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《ネタバレ》 ラストのデビーを家に送り届け、それを見届け去っていくジョン・ウェインの後ろ姿はとても印象的でしたね。残酷描写うんぬんという意見がありますが、私はむしろその逆で、惨殺一家の死体は映さない、スカーのとどめのシーンも映さない、イーサンの仲間が殺されるのも音だけで表現するといった様な、残酷に映りそうなシーンは極力見せない、紳士的アート的な見せ方だったと思います。こういう古典には、映画とは単に映しまくるだけではなしに、本来映さないことでよりうまく表現する力があるんだよ、ということを今に伝える要素があるように思えます。インディアンの差別描写といった意見もありますが、実際にこの当時というのは、白人の人はインディアンに対してそういった偏見というか、考え方があったんでしょう、それをそのまま描いてるだけであって、それは別に差別描写とは言わないような気がします。しいていえば、コマンチのスカー役の俳優が、誰がどう見てもインディアンではなく白人であるという点が気になります。この当時の映画というのは、例えばマーロン・ブランドが某作品で日本人役をやり、我々がそれを見て違和感を覚えるのと同じで、やっぱり先住民族が見たら「ぷっ!なんじゃこいつ」と思っちゃうんじゃないでしょうか。最後まで飽きずに見る事は出来ましたが、私はどうにも主人公イーサン・エドワーズの心理というものがよく掴めなかった。ジェフリーをおとりにするような事をしたかと思えば、彼に財産を託そうとする。デビーはもうコマンチの人間だと言って殺そうとしたかと思えば、最後には抱いて助ける。人間とは複雑なものだよと言われればそれまでですが、やっぱりどうにもよくわからない。私は西部劇の最高傑作とは思いませんが、見所の多い作品であることは間違いないでしょう。
【あろえりーな】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-09-01 23:04:38)
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