解出来たという点がとても大切なので、その苦しんでる様子というのは手が抜けないわけですね。んで、凄く伝わってくる。ただ、これといってドラマチックなことがあるわけでもなく、ずっと平坦にストーリーが進むのでだいぶ退屈しながら見ていたのですが、後半、検事との聴取のシーンからぐんと面白くなるわけですね。一気に娯楽になって、しかも観る人を考えさせる深いテーマに観客を巻き込んでいく。さすがは周防監督だなと唸らされました。やはり社会派の作品を撮らせたら、彼の右に出る者はいないんじゃないか。それだけ、問題提起がいつもしっかりしてますよね。確かに、折井さんも家族にきちんと話をしていなかったと思うし、落ち度はあるはずなんですけど、これが「殺人」なのか「尊厳死」なのかっていう点になると、なかなか割り切れない難しい話になる。その難しさを、映画という娯楽で見せて観客に考えさせる、その巧さに脱帽致します。
【あろえりーな】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2013-08-26 22:41:13)
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